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2009年6月8日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

昨日は、石田さんとシックス・アングルズ第13号「ツィタデレ: クルスクの決戦」の検証テストを行いました。

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ゲーム開始時(1943年7月5日払暁)の戦線。

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第5ターン終了時(1943年7月9日日没)の戦線。

途中で生じたルール不明点の明確化や、新しい選択ルールのアイデアなどを相談しながらテストしましたが、その結果を踏まえた上で、プレイヤーの心理を当時の野戦指揮官のそれに近づけるという「鈴木銀一郎イズム」の観点から、1つ新たな選択ルールをつけようかと考えているところです。

その選択ルールとは、「ドイツ軍プレイヤーは、毎ターンの自軍プレイヤーターンにおいて、ソ連軍の対戦車(防御)射撃フェイズが終了した後、続く手順として『自軍強襲フェイズ』と『自軍移動フェイズ』のどちらを先に、どちらを後に行うかを選択・決定できる」というものです。

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先日の記事でも書きましたとおり、ソ連軍は最終的に勝利を得たとはいえ、クルスクの戦いで甚大な損害を被っており、現場の司令官レベルでは、翌日の日没までにドイツ軍が最大でどの線まで進撃できるかという確かな情報など、得られるはずもありませんでした。上に述べた選択ルールを導入すれば、ソ連軍プレイヤーの心理状況、とりわけ敵部隊の前進速度に対する不安要素は、より実際のクルスク戦当時におけるソ連軍司令官のそれに近づけられるのではないかと思います。

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標準ルールにおける「強襲(戦闘)→移動」という手順は、ある特定の意図(それが何なのかはデザイナーズノートで詳しく述べ、それをいつものようにPDFで公開するつもりです)を込めて採用したルールであり、実際にプレイした印象では、当初の意図はそれなりに達成できているようにも感じられます。しかし、オーバーランというルールのないこのゲームでは、毎ターンのドイツ軍の進出限界線がルールシステムによって100パーセント確定されてしまうため、ソ連軍プレイヤーは心理的にかなり楽な形で、ゲームのプレイを進めることができます。

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新たな選択ルールで、そういった面を解消することができれば、ゲーム展開の幅を広げて展開の多様性を確保する意味でも、また実際に当時の司令官が感じたジレンマをプレイヤーの心理に投影するという「鈴木銀一郎イズム」の観点からも、よりゲームの価値を高められるのではないかと考えています。導入意図から外れた「裏技的な使い方」ができないよう、そして予想もしなかった弊害が出ないか確かめるため、慎重にテストを行った上で、最終的なルールにまとめたいと思います。既にプレオーダーをして下さった方や、購入を考えておられる方は、ぜひご期待ください。

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ちなみに、プレオーダーは今回も順調に伸びており、募集開始から10日で92件、冊数ベースですと早くも100冊を突破しました。いつもご愛顧いただき、本当にありがとうございます。今回も、ベストを尽くして良い製品に仕上げたいと思います。
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