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2014年3月15日 [その他(雑感・私生活など)]

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今週は月曜から水曜まで、二泊三日で東京出張に出かけてきました。今日はその話です。

昨年はいろいろあって一度も上京しないまま終わりましたが、執筆の仕事や主題研究などに関連する「深く掘り下げる話」ができる相手は、事実上東京に行かないといないので、今回もいろんな人と会食して様々な刺激を受けたり、新しい展開の道を示唆していただいたりしてきました。本当はもっと多くの人と会いたかったのですが、今月中に終わらせないといけない仕事がまだいくつも残っているので、水曜日に戻らねばならないのが本当に残念でした。

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出版関係では、学研さんや潮書房光人社さんの編集者さんと会食したり、現状進めている仕事の打ち合わせや今後の方向性の確認などを行いました。潮書房光人社さんからは、6月頃に一冊、文庫本を出版していただく予定です。本のタイトルは未定ですが、テーマは第二次世界大戦期の1943年7月に旧ソ連のクルスク周辺で繰り広げられた、いわゆる「クルスク大戦車戦」です。

クルスクに関連する書物は、日本でもいくつか出版されていますが、内容が既に古くなって「賞味期限」が過ぎていたり、内容がマニアックすぎて全体像を読み取りづらいものばかりであると思えたので、戦いに至る独ソ両軍の背景や戦略構想、ヒトラーの思考に影響を及ぼした政治的要素、両軍の参加部隊と戦車・航空機の解説、主な指揮官の横顔、そして最前線における実際の戦いの様相るまで、全体と細部の両方を手軽に見渡せるような内容の文庫本に仕上げようと思い、昨年末から取り組んできました。

原稿(400字詰原稿用紙換算で約600枚)は既に納品しており、現在は収録する地図(25点前後になる予定)と図版(戦車と航空機の側面イラスト)を制作しているところです。海外で2000年以降に出版された、クルスク戦に関する新しい文献も数多く参照して、戦史的に重要な意味を持つこの会戦についての新たな認識を、様々なレベルで読者の皆さんに提供できるのではないかと思います。関心のある方は、ぜひご期待ください。

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六本木ヒルズの屋上デッキから見た東京タワー。

また、会食の合間にはいつもと同様、美術館にも足を運んできました。今回観たのは、三菱一号館美術館の「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860-1900」と、六本木の森アーツセンターギャラリーで開催している「ラファエル前派展」の二つです。私は同じ日の午前と午後に続けて観たのですが、この二つの展覧会は、実は作品の創作時期と作家が結構重なっていて(ウイリアム・モリスやバーン=ジョーンズ、ロセッティなどの作品は両方にある)、通しで観た後に全体を振り返ると、一方だけを観た場合よりも個々の作家に近づけるような気がしました。

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ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860-1900
(画像は公式サイトより)


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ラファエル前派展
(画像は公式サイトより)

「唯美主義」も「ラフェエル前派兄弟団」も、同時代には強い拒絶反応があったようですが、十九世紀のイギリスに生きた創造力あふれる「若い作家」たちが、当時の英国美術界を支配していた「良しとされる形式や慣習の踏襲」に反発し、「もっと自由に創作させてくれよ」「自分が魅力的だと思ったように描きたいんだよ」という素直な気持ちが画面にストレートに表れている作品が多いように感じました。「前衛(アバンギャルド)」と呼ぶには、あまりにも素直で礼儀正しい姿勢だったように思います。

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今回の展覧会二つで一番長く見入ってしまった作品が、右の「マリアナ」(ジョン・エヴァレット・ミレイ作)。同じミレイの有名な「オフィーリア」も隣にあって甲乙つけがたい存在感でしたが、私は「マリアナ」の方が好きです。出窓の外の木々、ステンドグラス、青いビロードの洋服、モデルの少し疲れたポーズ、椅子の赤、ろうそくの灯り、そして右下を走るネズミまで、ずっと観ていても全然飽きません。というか、家に欲しい(笑)。残念ながらポスターは無いので、今回はポストカードで我慢しました。左の「釈放令、1746年」もミレイの作品。彼の絵からは「そこにある自然への深い敬意」が感じられます。

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ウイリアム・モリスについては、今から5年前の2009年3月に東京都美術館の「生活と芸術──アーツ・アンド・クラフツ展」で壁紙などを観て気に入り、その時にミュージアムショップで買ったウサギ模様のTシャツは、今でもお気に入りです(上の写真)。職人気質の律儀そうな作家さんですが、詩人や政治活動家(社会主義者)という横顔もあり、興味の尽きない人物です。

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マッカーサーがGHQの本拠を置いていた第一生命ビル。

今月の残りは、前記したクルスク文庫本の地図と図版制作に加えて、『歴史群像』誌と『コマンドマガジン』誌の原稿執筆、そして六角堂出版からの電子書籍の刊行や『シックス・アングルズ』第16号「ベルリン陥落 1945」の準備作業などを行います。電子書籍については、今週から出版活動を再開しましたが、それについては次回の記事で書く予定です。

お忙しい中、東京で私との会食や面会に時間をとって下さった皆様、ありがとうございました。

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アイスランドへの旅

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モダンの圧倒。滅びに直面する伝承と美の王国。

危機を救うべく旅に出る、アーティスト(騎士)達。

絶望と狂気の混沌。ユートピアの果て。

真理の聖杯(デザイン)に彼らは何を見たのか。
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まさに、ハイパー☆モダンに直面する今日の日本。
危機を救うべく旅にでた地図職人氏の冒険や如何に!

昔、井村先生の妖精学講座で
ここら辺の時代が面白かったです。

ウクライナ、クリミヤ、ケルチ!!!
懐かしいような、不思議な既視感。
平穏な収束を祈るばかりです。

by アイスランドへの旅 (2014-03-18 10:19) 

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