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2015年7月12日 [その他(戦史研究関係)]

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歴史群像』誌の最新号(2015年8月号、第132号)が発売されました。私の担当記事は「ソ連邦崩壊」で、ゴルバチョフ、エリツィン、プーチンの3人のキーマンの足跡を軸に、東の超大国ソビエト連邦がいかにして終焉を迎え、現在のロシア(および周辺国)へ体制転換したかを解説しています。

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記事は、ゴルバチョフが書記長に就任した1985年からスタートしますが、彼の幼少時代からの歩みを説明しながら、スターリン時代以降のソ連の体制についても随時解説。ソ連を知らない若い人にも理解できるよう、脚注の補足説明も多く付けました。現代史をおさらいする参考になれば幸いです。

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現在のロシア大統領プーチンは、東の超大国ソ連の崩壊時のクレムリンの動きとは直接的には関係しませんが、エリツィンから権力を引き継いだ後、元KGB(国家保安委員会=秘密警察兼諜報機関)将校だった彼がKGB時代の仲間と共に「旧ソ連時代への回帰」を進めている現況を説明しています。

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ちなみに、『歴史群像』誌の原稿を書くときは、大抵予定枚数より多めに書いた後、全体のバランスを見ながらあちこちを削る作業を行いますが、今回もいくつかの記述を割愛しました。独ソ戦(大祖国戦争)当時、ソ連赤軍の工兵部隊に配属されたゴルバチョフの父セルゲイが、どの戦いに従事したかという「足跡」もその一つです。

以下、アウトテイク(未収録部分)を再録します。

一九四一年冬のロストフ攻防戦に参加した後、一九四二年にはロストフ西方のミウス川流域とヴォロネジ周辺で戦い、一九四三年にはクルスク戦と第四次ハリコフ会戦、ペレヤスラフ・フメリニツキーでのドニエプル川渡河作戦、ブクリン橋頭堡の防衛戦、キエフ奪回作戦、一九四四年のプロスクロフ、リヴォフ、サンドミール奪回作戦に従軍した。一九四五年春、セルゲイは爆弾で足に重傷を負ったが、命は取り留め、クラクフの軍病院で入院療養中に対独戦の終了を迎えた。

独ソ戦の南方戦域は、北部や中央よりも戦線の移動が激しかったので、ゴルバチョフの父が生き延びたのは幸運だったと言えます。1941年〜44年のシナリオが含まれた、別冊第10号『パンツァークリーク』に、ゴルバチョフの父セルゲイのユニットを自作して追加するのも面白いかもしれません。


さて、このところ単行本二冊とその他諸々の仕事が忙しく、先月は結局、1回しかブログを更新できませんでした。シックス・アングルズ第16号『ベルリン陥落』の制作も、予定より遅れてしまっていますが、テストのたびに内容は良くなっているという手応えはあり、秋にはなんとか発売したいと思っています。

発売の目処が立ち次第、プレオーダーの募集を開始する予定です。ソ連軍だけでなく、ドイツ軍をプレイしても最後まで盛り上がってプレイできるゲームですので、ぜひ楽しみにしていてください。

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コメント 1

舞方雅人

歴史群像誌の「ソ連邦崩壊」の記事、興味深く拝見させていただきました。
リアルタイムで崩壊を見聞していた身とはいえ、知らないことばかりで大変面白く拝読させていただきました。
これからも執筆がんばってください。
応援しております。
by 舞方雅人 (2015-07-23 11:21) 

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