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2008年1月16日 [激闘ノルマンディ]

本日の午前8時頃、本ブログでもたびたび触れてきました、新しい西部戦線の文庫本「西部戦線 1919-1945(仮題)」の本文原稿(計781枚)を、無事に脱稿しました。これからまだ、戦況図(計100点)の制作が残っているので、私の仕事場は山のような文献類がまだ散在する状況ですが、とりあえず大きな仕事を終えて、ほっと一息ついているところです。毎度の自画自賛モードで恐縮ですが、かなり良い出来に仕上がったのではないかと自負しています。第一次大戦の終結から書き起こして、戦間期の各国事情、第二次大戦の発生、1940年の軍事作戦の詳細、1941~43年の西部戦線、そして1944~45年の軍事作戦の詳細と、通しで記述した本は他に見当たらないと思いますし(テイラーやシャイラーの名著では軍事作戦そのものはそれほど詳しくありません)、ぜひ期待していただければと思います。

ところで、原稿執筆の仕事に専念している間、ゲーム関係でいくつかやらなくてはいけないことが発生し、今日の残りはそうした作業を片づけていました。メールで質問をいただいていた、シックス・アングルズ第10号「パウルス第6軍」のルール明確化1点と、別冊第6号「激闘ノルマンディ」のルール訂正1点および明確化2点がそれで、前者は良い機会なので他の正誤表と共にPDFでダウンロードできるようにしました。

http://www.mas-yamazaki.net/paulus_errata_2008_01_16.pdf
http://www.mas-yamazaki.net/cobra_errata_2008_01_16.pdf

「激闘ノルマンディ」の明確化のうちの1点は、2007年12月17日の記事に対するなかたさんとプファルツさん、Pumさんのコメントにもありますが、プレイヤーが自軍移動フェイズで意図的にスタック制限を超過する状態を作り出して、超過したユニットを全滅させるという「テクニック」が、果たしてルールで許されている行動か否かというもので、英文ルールを読んでもいくつかの解釈の余地があり、判断には迷いました。

「レトロスペクティブ・シリーズ」全体の方針として、デザイナーおよび制作者の「意図」を最大限に読み取った上で、それを尊重するというポリシーを貫いてきたことは、今までにも何度か述べてきましたが、今回も「デザイナーとSPIのスタッフがこのゲームで再現しようとしたこと」が何かを私なりに考えた末、そのような行動は「ルール違反」と考えるのが最も合理的であるとの結論に到達し、日本版発行人としての「ルール明確化(ルール不明点の補完)」を行いました。このあたりの「決定を下すに至った根拠」については、追加正誤表のPDFにて説明させていただきましたので、ゲームをお持ちの方はぜひ御一読ください。

ただ、この判断はあくまで「日本版発行人による日本版公式の明確化=ルール不明点の補完」であり、オリジナル版のデザイナーによる最終的な裁定ではないので、もし納得されない方がおられましたら、対戦相手の方と事前に合意された上で、「意図的にスタック制限の超過を引き起こして超過ユニットを任意に全滅させることは可能」という解釈でプレイされるのもご自由です。

ゲームにおける「非現実的と思われる要素」をどこまで許容できるかという「閾」は、人によって異なっているので、本ゲームに限らず、考え方や価値観の異なる相手が対戦した場合に、あるプレイの仕方が意図せずして相手に不快感を与えてしまう場合もあると思います。なので、この問題については特に、対戦前にルール解釈の確認をしておくことを強くお薦めします。


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