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2009年7月3日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

史実のツィタデレ作戦開始66周年まであと2日となりましたが、シックス・アングルズ第13号「ツィタデレ: クルスクの決戦」本誌製作も大詰めに差し掛かっています。残りは冒頭の第3装甲軍団の戦いを描くヒストリカル・ノートの仕上げだけですが、その他のページも休憩時間に繰り返し見直して、エラーが残らないよう努力中です。

kurskdata1.jpg


ヒストリカル・ノートとは別の角度から史実のクルスク戦を見直す企画「データで読み解くクルスク戦の実相」(8ページ)は、独ソ戦史に興味のある方にはぜひ読んでいただきたい内容です。「クルスクでドイツ軍は装甲部隊の大半を失い、敗北が決定づけられた」とか「プロホロフカでは、ドイツ軍が600輌、独ソ両軍併せて1500輌の戦車が衝突した」などという、クルスク戦に対する古い解釈がどれほど事実とかけ離れていたのか、そしてこのような「歴史認識」の出所は何だったのか、といった点にも触れています。ちなみに、今回収録した「データ」は以下の9点で、いずれもソ連崩壊後の研究に基づく情報です。

【表A】 ドイツ軍装甲師団と装甲擲弾兵師団の保有戦車台数(1943年7月4日の状況)
【表B】 ソ連軍各部隊組織の保有戦車・自走砲台数(1943年7月4日の状況)
【表C】 ドイツ第2SS装甲軍団の稼働戦車台数の推移(1943年7月4日~7月13日)
【表D】 ドイツ軍V号D型(パンター)戦車の稼働台数の推移(1943年7月4日~7月13日)
【表E】 ドイツ軍のクルスク戦における全損戦車・突撃砲台数(1943年7月5日~7月17日)
【表F】 ドイツ軍のクルスク戦における人的損害(1943年7月4日~7月20日)
【表G】 ソ連軍のクルスク戦における人的損害(1943年7月4日~7月23日)
【表H】 ソ連軍のクルスク戦における戦車の損害(1943年7月4日~7月23日)
【表J】 プロホロフカ戦車戦における第5親衛戦車軍の戦車・自走砲の損害(1943年7月12日)

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月曜に最終データを印刷所に発送した後、デザイナーズ・ノートとプレイの指針をPDFで公開し、同時にルールやチャートなどの見本も最終版データと差し替える予定です。
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コメント 2

くになみ

ツィタデレ作戦のゲームとデータ研究のクルスク検証記事、どちらも楽しみです。ところで今回の検証記事でクルスク戦の真相が明らかにされるとありますが、付録のゲームは1990年代初めの出版と記憶しており、そうなるとゲームのクルスク戦の表現は古い時代の?解釈ということでよろしいでしょうか?それとも最新の解釈に合うように内容を作り変えられたのでしょうか?さしつかえなければ教えてください。
by くになみ (2009-07-03 22:19) 

Mas-Yamazaki

くらなみさま: コメントありがとうございます。もしかしたら、同様のご心配をされている方が他にもおられるかと思いますが、付録ゲーム「ツィタデレ: クルスクの決戦」の内容は、今回の収録記事で提示した「クルスク会戦の再評価」を踏まえても、状況設定や再現性の面で「古くなった」ということはなく、充分に史実のシミュレーション・ゲームとして通用する内容だと思いますので、プレオーダーを申し込んで下さった方は、ご安心いただきたいと思います。

その理由については、詳しく説明すると長くなりそうなので、次回の本文記事でご説明させていただこうと思います。ということで、申し訳ありませんが、今しばらくお待ちいただければ幸いです。
by Mas-Yamazaki (2009-07-06 20:35) 

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