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2015年1月5日 [ベルリン陥落]

今日はまず告知から。 『歴史群像』誌最新号(第129号)が到着しました。私の担当記事は、カラー4頁の「マーケット・ガーデン作戦の戦場を歩く」と白黒10頁「アルンヘムの死闘」です。前の「ディエップ上陸作戦」の時と同様、現地で撮影した写真と自作の戦況図、分析と解説のテキストで、多角的にこの激戦の実相に迫ります。

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ちなみに次号の担当記事は「イスラム国の誕生」。イスラム圏・非イスラム圏を問わず、世界に不安と緊張をもたらしているこの集団は、どんな経緯で誕生し、何を目指しているのか。現在進行中の「歴史」で謎や空白も多いですが、読者が日々のニュースを理解する助けになるような記事に仕上げる所存です。


さて、今年の仕事始めはシックス・アングルズ第16号付録『ベルリン陥落 1945』の制作から。2001年にCritical Hit社から発売された『神々の黄昏 Goetterdaemmerung』を、異なる戦闘解決システム+αでリニューアルデザインした作戦級ゲームで、マップのスケールは『パウルス第6軍』と同じく1ヘクス=5.5kmです。今年6月頃の発売を目指して鋭意制作中です。

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主な変更点は、戦闘解決システムの変更(ソ連軍の損害は「次回移動の瞬間まで未確認」の移動能力低下で適用)と、市街マップ上の手順変更(オーバーラン方式をやめ、複数回の移動セグメントと戦闘セグメントでユニットの移動と戦闘を解決)、そして仮想シナリオの追加(もしヒトラーが第6SS装甲軍を1945年3月にハンガリーの「春の目覚め作戦」で浪費せず、帝都ベルリンの最終防衛のために控置していたら?)などです。とりあえず今回は、ゲームマップの見本画像をご紹介します。

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コメント 4

JIN


 お久しぶりです。

 ちょうど昨日はCSで『遠すぎた橋』をやっていただけに、良いタイミングで買えました。

 先生の分析では、上層部は「SS二個師団の存在を認めていたが軽視した」というのが新鮮でしたね。

 そうなってくると映画でフロストが言っていた「話が違う」の場面もより印象的で。


 イギリス側がインパール作戦の弁護をやって牟田口を図に乗らせていたのは有名な話ですが、その真意はむしろ同レベルの「マーケット・ガーデン作戦弁護」の一環では無かったのかと思い付きました。
by JIN (2015-01-11 12:11) 

Mas-Yamazaki

JINさま:コメントありがとうございます。英軍上層部が、第2SS装甲軍団の存在を知っていながら作戦を強行した背景については、誌面スペース(ページ数)の関係で、記事では最低限の話しか書けませんでした。

もう少し詳しく書きますと、英軍は「マーケット・ガーデン作戦」以前にも同種の「空挺部隊で橋を奪取して、地上部隊を送り込む」という作戦をいくつか立案していました。しかし、英軍だけで行うには、いずれの計画も野心的すぎて、兵力や物資の不足から何度も中止を余儀なくされていました。そんな中で、アイゼンハワーの了承で米軍二個空挺師団の投入と補給配分の優先という「最高の条件」が揃った「マーケット・ガーデン作戦」は、モントゴメリーにとっては、かねてより暖めていた作戦を遂に実行できるという「千載一遇のチャンス」でした。

もし、今回もまた中止すれば、秋から冬へと差し掛かる時期の天候悪化でもう同種の作戦を実行することは困難になる可能性が高いと考えられていました。こうした事情から、「もうこれ以上の中止や延期はできない」という判断が下され、第2SS装甲軍団は戦力が低下しているに違いない、という可能性に賭ける、いわば「ギャンブル」的な形で決行されたのが、史実の「マーケット・ガーデン作戦」だったわけです。

ただし、アーカット少将やフロスト中佐など、英第1空挺師団の将兵には、第2SS装甲軍団の存在は本当に知らされていなかったようです(これはひどい仕打ち)。作戦自体の合理性とは別に、これ以上延期を重ねれば実行そのものができなくなるから、という理由で、見切り発車のような形で作戦実行を決断したのは、前の「ディエップ上陸作戦(1942年8月)」にも共通する図式ですね。
by Mas-Yamazaki (2015-01-13 22:54) 

JIN


 こうなるとまさに真の問題は「遠すぎた橋」より「いないはずの敵」になりそうですね。

 そうなればブラウニングやホロックスは知っていたのかどうかですが、アーカットやフロストに伝わらなかったのは、上層部の最初からの意思か、それとも途中での恣意による物かですが、たとえ戦力低下の前提があったとしても、それならそれで正確に伝えるべきとしか思えない。

 (あるいは日本軍と同様の「士気に関わる」との判断でもあったのか。)


 あとそうした軍事的な事情もさりながら、自分的に以前から関心があるのが政治的事情。

 特に一番気になっているのが、ほぼ同時期に起きた「ワルシャワ蜂起」との関連。

 児島譲氏の著書で、ワルシャワ蜂起においてポーランド空挺旅団の派遣を「他作戦での使用」を理由に拒否しているという箇所を見て以来、あるいはこの作戦の強行には、政治的に恐ろしく面倒で厄介なワルシャワ蜂起への関与を拒否するための理由付けもあったのではとすら思えてしまうわけで。
by JIN (2015-01-17 13:53) 

JIN


 一昨日ヒストリーチャンネルの「偵察写真が語る第二次世界大戦」でマーケットガーデン作戦をやってましたが、はっきりした地図と時間経過でより分かり易い感じでした。

 ただし気になったのは語り口で、はっきりとまでは言いませんでしたが、兵員個々の奮闘も絡めて、いかにも「たとえ九十パーセントでも成功に違いない」という方にウェイトが掛かっていた感じも。
by JIN (2015-02-06 16:19) 

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