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2022年3月31日 [仕事関係のおさらい]

2月と3月に形となった仕事のおさらいです。

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まず、3月発売の『歴史群像』最新号。今回の担当記事は、第二次大戦末期の東部戦線で繰り広げられた、東プロイセンとケーニヒスベルクの戦いを、独ソ双方の視点で詳述します。どちらも今の地図には存在しない地名ですが、そうなった理由についても最後で説明しています。

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1945年のケーニヒスベルク攻略戦では、ソ連軍の方面軍司令官(上級大将)が前線視察中に戦死しましたが、普通は攻勢を仕掛ける側の将軍が戦死することは滅多にありません。しかし、今年2月24日に開始されたロシア軍のウクライナ侵攻では、ロシア軍の将軍や精鋭部隊指揮官がすでに6〜7人死んでいるとの情報です。近年の戦争では他に例がない、異様な展開になっている模様です。

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次に、前回の投稿で紹介した2月10日発売の新刊『第二次世界大戦秘史』(朝日新書)ですが、発売一週間で重版、発売から三週間後の3月3日にはさらに重版(三刷)が決まりました。買って下さった皆様、ありがとうございます。この本で提示した「大国対周辺国」の図式は、現在のロシア・ウクライナ戦争の構図を考えるヒントにもなるのでは、と思います。一日も早く停戦が成立することを祈ります。

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ネット媒体「プレジデントオンライン」に、『第二次世界大戦秘史』のあとがき(プーチンのソ連回帰志向などに言及)と同書で提示した「大国と周辺国」の図式でウクライナ危機を読み解く原稿を寄稿しました。これを書いたのは、ロシア軍の侵攻開始前日の2月23日で、最後に少し追記しました。

大国のパワーゲームではない…ロシアのウクライナ侵攻を報じる日本のメディアに欠けた視点

以下は、プレジデントオンラインの記事より。

「戦争や紛争の発生を事前に回避するためには、それを引き起こす『力学』と『構造』を関係各国が理解し、軍事衝突を引き起こす『力点』と『作用点』を交渉で制御する必要があります。そこでは、特定の当事国から見た『善悪』や『正義』の概念は万能ではなく、それらの概念への過剰な固執は、逆に戦争や紛争の回避を妨げたり、勃発してしまった戦争や紛争の早期収束を阻む障害になることがあります」「ロシアとの戦争回避を意図したウクライナの『NATO加盟構想』が、逆にロシアとの戦争を引き寄せる効果を生み出しているのは、皮肉な展開だと言わざるを得ません」


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雑誌「AERA」のネット媒体でも、『第二次世界大戦秘史』で取り上げた周辺国の大国への抵抗事例からロシア・ウクライナ戦争の構図を読むネット記事が公開されました。

過去の出来事が全てそのまま繰り返されることはありませんが、不透明な未来の道を探る手がかりとなる材料は、目を凝らせば見つかるはず。

「第二次世界大戦」中の和平交渉から学ぶ ロシアとウクライナの“妥結点”

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また、6月25日に朝日カルチャーセンターで【大国とは別の視点から第二次世界大戦を読む 『第二次世界大戦秘史』で光を当てた20か国の事例】というオンライン講座を行う予定です。

ヨーロッパの「周辺国」が、いかにして「大国」の横暴に立ち向かったかという事例を紹介します。

大国とは別の視点から第二次世界大戦を読む


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2月10日付の神奈川新聞朝刊に、私のインタビュー記事が掲載されました。テーマは、自民党政権が最近言及した「歴史戦」についてで、三年前に上梓した『歴史戦と思想戦』(集英社新書)で指摘した話を絡めて、その本質と目的を論じています。

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紙面のスペースをしっかりとっていただき、また重要なポイントを漏らさず記事に含めた構成で、読者や社内からの反応も良かったとのこと。しばらくしたら、政府はまた「歴史戦」という言葉を持ち出し、政策の既成事実化を図るでしょう。

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歴史問題を「日韓戦」や「日中戦」にすり替えて、日本人なら「日本政府側」に立つのが当然、そうしない奴は「反日」。冷静に考えれば、頭がどうかしていると気づくでしょうが、大声で威圧的に、集団の大合唱でこの妄言を繰り返せば、メディアも腰が引けて従います。けれども、歴史認識が政府の支配下に入ってどうなるかは、かつての大日本帝国や今のロシアが我々に教えるところです。

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その『歴史戦と思想戦』について、Zoomで収録した解説動画が、ネット媒体「デモクラシータイムス」のYouTubeチャンネルで公開されました。44分ほどありますが、産経新聞と安倍晋三グループ(日本会議なども含む)が盛んに展開する「歴史戦」とは何かを解説しています。最後では『第二次世界大戦秘史』の話にも少し触れています。

山崎 雅弘 歴史戦と思想戦【著者に訊く!】20220223

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上の画像は、デモクラシータイムスの『歴史戦と思想戦』動画で使うつもりで用意したものの、結局使わなかった説明画像3点。話した内容の一部を抜粋したものです。「歴史戦」の問題点、特に欺瞞のトリックと日本人および日本社会にとっての弊害の大きさを皆で理解するために、自由に拡散していただいて構いません。


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さて、昨年刊行された『「自由」の危機』(集英社新書)に寄稿した「守るべきは自由」の文章が、本年度の某大学の入試問題で使われ、入試過去問題として大学ウェブサイトにも掲載したいとの依頼が。もちろん快諾しました。小学校から大学まで幅広く使っていただいて嬉しく思います。自由の価値を理解する人が増えて欲しい。

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また、『歴史戦と思想戦』(集英社新書)の一部が某大学の入試問題に使用されたので、大学入試の過去問題集に収録したいという連絡もあり、もちろん快諾しました。既存秩序への無批判な服従を良しとする「権威主義」の風潮が広がる現状についても、若い人に考えていただけたら幸い。今の選択が将来を左右する。

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それから、「週刊朝日」2月25日号の「『週刊朝日』が報じた大正・昭和・平成の大事件」に、私のコメントも少し掲載されています。「大日本帝国時代のもの」は「大日本帝国時代以前のもの」に修正し、「皇室を」の前に「天皇や皇族よりも」を挿入して読んで下さい。

今日はこのあと、8月に出す予定の新書の原稿を仕上げ、明日からは5月に出る別の新書の再校ゲラの仕事に取りかかります。

下は、先日車で訪れた鳥羽の海です。

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2022年1月31日 [仕事関係のおさらい]

遅くなりましたが、2022年の幕が開けました。本年も、よろしくお願いいたします。今年は、久々に自著を何冊か出せる年になりそうです。

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一冊目は、2月10日発売予定の朝日新書『第二次世界大戦秘史』(朝日新聞出版)。従来、独英仏伊ソの五大国の視点中心で語られがちだった第二次大戦のヨーロッパ・中近東戦域について、ポーランドからイラクまでの関係国、計20か国それぞれの視点からも光を当てる内容です。

20か国の具体的な国名を挙げると、ポーランド、フィンランド、ノルウェー、デンマーク、オランダ、ベルギー、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、リトアニア、ラトヴィア、エストニア、ユーゴスラヴィア、ギリシャ、チェコスロヴァキア、イラン、イラク、シリア、レバノン、パレスチナになります。これら各国の政情や、第二次大戦期の立ち位置を読み解きます。

第二次大戦の原因や経過についての予備知識がない人にも、個々の周辺国の立ち位置が理解できるよう、序章では第一次大戦終結から第二次大戦終結までの五大国の動向と戦争の推移を、終章では戦後の欧州における各周辺国の歩みを解説しました。ヨーロッパ近現代史の学び直しにも最適な一冊です。

5月には、二冊目の新書が出る予定ですが、こちらも発売が近づいたら情報を告知します。その後は、発売時期は未定ですが、新しい本の執筆を二冊分始めており、できれば年内にどちらか、または両方を出したいと考えています。


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1月発売の『歴史群像』最新号ですが、私の担当記事は「第二次ハリコフ攻防戦」です。

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1942年5月に発生した、独ソ戦1年目の締めくくりとも言える、攻防の立場が数日のうちに急転回した戦いで、初年度の独ソ両軍の「力量の差」が勝敗を分けました。しかし、この戦いでのドイツ軍の勝利は、後にスターリングラードの大敗へと繋がる皮肉な展開に。


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また、Wezzyの連載「詭弁ハンター」の第13回が公開されました。今回のテーマは【日本人はなぜ権力者の詭弁を見抜けず 何度もだまされてしまうのか】。なぜ日本では詭弁が詭弁として認識されず、繰り返しだまされるのかを検証します。

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日本人が、権力者(企業の社長や幹部も含む)などの詭弁に弱い大きな理由として、「批判的思考」の弱さが挙げられます。実際、日本の小学校や中学校では、生徒の批判的思考力を伸ばす教育を十分にしておらず、そのような教育の重要度や必要性についても、社会で認識されているとは言えません。

日本人はなぜ権力者の詭弁を見抜けず 何度もだまされてしまうのか(Wezzy)/a>

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一年続いたWezzyの連載「詭弁ハンター」は、今回でいったん終了ですが、全13回の記事は引き続き閲覧できる状態なので、ぜひ日本社会でよく見かける「何かおかしい理屈」の欺瞞性を読み解くヒントにしてください。詭弁のパターンを認識すれば、類似の詭弁を見抜くのも容易になります。

山崎雅弘の記事一覧(Wezzy)


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あと、昨年11月にZoomで行った中島岳志さんとの対談が収録された『月刊 保険診療』(医学通信社)の2022年1月号も刊行されました。

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新型コロナ対応で露呈した、日本政府と日本型組織の問題点を、戦前〜戦中の事例や社会学上の観点で読み解く内容でした。中島さんとは戦前戦中の日本などに関する前提知識を共有できているので、対談はとてもスムーズに進みました。

中島さんとは隣町珈琲の旧店で一度ご挨拶しましたが、きちんとお話したのは今日が初めてでした。ありがとうございました。


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ところで、3年前の2019年5月に上梓した『歴史戦と思想戦』(集英社新書)が、久々にAmazonでカテゴリーのベストセラー1位になっていました。

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佐渡金山をめぐる安倍晋三氏らの動きと、NHK番組(1月27日放送の「シブ5時」)での「歴史戦チーム」紹介がきっかけだと思いますが、こういう危ない動きが出た時に、即座にその問題点を世に知らしめられる本なので、出しておいて正解だったと感じます。多くの人に「歴史戦」の欺瞞とトリックを知ってもらえたら、と思います。


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2021年11月30日 [その他(戦史研究関係)]

ギリギリ二か月ぶりの更新です。

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まず、9月6日に発売された「歴史群像」第168号。私の担当記事は「香港の第二次大戦」で、英統治下の香港に対する日本軍の軍事侵攻と占領統治について、英加両軍の公刊戦史を含む資料で解説しています。

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真珠湾攻撃と同じ日、日本軍がイギリス領の香港にも侵攻したことをご存知ですか? シンガポールと同様、戦後の香港でも大日本帝国の統治時代(「三年零八箇月」)は「苦難の時代」と見なされています。

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戦後の長い間、香港人の対日感情は良くありませんでした。イギリス軍公刊戦史やカナダ軍公刊戦史の戦況図を参照しながら書いているうち、また香港のあちこちに行きたくなってきました。


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11月6日発売の「歴史群像」第169号は、私の担当記事は「タリバンとアフガニスタンの30年」で、1990年代のタリバン登場から現在に至るアフガニスタンの紛争史を、タリバン側の動きを中心に読み解いています。

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今年5月〜8月の戦略的攻勢が成功した理由、アフガニスタンの戦乱とパキスタンでタリバンが誕生した経緯、米国との20年戦争の経過、パキスタン軍情報部(ISI)との繋がりなど、昨今の国際報道を読む上で参考になる情報を盛り込んでいます。

今回の原稿は、記事の冒頭にも記した通り、今から10年前の2011年秋、前後編の2回に分けて「歴史群像」誌の第109号と第110号に寄稿した、開始から10年が経過した米軍のアフガニスタン戦争を総括する記事と対になるものです。開始10年目の2011年秋の時点で、既に米軍のアフガニスタン戦争は袋小路に入って迷走する状態にあり、すでに撤退段階に移行していましたが、まさか実際に撤退が完了するまでさらに10年が必要になるとは、当時の私も予想しませんでした。米軍史上最長の戦争は、なぜ失敗と敗北に終わったのか。

その2本の記事を1本にまとめた電子書籍『米軍のアフガニスタン戦争』を、kindle版で発売中です(350円)。当時からさらに10年が経過した今、アフガニスタン戦争の全体像を振り返るのにお薦めです。

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電子書籍『米軍のアフガニスタン戦争』



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雑誌「GQ」11月号にも、久しぶりに寄稿しました。

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菅義偉氏の辞任を受けて書いた、総理大臣としての能力評価がテーマで、能力以上のポストについて弱点を露呈したロンメル元帥や、逆にポストが高まれば高まるほど能力を発揮したアイゼンハワー元帥との対比など、他ではあまり言及されない観点から、菅首相の実績を厳しく評価しました。



Wezzyの連載「詭弁ハンター」は、前回の更新以来、3回の記事が公開されました。

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第10回【憲法に基づく国会召集要求を「期限は書いてない」と拒否する詭弁術】

多くの人が批判する通り、臨時国会を開かない与党の言い分が憲法違反の詭弁であることを、論理面から検証しました。

記事本文より。「憲法第53条は、内閣に特定の義務を課す内容ですから、その義務を果たす期限を内閣自身が自由に決められる、というような解釈は、本来成立し得ません。そんな解釈が成立するなら、この条文自体、存在する意味のない空文になってしまうからです」「見送りという言葉は、本来は『義務ではないことを自分の判断で先送りにすること』を指す言葉で、課せられた義務を果たさない行為を『見送り』とは言いません。何かの罰金を科せられた人が、その支払いをしない態度を『支払の見送り』とは言わないでしょう」

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第11回【自分は判断される側なのに「何々には当たらない」と勝手に主張する詭弁術】

平井卓也前デジタル大臣の「全く国民の疑念を抱くものには当たらない」発言の読み解きですが、この言い方を広く使って定着させたのは、菅義偉元官房長官でした。

2017年6月14日、当時野党「自由党」に所属した山本太郎参議院議員は「菅内閣官房長官の『全く問題ない』、『批判は当たらない』などの答弁に関する質問主意書」を安倍内閣に提出しました。この時点でメディアがきちんと欺瞞を批判していれば、この詭弁が常態化することもなかったでしょう。

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第12回【「再調査するお考えは?」「その考えはない」という森友問題の本質を隠す詭弁問答】

自民党の政治家と政治記者が結託して繰り返す一見普通のやりとりが、国民の認識を誘導する詭弁であることを論証します。2020年7月17日〜19日に共同通信社が行った全国電話世論調査では、自民党支持者の71・7%、公明党支持者の85・5%も「政府は再調査する必要がある」と答えていました。ところが、政治報道は「再調査するか否かは、自民党の政治家が判断して決めていいもの」という誤謬を社会に広めています。


Wezzyの連載「詭弁ハンター」は、時事問題を扱っていますが、一週間や一か月で賞味期限が切れず、半年後や数年後にも読む価値を保つような内容を心掛けています。政治家が発する詭弁は特定の政権だけの問題ではないので、油断していれば国民は何度も騙され続けます。

ちょうど一年前にこの連載を始めた時、ネタがいつまで続くか少し不安な面もありましたが、もう12回目です。いまの日本社会は、人をあざむいてだます詭弁が横行しています。秩序を乱すことを怖れて詭弁を許す人が多い様子ですが、そんな傍観がますます事態を悪化させます。

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山崎雅弘「詭弁ハンター」記事一覧(Wezzy)


明日から12月ですが、来年2月に発売予定の新書(テーマは今までとは違った角度からの第二次世界大戦史)のゲラ(校正)チェックと収録地図の制作、来年4月発売を目指して執筆中の別の新書(『戦前回帰』の続編的な内容)の仕上げに没頭する予定です。


【おまけ】

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先日、奈良の曽爾高原へドライブに行きました。何年かぶりで、視界を埋めるほどの「金色の野」を目にしました。

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曽爾高原は、ススキの名所として知られる場所ですが、この日は草が紅葉していて、ススキのフワフワ感とのコントラストも美しかった。

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2021年9月1日 [その他(雑感・私生活など)]

7月と8月の主な仕事(ずっと続けている本の執筆等は除く)と出来事の報告です。

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まず、7月6日に「歴史群像」第168号が発売されました。今回の担当原稿は、第三特集の「金門島の戦い 1949」で、第二次大戦後の国共内戦(中国国民党と中国共産党の戦い)末期に台湾海峡の西側にある金門島で繰り広げられた激戦を、主に台湾の資料に依拠して読み解きました。

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金門島は現在も、中国と台湾の緊張で重要な意味を持つ場所です。

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金門島へは2013年に訪れたことがあり、上の写真は現地の博物館と海岸で撮影したものです。

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この記事では、日本の一部で信じられている「金門島の戦いの本当の指揮官は元日本陸軍中将の根本博だった」「根本が台湾を救った」等の「ストーリー」の信憑性についても触れています。「軍事顧問」という限られた役割の中で、まったく何の貢献もしなかったとは思いませんが、「当時の日本軍人を英雄視したい」という願望で、勝手に話を膨らませて戦勝の手柄を奪うのは、実際に戦って共産党軍を撃退した国民党軍の将兵と台湾の人に失礼な態度です。



ネット記事のWezzy連載「詭弁ハンター」は、第8回と第9回が公開されました。


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第8回のテーマは「説明責任放棄の呪文と化した『丁寧に説明する』という詭弁」。「丁寧に説明する」という言葉は、現首相や前首相が何かにつけて口にするため、聞く方も慣れてしまい、これの何が問題かわからなくなっている様子ですが、改めてこの詭弁の問題を論考しました。以下、一部抜粋。

「安倍氏や菅氏が語る『丁寧に説明していく』とは、実際には「お前ら下々の国民に説明することなど何もない』という意味です」「また、民意を無視して政府中枢の一部の人間が密室で物事を決め 、国民は『決まった後で政府の説明を聴くだけ』というのは、民主主義ではなく、独裁国でよく見られる光景です」

【記事】説明責任放棄の呪文と化した『丁寧に説明する』という詭弁

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第9回のテーマは「『始まったからには東京五輪応援を』という、善意につけ込む詭弁術」。東京五輪開幕と同時にあちこちから出始めた「始まったからには東京五輪応援を」という文言が、実は「善意につけ込む詭弁術」であることを論証しています。以下、一部抜粋。

「この詭弁に誘導されそうになったら、いったん立ち止まって、医療関係者の『声』を思い出しましょう。そうすれば、『始まったからには』という言い方が『煙幕』のような詭弁だと気づく」「医療関係者の声に耳を傾け、国民の命と健康を守るために東京五輪の中止を政府に求める。それは、東京五輪が『始まってから』言い続けても全然おかしくはないのです」

【記事】『始まったからには東京五輪応援を』という、善意につけ込む詭弁術



また、7月は「Choose Life Project(CLP)」というネットメディアの番組に、2回出演しました。

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7月22日は、「コロナ禍の五輪開催を考えるVol.5: なぜ私たちは反対の声をあげるのか」という番組で、せやろがいおじさんの進行に沿って様々な立場の人が「東京五輪の開催に反対する理由」を説明する内容でした。

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その中で、私も10分ほど時間をいただいたので、「なぜ東京五輪を今からでも、開幕した後でも中止すべきなのか」「日本政府の東京五輪ゴリ押し開催からどんな問題が読み取れるのか」「なぜ民意無視・人命軽視の開催強行を国民が追認してはいけないのか」などを話しました。
【動画】コロナ禍の五輪開催を考えるVol.5: なぜ私たちは反対の声をあげるのか

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7月27日は、「コロナ禍の五輪開催を考えるVol.6: メディアの役割とは何なのか?」という番組で、小島慶子さんの司会で二人のジャーナリストの方と共に、平時とは違う「非常時」に、メディアがやるべきこと、メディアがやってはいけないこと等について、意見を述べました。

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【動画】コロナ禍の五輪開催を考えるVol.6: メディアの役割とは何なのか?



8月15日、アフガニスタンの首都カブールに、タリバン勢力が事実上無血で入り、2011年から20年続いたアメリカ軍のアフガニスタン戦争は、完全な敗北に終わりました。

今から10年前の2011年、前後編の2回に分けて、開始から10年が経過した米軍のアフガニスタン戦争を総括する記事を「歴史群像」誌に寄稿しました。その2本の記事を1本にまとめた電子版記事『米軍のアフガニスタン戦争』は、アマゾンkindle版で発売中(350円)。さらに10年が経過した今、全体を振り返るのにお薦めです。

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【電子書籍】米軍のアフガニスタン戦争(六角堂出版)




8月24日には、竹田恒泰氏が私に対して起こした裁判の控訴審判決が、東京高裁で言い渡されました。

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一審に続き、こちら側の全面勝訴でした。

ご支援いただいた皆様、ありがとうございました。

下は、東京高裁で言い渡された判決文の一部抜粋です。控訴審の判決文は、原判決(一審判決)の内容に修正を加える箇所が多いですが、画像の抜粋部分は全て、控訴審の判決で東京高裁の裁判官が新たに修正または追加された文章です。

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判決文のPDFは、今回も近日中に支援する会のサイトで公開します。


一審に続いて控訴審判決も、時事通信がいち早く報じて下さいました。

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作家の竹田氏、二審も敗訴 差別指摘は「公正」東京高裁(時事)
「ツイッターで『差別主義者』『いじめの常習者』などと指摘されたのは名誉毀損(きそん)だとして、作家の竹田恒泰氏が紛争史研究家の山崎雅弘氏に550万円の損害賠償と投稿の削除などを求めた訴訟の控訴審判決が24日、東京高裁であり、高橋譲裁判長は「各ツイートは公正な意見論評の表明』とし、竹田氏側の控訴を棄却した」「高橋裁判長は、竹田氏が書籍やツイートで中国や韓国に対し攻撃的、侮蔑的表現を多数使用したと認定。山崎氏の投稿は『(竹田氏の)言動や表現方法から導かれる意見論評として不合理と言えない』と結論付けた」「一審東京地裁も今年2月、山崎氏の投稿を『公正な論評で違法性を欠く』として、請求を棄却していた」


【記事】作家の竹田氏、二審も敗訴 差別指摘は「公正」東京高裁(時事)


東京新聞と神奈川新聞、弁護士ドットコム・ニュースでも、判決を記事にして下さいました。

竹田恒泰氏、名誉毀損訴訟の控訴審でも敗訴 差別指摘投稿は「公正な論評、意見の表明」(東京新聞)
「高橋裁判長は、竹田氏がツイートや著書で中国や韓国に攻撃的、侮辱的な表現を多数使っていたと認定。山崎氏の投稿は『意見・論評として不相当・不合理とまでは言えない』」


【記事】竹田恒泰氏、名誉毀損訴訟の控訴審でも敗訴(東京新聞)

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竹田恒泰さん、二審も敗訴 「差別主義者」ツイートは名誉毀損にあらず「公正な論評」(弁護士ドットコム・ニュース)

明治天皇の玄孫(やしゃご/孫の孫)で作家の竹田恒泰さんが、「差別主義者」などとツイートされたことで名誉を傷つけられたとして、戦史研究家の山崎雅弘さんに損害賠償などをもとめていた裁判で、東京高裁(高橋譲裁判長)は8月24日、竹田さんの請求を棄却した一審判決を支持し、控訴を棄却した。一審の東京地裁と同じく、ツイートを「論評」と認めた控訴審判決を受けて、山崎さんは「私の一連の投稿が、社会から差別をなくすという公益に寄与する公正な論評だと認められました」とコメントした。


【記事】竹田恒泰さん、二審も敗訴 「差別主義者」ツイートは名誉毀損にあらず「公正な論評」

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新型コロナの感染は、いまだ収束の兆しを見せず、私の住む三重県も緊急事態宣言の適用地域となってしまいました。デルタ株の感染力は強く、換気の悪い空間で空気(エアロゾル)による感染も報告されているようです。皆様も、どうか気を緩めず、ご安全にお過ごしください。


【おまけ】

三重県名張市には、青蓮寺湖とひなち湖という二つの人造湖があり、それぞれ大きなダムでせき止められています。

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その一方であるひなちダムを下から見ると、「進撃の巨人」の壁そのもの、という気分に浸れます。てっぺんを見上げていると、調査兵団の面々が、立体機動装置で降りてきそうな雰囲気です。

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2021年6月30日 [その他(戦史研究関係)]

隔月更新が常態化していますが、5月と6月のおさらいを。

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5月6日に「歴史群像」誌の6月号(第167号)が発売されました。私の担当記事は「クロアチアの第二次大戦」。ユーゴスラヴィアの一構成地域だったクロアチアは、ドイツ軍による占領後に枢軸国として独立を許され、戦前からムッソリーニの支援を受けていた右派の民族主義勢力が政権を握りました。

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同政権は、民族差別政策と大量虐殺を実行。また、ドイツ軍に連隊規模、イタリア軍に大隊規模の義勇兵を派遣し、前者の第369クロアチア義勇歩兵連隊はスターリングラード市街戦にも参加したのち、ドイツ第6軍と共に包囲されて壊滅しました。

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今回、ナチ党の正式名称をどう訳すかでいろいろ悩みましたが、ドイツ史にもナチス問題にも造詣が深い、日本語が堪能なドイツ人の友人にも相談した後、「国民に対する国家秩序と国家指導部の絶対的優越」等を鑑み、従来通り「国家社会主義」としました。ちなみに、ドイツ語での「国歌」は Nationalhymneです。


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6月17日には、集英社新書のアンソロジー本『「自由」の危機』が発売されました。私の担当原稿の表題「守るべきは自由」は、著書にサインを求められた時に、いつも添えている言葉です。内田樹さんはじめ、他の寄稿者の方々による原稿も興味深い内容です。

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横暴で不条理な力に自分を変えられないために、しぶとく図太く、自由を守り続けましょう。


ネット媒体「Wezzy」の連載「詭弁ハンター」では、5月初めに第6回が、6月初めに第7回が公開されました。

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第6回のお題は「唐突にウイグル問題を持ち出す『ウイグル話法』。この詭弁の目的と弱点を解き明かす」です。一見もっともらしい、しかし実際には相手を黙らせることが目的の詭弁に、どう対処すべきか。

唐突にウイグル問題を持ち出す「ウイグル話法」。この詭弁の目的と弱点を解き明かす

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第7回のテーマは「聞けば聞くほど『不安』になる、『安全・安心』という詭弁」。本来、異なる次元の言葉である「安全」と「安心」ですが、2つをくっつけることで疑問や批判を抱きにくいマジックワードに変化します。

聞けば聞くほど「不安」になる、「安全・安心」という政府の詭弁

記事より一部抜粋。「このように、『安全』と『安心』を切り離して考えれば、現実に即した使われ方をしているかどうかを簡単に判別できますが、この二つを繋げて『安全・安心』という形で使われると、論理的にあやふやな概念に変化し、現実に即した使われ方をしているかどうかが判別しにくくなり…」

記事の末尾には、第1回から第7回の記事に飛べる一覧のリンクが付加されました。この連載の目的は、社会に氾濫するもっともらしい詭弁に対する「免疫」をみんなでつけて、強い力を持つ者にだまされないようにしよう、というもので、シリーズ名を「詭弁ワクチン」としてもよかったかな、と思います。


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6月13日付の「しんぶん赤旗 日曜版」に、私のインタビュー記事が掲載されました。既に他の人が指摘されている論点と重なる箇所もありますが、重要な論点は何度でも繰り返し指摘しないといけない。このインタビューはメールで行いましたが、一部割愛されているので、完全版をそのうちnoteで公開します。

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2015年に上梓した『戦前回帰』等で、安倍政権下の日本社会は精神文化が戦前(昭和の大日本帝国)に近い方向へ回帰していると指摘しましたが、政治権力を中心に精神文化が戦前(昭和の大日本帝国)に回帰したあと、新型コロナという感染症で国内が「非常時」になれば、意思決定のパターンが戦前から戦中のそれへと移行するのは当然の成り行きです。「戦前回帰」の段階で社会が甘く見た結果、戦中同様の誤謬と災厄が国民に降りかかっているようにも思えます。

日本国内の新型コロナ感染は、いまだ好転したとは言えない状況ですが、皆様もどうか油断せず、お気をつけください。

【おまけ】

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先日、名張市内で運良く遭遇できた虹です。近い場所にできた虹で、アーチが大きすぎて全体を写真に収めることはてきませんでした。よく見ると、アーチの内側は外側より少し明るい。
 
 
 
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2021年4月30日 [その他(戦史研究関係)]

もうじき4月も終わりということで、この2か月の仕事のおさらいです。

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まず、今年3月に雑誌『歴史群像』の2021年4月号が発売されました。私の担当記事は「グレナダ侵攻 1983」です。

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東西冷戦期にレーガン政権下のアメリカが行ったカリブ海の小国への軍事侵攻と、それが起きた政治的背景、そして戦場で露呈した米軍の組織的問題を、政治と軍事の両面から読み解きます。国民に人気があった同国指導者が殺され親ソ派軍事政権が誕生、そこでは3000メートル級の滑走路が建設中、それにレーガン政権が反応。中国が南沙諸島で進める飛行場建設との類似点と相違点にも触れています。


週刊誌の『AERA』4月26日号掲載の「総理と私たち 本当は対等なのに 過剰な尊敬語に違和感」という記事に、私もコメントを寄せています。

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ある時期以降、日本人の意識が過剰に「秩序の上位者」に対してへりくだるようになり、それがメディアの報道にも悪影響を及ぼしていると感じます。

この『AERA』の記事は、ネット版も公開されました。この問題は、単独で存在するものでなく、大きな「社会の病理」の一部として捉えるべきだと思います。日本以外のG7加盟国で、政治報道人がこんなことをしている国はないはずです。

「総理がおっしゃる」テレビの過剰な尊敬語に違和感 メディアと「対等」なのになぜ?(AERA)


ネット媒体の記事では、「Wezzy(ウェジー)」の連載「詭弁ハンター」の第4回と第5回が公開されました。

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第4回の表題は【総務省幹部らの不正疑惑、逃げ台詞の「記憶にありません」を封じる追及法とは】。

今も国会で盛んに用いられている、一見万能に見える逃げ台詞の「記憶にありません」ですが、実は穴もあります。

総務省幹部らの不正疑惑、逃げ台詞の「記憶にありません」を封じる追及法とは(Wezzy)

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第5回は「報ステWebCM騒動」と「杉田水脈議員の女性蔑視発言」を例に、日本社会にはびこる差別擁護の欺瞞的な詭弁を構造的に読み解きます。

「何々の意図はなかった」と「誤解を与えたならお詫びする」という合わせ詭弁は、今では政治家や大企業の常套句となりましたが、こういう発言が許されるのは「現行秩序で強い側に立つ者だけ」と気づいておられますか? これは差別的構造の温存に使われる詭弁だ、という認識を共有しましょう。

繰り返される「何々の意図はなかった」と「誤解を与えたならお詫びする」という合わせ詭弁(Wezzy)


また、講談社のネット媒体「現代ビジネス」にも、記事を寄稿しました。主題は「なぜ日本政府と地方首長の新型コロナ対応が戦時中の現象と似てくるのか」。

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国民の命よりも「国策」を優先する姿勢、状況悪化の責任を国民に押し付ける指導部、際限なく国民に課せられる「努力義務」の数々、明確な戦略がなく初期の方針に固執し続ける頑迷さ…。戦時中の大日本帝国と現代日本の表面的な「現象の類似点」だけでなく、「構造的な共通点」こそが重要で、深刻だと思います。

なぜ日本政府と地方首長の新型コロナ対応が「戦時中」と似てくるのか(現代ビジネス)


それから、私の原稿ではありませんが、竹田恒泰氏が私を訴えた裁判での私側の完全勝訴判決の内容について、ネット媒体の「リテラ」が詳しく紹介して下さっています。

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竹田恒泰が山崎雅弘を訴えた裁判で完全敗訴も控訴! 東京地裁が竹田の「差別主義」「自国優越思想」を認めた判決文を改めて紹介(リテラ)


さて、3月28日に「インテックス大阪」でテーブルゲームのイベント「ゲームマーケット大阪」が開催されました。

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私は、友人の古角博昭さんの「サンセット・ゲームズ」のブースを間借りして、「歴史群像」誌の付録ボードゲーム4種(数量限定)と、学研M文庫の戦史本各種(値引き)、SA別冊「パンツァークリーク」「突撃レニングラード/スターリングラード」の本誌のみ(日本語ルール等を収録)、「スターリングラード攻略」の和訳などを販売しました。

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歴史群像付録ゲーム4種を一緒に並べて売るのは最初で最後になると思い、これら全てのゲームのテストプレイとディヴェロップを手伝ってくれた古角さん、石田博さんと3人で記念写真を撮りましたが、古い方の2種(「ミッドウェー海戦/日本海海戦」と「モスクワ攻防戦/バルジの戦い」)が完売しました。

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会場では、久しぶりにボードゲーム業界/コミュニティの古い友人たちと会っていろんな話ができ、楽しかったです。

日本国内での新型コロナの感染拡大は、歯止めがかかっていない様子で、特に大阪は深刻な事態のようですが、皆様も、どうかお気をつけください。


【おまけ】

少しタイミングがずれましたが、今シーズンの名張の桜です。

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2021年2月25日 [その他(戦史研究関係)]

やろうやろうと思いつつ、今年に入って最初のブログ更新は、2月の下旬になってしまいました。すいません。

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まず、今年1月に雑誌「歴史群像」の2021年2月号が発売されました。私の担当記事は、第3特集の「ワルシャワ蜂起 1944」です。

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第二次大戦終盤のワルシャワで発生し、仲間であるはずの連合国陣営の大国の思惑に翻弄された揚げ句、無残に粉砕された、ポーランド人抵抗組織の反ドイツ蜂起の顛末を、政治と軍事の両面から読み解いています。

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1939年にドイツとソ連に分割併合された後のポーランド国内で少しずつ規模を拡大していった反ドイツの抵抗組織と、蜂起に至る内部での議論(および前哨戦としての1943年の「ワルシャワ・ゲットー蜂起」)、ソ連とイギリスの思惑、蜂起開始後における戦闘の経過、ポーランド抵抗組織側が捕獲したドイツ戦車(パンターとヘッツァー)の動き、ドイツ軍が投入した特殊戦車(シュトルムティーガーなど)と特殊兵器(ボルクヴァルトなど)、そして悲劇的な結末と、戦後のポーランドにおける蜂起の位置づけなど、この歴史的出来事を多面的に描き出しました。

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今でこそ、ワルシャワ市内のあちこちに蜂起の戦士を称える記念碑や博物館等があります(写真は2009年12月に現地で撮影)が、蜂起の主体であったポーランド国内軍(AK)は1989年に冷戦が終わるまで、ソ連を親玉とする「東側諸国」の一員だったポーランドでは批判の対象でした。つまり、言論と学問の自由がありませんでした。


次に、2月13日付の毎日新聞朝刊に、電話取材で伝えた「森喜朗事件(女性蔑視などの発言により東京五輪組織委会長を辞任)」に関するコメントが掲載されました。

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森喜朗氏個人の話ではなく、森氏が象徴する「森喜朗(さん)的秩序」の根深さについて、思うところを述べました。この出来事は、現在の日本社会が直面する「閉塞と停滞感」の縮図であり、今まで隠れていた膿に日の光が当たったようなものだと思います。

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ネット版の記事もありました。森喜朗氏の五輪組織委会長辞任は、問題解決の第一段階で、それ自体に意味はありますが、本質的な問題の解決はまだまだ先。森氏一人だけ除去されても「森喜朗(さん)的秩序」が続くなら、また同じことが繰り返され、日本は後進国に衰退していくでしょう。

五輪組織委・森会長辞任 戦史・紛争史研究家 山崎雅弘氏


また、ネット媒体「Wezzy」の連載企画「詭弁ハンター」の第3回が公開されました。

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今回のタイトルは【本当はこわい「控えさせていただく」という詭弁。強者と弱者を固定化するマジック】

一見すると謙虚な印象のある「控えさせていただく」という詭弁には、実は恐ろしい毒が仕込まれています。

本当はこわい「控えさせていただく」という詭弁。強者と弱者を固定化するマジック

Wezzyの連載企画「詭弁ハンター」のテーマは、現在の日本社会、とりわけ政界にはびこる詭弁を一つずつ解析し、構造を読み解き、同種の詭弁にだまされにくくなる「論理の免疫」を読者に提供しようというもの。報道記者の方にも、政治家や官僚の言葉の裏を読む際のヒントにしていただればと思います。



それから、2020年4月30日の投稿で少しお伝えしました、竹田恒泰氏が私を告訴した民事裁判ですが、2月5日に東京地裁で、判決が出ました。

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こちら側の主張が全面的に認められた勝訴でした。

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応援や励まし、ご支援をいただいた皆様、ありがとうございました。

この裁判の判決については、判決文の全文をPDFで公開しています。弁護士などの法律の専門家と、私を含む非専門家では、読み取れる情報も異なると思いますが、多くの方の目に触れる形にするのが公益に資すると判断しました。

【判決文】

また、昨年11月に、今回の裁判で提出した陳述書と被告側準備書面をいくつか公開しています。判決文と合わせてお読みいただくと、竹田恒泰氏が著書やネットでどのような差別的言説を発信し、どのような「論法」でそれを「差別ではない」と言い張ったのかを理解できると思います。

【陳述書】原告の「これは差別ではない」という主張について

こちらも昨年11月に公開した陳述書で、竹田恒泰氏自身が「中止になった富山県朝日町で話す予定だった内容と同じ」と宣言してネットで行った講演について、問題点を検証したものです。一見人畜無害に思える「自国優越思想」が、実は差別思想と表裏一体だと論証しています。

【陳述書】原告が予定していた朝日町の講演内容について


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この裁判の判決が出た後、弁護士の佃克彦さん(日本における名誉毀損裁判の第一人者で、名誉毀損裁判に関する著書も上梓されています)と、私の法廷闘争をさまざまな面で支援して下さった内田樹さんと共に、判決内容についての記者会見を行いました。判決の要旨と記者会見の模様は、時事通信と東京新聞が記事にして下さいました。


差別指摘は「公正な論評」 作家の竹田氏敗訴 東京地裁(時事)

「前沢達朗裁判長は投稿について『公正な論評で違法性を欠く』と述べ、請求を棄却した」「前沢裁判長は、竹田氏が著書で『(中華民族は)民度の低い哀れむべき方々』と記したことや、『韓国は、ゆすりたかりの名人』とツイッターに投稿したことなどに触れ、山崎氏の投稿は人権侵害や差別が広がることを懸念した公益目的があり、『相応の根拠がある』と判断した」「同日、東京都内で会見した山崎氏は『公正な判断。著名人が公然と特定の民族を差別する今の社会は危険だ』と訴えた」


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差別指摘投稿は「公正な論評」 名誉毀損訴訟で竹田恒泰氏敗訴<東京地裁判決>(東京新聞)

「判決は、竹田氏が『笑えるほどたちが悪い韓国の話』と題する著書などを出したり、『韓国はゆすりたかりの名人』『韓国が慰安婦の像を作るなら、日本は嘘をつく老婆の像でも作ったらどうだ』などと投稿したことに触れ、『竹田氏が元従軍慰安婦に攻撃的・侮辱的な発言を繰り返し、在日韓国人・朝鮮人を排除する発言を繰り返していることに照らせば、発言を人権侵害の点で捉える相応の根拠がある』と指摘」「名誉侵害には当たらないと判断した」「判決後、東京都内で記者会見した山崎氏は『公正な判断が出た。社会にはびこる民族差別に反論できるアクションになった。(国や自治体が)普段、差別的な言説を社会に拡散するような人物を招き、中高生に講演を行ったり、自衛隊の幹部候補生の前で話をさせたりすれば、差別的な主張が伝播する可能性ある』と指摘した」


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東京新聞のYouTubeチャンネルでは、佃さん、内田さんと私が行った記者会見のノーカット動画も公開されています。

竹田恒泰氏、ツイッターでの名誉毀損訴訟で敗訴 勝訴した山崎雅弘さんらの会見

原告の竹田恒泰氏は、この判決を不服として控訴した模様ですが、2020年4月30日の投稿でも述べた通り、私はこの件で人間として恥ずべきことは何もしておらず、控訴審で負ける要素も見当たらないと理解していますので、引き続き、毅然とした姿勢で対処していきます。

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【おまけ】

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裁判の判決を聞くために久しぶりに上京した際に、新幹線の車窓から撮った富士山。行き(2月4日:上)も帰り(6日:下)も快晴で、素晴らしい眺めでした。
 
 
 
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2020年12月31日 [その他(雑感・私生活など)]

うかうかしているうちに、2020年も最終日となってしまいました。先月もあれこれ忙しくて、ブログ更新の機会を逸しました。ということで、まず11月の出来事から。

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11月6日、「歴史群像」誌の12月号が発売されました。私の担当記事は「フランス領インドシナの第二次大戦」で、日本軍関係の戦史や昭和史の本にも「仏印」という名称で断片的に登場する、東南アジアのフランス植民地(現在のベトナム・ラオス・カンボジア)の第二次大戦(特に日本軍の軍事行動)との関わりを概説しています。

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1933年に始まった、日本とフランスの南沙諸島(現在、中国と周辺諸国およびアメリカとの間で紛糾の的となっている領域)の領有権争い等にも触れています。

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1941年12月に米英と戦争を始める際、東條首相は「アジア植民地の解放」を大義名分としましたが、1940年6月に本国政府がドイツへ降伏したあと枢軸国寄りの立場をとるフランスの植民地統治はそのまま尊重し、協力関係を築いて仏印の領土を兵站と航空機の基地として利用しました。つまり、ベトナム人等の独立運動を支援せず、逆に弾圧する側に立っていました。

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歴史群像」誌12月号の読者コーナーには、10月号に寄稿した「済州島4・3事件」と「歴史ボードゲームの楽しみ方」の記事への感想が寄せられていました。伝えたいことが読者にちゃんと伝わっている事実を知る時、筆者として大変うれしく思います。


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11月15日には、晶文社から内田樹さん編のアンソロジー本『ポストコロナ期を生きるきみたちへ』が刊行されました。既存の社会システムの枠組みがあちこちで崩れて不安な気持ちになっているかもしれない中高生向けのメッセージ、という企画で、以前から若い世代に伝えたいと思っていたことを書きました。

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本の企画は「中高生向け」ですが、私はほとんど「いまの中学生」を念頭に置いて書きました。私が中学生だった頃、教師の振りかざす「内申書という脅しの武器」に萎縮して、振る舞いが縮こまっていった友人たちを思い出しながら。当時のそんな教育が、いまの日本社会の「あれやこれや」の原因でしょう。

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もちろん、一般の書店に並ぶ本ですから、同年代を含む「大人」の方々にも読んでいただきたいと思いつつ、今後の社会で必要になる「能力」を自分でみがく必要性についても論じました。これが正解だ、というような、マニュアル的な「答え」は何も用意していませんが、ぜひご覧いただければと思います。

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この本に関連して、私と同じく寄稿者の一人である青木真兵さん、奥さんの海青子さんのお宅(奈良県東吉野村にある人文系私設図書館「ルチャ・リブロ」)で11月29日に収録した1時間ほどの鼎談が、以下のサイトで公開されています。

【ポスコロ期】いつも心に反抗を

過去にも何度か、同ネットラジオに出演していますが、今回は『ポスト・コロナ期を生きるきみたちへ』に寄稿した内容を軸に、自由や教育、批判や反抗が必要な理由などについて話しました。

私の担当記事のタイトルにある「図太く、しぶとく」という言葉は、私の心構えであるのと共に、新聞記者や教師を含む友人を励ます時にもよく使っている言葉です。理不尽や不条理と対峙し続けるのは大変ですが、ただ「お互い頑張りましょう」でなく「図太く、しぶとくでいきましょう」と。

「図太く、しぶとく」という言葉は、ちょっとワイルドな感じの表現ですが、この後に「礼儀正しく」を付け加えると、より私の真意が伝わるかと思います。「図太く、しぶとく」と「礼儀正しく」は両立可能で、後者が前者の説得力を増すはず。人は本来、もっと図太く、しぶとく生きていいはずなんです。

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12月に入ると、以前にインタビューを受けたことのある「Wezzy(ウェジー)」というネット媒体で「詭弁ハンター」という連載コラムがスタートしました。

日本の社会を徘徊して、いろいろなものを破壊する「詭弁」という怪物に光を当て、その構造を解剖して読み解き、だまされないような免疫を皆で共有するのが趣旨です。昔は、ジャーナリズムがこうした「人の認識を歪ませる権力者の詭弁」を見抜く役割を果たしていたはずですが、最近はもう期待できないので、市民側が自衛するしかありません。

12月5日に公開した第1回の記事は、「菅首相の国会答弁に隠された『5つの詭弁』を読み解く」というもので、日本学術会議の任命拒否に関連して、菅義偉首相が2020年11月25日の参院予算委員会で述べた、短い答弁に仕込まれた「5重の詭弁」を読み解く内容です。

菅首相の国会答弁に隠された『5つの詭弁』を読み解く

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12月30日に公開した第2回の記事も、「日本学術会議問題を『首相機関説』で読み解く」というテーマで、過去の「天皇機関説」を踏まえた「首相機関説」という観点から、任命拒否を正当化する菅首相の詭弁を読み解きます。

日本学術会議問題を『首相機関説』で読み解く

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12月28日には、22日に東京の隣町珈琲で収録した平川克美さんとの「ラジオデイズ」の対談「政治家とメディアのレゾンデートル」の音源がリリースされました。

特別対談「政治家とメディアのレゾンデートル」

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冒頭で、平川さんとの対談が3回目か4回目と言いましたが、7回目でした(うち1回は想田和弘さんを交えての鼎談)。今の報道メディア、特に政治部の問題点についても、率直に思うところを述べました。

今回を含めた7回の対談音源は、下のページで一覧できます。

ラジオデイズ 山崎雅弘(1〜7)

タイトルを見ると、メディアやジャーナリズムの話題が多いですが、過去の歴史を振り返ると、政治の腐敗と暴走は「報道メディア/ジャーナリズムの弱体化」が原因で起きる場合が多く、メディアの社会的責任は重いです。

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2020年は、公私共にいろいろな出来事があった年で、予定していた外国旅行(6月のイタリア、10月の台湾、11月の韓国)のキャンセルを強いられたのは残念でしたが、過去にデザインした歴史ボードゲームがアメリカと中国のメーカーから出版されたり、さまざまな面での収穫も多い一年でした。

来年も、仕事やそれ以外の活動で、今の自分にできることを考えながら、ベストを尽くす所存です。どうかご支援のほど、よろしくお願いいたします。

それでは、皆様も、よいお年を!

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(2020年12月21日に新幹線の車窓から撮影した富士山。この時は、まだ冠雪がありませんでした。)
 
 
 




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2020年10月31日 [その他(戦史研究関係)]

久しぶりに、アマゾンKindleで電子書籍を3冊刊行しました。このシリーズのほとんどは、雑誌「歴史群像」に寄稿した記事を自分で電子書籍化したもの(一部は加筆修正)です。

1冊目は第73巻『インドと第二次大戦』で、戦前から続くインド国内の独立運動(戦後の独立はこの地道な運動の成果)と、英連邦軍で戦ったインド軍部隊、日本軍に協力した反英インド人義勇兵らの足跡を俯瞰的に振り返る内容です。

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『インドと第二次大戦』(Amazon)


2冊目は、第74巻『ビルマと第二次大戦』で、インドと共にイギリス植民地だったビルマが第二次大戦に巻き込まれた経緯(日本軍が蒋介石への物資輸送ルート遮断)と、日本軍を信用して協力し、のちに裏切られ、最後は反乱を起こしたアウンサンらビルマ独立派の足跡を追います。

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『ビルマと第二次大戦』(Amazon)


3冊目は、第75巻『モンゴルと第二次大戦』で、モンゴル人民共和国(外蒙古)と満洲国西部(興安各省)、中国の内蒙古の三つに分断されたモンゴル人各勢力の足跡を、俯瞰的にたどる一冊です。最近、中国の内蒙古自治区で起きた出来事も、最後に少し追記しました。

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『モンゴルと第二次大戦』(Amazon)


以下、電子書籍の今後の続刊予定です。

第76巻 『ギリシャと第二次大戦
第77巻 『中近東諸国と第二次大戦
第78巻 『オーストラリアと第二次大戦
第79巻 『オランダ・ベルギーと第二次大戦
第80巻 『イタリア内戦 1943-45
第81巻 『中国のドイツ軍事顧問団
第82巻 『アヘン戦争

イタリア内戦 1943-45』は、バドリオと連合国の講和から、ヒトラーのムッソリーニ救出、北部での傀儡政権「イタリア社会共和国」設立と、イタリア北部での終戦までの戦いを、政治と軍事の両面から考察しています。

下は、過去に刊行した電子書籍の専用ページです。2012年の第1巻以来、8年間で75冊を刊行しました(年内に第80巻まで出したい)。

六角堂出版 電子書籍リスト

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「戦史・紛争史研究家」という肩書きは、軍事作戦の分析から、戦争と紛争の構造解析、人種差別と戦う政治闘争まで、幅広い領域をカバーできるので便利です。





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また、10月16日付の神奈川新聞に掲載された、菅内閣による中曽根氏の葬儀への「弔意要請」についての記事で、私のコメントも掲載されました。

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ここで指摘している「心理戦で精神を疲弊させる」「主従構造を構築する」という手法は、強権的で非民主的な権力者がよく使う、世界史の中でしばしば見られる自国民の支配術です。


【おまけ】

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10月20日はスカッとした秋晴れだったので、前から行く機会をうかがっていた伊勢の二見浦へ車で行ってきました。有名な夫婦岩は、今回初めて見ましたが、想像していたよりも大きくて立派な岩でした。大きな方の岩の上には鳥居があり、鳥が居ました。

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夫婦岩の周囲一帯は、二見興玉(おきたま)神社の神域になっていて、久しぶりに神社に参拝し、交通安全のお守りを受けました。

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お昼は、その近所のお店で海鮮丼。出てくるまで時間がかかりましたが、注文を受けてから具材を一つ一つ用意しているのだろう、と思う断面の舌ざわり。

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そのあと、鳥羽まで足を伸ばして焼き貝をいくつかいただき、真珠島のそばにある遊歩道の段に座って、夕方まで海と青空を眺めて過ごしました。

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2020年9月30日 [その他(戦史研究関係)]

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9月6日に「歴史群像」最新号が発売されました。今回の担当記事(その1)は、日本降伏後、朝鮮半島が南北に分断されつつあった時期の済州島で起きた「済州島4・3事件」で、警察と右翼活動家、軍人が住民を「共産党シンパのアカ(バルゲンイ)」と決めつけて大量殺害した悲惨な出来事を、俯瞰的に解説しています。

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大国による信託統治や南北分裂を決定づける単独選挙に反対した済州島の市民を、当時の李承晩政権とその後援者であるアメリカ軍政当局は「秩序を乱す不穏分子」と見なし、警察と右翼団体を派遣して弾圧しました。それに対し、1948年4月3日に市民側の武装勢力が警察と右翼を襲撃すると、李承晩政権は軍を投入して武力鎮圧に乗り出し、武装勢力だけでなくそれを匿っていると疑われた大勢の市民を殺害しました。そして、1950年に朝鮮戦争が勃発すると、李承晩政権に従順でない済州の人々は「アカ」の疑いをかけられて弾圧や殺害の対象となり、済州島の人口の一割に相当する三万人の市民が殺害されましたが、その三分の一は女性と子ども、老人でした。一部の生存者は、難民として大阪などに逃れました。

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記事の最後で触れましたが、共産シンパと言いがかりをつけて3万人もの自国民を殺害した同事件について、韓国大統領は2003年に政府の非を認めて謝罪し、韓国軍と韓国警察も2019年に当時の誤りを組織として認めました。

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こちらは、済州島にある「済州4・3平和記念館」。済州島4・3事件には、アメリカ軍も深く関与していましたが、この博物館ではその辺りの経緯についても説明しています。当時の国際社会は、東西冷戦の勃興期であり、米軍は共産主義勢力の拡大に神経を尖らせていました。スコーチド・アース(焦土)戦略とは、ゲリラの拠点になりうる民家などを焼き払う、住民無視の軍事的行動でした。

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記事本文で触れた、済州島南西部の慕瑟浦にいくつも残る旧日本軍の掩体(飛行機を隠すシェルター)。1930年代に「アルトゥル飛行場」という日本軍の飛行場が島の南西部に作られ、1937年に日中戦争が始まると、ここを出撃した日本海軍機が南京などを爆撃しました。掩体の建設工事には、地元住民が強制徴用されましたが、コンクリートの中に鉄筋が入っているため簡単に壊せず、今も残されています。大日本帝国時代の負の遺産の一つです。

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これも、記事本文で触れた、済州島南西端の松岳山に残る旧日本軍の陣地洞窟。日本軍は米軍が本土上陸に先立って済州島に侵攻することを想定し、7万人の兵力を駐留させていました。山中にはトンネルがあり、岸壁には体当たり攻撃に使う特攻艇「震洋」を隠す穴がいくつも開けられています。「チャングムの誓い」のロケ地でもあるそうです(私は見ていないので、詳しくはわかりませんが)。

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済州島北部の東門橋にある韓国海兵隊の記念碑。済州島4・3事件の後、李承晩政権に貼られた「アカの島」という汚名を払拭するため、済州島の若者の一部は韓国軍の精鋭部隊である海兵隊に志願し、朝鮮戦争で北朝鮮軍・中国軍と激戦を繰り広げて戦功を挙げました。アメリカへの忠誠を示すために米軍に志願した、第二次大戦時の日系アメリカ人部隊(第442連隊)とも似た一面があります。

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また、「歴史群像」最新号には、担当記事(その2)として、前号付録ボードゲームのチュートリアル(手引き)記事を寄稿しています。前半部はカラーの8頁記事で、二人用ゲームを一人でプレイするやり方についても少し触れています。

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対戦相手がいないから、とあきらめる前に、ぜひ一度「ソロプレイ」を試してみて下さい。やってみると簡単で、歴史に関心のある人なら、新たな世界の扉が開かれると思います。
 
 
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太平洋の向こう側では、2008年に「シックス・アングルズ」第11号の付録として個人出版した歴史ボードゲーム(ウォーゲームまたはシミュレーション・ゲーム)「モスクワ攻防戦」の英語版 “Last Stand” が、アメリカのメーカー「マルチ・マン・パブリッシング(MMP)」から最近発売されました。

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年末から来年にかけて、米国であと2つ、中国でも1つ、歴史ボードゲーム発売の企画が進行中です。歴史ボードゲームの愛好家は世界中にいるので、旅先で現地のゲーマーと交流するのも楽しい経験です。
 
 
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それから、noteに新しい記事を投稿しました。

タイトルは『大村知事リコール運動で雑に使われる「天皇陛下」という言葉』。「天皇への侮辱を許すな」という大義名分で行われている、高須克弥氏や河村たかし名古屋市長らの政治運動が、本当に「天皇を敬愛する行動」なのかどうかについての論考です。諸々の根拠も挙げたので、少し長くなりました。

大村知事リコール運動で雑に使われる「天皇陛下」という言葉

記事より一部引用します。

今の時代を生きる日本人なら、『陛下』あるいは『天皇陛下』という言葉を聞いて、まず思い浮かべるのは、今上(現在の天皇)と上皇(先代の天皇)の姿でしょう。そんな人々が、事情をよく知らないまま、河村たかし氏の『陛下への侮辱』という激しい言葉を目にすれば、あたかも大村愛知県知事が今上や上皇に対して、何か侮辱的なことをしたと勘違いして、不快感や怒りの感情を胸に抱くかもしれません。そして、それを勘違いだと気づかないまま、リコール運動に賛同してしまう人も出てくる可能性もあります。


『天皇を侮辱するな』と高飛車に語る人間こそ、実は天皇の意に反していることがあり得ることをこの事件(1935年の「天皇機関説事件」)は教えています。

 
 
【おまけ】

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青山高原の風景。名張から30分ほどの場所にあり、標高7〜800メートルの頂部からは、伊勢湾と津市などの平野部を望めます。

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風が強い日が多いですが、この日は無風だったので、巨大オブジェのような風力発電の羽根車は止まっていました。

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