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2012年4月17日 [その他(雑感・私生活など)]

先々週の東京・横浜遠征の興奮も冷めやらぬ中(笑)、原稿執筆とゲーム開発の合間を縫って、今週は明日から台湾に出張です。用件はいくつかありますが、事前に台湾の友人が手配してくれた現地の印刷所を訪問して、日本から仕事を依頼する場合の料金や品質などを確認することもその一つです。

ご存知の通り、私は『シックス・アングルズ』というシミュレーション・ゲーム付き雑誌を自費で出版していますが、コスト面で厳しい面がいろいろと出てきたため、今後の選択肢を比較検討しているところです。値段が安いからといって、いきなり台湾の印刷所にシフトするというのはリスクが高いですが、最大のネックである打ち抜き駒だけでも、今より低コストで製作できれば、ビジネス面で少し楽になります。

また、将来的な事業展開として、ゲームだけでなく一般的な本の自費出版事業というのも考えています。いよいよ学研さんもアマゾンのKindleと契約し、日本における電子書籍の展開が本格的に始まろうとしている中、紙の本を出版するというのは時代に逆行しているようにも見えますが、実際には使い勝手という点で紙の方が優れている要素も多々あるように、私には思えます。

例えば、アメリカ軍の公刊戦史はかなり前からPDF化されており、値段も安かったので一揃え買ったのですが、ソファでリラックスして読めない、愛用している付箋紙を貼れない(長くなるので今回は説明を省きますが、私にとっての付箋紙は単なる目印ではありません)、慣れた感覚での流し読みが難しいなどの不便さに耐えられなくなり、結局紙バージョンを新たに買い直しました。紙バージョンには、サイズの大きな別紙の戦況図などもあり、私は電子版よりも紙版の方が執筆に使う資料としての使い勝手が良いと感じています。

今後もいろいろな出版社さんと一緒に、執筆や地図制作などの仕事でベストを尽くしていくつもりですが、執筆から図版・地図制作、組版、装丁まで自分でひととおり出来る立場なので、それを活かす形で、既存の出版社さんから出してもらうには適さない(端的に言えばマイナーな)テーマを掘り下げた研究書等を、限定部数で(相対的に少し高い値段で)出版する、という事業も「副次的展開」として行えないかな、と構想しています。もちろん、印刷所に送るデータは、技術的には容易に(将来のスタンダードとなる)「電子書籍」のフォーマットにも転換できる(ようになるはず)ので、課金のシステムがもう少し一般化すれば、電子版もネットで直販という形にもできるだろうと思います。

ベアズクロウ展開520b.jpg

また、週末の土曜日には、台北のシミュレーション・ゲームクラブの例会(戰棋團第31次聚會)に参加して、現地の台湾人ゲーマーと『ベアズ・クロウ』をプレイする予定です。たまたま同時期に中黒さんも台湾に出張で行かれるとのことで、もしかしたら会場で「台北の密約」的な何かが生まれるかもしれません(もちろん議事録は残しません)。

ということで、明日の4月18日(水)から23日(月)まで、家を離れますので、この間はメールチェックや各種ネットメディアの確認、商品の発送等ができなくなります。またしてもご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
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Qazana

電子書籍に関しては色々な意見があるとは思いますが、あえて言えば内容の軽い本はこの手のフォーマットに向くのかなと思いますが、重い本はイマイチ向かないのではないかと思います。
いわゆる紙書籍の良い所は“本の厚みを感じる”所にあり、ある曖昧な項目を捜すときに一度読んだ本ならば正確なページ数までは分からなくても大体この辺りという感じで捜すことが出来ます。電子書籍だとページ数か項目名が正確でないとなかなか検索も上手くいきません。

電子書籍は紙書籍のように場所を取らない、持ち運びが楽というメリットもあり一概に否定は出来ないですが、最近の教科書電子化の話題などを見ると同じ書籍でも向く分野と向かない分野があるように感じます。

ただそうは言っても今後は電子書籍への流れは加速していくでしょうし、特に我々のようなマイノリティな趣味(笑)を持っていると、コストとスペースの問題は避けて通れない部分もあり悩ましいところでもあります。
その辺のバランスをどう取るかというのはユーザーサイドの問題で、人それぞれの事情があるとはいえ色々考えるところはあるのかなと思います。
by Qazana (2012-04-23 16:19) 

Mas-Yamazaki

Qazanaさま: コメントありがとうございます。ご指摘のとおり、紙の本と電子書籍ではそれぞれ強み・弱みが違うので、本の「弱み」や電子書籍の「強み」が活かせる内容の本は、どんどん電子化が進んでいくと思います。例えば、大抵の小説は、スマホやタブレットで読める電子版の方が便利である気がします。どんな長編小説でも、データならカバンに加わる重さはゼロですから。

最近は、少し落ち着いて来たように思いますが、ある時期は「電子書籍vs.紙の本」「どちらが勝ち、どちらが滅びるか」みたいな短絡的な論調がネット上でも散見されました。今後は、冷静に一方の短所を他方で補いつつ併用・共存という流れになるのではないか、と思います。

一冊の本で「大体この辺り」に特定の情報があった、という記憶法は、私も多用しています(笑)。あと、電子書籍の方で不安に思う点を挙げるなら、ハードウエアもそこに保存されているデジタルデータも、壊れる時はあっさり壊れて、それっきり二度と読めなくなることも珍しくない、という点でしょうか。紙の本が火事で焼失という非常に小さい可能性と比較すると、マシンやデータが突然壊れるのは数年という短い単位で確実に起こるので、長期的に保存したい資料本の場合は、そこをどうクリアするかが課題になるような気がします。
by Mas-Yamazaki (2012-04-24 18:57) 

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