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2008年1月18日 [激闘ノルマンディ]

今日も「激闘ノルマンディ」に関する話題です。スタック制限ルールに関連して、コブリスト様より以下のようなご質問をいだきました。以下は、日本版発行人による公式の回答です。

【Q1】オーバーランを実行する瞬間にスタック制限を超過するようなヘクス(オーバーランを実行する師団のほかに、別の師団がいるような場合、移動の途中ということで制限超過もOK?)からオーバーランを実行することは可能ですか?
【A1】日本版ルール5.54項の最後の制限により、スタック制限を超過するようなヘクスからオーバーランを実行することはできません。この制限は、オリジナル版の英文ルールにはなく、日本版発行人が石田さんと「ルール検証プレイ」を行った際に判明し、妥当な解決法を二人で検討した後、ルール不明点の補足として追加したものです。
 日本版発行人が、このような行動を「不可」と判断した根拠は、次の2点です。
(1)オーバーランを実行する資格を持つのは、同一師団効果を得られる状態にある「師団」のみであること(日本版ルール5.51項および6.25項、英文ルール6.51項および7.23項)。
(2)同一ヘクスに特定の師団を構成する部隊以外のユニット(司令部とタイガー大隊を除く)が存在する場合、同一師団効果は得られないとの制限があること(日本版ルール6.22項、英文ルール7.21項)。
特に、(2)のルールは「オーバーランを実行する瞬間」以外には発生しない事例に関するルールと思われる(同一師団効果の有無は、単純な移動の途中では必要なく、オーバーランまたは戦闘を解決する瞬間のみ判定が必要となる)ので、この問題に関しては「実行不可」と理解するのが最も合理的であると判断しました。
 ただ、英文ルールにある「司令部とタイガー大隊を除く」の部分は、日本版の表記から抜け落ちていますので、5.54項の「実行するユニット以外の戦闘ユニットが存在してはならず」という部分を「実行する師団以外のユニット(司令部とタイガー大隊を除く)が存在してはならず」に読み替えてください。この訂正は、近日中に新たな正誤表に反映させます。申し訳ありませんでした。

【Q2】オーバーランを実行したユニットが返り討ちにあって1ヘクスの退却するとき、背後のヘクスに師団ユニットがいても、「移動フェイズの途中」ということで、そこに退却してOKですか?
【A2】これについては、二通りの解釈の仕方があり、1つは「移動フェイズの途中ならばスタック制限の超過も許されるので、退却可」とする解釈で、もう1つは「戦闘解決時にはスタック制限を超過する退却は行えない(超過分は即座に全滅する)のだから、より態勢が整っていない状態で実行されるオーバーランの解決時だけスタック超過で退却できるのはおかしい(つまり退却不可)」とする解釈です。
 論理的解釈だけでは、両方とも一理ありますが、ゲーム全体の整合性という観点から見ると、後者の方が他のルールとの整合性が高く、しかも不自然さは少ないと思われるので、よりスムーズにプレイできるシンプルな解決法(ルール明確化)を行うとすれば、「オーバーランを実行したユニットは、スタック制限に超過するヘクスへは退却を行えない」とするのが良いかと思います。もし前者の「退却可」とするなら、それによって派生する別の問題(意図的なスタック超過を認めるか否かという問題も含めて)への対処も必要となり、オリジナル版ルールにはない「明確化」の量が増えると思われるからです。
 ただ、これについては、もう少しいろいろ検討したいと思いますので、あくまで「暫定の明確化」と理解していただければと思います。もし、この問題に関連して、別の合理的判断に基づく異論などがありましたら、ぜひお聞かせいただけると幸いです。

 これらの「日本版発行人による明確化」も、二日前に発表した「追加正誤表」と同様、オリジナル版デザイナーによる「最終的裁定」ではなく、日本版発行人が(個々に提示した一定の根拠に基づいて)最も妥当と思われる結論を述べたものであり、全てのプレイヤーの方に使用を「強制」するものではありません。日本版発行人の責任として、製品であるゲームのルール上の曖昧な部分については「明確化」する必要があると思われるので、全ての「不明点」に関しては私なりの判断を下していくつもりですが、もし私の判断に説得力がないと思われた方がおられましたら、その方がより合理的と思われる判断に基づいて、別の形でルールの明確化をされるのもご自由です。

 いずれにせよ、本ゲームを別の方とプレイされる際には、これらのスタック制限に関する「解釈」を、相手の方と事前に確認されることを強くお奨めします。その際、意見調整の「叩き台」として、私が提示した根拠(およびコメント欄で皆様が書いて下さった判断基準)を活用していただければ幸いです。いろいろと不備が生じてしまい、日本版発行人として心苦しく感じていますが、誰もがゲームを楽しくプレイできるよう、今後も私なりに出来る限りのことをしていきたいと思います。


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