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2013年7月17日 [パンツァークリーク]

この前の日曜日(7月15日)は、久々に石田さんがお見えになり、シックス・アングルズ別冊第10号『パンツァークリーク』のルール検証プレイを行いました。今日はその話題です。ちなみに、プレイしたシナリオは「後手からの一撃(バックハンドブロウ)」で、1943年2月の第三次ハリコフ戦におけるドイツ軍の反撃がテーマです。

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今回のプレイでは、マップはシックス・アングルズ版を、ユニットはOSG版のものを使いました。ユニットの方は、まだデータが完成していない(仕様を検討中)のに加え、旧版でもさほど問題なくプレイできるデザインということで流用しましたが、ゲームマップについてはOSG版もAH版も、はっきり言ってしまえば「手抜き」としか思えないような、実用性に問題のある仕上がりなので、内容の校正チェックも兼ねてシックス・アングルズ版を使いました。

ちなみに、下の写真はOSG版とAH版のゲームマップとユニット。左がOSG版で、ヘクスの径はギリギリ標準サイズですが、右のAH版は同社のブックケースサイズの箱に収めるためにマップ全体をさらに縮小しており、ユニットの角を奇麗にトリミングしなければ事実上「プレイ不可能」とすら思えるほど窮屈なヘクス径でした。

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また、現物をお持ちの方なら、おそらく実感として同意していただけるかと思いますが、OSG版もAH版も、ゲームマップにはシナリオごとの区別が何もない「ただの太い線」が何本も無造作に(それも両軍を分けるヘクスサイドではなく一方の開始線であるヘクスの中に)引いてあるだけで、初期配置の時にどの線をどんな風に使う必要があるのか、いちいちシナリオカードのモノクロ縮小地図と照らし合わせて判断しなくてはなりませんでした。これは、SPI版の『クルスク大戦車戦』のシナリオごとの使用ユニット判別と同じくらいに面倒な作業(日本版として出版したSA別冊第3号ではこの問題点を解消しました)なので、新版ではもっとスムーズにシナリオのセットアップができるよう、地図上での開始線をシナリオごとに区別して表示しました。

さらに、このゲームでは予備ユニットや航空基地を配置する関係で、都市や町の位置が非常に重要な意味を持つのですが、OSG版もAH版も、都市ヘクスや町へクスの場所を一目で判別できず、特にユニットが密集している場所ではいちいち駒をどけて確認する必要がありました。そこで、原版では「大河の渡河点」を示すために使われていた「黄色いヘクス」を、町や都市の表示に使うことにしました。これだと、ユニットが置かれていてもそこが「町または都市」であることがわかり、実用面で大きな効果を発揮することを確認しました。渡河点は、双方向の赤矢印で代用しましたが、機能的にはこれで充分だと思います。

下は、完成一歩手前の段階でのシックス・アングルズ版ゲームマップです。それぞれの画像をクリックすると、大きな画像を見ることができます。

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ユニットについては、近々見本画像を公開する予定ですが、こちらもZOCの有り・無しを一目で判別できる処理など、いろいろな工夫を施しています。興味のある方は、ぜひ楽しみにしていてください。日本国内でも一定数が売られていた(月刊時代の『タクテクス』誌に和訳が掲載されていました)AH版を買って「ルールの不明瞭さやコンポーネントの不備でプレイ意欲を失った」という「挫折組」の方々にも、そうした問題点を全て解消した(…の予定です)今回の日本版で、このゲームの真価を確かめていただければ、と思います。



追記
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現在書店で発売中の『歴史群像』誌第120号(2013年8月号)に、私の執筆した記事「樺太の戦い 1945」が掲載されています。シックス・アングルズ第3号に掲載した『サハリン1945』のヒストリカル・ノートに加筆修正したものですが、テーマに関心のある方はぜひご覧ください。
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クリスマス・ピポ

学生時代にAH版を買い、春休みを利用してルール翻訳。
8bitマシンの単漢字変換しか出来ないワープロセット&
カセットテープセービングに必死に入力したものの、
上記の理由で挫折した一人として期待しております。

by クリスマス・ピポ (2013-08-02 22:53) 

Mas-Yamazaki

クリスマス・ピポさま: コメントありがとうございます。『パンツァークリーク』のアバロンヒル版は、本当に「なんで誰も気づかなかった(または問題を指摘しなかった)のか?」と思うほど、ヘクスと駒のサイズがアンプレイアブルな製品でした。

SAのウォーゲーム・レトロスペクティブ・シリーズは、海外の「コンポーネントで損をしていた」秀作ゲームに新たな生命を吹き込もうという(と大げさですが・笑)コンセプトで制作していますが、今回の『パンツァークリーク』も、コンポーネントを改良して問題点を解消し、「ちゃんとプレイして楽しめる」「プレイを通じてゲーム本来の面白さや価値を感じられる」ゲームに仕上げるつもりです。ぜひご期待ください。
by Mas-Yamazaki (2013-08-09 18:07) 

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