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2020年6月17日 [その他(戦史研究関係)]

久々の更新です。まずは、5月7日に発売された「歴史群像」誌の6月号(第161号)について。今回はカラー頁と本文記事で、第二次大戦期とその前後のフィリピンを俯瞰的に読み解いています。

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カラー2ページの「フィリピンの戦跡を歩く」では、今年の2月に取材を兼ねて訪れた、マニラ市内とレイテ島の第二次大戦に関する遺構や記念碑、歴史的に重要な建物などを、撮ってきた写真と共に紹介しています。

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モノクロの本文記事「フィリピンの第二次大戦」では、第二次大戦中の日本軍とアメリカ軍の戦いに加え、米国式の訓練と装備を受けたフィリピン軍や、戦中の親米および非親米ゲリラ、それに対抗する親日フィリピン人義勇兵などにも光を当てています。

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東南アジアの植民地で唯一、近い将来の独立を約束されていたフィリピンは、なぜ戦場となったのか。日米という大国の狭間で、フィリピンの軍人や市民はどのような「敵」と戦ったのか。日本軍がもたらした国内の分断は、戦後のフィリピンにも大きな影を落としました。

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また、「歴史群像」誌の6月号には、この原稿2本に加えて、さらにもう1本記事を書いています。それは、毎年夏号の恒例となった「付録ボードゲーム」の内容紹介で、今回は2人用が「ノルマンディー上陸作戦」、1人用が関連テーマの「米軍空挺部隊の戦い」です。

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2人用の「ノルマンディー上陸作戦」は、1944年6月6日の「Dデイ」から6月12日までの一週間の戦いを、師団レベルで再現するゲーム。

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1人用の「米軍空挺部隊の戦い」は、Dデイと翌日の米軍空挺二個師団(第82、第101)とユタ・ビーチから上陸する米第4歩兵師団の行動をプレイヤーが指揮するゲームです。

付録ゲームが付く8月号(162号)は、7月6日発売予定です。


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続いて、新聞への寄稿です。6月6日の「神奈川新聞」朝刊に、黒川弘務(元)検事長をめぐる問題に関する論考を寄稿しました。「賭けマージャン」がスキャンダルとして騒がれ、レート云々という脇の話に国民の視線が逸らされましたが、発端である「総理大臣による公益に寄与しない脱法的な閣議決定」の問題は全然解決していません。したがって、報道はさらに追及を続ける必要があると思います。

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ところが、主要メディアの報道を見ると、もうこの件は取り上げる価値が無くなったかのように、さらなる追及を止めてしまいました。記事の冒頭で皮肉を込めて「黒川弘務という元検事長の名をご記憶だろうか」と書きましたが、実際もう忘れてしまった人も多いかもしれません。

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また、安倍政権による黒川弘務氏の定年延長強行が、日本国内で大きな反発と抗議を受けている状況を報じる、仏「リベラシオン」紙の5月17日付の記事に、私のコメントも少し紹介されています。なぜ多くの有名人や表現者が、検察庁法改正法案に対して反対の声を上げたのか、という質問に、いくつか私見を述べました。

Au Japon, l’affaire du procureur Kurokawa soulève un vent de contestation

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6月12日発売の「週刊金曜日」には、先日の首都上空でのブルーインバルス展示飛行についての記事を寄稿しました。

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自衛隊や展示飛行が「好きか嫌いか」レベルの論評ではなく、「主権者/納税者である国民への政府の説明責任の欠落」と「政治宣伝の効果」の観点から論じています。

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【おまけ】

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16年前の2004年に個人出版で出した独ソ戦のシミュレーション・ゲーム「ウォー・フォー・ザ・マザーランド」の中国語版が、中国のメーカーからボックス仕様で出ました。

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各種のグラフィックは、私が制作した原版のデータを向こうに送って、テキストの日本語部分を中国語に差し替えたもので、関連の戦史記事もオリジナル版に忠実な構成でルール冊子に収録されています。

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この5〜6年で、日本製やアメリカ製の戦史を題材としたボードゲームが数多く中国でライセンス生産されていますが、愛好者は日米よりも若い人が多いと感じます。上海や南京を訪れた際、現地のゲーマーと交流したことがありますが、日本のゲーム事情に詳しい人も多くいました。

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サイコロまで袋に入っているのが、今の中国の「力」だと思います。

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独ソ戦の作戦級シミュレーション・ゲーム「モスクワ攻防戦」も、同社からの出版企画が進行中です。
 
 
 
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