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2013年11月10日 [その他(戦史研究関係)]

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今日は告知をひとつ。『歴史群像』誌最新号(第122号)が発売されました。私の担当記事は「戦略分析 ブラウ作戦」。最初は「戦役(キャンペーン)」として立案された同作戦の構造が、ヒトラーの場当たり的な干渉によって変質していく経過を示した図版(後述)なども織り交ぜながら、コーカサス油田を目指す1942年のドイツ軍夏季攻勢を、戦略と作戦の観点から分析した内容です。

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今回も「通り一遍」の記事ではなく、様々な新しい情報と新しい視点・切り口を提供できたのでは、と思います。従来の戦史書ではわかりづらかった(というか、きちんと違いを説明した本が見当たらない)「ブラウ作戦」「ブラウンシュヴァイク作戦」「エーデルヴァイス作戦」の違いや区分も理解できるはず。

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実は、テキストだけでこれらの変遷を説明したのでは、読者にわかりづらいだろうと思われたので、今回は原稿と一緒に「作戦構造の変遷図」と「ヒトラーによる修正指示の一覧」を編集部に送りました。最終的な記事にも、それらは掲載されていますが、この図と本文を併せてお読みいただければ、ドイツ軍の「ブラウ作戦」が最終的な失敗に終わるまでの期間に、どれほど異様な道をたどったかを理解していただけるかと思います。

本文では触れる余裕がありませんでしたが、作戦目標の優先順位の曖昧さ、敵情把握の失敗と敵兵力の著しい過小評価、指導部における根拠のない慢心と楽観、場当たり的な方針変更など、多くの点で「ブラウ作戦」と「ミッドウェー海戦」は似通っているようにも思えます。両方とも(前者は開始日、後者が実行日)1942年6月というのも因縁めいています。

ところで、上の写真は最近近所の100均(100円均一ショップ)で購入した「ブックスタンド」に立てて撮影したものです。

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ハードカバーや文庫本、無線綴じや中綴じの雑誌など、なんでもページを開いたまま固定できます。これは便利! 昔、似た道具を自作しようとしたことがありますが、失敗しました。物書きの仕事には、大いに役立つアイテムだと思います。

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右が立てた状態。左は折り畳んだ状態。スチール製で適度な重さがあるので、軽い文庫本でも安定しています(裏にはゴムの足つき)し、逆にハードカバーの本でも重みで倒れたりしない構造。シンプルだけど、実用性はかなり高いです。これだ、私が求めていたものは!
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