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2011年9月5日 [東方への突撃]

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先週土曜日と日曜日の二日間、台風の中を「東方(奈良から見た名張)に向けて突撃」して下さった石田さんをお招きして、シックス・アングルズ別冊第8号『東方への突撃』の本誌収録リプレイ記事用の対戦を行いました。

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1941年6月から1945年5月までのキャンペーン・ゲームをプレイし、記録を取ったり途中でルールの確認や改善案の相談をしながら、上級ゲームで全48ターンを終えることができました。ある程度システムに慣れてゲームに専念すれば、キャンペーン・ゲームの正味のプレイ時間は基本ゲームで8時間、上級ゲームだと12時間くらいでしょうか。

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過去の記事でもたびたび紹介していますが、このゲームは一般的な戦略級独ソ戦ゲームよりも、戦闘による部隊(ユニット)の「損害」が出やすい仕組みとなっています。戦闘力単位で行われる部隊の補充も、同様に他の戦略級独ソ戦ゲームに比べると数字を大きくとってあるので、戦線に一時的に大穴が空いてもなんとか繕うことはできます。しかし、有利な戦力比の攻撃にもかかわらず自軍に甚大な損害が生じて部隊が地図上からいくつも消えたり、防衛線の一部がぽっかり消えてしまったりすると、上級指揮官(プレイヤー)が受ける心理的なショックは大きく、これが何回も続くと「史実のバルバロッサ作戦でドイツ軍の主な高級将官たちが軒並み最初の冬より前に体を壊した理由がよくわかるね」という気分になります。

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独ソ戦前半のドイツ軍プレイヤーと、後半のソ連軍プレイヤーは、一般的な戦略級独ソ戦ゲームでは「思う存分に部隊を動かして相手を圧倒できる」比較的気楽な立場だと言えます。しかし、『東方への突撃』ではこれがまったく逆で、部隊を駆使して機動的な突破作戦を立案・実行できる醍醐味を味わいつつも、自軍の人的損害と戦車部隊の消耗(上級ゲームでは裏面の消耗状態となった装甲・戦車ユニットを表の充足状態に戻すには、丸1ターンの「休息」が必要です)増大による心理的重圧が大きく、精神面ではむしろ「前半のソ連軍」と「後半のドイツ軍」の方が、楽な立場であったりします。

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防御戦闘で自軍のユニットに損害が出ても、それは仕方ないことと割り切ることができるのは、攻撃を行うか否かを決定するのは自分ではなく相手だからです。しかし攻撃側は、例えば半分の確率で敵を拠点から除去できる(全滅または退却により)反面、3分の2の確率で自軍にも損害が生じ、6分の1の確率では攻撃に参加した自軍ユニットのほぼ全てが地図上から除去されるというような、非常にタフな決断を強いられることが多々あり、時間切れとの競争で背中をせき立てられながら、損害覚悟で攻撃の実行を重ねていくことになります。

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このゲームをプレイすると、戦史書を読んでいる時に頭の中で想像を巡らせた、独ソ両軍上層部の心理面での焦燥や焦り、失望と落胆、そして諦めずに苦境を乗り切った時の開放感や達成感などが、強烈な当事者意識と共に心の中で実感できるような感じになります(あくまで部分的、主観的にですが)。そんな過酷なテストに、台風襲来の最中、二日間もつきあってくださった石田さんに、ここで改めてお礼を述べたいと思います。おかげで良いリプレイ記事が書けそうです。

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これで『東方への突撃』の制作作業も峠を越え、あとは本誌の残りの記事と別紙チャート(ルール・サマリーなど)を仕上げるだけとなりました。今週中に、告知用プログの方でプレオーダーの告知を開始する予定です。

なお、今までメール管理等に使っていましたマシンが先日壊れてしまい、事前に数名の方からいただいていましたプレオーダーの記録も読めなくなってしまいました。なので、大変申し訳ありませんが、以前に申し込みをいただいていました方も含め、新たにメールでのご注文を承りたいと思います。ご迷惑をおかけして大変申し訳ありませんが、なにとぞよろしくお願いいたします。

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