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2010年9月30日 [その他(テレビ番組紹介)]

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龍馬伝』の佐藤直紀「想望」をきちんと聴きたくて、遂にサウンドトラックのCDを買ってしまいました。左の「Vol.2」に収録されています。右側は、同ドラマのいくつかの曲で歌っている女性ヴォーカリスト、リサ・ジェラルドのベスト盤。

先週の『龍馬伝』は、キャシャーンこと伊勢谷友介君演じる高杉晋作が「実写版ロンメル戦記」を想わせる電撃的な活躍で、なかなか楽しめました。敵の大群を捕虜にして、そのまま馬に乗ってさらに奥地へと進む高杉ロンメル。ヴュルテンベルク山岳兵大隊や第7装甲師団を率いていた時も、あんな感じだったんでしょうか。後藤象二郎と弥太郎のシーンも、新たなフェイズに入った感じで、奇妙な深み(笑)が出てきました。

「想望」という曲は、今まで『龍馬伝』の重要なシーンで何度も流れた曲なので、印象に残っているという方も多いかと思います。時代の変革期には、それぞれ胸に志を抱いた人間たちが正面からぶつかり合い、最終的には「天の配剤」によって落ち着くところへ落ち着くわけですが、その「配剤」に真っ向から立ち向かう人間の姿、哀しみも歓びも、周囲の人間が寄せる想いも、全てを内に抱えてなお自らの志を貫こうとする人間の姿を、この曲は見事に表現しているような気がします。心を鎮めて、無心になって聴くと、心が震え、洗われる、奇跡のような名曲です。

この「想望」の中で、美しい歌声を披露しているのが、リサ・ジェラルドという女性で、私はずっとサラ・ブライトマンとかナナ・ムスクーリといった系統のシンガーかと思っていましたが、1980年代に「デッド・カン・ダンス」のメンバーだったと知り、少し驚きました。このバンドは、4ADという当時の言葉で言う「オルタナティブ系」のバンドを抱えるレーベルに所属していて、当時中学・高校生だった私も「デッド・カン・ダンス」の曲は聴いたことがありました。ただ、私はどちらかと言えば、同じ4AD所属の「コクトー・トゥインズ」の方が好きで、今でも当時のアルバムを聴くことがあります。


コクトー・トゥインズの「Carolyn's fingers」。エリザベス・フレイザーのヴォーカルは、女神の歌声。

リサ・ジェラルドのベスト版は2007年の発売ですが、こちらも大変素晴らしい内容(『龍馬伝』とは違った方向性なので、好き嫌いはあると思います)で、これからヘビー・ローテーションで聴くことになりそうです。

テレビドラマで存在を知り、そのCDを買ったというのは、唐沢寿明・江口洋介の『白い巨塔』のエンディング・テーマに使われていた、ヘイリーの「アメイジング・グレース」以来でした。あの番組は、放映当時に毎週欠かさず観ていましたが、女性作家(原作・山崎豊子、脚本・井上由美子)の作品とは思えないほど内面がリアルに描かれた「男社会のエゴと嫉妬」、そして明確な正解の存在しない医療倫理の問題など、ストーリーがどれほど重い展開であっても、ヘイリーの澄んだ歌声とMotokoの凛とした写真で、全て洗い流されて心が浄化されるような、ある種の「精神的快感」がありました。

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左がヘイリーの「アメイジング・グレース」。右のワーグナー「タンホイザー」も、作中で非常に印象的な使われ方をしていました。第1回の冒頭、そして後半の財前が自らの癌転移を確信した瞬間…。前に『白い巨塔』のDVDを借りて再度観たことがありますが、あれは1週間に1話が「適切な用法・用量」ですね。複数の回を続けて観てしまうと、ヘイリーの歌声でも完全に浄化し切れないことがわかりました(笑)。


おまけ

ソフトボール大のちびスイカを切ってみると…

ちびスイカ520.JPG

ちゃんと赤くなっていました! スプーンで食べてみると、甘さ控え目のヘルシーな味わい。ちょうど半分が1人前のデザートになりました。自然の恵みに感謝。
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コメント 4

レノ

佐藤直紀さんの音楽は前から好きでわたしも良く聴いてます。「BALLAD 名もなき恋のうた」の音楽も秀逸でした。「龍馬伝」の「想望」を聴くと、名シーンを思い出して泣けてきます。。。

スイカ栽培成功でよかったですね(^^
by レノ (2010-10-05 22:19) 

東洋一狂生

史実の門司・田ノ浦の戦いがどうだったかはともかく、NHK版の高杉が「実写版ロンメル戦記」というのは、言い得て妙(笑)ですね。出撃前のアジ演説でも「神出鬼没」「奇襲と機動」と電撃戦の要諦(笑)を強調していましたし。

「一たび動けば雷電のごとく、発すれば風雨のごとし。周りの者は、ただただ驚き、呆然とするばかりで、敢えて正視する者すらいない。」(後年、伊藤博文が高杉晋作顕彰碑に記した言葉)
by 東洋一狂生 (2010-10-06 12:32) 

Mas-Yamazaki

レノさま: コメントありがとうございます。そうなんです、あの曲はクルマの中では絶対に聴けない曲です(笑)。佐藤直紀さんには、ぜひ再開後の「プロフェッショナル」に出演していただきたいです。
by Mas-Yamazaki (2010-10-06 23:37) 

Mas-Yamazaki

東洋一狂生さま: コメントありがとうございます。テレビドラマの「演出」には、それが歴史的題材を描いているならなおさら、賛否両論が必ずあると思いますが、私はゲームデザインと同様、史実を正確にトレースすることよりも、表現者が本質と考える「エッセンス」を観る者に伝えることの方が重要である気がします。その意味においては、あの高杉晋作の演出(ひいてはドラマ全体)は成功しているのではないかと私は思います。「電撃戦=心理戦」であることを、シンプルに上手く描いたシーンではなかったか、と。
by Mas-Yamazaki (2010-10-06 23:43) 

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