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2012年7月22日 [バルバロッサ&ゼーロフ]

学研パブリッシングさんの『歴史群像』誌公式サイトの「制作こぼれ話」というコーナーで、同誌最新号の付録ゲーム「ミッドウェー海戦」「日本海海戦」の制作裏話が、写真入りで紹介されています。ゲームをお持ちの方は、ぜひ一度ご覧あれ。

『歴史群像』誌第114号「制作こぼれ話」

さて、学研さんのムック『大日本帝国』第5巻の担当原稿を書き終えた後、先週から今週にかけては『歴史群像』誌次号の担当記事「ブダペスト包囲戦」の執筆に取りかかっています。古参のゲーマーなら、古くは『ビターエンド』、最近なら『ハンガリアン・ナイトメア』を連想されるかと思いますが、原稿枚数を多めにいただいているので、SS騎兵師団の包囲下での奮戦など興味深いポイントの多いこの戦いを、読み応えのある記事に仕上げるべく奮闘中です。

この執筆のために作業が一時中断となりましたが、シックス・アングルズ第15号『バルバロッサ・トゥ・ゼーロウ』の制作作業も最終段階に入っています。『ゼーロウ&キュストリン 1945』の新版のマップとユニットもようやく完成し、展開表のチャートと合わせて確認作業を行いました。

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ソ連側から見た初期配置。

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ドイツ側から見た初期配置。

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北を上にして見た地図領域。

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ユニットのグラフィックは基本的に第7号と同じですが、色をより濃くして地図上での見やすさを向上させたり、装甲修正値の「+」記号を無くして数値を少し大きくするなどの細かい工夫を施しています。ドイツ軍はケーニヒスティーガーやパンター、IV号ラング、ヘッツァーなど、ソ連側はT34/85、ISU152、JS2mが登場し、それぞれの能力の違いが数値に反映しています。

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マップのグラフィックは、完全に新しく作り直しました。紙のサイズをA3からA2(ハーフサイズ)に拡大し、第7号版ではルールブック巻末に入れていたチャート類を、全てマップ上に収録する形としました。両軍とも頻繁に参照する図表なので、地図に入れこむのが最善であろうと判断しました。

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ご存知の方もおられるかと思いますが、『ゼーロウ&キュストリン 1945』は、シックス・アングルズ第7号付録ゲームとして2001年に出版した『ゼーロフ&キュストリン 1945』の改訂新版です。改訂と言っても、ルールやユニットの数値の変更などは特に無く、発売後に判明したエラーを既に発表していた正誤表に従って直したり、ルール説明の不備を追記で補ったりしたものです。

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テーマは、第二次世界大戦末期の1945年4月に実施された、ソ連軍のベルリン大攻勢の第一幕とも言える「ゼーロウ高地の戦い」で、『ゼーロウ&キュストリン 1945』はこれを中隊/大隊(ドイツ軍)、連隊/旅団(ソ連軍)で再現する、作戦戦術級のゲームです。1ターンは、昼間は3時間、夜間は4時間を表し、1へクスの対辺間距離は960メートルに相当します。

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ゲームシステムは、戦闘解決を「対戦車戦闘」と「対歩兵戦闘」の二種類に分けて解決するオーソドックスな作戦戦術級のそれで、高地の戦いで重要な役割を演じる砲兵の間接射撃や、そのための視認ルールも用意されています。シナリオは、ジューコフ元帥率いる第1白ロシア方面軍のゼーロフ高地への強襲を描くメインシナリオ(4月16日〜17日)と、その前月の3月27日〜28日に行われた、キュストリンで包囲された友軍部隊に対するドイツ軍の救出作戦を描くミニシナリオ(地図の北半分だけを使用)の二本立てです。

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ジューコフ元帥(とその取り巻き)もユニット化されており、高地にいるジューコフは敵部隊の視認距離をさらに3へクス延長できるという効果を持ちます。

ちなみに、戦場となった「Seelow」の地名について、第7号では「ゼーロフ」と表記しましたが、現地での発音その他を調べた結果、「ゼーロウ」と表記すべきとの結論に至りましたので、第15号ではそのように変更しました。下は、「ゼーロウ自動車スポーツクラブ」の50周年記念行事を報じる地元テレビのようですが、「ゼーロウ」または「ズィーロウ」と発音しているように聴こえます。この種の外国語表記は、正確な変換は絶対に不可能なので、こだわりすぎてもあまり意味はないとも言えますが、日本人には「ゼーロフ」よりも「ゼーロウ」の方が言いやすいのでは、と思います。ちなみに、グーグルマップもWikipediaも「ゼーロウ」表記となっています。




予定では、『歴史群像』誌の原稿を仕上げた後、『バルバロッサの場合』と『ゼーロウ&キュストリン』のマップ及び駒シートのデータを完成させ、月末に台湾の印刷会社へ送信することになるはずです。そして本誌その他のデータも続いて送り、いよいよ「台湾での印刷・製造」工程がスタートします。初めての経験で、何が起きるかわからない不安はありますが、プレオーダーの募集は8月初頭から開始するつもりですので、興味のある方は今しばらくお待ちいただければと思います。
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