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2008年6月13日 [戦略級 日露戦争]

突然ですが、シックス・アングルズ別冊第5号「戦略級 日露戦争」が、完売しました。在庫管理を委託しているところから、在庫出荷の情報が届いていなかったため、つい数日前までこの事実を把握できませんでした。現在、市場に流通しているもので最後となります。契約上、増刷等は行いませんので、悪しからずご了承ください。

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時おり、シックス・アングルズの発行部数について、お客さんから質問を受けることがあります。その多くは「もう少し部数を増やしてはどうか」というものですが、シックス・アングルズのような個人出版では、なかなか「既刊製品の在庫を常に取り揃えておく」ということができません(在庫を置く倉庫のコスト、商品管理に費やす時間、などがその理由です)。また、現在のシミュレーションゲーム市場の大きさを考慮すると、私はシックス・アングルズ製品に関しては、現状程度の部数で適当なのではないかという気がしています。

「戦略級 日露戦争」の場合、発行は2007年2月で、出版元での在庫切れが2008年6月なので、実売期間は1年4ヶ月(実際は数ヶ月前に無くなっていたらしいので、ほぼ1年)ということになりますが、私の想定では「発売開始から半年~1年で売り切れるのが理想的な展開」です。それだけの時間があれば、欲しいと思う人が買うチャンスは平等にあると思われるからです。シックス・アングルズのような零細「同人誌」または「個人誌」は、常にお店に商品を陳列するという状態を目指すべきではないと私は考えていますし、実際に発売から1年が経過した以後の商品の売上げは極端に低下する場合がほとんど(少数ながら例外はあります)なので、そうした管理コストを考慮すれば、1年以内に売り切れることを理想とする現在の方針以外には、現実的な選択肢は見当たらないという状況です。

7月末に発売予定のシックス・アングルズ第11号「モスクワ攻防戦」と、それ以降のシックス・アングルズ製品についても、発行部数は800部またはそれ以下とし、追加の増刷等は行わない方針です。この業界の将来については、いろいろな見方がありますが、私は「ゲーマーの数が減ることはあっても増えることはない」という認識なので、欲しいと思ってくださる方々がおられる限り、そうした方の全員に行き渡る程度の部数で、これからも地道に仕事をしていきたいと考えています。

これで、ウォーゲーム・レトロスペクティブ・シリーズでは「砂漠のキツネ」以外は全て完売となりました。「砂漠のキツネ」も残部僅少です。

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Von Rotenstein

お久しぶりです、といっても覚えていらっしゃらないと思いますが、以前、「業」としてのシミュレーションゲーム稼業は儲かるのか否か、という質問を山崎様に投げかけたものです。
今回の記事に少しだけ疑問を感じまして、コメントさせて頂きます。
(1)レトロスペクティブ・シリーズの部数に関しては、在庫ができない個人事業であることと、ディシジョン・ゲームズ社との契約によって、一度刷った部数が完売した場合、再版はしないという方針です。これに関して理由としては重々理解できますけれども、販売された時に様々な事情で購入できなかったカスタマー層が、購入できる条件を整えて、さぁ買おう、という時には既に売り切れ、という事態が想定されます。これに関して山崎様はいかが考えられていますでしょうか。
(2)>「ゲーマーの数が減ることはあっても増えることはない」
というご認識についてです。私の考えでは、今のゲーマー層が生きているうちは、出戻りゲーマーがいて、数が漸増し、やがて我々が60を過ぎてから(あと15年か20年くらいですね)寿命を迎えたゲーマーが息を引き取ることで徐々に数を減らしてゆく、というシナリオを描いております。これについていかがお考えでしょうか。
(2.1)この(2)の質問は、出戻りゲーマーがχ年前に再版されたあのゲームが欲しかったのに……、という後悔をすることへの救済策は何とかならないものなのか、という意味が込められた質問です。

以上、お忙しい山崎様なので、暇な時にお返事頂けるとありがたいです。
by Von Rotenstein (2008-06-13 23:10) 

元出戻りゲーマー

こんにちは。シックスアングルスの部数ですが、私もぜひ増やせるものなら増やしてほしいです。「個人誌」「同人誌」と言われていますが、製品の品質管理(QC)も見栄えの良さも購買者への気配りも、いわゆる「商業誌」各社を上回っていると思うからです。上の方が書いておられる「出戻りゲーマー」が魅力を感じるアイテムも多いですし。ぜひご一考ください。
by 元出戻りゲーマー (2008-06-14 09:49) 

本文を熟読してください

部数の問題については、山崎さんの本文に既に「(そういう様々な諸事情を考慮した上で)自分は現在の部数が適正と考える」と書いてあります。
by 本文を熟読してください (2008-06-14 13:39) 

さえき

失礼します。発行部数をどのくらいにするかというのは正解が無い話なのでむずかしい議論だと思いますね。適正部数が何冊かというのは誰にも決定できませんから。希望者が一定数に達したところで完売アイテムの数量限定再販というのはいかがでしょうか。
by さえき (2008-06-15 18:42) 

Mas-Yamazaki

Von Rotensteinさま、元出戻りゲーマーさま、本文を熟読してくださいさま、さえきさま: コメントおよびアドバイスありがとうございます。たまたま業界の動向から遠ざかっている「出戻りゲーマー」が存在する可能性については、私も決して無視しているわけではなく、彼らが商品の存在を知ることのできるかもしれない期間として「1年間」を想定しました。ただ、記事でも書きましたように、部数の増加には多少のコストが必要となるので、来るか来ないかわからないお客さんのために、無制限に商品在庫を抱え込むというのは、個人事業ではかなり負担(精神的負担も含む)が大きいです。

また、実際に「買えませんでした」という声がたくさんあれば、増やさなくてはいけないかな、という気持ちになると思いますが、「こういう人がもしかしたらいるかもしれない」という想像だけでは、判断を動かす動機としては弱いということも、ご理解いただければ幸いです。先日、追加で10冊だけ販売を告知した「激闘ノルマンディ」も、即完売というわけではなく、最後の一冊が売れるまで、だいぶ時間がかかりました。こうした実情を考慮すれば、やはり現状の部数で1年くらい在庫を保持し、その間に存在を知らなかった方には「今回は縁がなかったね」と考えていただくしかないかと、私は思います。

品質が良いので、長く売って欲しいというお言葉は、制作サイドとしては本当に嬉しいのですが、現状ではこれが精一杯ということで、ご了承いただければ幸いです。ただ、「希望者が一定数に達したところで完売アイテムの数量限定再販」というご提案については、今後の可能性として検討させていただきます。
by Mas-Yamazaki (2008-06-17 13:32) 

Von Rotenstein

山崎様、さえき様、誠実なご回答をありがとうございます。何か特別に現状を打破する力がない限り、現在の販売方法(または契約条項)を変更することはできないことがわかりました。
現状ではa-gamesの製品リストで「完売しました」と書かれているSix-Angles製品に関しては「仕方がない」と思うしかないわけですね。
その辺に関する山崎様サイドの苦労も分かりましたので、これ以上は追求しません。どうもありがとうございます。
by Von Rotenstein (2008-06-18 09:12) 

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