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2018年8月24日 [その他(戦史研究関係)]

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今日はまず告知です。久々に「戦史ノート」シリーズの電子書籍をひとつ刊行しました。第68巻『張鼓峰事件』です。

第68巻『張鼓峰事件』(AMAZON Kindle)

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先日NHKで放送されたノモンハンの番組で、関東軍の辻政信が起案した「満ソ国境紛争処理要綱」(「国境が不明確な箇所では、現地の防衛司令官が自主的に国境線を設定せよ」「敵軍駆逐という目的を達成するためならば、一時的にソ連領内に入っても構わない」等)が、重要な発生原因の一つとして指摘されていましたが、辻がこれを策定したのは、張鼓峰事件の翌年三月に現地を視察した後でした。ノモンハン事件(紛争)に関心がある人にも、その前段階の出来事を知るために、読んでいただければ幸いです。

以下、商品説明より一部抜粋。
「領土紛争や国境紛争について考える場合、軍人の思考では『個々の戦闘における勝ち負け』や『勇戦・奮戦する姿』が重視されることが多いですが、国家間の政治問題として総合的に判断するなら、それが『多くの人命を失う価値のある出来事だったのか』、そして『その人命の損失は果たして避けられないものだったのか』という評価基準も必要となります。
 領土紛争や国境紛争で『戦って勝つか負けるか』ではなく、『戦わずに国益を追求する方が結局は得策ではないか』という非軍事的な視点が、広義の安全保障問題を考える際には重要な意味を持つことを、張鼓峰事件は後世に教えていると言えます。現在の離島防衛を含む日本の安全保障問題にも、この出来事は多くの示唆を含んでいるように思います」




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さて、7月6日の『歴史群像』誌第150号発売から7週間が経ちましたが、かつてないほどの売れ行きを記録している模様です。ありがとうございます。

一方、付録ゲーム「モスクワ攻防戦」でゲーム終盤のソ連軍の押し返しが弱くて、なかなか勝敗判定ヘクスまでたどり着けないという意見もちらほら耳にします。そんな方はぜひこちらのブログ記事を参考にしてください。筆者は、今回ゲームのプレイテストを担当してくださった一人、古角博昭さんです。

歴史群像の『モスクワ攻防戦』を徹底解剖してみた

ただ、ウォーゲームのテクニックをすぐに会得するのも難しいとは思いますので、当座の対処として、ソ連軍攻勢支援マーカーの効果を「右に1列」でなく「右に2列(または3列)」に変更してプレイすることも試してみてください。

この変更案だと、ドイツ軍が予期しない箇所で戦線が大きく動く可能性が生じますが、マーカー数が限られていますし、冬将軍の到来による攻防の転換がよりドラマチックに感じられるのでは、と思います。ドイツ軍もゲーム序盤からより一層、自軍の損害管理に注意を払わなくてはならなくなります。

ちなみに、デザイナー(私)のお薦めは「右に3列」シフトです。実はゲームのプレイテストを開始した最初の段階(3月4日作成のルール)では「凍結ターン中に行われるソ連軍の攻撃は、すべて戦力比を右に3列ずらして解決する」「凍結ターンに行われるソ連軍の攻撃に、攻勢支援マーカーが適用された場合、攻撃側の戦闘力に2を加算する」というルールになっていました。

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また、一部ではある種の「裏ワザ的プレイ」として、第1ターンのドイツ軍は少数の装甲軍団だけが移動と攻撃を行い、残りのドイツ軍部隊は攻撃をしないどころか、ソ連軍に反撃されて損害を被ることを避けるために「西方向へ離れて逃げる」という手を使うという話もあるようです。実際には、そんな奇怪なやり方でプレイしても「ゲームが壊れる」だけで、ドイツ軍が勝ったとしても対戦ゲームとして楽しくないので、実際にしている人はほとんどいないようですが、そんな手を使う余地を残しておくのも問題だと思うので、以下のルール追記を行ってください。

ルール6.4項の「第1親衛狙撃兵軍団(1Gd、ヘクス1210に配置)」と「のユニットだけが移動できます」の間に「と、その時点でドイツ軍のZOCにいないソ連軍」を挿入してください。つまり、ルール6.4項は「第1ターンのソ連軍移動フェイズでは、第1親衛狙撃兵軍団(1Gd、ヘクス1210に配置)と、その時点でドイツ軍のZOCにいないソ連軍のユニットだけが移動できます。それ以外のユニットは、第1ターンのソ連軍移動フェイズには移動できません」となります。

そもそも、第1ターンに前線のソ連軍ユニットが移動できないというルールは、主にドイツ軍の支配地域(ZOC)の拘束力を史実のモスクワ戦に近い形で高めるために用意したもので、独ソ戦に詳しい方ならその意味を容易に理解していただけるかと思います。なので、ドイツ軍が「反撃を恐れて後ろに下がる」なら、そんな拘束力は消滅するので、第1ターンのソ連軍移動フェイズ開始時にドイツ軍のZOCにいないユニットは、自由に移動を行えるようになるわけです。

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今回、『歴史群像』第150号の付録として収録した二つのゲームは、戦史に深い関心を持つ同誌の読者の方々に、ボードゲームの対戦/プレイを楽しみつつ、題材となる戦史への興味をより深めてもらおうという意図で制作したもので、発売後の反響を見る限り、おおむね成功したと理解してもいいように思います。

そして、今までウォーゲームというカテゴリーを知らなかった人に、この趣味の面白さや醍醐味が伝わり、同好の士を増やすことに寄与できたのなら、プレイテスターを含む制作者一同として、これに勝る喜びはありません。ウォーゲームとは異なる一般ボードゲームの愛好家の皆さんからも、好意的な反響をいただけて嬉しく思います。このような機会は、望んでもなかなか得られない貴重なチャンスですが、皆さんが「モスクワ攻防戦」と「バルジの戦い」のプレイを長く楽しんで下さることを、制作者一同として願っています。

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【正誤表】

なお、「バルジの戦い」のルールブックで誤字が一つ見つかりました。21ページルール5.1「ターンの手順」で、「ドイツ軍第1戦闘フェイズ」とあるのは「ドイツ軍第1突撃フェイズ」の誤りです。お詫びして訂正します。

それから、「モスクワ攻防戦」について、ルールQ&Aを2つ追加しましたので、参考にしてください。これ以前の追加Q&Aは、学研の『歴史群像』公式サイト内の「制作こぼれ話」のページに出ています。

『歴史群像』「制作こぼれ話」第150号

Q7: 7.8項の「ソ連軍の場合、味方ユニットのいるへクスへも退却して入ることができません」とは、敵ZOCの場合だけなのか、それとも敵ZOC以外の場合も含めてなのか?
A7: これは、敵ZOC以外の場合も含めてです。ソ連軍は、敵ZOCに関わらず、味方ユニットのいるヘクスへは退却できません。

Q8: 7.8項にあるように、ドイツ軍が「追加で1ヘクスの退却」を行った先にも、他のドイツ軍ユニットが存在する場合、さらに「追加で1ヘクスの退却」を行うのか? 言い換えれば、他のドイツ軍ユニットがいないヘクスまで、退却を続けるのか?
A8: いいえ、1回の退却で行えるのは「追加で1ヘクスの退却」のみです。1ヘクスの追加退却を行っても、他の味方ユニットがおらず、なおかつ敵ZOCでないヘクスに入れなければ、そのユニットは全滅したものと見なされて除去されます。
 
モスクワコマ1s.jpg

 
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