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2009年7月22日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

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本日、シックス・アングルズ第13号「ツィタデレ: クルスクの決戦」のプレオーダー分を発送しました。今回の総数は、注文件数で164件、冊数だと182冊でした。世の中では、製造業を中心に景気の停滞がいまだ深刻ですが、基本的に1年前と変わらない数の注文を下さる皆様には、ほんとうに頭の下がる思いです。今号も、ページの隅々まで情報価値を盛り込み、中身のたっぷり詰まったパッケージに仕上げられたのではないかと思いますので、プレオーダーされた方はぜひご期待ください。ただ、西日本を中心に天候が物流に影響する可能性があるようなので、そうならないよう祈ります。

昨日の晩、封入の合間にNHK「名将の采配: アウステルリッツ会戦」と「マネー資本主義第4回」を観ました(結局、後回しにされた上、録画に失敗して再放送を観ることに。認めたくないものですね、老化ゆえかもしれない家電製品の誤操作というものは…)。前者は、軍事や戦史の知識がない素人さんに「作戦を考えさせる」というのが面白い企画ですね。後者は期待どおりの(満足できる)内容で、いわゆる金融工学がウォール街に持ち込まれた理由と、それが災いをもたらすに至った背景が、非常にわかりやすく描かれていたと思います。

いつものように164人のお客さんと向き合って、感謝と共に心地よい疲労を感じていますが、明日からはロンメルさんと向き合う日々が本格的に始まりますので、今日は早めに休みます。しかし湿度が凄いですね。異常に蒸し暑くて、まるでインドシナ半島のような気候です。

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2009年7月21日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

シックス・アングルズ第13号「ツィタデレ: クルスクの決戦」が、私の手元に届きました。ざっと内容を確認しましたが、今回もコンポーネントの仕上がりはイメージ通りで、毎回高品質な仕事をして下さる印刷屋さんに感謝です。

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以前にも告知しました通り、本日付でお送りいただいたプレオーダーは、確実に明日発送いたします。実際の発送は明日の午後となりますが、明日は発送の雑務に追われてメールチェックの機会が極端に減ると思いますので、そのあたりの事情をご了承いただければ幸いです。

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2009年7月13日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

シックス・アングルズ第13号「ツィタデレ: クルスクの決戦」の発売も間近となりましたが、本ブログの7月9日付記事に対するコメントとして、同ゲームのユニット・レーティングについてのご質問がありましたので、少しご説明させていただきます。

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まず、ドイツ軍の装甲連隊とその所属大隊の関係についてですが、ご指摘のとおり、編成上は一個大隊だけでクルスク会戦に参加した装甲師団も少なからず存在しました。例えば、第6装甲師団の場合、1943年7月5日の時点で、第11装甲連隊は第5~第8中隊から成る第2大隊だけを作戦に投入していました。上の画像は、本誌のヒストリカル・ノートに収録した第3装甲軍団の編成図の一部です。

ただし、ツィタデレ作戦開始時における、各師団(装甲連隊)の稼動戦車台数を見ると、1個戦車大隊しか持たない第6装甲師団は106輌なのに対し、2個戦車大隊を持つ第19装甲師団は81輌しかないなど、大隊の数と稼動戦車台数はかならずしも一致していませんでした。

本ゲームのデザインに際しては、書類上の「大隊数(1個か2個か)」ではなく、実際の稼動戦車台数を基にユニットのレーティングを行い(現在判明している資料ほどの信憑性は望めなかったとはいえ、私が初版のデザインを行った当時でも、W.Victor Madejaの”Russo-German War: Summer-Autumn 1943”など、装甲師団ごとの稼動戦車台数の推移についての詳しい情報が出ている資料はいくつか存在しました)、基本的に40輌を1ステップと換算して(突撃砲大隊は別)、個々の「ユニット化」と対戦車力の数値を決定しました。

今回選択ルールとして導入しました「大隊分割ルール」に関しても、ユニットの表記は便宜上「第1大隊」「第2大隊」となっていますが、ルールとしては「実際の稼動戦車を2分して使用する(これによって非機甲の装甲擲弾兵ユニット2個を同時に装甲兵力で支援できるようにする)」というのがルールの主旨であり、厳密に当時の部隊編成内容をそのまま表しているものではありません。従って、編成図の上では第2大隊しか保有していなかった第6装甲師団の第11装甲連隊が持つ「106輌の戦車」を2手に分割して、それぞれ装甲擲弾兵連隊とスタックして運用することは、史実で同師団が臨機応変に編成した戦闘団の運用(巻頭のヒストリカル・ノートで詳述しています)とも合致するもので、ユニットに付された大隊番号などの見かけ上はともかく、実際の効果という点では史実のクルスク戦のシミュレーションとして問題はないだろうと判断しました。

また、グロスドイッチュラント師団の「3/GD」パンター大隊ユニットについてですが、これは「グロスドイッチュラント装甲連隊第3大隊」ではなく「グロスドイッチュラント軽歩兵連隊第3大隊に一定数のパンター戦車を配属した戦闘団」を表すユニットです。ご存知のとおり、ドイツ軍はこの戦いに200輌近いパンターを投入しましたが、前記した「1ステップ=40輌」という算定法だと、第51と第52のパンター2個大隊を共に2ステップにしてもまだ吸収できず、苦肉の策として(パンター大隊を指揮下に置いて運用した)グロスドイッチュラント師団の戦闘力を強化する形で、追加のユニットを創出しました(グロスドイッチュラント装甲連隊をこれ以上強化することは、全体のバランスという点でも数値表現上の理由からも不適当と判断しました)。本ゲームにおけるパンターの戦力は、史実での不甲斐ない成果と比べるとやや過大評価と思われるプレイヤーもおられるかと思いますが、最終的なユニットのレーティングは、ゲーム全体を通したプレイテストによって検証・確認しており、ゲームバランスを根底から揺るがすほどアンバランスな評価にはなっていないのではないかと思います。

シミュレーション・ゲームのデザインに際しては、特定の意図に基づいてユニットの統合や省略、あるいは書類上の組織図ではなく実際の運用実態に基づく表現などを行うことが多々あり、本来ならこうした処理の全てをデザイナーズ・ノートやルール本文で解説すべきなのですが、現実には書くべき要素があまりに多すぎて、限られたスペースをこのような情報で埋めることは難しく、結果的に説明不足となってしまう場合も多いようです(申し訳ありません)。また、実際の編成内容を組織図どおりに忠実に再現したゲーム(ジ・ゲーマーズのTCSなど)を求める方から見れば、組織図の名称と異なるユニット処理や、同一兵科・同一規模のユニットのレーティングを画一化するような処理に不満を感じられるかもしれません。

ただ、私は「ツィタデレ: クルスクの決戦」をデザインした時、表現の核心となる部分以外の点については、なるべくプレイヤーの負担を軽くしたいと考え、ゲームの主役と位置づけたドイツ軍の装甲ユニット(このグループに属するユニットのみ、稼動戦車台数や装備戦車種に基づいて数値を変えてあります)を除いて、同一兵科・同一規模の(脇役的)ユニットのレーティングは画一化することにしました。この考えは、先日の『コマンド・マガジン』誌の対談でも述べましたとおり、現在私が手かげているゲームデザインの方法論でも変わっていませんが、私の見る限りでは、同様の判断(あくまで想像ですが)から、ユニットのレーティングを画一化したりユニットの統合や省略を行っているゲームは他にも数多く存在しており、特に異質なアプローチというわけではないと思います。

以上のような、私の判断およびデザイン上の処理が、果たして適切だったかどうかは、実際にプレイされた方の評価を待たなくてはなりませんが、少なくとも今回の復刻に際してルール検証のプレイテストを重ねた限りにおいては、ユニットのレーティングに関して、特に大きな問題は見つからなかったと考えています。発売まで、あと少しとなりましたが、ぜひご期待いただければと思います。

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2009年7月9日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

今日はシックス・アングルズ第13号「ツィタデレ: クルスクの決戦」のゲーム内容についての話です。

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本ブログの7月6日付記事へのコメントで、「付録のゲームは1990年代初めの出版と記憶しており、そうなるとゲームのクルスク戦の表現は古い時代の?解釈ということでよろしいでしょうか?それとも最新の解釈に合うように内容を作り変えられたのでしょうか?」というご質問がありました。もしかしたら、同様のご心配をされている方が他にもおられるかと思いますが、付録ゲーム「ツィタデレ: クルスクの決戦」の内容は、今回の本誌収録記事で提示した「クルスク会戦の再評価」を踏まえてもなお、状況設定や再現性の面で「古くなった」ということはなく、充分に史実のシミュレーション・ゲームとして通用する内容だと思いますので、プレオーダーを申し込んで下さった方は、ご安心いただきたいと思います。

「データで読み解くクルスク戦の実相」という記事の中で、私が検証を試みた点の1つは、独ソ両軍がツィタデレ作戦で実際にはどれだけの「損害」を被ったのか、ということでした。そして、同作戦の終了時に、ドイツ軍が被った「損害」とされるデータについて、「非稼動戦車台数」と「全損戦車台数」という、混同されやすい数字を明確に区別した上で、「ドイツ軍はクルスク戦で装甲部隊の大半を失い、終戦まで回復できなかった」という、かつて独ソ戦史の常識として語られていた認識は、大きな誤りであるという結論に達しました。

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例えば、ケンプフ軍支隊の第3装甲軍団に所属する、第6と第7、第19の3個装甲師団について見ると、ツィタデレ作戦開始時にはそれぞれ106輌、112輌、81輌の戦車および自走砲を装備していましたが、7月14日の時点で、各師団の稼動戦車台数は14輌(開始時の13%)、24輌(同21%)、27輌(同27%)でした。とはいえ、これだけを見て「第6装甲師団は106-14=92輌の戦車をクルスク戦で失った」と見るのは早計で、同師団がクルスク戦で「全損」した戦車の数は、III号戦車9輌とIV号戦車13輌、それに火焔放射戦車3輌の計25輌のみで、残りの67輌は、故障や損傷により一時的に戦線を離脱したものの、後に修理されて戦線に復帰しました。

この事実を踏まえれば、「ドイツ軍はクルスク戦で装甲部隊の大半を失い、終戦まで回復できなかった」という、ソ連公刊戦史とパウル・カレルが異口同音に記した内容は戦史的事実と一致しないことは明白で、ドイツ軍の装甲部隊はクルスク戦で大損害を被って再起不能となったわけではありませんでした(本誌第11号に収録した、大木毅さんの「戦史夜話」第1回の記事も参照)。ただ、ゲームに登場するドイツ軍の装甲ユニットは、あくまで「稼動状態にある戦車」を表しており、修理不能の全損戦車は少なくても、稼動戦車台数が半数以下に減少すれば、ゲームの中では「全滅」扱いとして、2ステップを失って除去されます。

第3装甲軍団には、装甲師団所属の装甲連隊ユニットが3個(計6ステップ)ありますが、上記の「稼動戦車台数」のデータを当てはめると、ゲーム終了時(7月13日の日没時)には5ステップ分の戦車が「非稼動状態」となって、減少戦力の1個連隊(1ステップ)だけが残っているような状態となります。そして、ゲームにおいても、第3装甲軍団はおそらく、対戦ごとの運不運や両軍の作戦方針で多少の変動はあるにせよ、平均するとこれに近い損害を被ることになるはずです。

私が1991年に「ツィタデレ: クルスクの決戦」をデザインした時には、上記したような詳しい損害データの情報はありませんでしたが、「両軍が史実と同じ行動をとった場合、史実とほぼ同じ場所でドイツ軍の攻勢が停止する」という形にバランスを調整した結果、2009年の現時点で私が妥当と考える「クルスク会戦像」とそれほど違わない内容のゲームに仕上がっています。実際、今回の復刻に際して何度もルール検証のプレイテストを行いましたが、明確化や細部のシステム面の改善をいくつか選択ルールで用意した反面、ゲーム全体の流れや両軍のユニットのレーティング、戦闘(強襲)結果表や対戦車射撃判定表の数値については、まったく変更する必要性を感じませんでした。

ということですので、「ツィタデレ: クルスクの決戦」のゲーム内容に関しましては、デザイナー兼発行人として、自信を持って堂々とお客さんに提供できる「歴史シミュレーションとして鮮度の落ちていないゲーム」であると申し上げたいと思います。発売まであと少しとなりましたが、ぜひご期待ください。

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第3装甲軍団長のブライトさん。クルスク戦では、同軍団は苦労の連続でした…。
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2009年7月6日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

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シックス・アングルズ第13号「ツィタデレ: クルスクの決戦」の製作作業が無事に完了し、データを印刷所に送りました。今回も、ページの隅々まで満足していただける仕上がりになったと思います。発売の日程は、プレオーダーの発送が7月24日、店頭発売日は7月29日となります。プレオーダーの募集は、7月23日の午後11時59分まで受け付けていますので、よろしくお願いします。

それから、「ツィタデレ: クルスクの決戦」の最終版ルールとプレイの指針、デザイナーズノートを、ホームページにして公開しています。購入をご検討の方は、判断の参考にしていただけると幸いです。

最終版ルール
プレイの指針
デザイナーズノート

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2009年7月3日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

史実のツィタデレ作戦開始66周年まであと2日となりましたが、シックス・アングルズ第13号「ツィタデレ: クルスクの決戦」本誌製作も大詰めに差し掛かっています。残りは冒頭の第3装甲軍団の戦いを描くヒストリカル・ノートの仕上げだけですが、その他のページも休憩時間に繰り返し見直して、エラーが残らないよう努力中です。

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ヒストリカル・ノートとは別の角度から史実のクルスク戦を見直す企画「データで読み解くクルスク戦の実相」(8ページ)は、独ソ戦史に興味のある方にはぜひ読んでいただきたい内容です。「クルスクでドイツ軍は装甲部隊の大半を失い、敗北が決定づけられた」とか「プロホロフカでは、ドイツ軍が600輌、独ソ両軍併せて1500輌の戦車が衝突した」などという、クルスク戦に対する古い解釈がどれほど事実とかけ離れていたのか、そしてこのような「歴史認識」の出所は何だったのか、といった点にも触れています。ちなみに、今回収録した「データ」は以下の9点で、いずれもソ連崩壊後の研究に基づく情報です。

【表A】 ドイツ軍装甲師団と装甲擲弾兵師団の保有戦車台数(1943年7月4日の状況)
【表B】 ソ連軍各部隊組織の保有戦車・自走砲台数(1943年7月4日の状況)
【表C】 ドイツ第2SS装甲軍団の稼働戦車台数の推移(1943年7月4日~7月13日)
【表D】 ドイツ軍V号D型(パンター)戦車の稼働台数の推移(1943年7月4日~7月13日)
【表E】 ドイツ軍のクルスク戦における全損戦車・突撃砲台数(1943年7月5日~7月17日)
【表F】 ドイツ軍のクルスク戦における人的損害(1943年7月4日~7月20日)
【表G】 ソ連軍のクルスク戦における人的損害(1943年7月4日~7月23日)
【表H】 ソ連軍のクルスク戦における戦車の損害(1943年7月4日~7月23日)
【表J】 プロホロフカ戦車戦における第5親衛戦車軍の戦車・自走砲の損害(1943年7月12日)

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月曜に最終データを印刷所に発送した後、デザイナーズ・ノートとプレイの指針をPDFで公開し、同時にルールやチャートなどの見本も最終版データと差し替える予定です。
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2009年6月29日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

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昨日は石田さんとシックス・アングルズ第13号「ツィタデレ: クルスクの決戦」のリプレイ記事用対戦でした。選択ルールは、ドイツ軍装甲部隊の分割以外の全てを使用してプレイしましたが、手順の入れ替えと増援の変動制を導入した効果が最大限にあらわれた内容となりました。詳細は発売までお楽しみということにしますが、これで「何回プレイしても(史実とほぼ同じの)ワンパターンな展開」という初版の問題点(第12号でも書きましたように、ある程度は意図したことではあったのですが)は解消できたのではないかと思います。

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今週いっぱいかけて、本誌製作を仕上げ、週明けに印刷所へデータを送る予定です。妻は来週まで仕事関係の用事でドイツに行っているので、1人で粛々と仕事に没頭します。
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2009年6月24日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

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シックス・アングルズ第13号「ツィタデレ作戦」のルールPDFを、最新版に更新しました。ホームページからダウンロードしていただけます。最後のQ&Aのスペースに少し空きがありますが、次回の石田さんとの対戦で生じた疑問とその回答を入れようと思っています。プレイ補助シートの表と裏の見本画像も、最新のものと取り替えました。

選択ルールとQ&Aに予定より多くページを費やした影響で、当初6ページを予定していたエッセイ「第6の視角」は、第12号と同じ4ページの体裁になりました。今回のテーマは「勝利条件と最終ターン」ということで、移動や戦闘、補給などのルールと比較して、これまであまり光が当てられたことのない脇役的存在の勝利条件ルールについていろいろと分析してみましたが、4ページをフルに使って自分なりに納得のいく記事が書けたと思います。

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上は、今回のゲームマップで試みた改善点のひとつ(以前に本ブログでご紹介しました「レッド・タイフーン」のマップにヒントを得ました)。勝利得点ヘクスのヘクスサイドを濃く、それ以外のヘクスサイドを極限まで薄くした上、ヘクスサイドの頂点に勝利得点の丸数字を置き、周辺ヘクスがユニットで埋まっていても、勝利得点ヘクスの場所とその数値が確認できるようになっています。
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2009年6月15日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

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昨日は石田さんとシックス・アングルズ第13号「ツィタデレ作戦」の検証テストでした。校正ボランティアの方々からの報告も寄せられ、ルールの不明点や問題箇所の洗い出しはほぼ完了しました。

以前に告知しましたドイツ軍の手順を選択式にするという案は、ゲーム展開を根本から大きく変えるほどの影響はなく、システム上の問題点を解消しつつ、ゲームに適度な緊張感をもたらすという良い効果があるようで、標準ルールに入れてもいいかとさえ思います。近々、ホームページにて公開していますルールブックと地図のデータを更新しますので、興味のある方はぜひご覧になってください。

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2009年6月8日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

昨日は、石田さんとシックス・アングルズ第13号「ツィタデレ: クルスクの決戦」の検証テストを行いました。

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ゲーム開始時(1943年7月5日払暁)の戦線。

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第5ターン終了時(1943年7月9日日没)の戦線。

途中で生じたルール不明点の明確化や、新しい選択ルールのアイデアなどを相談しながらテストしましたが、その結果を踏まえた上で、プレイヤーの心理を当時の野戦指揮官のそれに近づけるという「鈴木銀一郎イズム」の観点から、1つ新たな選択ルールをつけようかと考えているところです。

その選択ルールとは、「ドイツ軍プレイヤーは、毎ターンの自軍プレイヤーターンにおいて、ソ連軍の対戦車(防御)射撃フェイズが終了した後、続く手順として『自軍強襲フェイズ』と『自軍移動フェイズ』のどちらを先に、どちらを後に行うかを選択・決定できる」というものです。

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先日の記事でも書きましたとおり、ソ連軍は最終的に勝利を得たとはいえ、クルスクの戦いで甚大な損害を被っており、現場の司令官レベルでは、翌日の日没までにドイツ軍が最大でどの線まで進撃できるかという確かな情報など、得られるはずもありませんでした。上に述べた選択ルールを導入すれば、ソ連軍プレイヤーの心理状況、とりわけ敵部隊の前進速度に対する不安要素は、より実際のクルスク戦当時におけるソ連軍司令官のそれに近づけられるのではないかと思います。

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標準ルールにおける「強襲(戦闘)→移動」という手順は、ある特定の意図(それが何なのかはデザイナーズノートで詳しく述べ、それをいつものようにPDFで公開するつもりです)を込めて採用したルールであり、実際にプレイした印象では、当初の意図はそれなりに達成できているようにも感じられます。しかし、オーバーランというルールのないこのゲームでは、毎ターンのドイツ軍の進出限界線がルールシステムによって100パーセント確定されてしまうため、ソ連軍プレイヤーは心理的にかなり楽な形で、ゲームのプレイを進めることができます。

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新たな選択ルールで、そういった面を解消することができれば、ゲーム展開の幅を広げて展開の多様性を確保する意味でも、また実際に当時の司令官が感じたジレンマをプレイヤーの心理に投影するという「鈴木銀一郎イズム」の観点からも、よりゲームの価値を高められるのではないかと考えています。導入意図から外れた「裏技的な使い方」ができないよう、そして予想もしなかった弊害が出ないか確かめるため、慎重にテストを行った上で、最終的なルールにまとめたいと思います。既にプレオーダーをして下さった方や、購入を考えておられる方は、ぜひご期待ください。

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ちなみに、プレオーダーは今回も順調に伸びており、募集開始から10日で92件、冊数ベースですと早くも100冊を突破しました。いつもご愛顧いただき、本当にありがとうございます。今回も、ベストを尽くして良い製品に仕上げたいと思います。
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