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2015年9月1日 [その他(戦史研究関係)]

今日はまず告知から。私の新しい単行本『戦前回帰』(学研教育出版)が、本日付で発売されました。戦前の1930年代から開戦、敗戦、占領、主権回復を経て現在に至る日本の歴史を、今までとは違った視角から光を当てて読み解こうという試みです。

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戦後の日本では、あの戦争を引き起こした直接の主体である「軍隊」と、それを動かす「軍国主義」を諸悪の根源と見なし、これらを全否定する発想が主流だったと思います。けれども、今風に言えば「軍隊」はハードウエア、「軍国主義」は戦争のアプリケーションで、それらを動かす大元の「OS」はきちんと削除されないまま今に至っているのではないか、というのが、本書のテーマです。

帯の推薦文は、尊敬する内田樹さんに書いていただきました。

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1935年の「天皇機関説事件」と、それに前後する形で日本社会を覆い尽くした「国体明徴運動」によって、当時の日本を動かす「OS」であった「国家神道体制」は、暴走を食い止めるためのブレーキ、あるいはリミッターとしての「立憲主義」から乖離する形となりました。その結果、日本は破滅への道を自らの意志で暴走し、わずか10年後に破滅的な「結末」を迎えることになりました。

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そして敗戦後、占領軍であるアメリカの国益に合致するとの理由で「民主主義」という新しいOSがインストールされ、古いOSは削除されたかに見えましたが、1950年の朝鮮戦争勃発と共に更新作業が中断し、岸信介のような人物が公職追放を解かれるなど、古いOSが部分的に残りました。その流れの延長線上にあるのが、神社本庁や神道政治連盟、日本会議などの国家神道系の宗教的政治勢力であり、その強力な後押しを受けている第二次安倍政権です。

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GHQ占領時代の日本で進められていた「民主主義国としての再出発」が、敗戦からわずか5年ほどで「東西冷戦」という政治力学に阻まれ、その成長が止まった経緯も書いています。

また、これは私の単著ではありませんが、神奈川新聞「時代の正体」取材班編『時代の正体 権力はかくも暴走する』(現代思潮新社)に、過去に同紙に掲載された私のインタビュー記事からの一部抜粋が掲載されています。本の内容は、同紙連載「時代の正体」のインタビューや取材記事を、安保問題や沖縄問題、ヘイトスピーチなどのテーマごとに再編集したものです。こちらも、お薦めの内容です。

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さて、先週金曜日の8月28日から31日まで、東京に出張で出掛けていました。いくつかの出版社との仕事関係の打ち合わせに加えて、8月30日の国会議事堂前での抗議行動に参加することも重要な目的の一つでした。

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最初は、ただの一個人兼一市民として参加する予定でしたが、8月31日付の神奈川新聞さんに談話の記事を載せていただけることになり、この歴史的に重要な出来事をさまざまな視点と角度から参加・観察する機会を得ました。

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現場での私の雑感などは、ツイッターに書いていますので、興味のある方はそちらを参考にしてください。
https://twitter.com/mas__yamazaki

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森村誠一さんのスピーチ。

今月は、二冊目の単行本(テーマやタイトルは改めて告知します)の執筆と、シックス・アングルズ第16号『ベルリン陥落 1945』の仕上げ、そして『歴史群像』記事の執筆などを並行して進める予定です。『ベルリン陥落 1945』は、ようやくゴールが見えてきた感じです。プレオーダーの募集も、今月中には始められるかと思います。ぜひ楽しみにしていてください。
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