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2021年6月30日 [その他(戦史研究関係)]

隔月更新が常態化していますが、5月と6月のおさらいを。

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5月6日に「歴史群像」誌の6月号(第167号)が発売されました。私の担当記事は「クロアチアの第二次大戦」。ユーゴスラヴィアの一構成地域だったクロアチアは、ドイツ軍による占領後に枢軸国として独立を許され、戦前からムッソリーニの支援を受けていた右派の民族主義勢力が政権を握りました。

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同政権は、民族差別政策と大量虐殺を実行。また、ドイツ軍に連隊規模、イタリア軍に大隊規模の義勇兵を派遣し、前者の第369クロアチア義勇歩兵連隊はスターリングラード市街戦にも参加したのち、ドイツ第6軍と共に包囲されて壊滅しました。

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今回、ナチ党の正式名称をどう訳すかでいろいろ悩みましたが、ドイツ史にもナチス問題にも造詣が深い、日本語が堪能なドイツ人の友人にも相談した後、「国民に対する国家秩序と国家指導部の絶対的優越」等を鑑み、従来通り「国家社会主義」としました。ちなみに、ドイツ語での「国歌」は Nationalhymneです。


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6月17日には、集英社新書のアンソロジー本『「自由」の危機』が発売されました。私の担当原稿の表題「守るべきは自由」は、著書にサインを求められた時に、いつも添えている言葉です。内田樹さんはじめ、他の寄稿者の方々による原稿も興味深い内容です。

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横暴で不条理な力に自分を変えられないために、しぶとく図太く、自由を守り続けましょう。


ネット媒体「Wezzy」の連載「詭弁ハンター」では、5月初めに第6回が、6月初めに第7回が公開されました。

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第6回のお題は「唐突にウイグル問題を持ち出す『ウイグル話法』。この詭弁の目的と弱点を解き明かす」です。一見もっともらしい、しかし実際には相手を黙らせることが目的の詭弁に、どう対処すべきか。

唐突にウイグル問題を持ち出す「ウイグル話法」。この詭弁の目的と弱点を解き明かす

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第7回のテーマは「聞けば聞くほど『不安』になる、『安全・安心』という詭弁」。本来、異なる次元の言葉である「安全」と「安心」ですが、2つをくっつけることで疑問や批判を抱きにくいマジックワードに変化します。

聞けば聞くほど「不安」になる、「安全・安心」という政府の詭弁

記事より一部抜粋。「このように、『安全』と『安心』を切り離して考えれば、現実に即した使われ方をしているかどうかを簡単に判別できますが、この二つを繋げて『安全・安心』という形で使われると、論理的にあやふやな概念に変化し、現実に即した使われ方をしているかどうかが判別しにくくなり…」

記事の末尾には、第1回から第7回の記事に飛べる一覧のリンクが付加されました。この連載の目的は、社会に氾濫するもっともらしい詭弁に対する「免疫」をみんなでつけて、強い力を持つ者にだまされないようにしよう、というもので、シリーズ名を「詭弁ワクチン」としてもよかったかな、と思います。


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6月13日付の「しんぶん赤旗 日曜版」に、私のインタビュー記事が掲載されました。既に他の人が指摘されている論点と重なる箇所もありますが、重要な論点は何度でも繰り返し指摘しないといけない。このインタビューはメールで行いましたが、一部割愛されているので、完全版をそのうちnoteで公開します。

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2015年に上梓した『戦前回帰』等で、安倍政権下の日本社会は精神文化が戦前(昭和の大日本帝国)に近い方向へ回帰していると指摘しましたが、政治権力を中心に精神文化が戦前(昭和の大日本帝国)に回帰したあと、新型コロナという感染症で国内が「非常時」になれば、意思決定のパターンが戦前から戦中のそれへと移行するのは当然の成り行きです。「戦前回帰」の段階で社会が甘く見た結果、戦中同様の誤謬と災厄が国民に降りかかっているようにも思えます。

日本国内の新型コロナ感染は、いまだ好転したとは言えない状況ですが、皆様もどうか油断せず、お気をつけください。

【おまけ】

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先日、名張市内で運良く遭遇できた虹です。近い場所にできた虹で、アーチが大きすぎて全体を写真に収めることはてきませんでした。よく見ると、アーチの内側は外側より少し明るい。
 
 
 
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