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2009年6月5日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

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シックス・アングルズ第13号本誌の「台割」(ページ配分)を決定しました。いつものように64ページで、その内訳は以下の通りです。

目次(1ページ)
ヒストリカル・ノート「第3装甲軍団の激闘」(8ページ)
ワイドリプレイ(8ページ)
歴史記事「データで読み解くクルスク戦の実相」(8ページ)
ルールの目次(1ページ)
ルール本文(選択ルール・Q&A含む)(13ページ)
縮小マップ(1ページ)
プレイの実例(1ページ)
両軍の戦略と戦術(2ページ)
デザイナーズ・ノート(2ページ)
大木毅氏「戦史夜話」第3回(6ページ)
ゲームデザイン工房(2ページ)
第6の視角(6ページ)
縮小ユニット(4ページ)
奥付・編集後記(1ページ)


「データで読み解くクルスク戦の実相」は、Niklas Zetterling, Anders Frankson "Kursk: A statistical analysis"(2000/2004)や、David M.Glantz, Jonathan M.House "The Battle of Kursk"(1999)など、ソ連崩壊後の諸データを踏まえた最新の研究書を基に、日付ごとの稼動戦車台数の推移や人的・物的な損害数値などの具体的な数値データを表の形で提示して、これまで定説とされてきた「クルスク戦のイメージ」と実際の戦いのギャップを再認識しようという企画です。

クルスク戦の天王山とも言えるプロホロフカの戦い(7月12日)については、歴史群像の原稿や文庫本でも書きました通り、ソ連軍の大反撃によってドイツ軍が決定的な大損害を被ったという(ソ連側のプロパガンダに基づく)イメージは誤りで、実際にはソ連軍はプロホロフカ周辺でのただ1日の戦いで戦車300~350輌を撃破され、対するドイツ軍(第2SS装甲軍団)は戦車7輌が全損、ティーガー1輌を含む25輌が修理のため後送されるという、ほとんど「マリアナの七面鳥撃ち」にも匹敵する一方的な戦い(ソ連軍も戦車の残骸を回収できたはずですが、単純計算では損害比なんと1対50!)でした。

ただ、ドイツ軍も連日の激戦で戦車の消耗が激しく、日々の稼動戦車の台数は師団ごとに激しく変動しており、連合軍のシチリア上陸やソ連軍のオリョール方面での反攻がなかったとしても、攻勢を継続できたかどうかは疑問です。1941年のスモレンスク会戦と同様、クルスクのソ連軍もまた、自軍部隊を敵の目前に叩きつけてモメンタムの緩衝とする方策をとり、最終的には甚大な犠牲と引き換えに、地歩を守ったということになります。

先日ご紹介した大木毅氏の戦史夜話第3回の記事と併せて、今回の本誌は「クルスク戦の再評価」がメインのテーマとなります(ヒストリカル・ノートも含む関連記事で計22ページ)。今回も、資料的価値の高い「濃い記事」が満載の誌面に仕上げるつもりですので、東部戦線の戦史に興味をお持ちの方はぜひご期待ください。

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2009年5月30日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

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シックス・アングルズ第13号「ツィタデレ: クルスクの決戦」のプレオーダー募集を開始しました。

http://www.mas-yamazaki.net/sixangles_zitadelle.html

リンクページでも告知していますが、いろいろ検討した結果、今回は発行部数を600冊とすることにしました。いつもお世話になっている印刷所に代金の見積もりをお願いしたところ、紙代等が高騰していた時期の影響で、第11号や第12号を800冊作った場合の総額と、今回第13号を600冊作る場合の総額が、ほぼ同じになってしまったからです。こちらは純然たる「個人事業」で、発行形態が異なるとはいえ、コマンド誌やゲームジャーナル誌と比較して、ただでさえ高額な商品の値段をこれ以上上げるわけにはいかないので、今回はやむを得ず600冊で行くことにしました。

もちろん、商品の値段が据え置きということは、製造した商品が完売した場合の売上げも大きく(200冊分)変わってくるわけですが、比較的売れ行きが良好な第11号「モスクワ攻防戦」も、昨年9月に発売して、半年後の今年3月にようやく実売が600冊を超えたというペースで、号を重ねるごとに多少の余剰在庫が発生しており、オリジナル・ゲームが付く号の実質的な販売ポテンシャル(市場の需要)は、現状ではおそらく600冊前後だろうと推測されます。ちなみに、第9号「ウォー・フォー・ザ・マザーランド」は1300冊、第10号「パウルス第6軍」は1000冊製造しましたが、両者ともまだ100冊以上残っています。

ということで、賛否両論あるかと思いますが、私はシックス・アングルズ製品で使っている地図やチャート、ユニットの現在の品質にたいへん満足しており、紙代を安くするために地図やチャート、ユニットにより安い(薄い)紙を使うといったことはやりたくないので、製品のクオリティを今までと同レベルに維持しつつ、現状では(出版事業としての)リスク回避を最優先するという今回の(あるいは臆病な)判断にご理解をいただければと思います。今回も、買って下さった方に100%満足していただけるような、中身のたっぷり詰まったパッケージに仕上げますので、よろしくお願いいたします。

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2009年5月28日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

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シックス・アングルズ第13号本誌に掲載予定の「戦史夜話」第3回の校正ゲラを、先ほど大木毅氏にお送りしました。第1回と第2回も、読者からの反響は上々でしたが、第3回は今までにも増して内容の濃い、そして多くの戦史ファンに読んでいただきたい記事に仕上がっています。主題は、ドイツ陸軍参謀総長ツァイツラーの一代記と、彼が第二次大戦中に果たした役割、とりわけ「ツィタデレ作戦」の計画立案と実行決定にまつわる彼の役割といったことですが、戦後の世界でいつしか常識となった「第二次大戦史の解釈」が、実は彼(および彼が属するグループ)の意向を色濃く反映したものであったという、非常に重要な指摘も含まれています。

また、我々がなんとなく理解していた「後手からの一撃=第三次ハリコフ戦におけるマンシュタインの華麗な反攻」という図式が、実は「ある著者」の意向による誤った誘導であったという、これも非常に興味深いコラム記事も併載しました(今回は1ページ増量で計5ページ)。大木氏と直接お話したり、疑問に思ったことをメールでお尋ねして教えていただいたり、あるいは本誌やコマンド誌などで執筆された原稿を読むたび、いろいろな面で己の未熟さを痛感させられます。

独ソ戦史に詳しい方ならご存知のとおり、米国陸軍退役大佐デーヴィッド・グランツ氏の精力的な研究により、英語圏における独ソ戦期のソ連軍研究は飛躍的に進歩し、ジョン・エリクソン氏らが築いた一段階から、新たな段階へと移行していきました。大木氏は現在、戦史研究をメインに活動されているわけではなく、他の文筆活動でご多忙のようですが、願わくば、日本の第二次大戦期のドイツ軍研究における「グランツ大佐」的存在になっていただき、日本の戦史ファンの「実は根拠の怪しい思い込み」を一掃して、ドイツ軍研究を「新たな段階」へと導いていただきたいと思います。

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2009年5月25日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

シックス・アングルズ第13号「ツィタデレ: クルスクの決戦」の地図と両軍展開表ができました。

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マップ全景。両軍の増援ユニットは、全て地図欄外の配置表に準備されます。

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南部マップ、オボヤンからプロホロフカに至るプショル川流域。

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南部マップ、ビエルゴロド東方のケンプフ軍支隊の担当戦区。

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南部マップ、第48装甲軍団が進撃したペナ川流域。

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北部マップ、激戦地となったポヌイリおよびオリホヴァトカ周辺。

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ドイツ軍展開表。いつもと同じく、実用一点張りのデザインです。

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ソ連軍展開表。3W版では増援込みでA3サイズでしたが、A4に収めました。

駒シートもほぼ完成していますが、第4シートにまだだいぶ空きスペースがありますので、何かご希望の方はお早めにどうぞ。DTPゲームや訂正ユニットの製作に流用できるよう、一定数(1段11個で2段程度)を敢えて「空白」にするという案も考えています。

当初は「今月初め」と予定していましたプレオーダーの開始ですが、4~5月の連休は予定外にいろいろと出かけてしまったので、少し遅れ気味です。なんとか今月中には募集を開始します(発売予定は7月です)ので、よろしくお願いします。

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2009年5月14日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

シックス・アングルズ第13号「ツィタデレ: クルスクの決戦」のユニットが、ほぼ出来上がりました。ドイツ軍は、ユニットごとに戦車の車種を決めやすいのですが、ソ連軍は現状ではT34/76一種類だけです。この戦いの時期、ソ連軍の戦車旅団はT34/76とT70軽戦車、そしてレンドリースのイギリス製マークIV(チャーチル)などを混ぜて装備していたので、それらを適当に取り混ぜてもよいかもしれません。SS装甲連隊のティーガーは、表面だけで、裏面はIV号のシルエット(と装甲値)になります(ティーガーは各師団に1個中隊のみであったため)。

ちなみに、KV-1Sは速度が遅いわりに備砲(76ミリ)が相対的に弱くなったことから、クルスク戦以前に生産が中止されて、もうほとんど戦車旅団には配備されていませんでした。残存するKV-1は、主に独立重戦車連隊として戦いに参加しましたが、せっかく表紙になっているのにユニットとして登場しないのも寂しいので、KVをわずかでも装備する戦車旅団を1個か2個選んで、シルエットを入れてやろうかと考えています。
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オリジナルの3W版は、200個の駒シート2枚(計400個)という仕様でしたが、シックス・アングルズで現在使用している132個のシートだと、3シートで396個では選択ルール用のマーカー等を入れられないので、4シートで528個としました。そのため、今回もシートに少し余裕があるので、もし追加で入れて欲しいユニットなどがありましたら、ぜひお聞かせください。よろしくお願いします。

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2009年4月29日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

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シックス・アングルズ第13号「ツィタデレ: クルスクの決戦」の表紙です。細部で手直しを入れるかもしれませんが、ほぼ完成状態です。

クルスクといえば、ティーガーI型あるいはパンター(D型)というイメージが強いですが、すでに両方とも「激闘ノルマンディ」と「バルジの戦い」で使ってしまったこともあり、同じ車輌だと新鮮味がないのではないかということで、KV1(の残骸)を使うことにしました。実際には、この写真はクルスク戦当時のものではなく、それより以前の時期に、ドイツ軍が捕獲した同車を標的にして試射した時の記録写真らしいですが、頑強なはずの鋼鉄が粘土のように抉られていて、ソ連軍の戦車軍団がドイツ軍の装甲軍団に「ボッコボコにされた」(「ボコボコ」ではなく「ボッコボコ」)というクルスク戦の実情にピッタリの写真だと思います。

ルールの翻訳とユニットのグラフィックも順調に進行中ですが、5月頭にはプレオーダーの募集も開始できるかと思います。発売は7月を予定していますので、ぜひお楽しみに。

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2009年4月26日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

シックス・アングルズ第13号「ツィタデレ: クルスクの決戦」の地図が、大方出来上がりました。欄外の空白ボックスは、両軍の増援ユニットを配置する場所です。一部、無理矢理押し込んだようなところもありますが、今回もプレイが始まったらフルマップ1枚分のスペースだけで(駒を並べる別紙チャートを置く場所が要らない形で)プレイできる仕様にしています。

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上の小さい地図は北部戦域で、左が北(ドイツ軍)、右が南(ソ連軍)。下は南部戦域で、左が南(ドイツ軍)、右が北(ソ連軍)。つまり、上下逆方向にして並べることで、プレイヤーの陣営(座る場所)が同一の向きになるようなレイアウトにしています。

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北部地図を少し拡大したもの。こちらは塹壕の密度が高いのと、ドイツ軍の装甲兵力が相対的に少ないため、モーデル(独第9軍司令官)はかなり苦戦を強いられます。

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南部地図を少し拡大したもの。黄色いヘクスは勝利得点ヘクスで、地図にはまだ入っていませんが、ヘクスごとにVPの数値(5~20)が入ります。

日本版は、3W社から1991年に出たバージョンに加えて、追加選択ルールを用意しますが、そのうちの1つは増援部隊の不確定化で、ソ連軍プレイヤーはゲーム開始時に、ゲームターン表示欄の第2ターン以降のマス目に、1ターンにつき2個の「増援チット」を(ランダムに引いて、内容を秘匿して)配置しておきます。このグループは、標準ルールの増援をターンごとに2つのグループに分けたもので、各グループはあらかじめ定められた増援登場ヘクスから登場します。

ソ連軍プレイヤーは、ゲーム中常に、この増援チットの内容を自由に見ることができます(つまり、いつどこに自軍の増援が出てくるかを予期してプレイできる)が、チットの中には空白(つまりハズレ)も4つあります。一方のドイツ軍プレイヤーは、増援チットの内容を見られないので、いつ、どこから、どれだけのソ連軍の増援が出てくるか不明なままで、作戦を実行しなくてはなりません。

もう1つ、勝利得点ヘクスの不確定化も選択ルールとして用意します。これは、上記したヘクスごとの勝利得点を、コマンド誌の「モスクワ’41」のような秘匿マーカーの形で流動化させるというもので、こちらはドイツ軍プレイヤーのみが(該当ヘクスを占領後に)内容を確認でき、ソ連軍はそこを奪回しないと得点内容を見られない形式とします。

ゲームの勝敗は、これらの勝利得点ヘクスの占領によるVPと、ドイツ軍ユニットの損害(喪失ステップ数)をもとに判定されます(ソ連軍の損害は一切影響しません)。標準ルールでは、ドイツ軍の攻勢発起点に近い勝利得点ヘクスには低い(5~10)VPが与えられていますが、選択ルールの不確定化を導入すると、いきなり20VPが出る可能性もあるので、ソ連軍プレイヤーの不安と焦燥感を高め、ソ連軍の反撃はより激しいものになります。従来のクルスク戦ゲームでは、心理的にはソ連軍が優位に立つ傾向が強かったと思いますが、実際にはソ連軍の上級指揮官も強いストレス(スターリンとスタフカのプレッシャー)に晒されながら作戦の指揮を執っていたわけで、ソ連軍プレイヤーにも心理的な「課題」という負荷をかける方向で選択ルールを準備しています。

ゲームのルールは、英文で8ページと、私が今までに作ったフルサイズのゲームの中ではかなり軽いほうだと思います。日本版のルールが出来上がり次第、PDFにしてホームページの方で公開させていただきますので、興味のある方はぜひご期待ください。

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2009年4月9日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

今日は、シックス・アングルズ第13号「ツィタデレ作戦」のユニットデザインを、いろいろ考えてみました。試行錯誤の末、以下のようなデザインになりましたが、まだ途中なので、多少変更する可能性はあります。

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このゲームは、所属するフォーメーション(ドイツ軍は軍団、ソ連軍は軍)ごとに、士気値が変動し、それがユニットの移動力や戦闘力にも大きな影響を及ぼすので、フォーメーションごとに色を変えたベルトを目立つように配置しました。戦車ユニットは、装備戦車(の代表)ごとにシルエットを入れています。下の数値は、左から、対戦車火力、装甲値(当然歩兵ユニットはなし)、対歩兵戦闘力です。大隊と中隊規模のユニットは、ZOCを持たず、スタックに関しても特例があるので、規模シンボルの背景を目立たせてあります。右上の記号は、配置コードです。

今回のヒストリカル・ノートは、ドイツ軍第3装甲軍団の戦いに焦点を当てたものを書く予定です。一般的に、クルスクの南方といえば、ホートの第4装甲軍に所属する第2SS装甲軍団と第48装甲軍団が主役のような描き方をされていますが、そういう視点の記事はもう既にたくさん発表されているので、ケンプフ軍支隊の第3装甲軍団の役割と実際の戦い、そして対峙するソ連側の状況を、なるべく詳しく書き記そうと思います。
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2009年3月13日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

今週は、原稿執筆関連の仕事を進めつつ、シックス・アングルズ第13号「ツィタデレ作戦」の地図づくりもボチボチ始めています。勝利得点ヘクスを目立たせる(ユニットが存在してもそれとわかる)処理などは、先日ブログでご紹介しましたコマンド最新号「レッド・タイフーン」の地図を参考に、真似させてもらいました。「鈴木銀一郎イズム」の視点で、プレイヤーの心理面を史実のクルスク戦におけるそれに近づけるという、今回新たに追加する新シナリオのアイデアも、いくつか頭の中に浮かんでおり、1991年に発売された3W版をお持ちの方にも、お薦めできる商品(パッケージ)に仕上げるつもりです。※下の画像見本は作業途中であり、多少変更する可能性があります。

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あと、学研M文庫の新刊『ドイツ軍名将列伝』ですが、個々の将官に関する情報をここまで集めた類書が存在しなかったせいか、滑り出しは上々のようです。お買い上げいただいた方、どうもありがとうございます。
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2009年1月31日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

昨日は所用で大阪市内に出かけ、夕方に石田さんと合流して軽く一杯ひっかけ、夜はさらに中黒さん、いちねんせいさんを交えて、お気に入りの焼き鳥屋「鳥勘」で飲み会でした。中黒様、淺田様: 入稿直後でお疲れのところ、お付き合いいただき、ありがとうございました。

例によっていろいろと興味深い話題で盛り上がりましたが、コマンド誌次号に掲載される鹿内さんの記事との関連で、ゲームの勝利条件と戦略・作戦の相互関係についての話が特に印象に残りました。私も最近は、ゲームやバリアントをデザインする時には「両プレイヤーにどのような課題を与えるか」という視点をまず設定して、それからルールやコンポーネントの全てが、遠近法の「消失点」のように、その一点へと収斂していくようなイメージで作業を進めるよう心掛けていますが、そういった視点設定を徹底することの重要さを深いところで理解できた(と自分では思っている)のは、つい最近のことで、改めて己の不明を痛感しているところです。

私がデザインした最初のゲームがタクテクス誌に掲載されたのは、今からちょうど20年前なので、経歴の長さだけで言えば「デザイン歴20年」などという大層な表現になってしまいますが、未だに他のデザイナーや評者の方々から学ぶ点が多々あり、ゲームデザインという仕事の奥の深さを考えさせられます(単に能力で劣っているだけかもしれませんが)。昨年から数日前まで、原稿の執筆をしながら、いくつか新作のアイデアも頭の中で浮かんできたので、個々のゲームにおける「両プレイヤーの課題」を突き詰めて確認しながら、少しずつ形にしていこうと思います。

まずは、第13号「ツィタデレ: クルスクの決戦」のバリアント・シナリオ(両軍の増援登場スケジュールを固定せず、ドイツ軍がソ連軍の増援登場タイミングを知らないでプレイする方式)からですが、旧版(今回出版するのは、3W版の復刻プラス上記のバリアント・シナリオと追加選択ルールという仕様で、国際通信社版とはルールや登場ユニットがだいぶ異なります)の欠点(第12号の記事で書きましたように、意図した方向性ではあるのですが)であった「展開が史実と同じパターンにしかならない」「従って繰り返しプレイする意義が感じられない」という要素を克服して、プレイヤーがプレイを通じて挑戦してみようと思える「課題」を盛り込んだ形のバリアント・シナリオに仕上げるのが目標です。いつものように、製作経過はこのブログでご報告しますので、興味のある方はぜひご期待ください。

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大阪に出ると必ずお土産に買って帰る、なんばの某ドイツパン屋のブロッチェン(ごまとチーズ)。昔は違う店名でした(お店そのものは私が小さい頃からありました)が、石田さんのお父さんはなんと同店のパン職人だったとのこと。軽くトーストして食べると、小麦粉とごま/チーズの香ばしさが絶品です。ドイツ生活が長かった妻もお気に入り。
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