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2018年12月31日 [その他(戦史研究関係)]

2018年も、今日で終わりとなりました。今月は、来年春に刊行予定の新書の原稿執筆に明け暮れており、食事くらいしか楽しみがない日々ですが、12月8日に大阪の立命館大学いばらきキャンパスで、香山リカさんらと共に講演を行いました。

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私の演題は「ヘイトスピーチと歴史修正主義の根底にあるもの」。戦史・紛争史研究と、どんな関係があるのかと思う方もおられるかもしれませんが、近現代史に詳しい方ならご承知のとおり、特定の外国人や国内の少数派を敵視して存在価値を否定するような「ヘイトスピーチ」は、過去の紛争や戦争、大量虐殺の前段階としてしばしば見られる、いわば「戦争や紛争の初期症状」とも呼べる現象でした。

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また、自国の過去の歴史を特定の政治的価値観に沿う形へと歪め、過去に起きた不都合な出来事を否認する「歴史修正主義」も、1930年代の日本を含む全体主義の権威主義国によく見られる現象で、自国優越思想の土台としても用いられる言説でした。そして、「ヘイトスピーチ」と「歴史修正主義」の両方の根底にあるのが、麻薬のように人の心を酔わせる「排外的で権威主義的な自国優越思想」です。

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従って、この二つの社会現象は、決して甘く見てよいものではなく、将来において国の進路を誤らせる効果を持ちうる、危険な「前兆」として捉える必要があるように思います。1930年のドイツや日本の状況を見て、人々はなぜ道を誤ったのか、何かできることはあったのではないか、と、後世の我々は気軽に論評しますが、もしかしたら今の日本人もまた、後世の日本人や外国人から「あの時代の日本人はなぜ道を誤ったのか」「それに抗うためにできることを全てやったのか」と論評される時代が来るかもしれません。そんな、同時代人としての当事者意識を持つことが必要ではないか、と私は最近特に強く感じているところです。もちろん、これが杞憂であればいいのですが。


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今年は、2月に『[新版]西部戦線全史』(朝日文庫)、4月に『1937年の日本人』(朝日新聞出版)、6月に『[増補版]戦前回帰 「大日本病」の再発』(朝日文庫)を上梓したほか、毎号寄稿している雑誌『歴史群像』(学研)では7月発売号で付録のボードゲームも制作・デザインし、大きな反響を得ることができました。

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来年は、春頃に単行本一冊と新書一冊が刊行予定で、それ以外の予定もいくつか決定しています。本の内容については、タイトルや発売日が確定次第、改めて告知しますので、ぜひご期待ください。来年もよろしくお願いいたします。


【おまけ1】
執筆の仕事の合間に、来年アメリカのコンパス・ゲームズ(Compass Games)社から発売予定の新作ボードゲーム『フォー・マザーランド!(For Motherland !)』のプレイテストを友人と行っています。テーマは第二次大戦期の独ソ戦(ドイツとソ連の戦い)で、昔デザインした『ウォー・フォー・ザ・マザーランド』をリサイズしてよりプレイしやすく、またより歴史再現性を高めた内容に仕上がりつつあります。

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同社の公式サイトでは、既にプレオーダー(予約注文)が行われており、ユーザーの反応は上々とのことです。

コンパス・ゲームズ社の公式サイト


【おまけ2】
私の住む名張市では、毎年夏に花火大会が開催されていますが、今年は豪雨と重なったため、11月に延期されていました。そして11月24日の夜に予定通り開催され、私は地元の友人と一緒に観に行ってきました。

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この頃には既に気温がだいぶ低くなっており、ちびっこたちは防寒着で観覧していましたが、適度に風が吹いて空気が澄んでいたこともあり、真夏の花火とは違った美しさがありました。

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これらの写真は、ポケットに入るコンパクトなデジカメで撮影しましたが、三脚に据えて「花火モード」にすれば、うまい具合に光跡を写し込むことができました。

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それでは皆様、よいお年を!
 
 
 
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