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2020年8月31日 [その他(ウォーゲーム関係)]

先月発売された「歴史群像」付録ゲームの「ノルマンディーの戦い」を題材に、全6回で歴史ボードゲーム(いわゆるウォーゲーム/シミュレーション・ゲーム)の解説記事を「ゲットナビウェブ」に寄稿しました。

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第1回は、そもそもなぜ戦史雑誌にボードゲームが付録で付くのか、という話から。単なるオマケというだけでなく、戦史への関心をより深める効果が、歴史ボードゲームのプレイには含まれています。

第3回4 オマハs.jpg

また、読者の反応の中に「2人用ゲームが付いているけど、相手がいないのでプレイできない」とあきらめる声がありますが、実は「2人用ゲームを1人でプレイする」のも、歴史ボードゲーム(いわゆるウォーゲーム/シミュレーション・ゲーム)の醍醐味なんです。その理由は、最終回の第6回で説明します。

第4回3 独軍ZOCs.jpg


第5回3 戦闘解決3s.jpg


歴史系のボドゲってなんか難しそう?
知識ゼロからの「歴史ボードゲーム」入門

【その1】
【その2】
【その3】
【その4】
【その5】
【その6】


それから、いま進行中の「大村愛知県知事のリコール運動」について、私が電話インタビューで述べた内容が、毎日新聞で記事になりました。有料記事ですが、私の発言部分の一部を以下に転載します。

「愛知知事リコールは『愛国』か 民族派からも疑問の声 トリエンナーレ補助金」(毎日新聞統合デジタル取材センター)

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【「もう一つ見逃せない点があります」と山崎さん。今回のリコール運動に35年の「天皇機関説」事件と似た一面がある、という。】
「あの時も、憲法学者・美濃部達吉が唱えた天皇機関説、つまり『天皇は国家の一機関であり、憲法の統制下に置かれる』という学説に対し、右派の思想家や政治家、軍人らが『天皇への侮辱だ』と言いがかりをつけて政治的攻撃を展開し、天皇機関説は潰されました。この事件が契機となって、天皇という絶対的権威を振りかざす恫喝(どうかつ)で言論が萎縮し、結果的に先の戦争を招いた、と言えるんです」
【現在では、実は昭和天皇自身が天皇機関説に賛同し、美濃部弾圧の動きに強い不快感を抱いていた ことが、武官長として天皇に近侍した本庄繁陸軍大将の日記などによって明らかになっている。】
「『天皇を侮辱するな』と高飛車に語る人間こそ、実は天皇の意に反していることがあり得ることをこの事件は教えています」


8月15日の午後8時からは、Chooselife Project というネットメディアの番組「75回目の終戦の日、"わたし"にとっての戦争責任とは何か?」にリモートで出演しました。

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パターン化した、ありきたりな「反戦平和論」とは違う形で、過去の戦争や今の自分が担う「未来への責任」について話そうと思いました。ネットでのリモート会議等は今回が初めての経験だったので、マイクと照明で技術的なトラブルが発生しましたが、他の出演者の方々のお話も大変興味深いもので、考えをさらに深めるヒントをいろいろ頂きました。

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番組の内容は、以下のリンク先で視聴できます。

「75回目の終戦の日、"わたし"にとっての戦争責任とは何か?」


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8月18日には、前から興味があった伊勢市の「尾崎顎堂記念館」へ車で行ってきました。

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尾崎行雄(顎堂)は、憲政の神様とも称される日本政界の偉人で、戦前戦中戦後と一貫して「立憲主義」と個人の自由と権利を尊重する政治を追求してきた人物です。新型コロナの関係か、見学者は私一人で、閉館時間まで館長さんと尾崎談義できました。

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マレー侵攻と真珠湾攻撃で太平洋戦争が始まって4か月後の1942年4月には、大政翼賛会による選挙候補者の推薦が「官選議員の選出に繋がる政府の選挙干渉で立憲主義に反する」との抗議の書状を東條首相に呈しました。尾崎さんはその後「言いがかりの不敬罪」で起訴されましたが、最終的には無罪の判決が下りました。

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1937年の日本人』(朝日新聞出版)で、国家総動員法の審議における尾崎行雄議員の批判的な演説を紹介しましたが、雄弁家のイメージがある尾崎さんも実は「しゃべるのが不得意だった」と知って勇気づけられました。私もしゃべるのは下手な方ですが、技巧よりも「誠意」が大事という教えを忘れずにいたいと思います。
 
 
 
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2019年7月20日 [その他(ウォーゲーム関係)]

今日はゲーム関係の話題を三つほど。

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まず、前回の記事でも少し紹介しましたが、今月5日に出た「歴史群像」誌の8月号(156号)に、担当記事「ドニエプル攻防戦 1943」と付録のボードゲーム2点が収録されています。

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付録ボードゲームは、各方面で大好評のうちに完売した昨年8月号の「モスクワ攻防戦」&「バルジの戦い」に続いて一年ぶり(通算3回目)ですが、今回のテーマは日本海軍もので、2人用が「第二段作戦」、1人用が「マレー沖海戦」です。

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第二段作戦」は、英文タイトルの「Carrier War」が示すように、太平洋戦争の空母戦を扱うゲームで、日本軍にまだ勝ち目があった1942年の5月から6月、つまり珊瑚海開戦からミッドウェー海戦に至る時期を扱っています。空母のコマは、上面イラスト入りで、横長のダブルサイズになっています。

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また、当時の日本海軍の上層部(軍令部と連合艦隊司令部)で検討された「第二段作戦」のさまざまなオプション(MI=ミッドウェー作戦、FS=フィジー・サモア作戦、MO=ポートモレスビー作戦など)をマップ上で試すことができ、それぞれの策にどのようなメリットとデメリットがあったのかを、指揮官の立場で感じることができるようになっています。珊瑚海海戦がなぜ起きたのか、日本海軍がなぜあれほどポートモレスビー攻略に執着したのかも、ゲームのプレイを通じて理解できるかと思います。

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ゲーム自体は比較的シンプルな形ですが、隠密移動などのルールを使わない、未確認マーカーを併用するシステムなので、ソロプレイも可能です。また、空母同士の海戦の解決は、戦術色を出す形でルール設計を行っており、実際の空母戦と同様、人事を尽くして天命を待つという、緊迫感あふれる展開となるはずです。

ゲームのプレイ時間は、ウォーゲームに慣れた人なら30分前後、一般の人でも1時間ほどで、立場を入れ替えて再戦というのも十分可能でしょう。今回も、コマが擦り切れるくらいに繰り返しプレイしていただければと思います。

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マレー沖海戦」は、1941年12月に発生した日本海軍航空機によるイギリス海軍の戦艦プリンス・オブ・ウェールズと巡洋戦艦レパルスに対する航空攻撃を再現するソリテアゲームです。単に飛行機で攻撃するだけでなく、その前段階としての南遣艦隊による捜索と、その結果に基づく出撃タイミングの決定、そして航空攻撃の結果を踏まえた「結果判定」まで、一筋縄ではいかないシステムを考案しました。

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プレイヤーは、イギリス艦隊の位置に関する情報を集めてから、航空隊の出撃を行いますが、情報が少なすぎても、また十分な情報を得るために捜索段階に時間をかけ過ぎても、結果判定では不利になります。そのため、捜索結果の入電情報を見極めながら、ここぞというタイミングで出撃する必要があります。

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また、発見後にはマップ上に描かれたディスプレイ上で、九六式陸攻と一式陸攻で両艦を攻撃(飛行機のコマは飛行中隊単位)しますが、爆装機は「低高度」と「高高度」、雷装機は「近距離」と「遠距離」のオプションがあり、それぞれ一長一短ある選択で、飛行中隊に命令を下します。

帰還後の結果判定では、両艦の沈没だけでなく、捜索に費やした時間や自軍の被った損害なども考慮しながら、上層部による任務の評価を仰ぐことになります。時には、現場の苦労を理解しない上層部によって、予想外の低評価が下されることもありますが、それも現実の組織内における不条理を再現しています。

こちらのプレイ時間は、慣れれば15分か20分くらいで終わるはずです。この戦いを扱ったゲームは、他に無かったのでは、と思いますが、実際のマレー沖海戦が一般のイメージほど簡単な任務ではなかった事実を、プレイを通して実感していただければと思います。

なお、学研の公式サイトにある「制作こぼれ話」にも、デザイナーズ・ノート的な文章を寄せていますので、そちらも併せてご覧ください。

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付録ボードゲーム(2019)について(歴史群像156号)



二つ目の話題ですが、今から7年前の2012年にシックス・アングルズ第14号付録として刊行したゲーム『ベアズ・クロウ』の完全中国語版『赤熊之爪』が、中国のメーカー「戦旗工作室」からボックス版として出版されました。

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私の手許に見本が届きましたが、ルールブックはフルカラー、マップは日本版よりも分厚い紙(セミハードマップ)で、なかなか豪華な仕様。

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「スモレンスク」「ドニエプル川」「キエフ」って、漢字ではこう書くんですね。

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アメリカのメーカーからは、1990年代にWWWやゲーマーズなどから何個かゲームを出しましたが、まさか中国のメーカーから出す日が来るとは、1980年代にゲームを始めた頃には想像もしませんでした。

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上海などで何度か現地のゲーマーと会食などしましたが、平均年齢は日本よりだいぶ若い感じです。中国では、若者にお金と時間の余裕が出てきたこともあり、ボードゲームのプレイ人口も増えつつあるようで、うらやましいです。



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そして三つ目の話題ですが、上記二つの発売を記念して、というわけでもないですが、2014年にボックス仕様として発売したゲーム『騎士鉄十字章』の価格を、2019年8月1日以降、従来の「11000円+税」から、半額の「5500円+税」に値下げします。

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このボックスセットは、フルサイズの作戦級ゲーム『パウルス第6軍』と『ツィタデレ:クルスクの決戦』をセットにしたものです。

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歴史群像」誌の付録として付いた歴史ボードゲームからいきなりステップアップするのはさすがに難しいかもしれませんが、システムはオーソドックスなルールの組み合わせとなっているので、お手頃な価格で買っていただけるようにすることで、より多くのゲーマーにプレイしていただけるようになれば、と思います。


それから、先月「週刊プレイボーイ」誌に掲載された、映画「主戦場」のミキ・デザキ監督との対談記事が、ネットで公開されています。時たま私もRTしていますが、「主戦場」と私の『歴史戦と思想戦』(集英社新書)を相互補完的に観る/読むことで、より全体像の理解が進むと思います。

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炎上しつつ全国拡大上映中のドキュメンタリー映画『主戦場』監督と戦史研究家が対談

また、「週刊朝日」の書評欄「ベストセラー解読」というページに掲載された内容が、ネット版でも読めるようになっています。

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歴史戦と思想戦─歴史問題の読み解き方 山崎雅弘著

また、劇作家・演出家の鴻上尚史さんが「日刊SPA!」(扶桑社)というネット記事で『歴史戦と思想戦』を紹介して下さっています。読者に着目していただきたい本の中のポイントが、わかりやすく説明されています。

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「日本の悪口を言う奴は反日だ」と叫ぶ人たちが取り違えていること/鴻上尚史



このほか、近況としては、7月11日に大阪市立大学で伊地知紀子教授の授業に招かれて、「日韓関係と歴史問題の読み解き方」という講義をしました。『歴史戦と思想戦』の中で紹介したいくつかの「トリック」を実例に挙げ、言葉の使い方や「使われ方」に注意して下さいと、200人近い学生さんに話しました。

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今月の残りは、「歴史群像」誌次号の担当記事「オランダ・ベルギーの第二次大戦」の執筆と、次に出る文庫本の執筆に没頭します。


【追記】

明日は、第25回参議院議員通常選挙の投票日です。過去にネット媒体や新聞に寄せた原稿をいくつかご紹介しますので、投票行動の参考にしてください。

《1》首相が「どの論点を避けているか」にも目を向けてみる(ポリタス、2014年)

《2》日本社会が「ウソの氾濫」を許すか否かを問う選挙(ポリタス、2017年)

《3》投票所の「入り口」と「出口」から見える風景(東京新聞、2014年)

 
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料理で使ったニンジンのヘタを水に浸けておいたら、葉っぱがどんどん伸びてきました。
 
 
 
 
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2018年7月12日 [その他(ウォーゲーム関係)]

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7月6日に、学研『歴史群像』8月号が発売されました。この号は、同誌の通巻150号記念号で、私は収録記事「ドイツ陸軍の中国派遣軍事顧問団」の執筆に加え、付録ゲーム二点のデザインとグラフィック全般、ルール編集(組版も含む)を担当しました。

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前者の記事は、1920〜30年代のドイツと中国の軍事協力関係(ゼークトやファルケンハウゼンらドイツ軍人の果たした役割や、ドイツが引き換えに得たもの等)と、それが日中戦争と第二次大戦に及ぼした影響がテーマです。

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付録ゲームは、本格的なウォーゲーム(シミュレーション・ゲーム)としてデザインしたもので、テーマは二人用の「モスクワ攻防戦」と一人用の「バルジの戦い」、コマは薄いながらも厚紙打ち抜き、マップはカラーの両面印刷です。ルールブックは全32頁のものが独立して封入されています。司令官の決断とジレンマを手軽に味わえるボードゲームで、前者はソ連軍の冬季反攻まで含んでいます。

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今からちょうど6年前の2012年8月号でも、創刊20周年記念号ということで、私のデザインした「ミッドウェー海戦(2人用)」と「日本海海戦(1人用)」の二つのボードゲームが付録として付きました(この二つのゲームについては、こちらのカテゴリーで内容をご覧になれます)。『歴史群像』誌の発行部数は、36,500部 (日本雑誌協会 印刷証明付部数/2017年8月)ということですが、これほどの大部数で特定のウォーゲーム(シミュレーション・ゲーム)が出版・流通したことは、かつてなかったのではないかと思います。

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同誌に私が初めて寄稿したのは、1999年に出た第38号で、それ以来今号まで、一回だけお休みした以外の計112号(全150号の約4分の3、約20年)に、毎号(時には二本)記事を掲載していただきました。「戦史/紛争史研究家」としての私のキャリアは、20年近くにわたる『歴史群像』への寄稿と共に築かれたもので、歴代の編集長と編集者の方々に深く感謝いたします。

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また、この付録ゲームに関連する形で『歴史群像』誌公式サイトに「制作こぼれ話」を寄稿しました。戦史再現のボードゲーム(シミュレーション・ゲーム/ボード・ウォーゲーム)の歴史とその醍醐味、付録ゲームの追加Q&Aなどを簡潔に説明しています。

第150号 制作こぼれ話(歴史群像)



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さて、先月の話になりますが、6月19日から27日まで、米国のニューヨークとアリゾナに旅行しました。NYでは国連本部ビルや9.11関連の追悼施設と博物館、美術館等を見学し、アリゾナでは昨年に続き、今回『歴史群像』誌の付録についたような戦史ボードゲームのコンベンションに参加して、米国メーカー関係者と諸々の打ち合わせ等を行いました。

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米国行きは、初めてテキサス州のダラスに行った1993年以来、12回目でしたが、今回初めてヤンキー・スタジアムでメジャーリーグの試合(ニューヨーク・ヤンキース対シアトル・マリナーズ戦)を生で観戦しました。野球の試合だけでなく、重要な米国文化の一つである大リーグの野球場の雰囲気を実際に感じてみたいと、前々から思っていました。

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ヤンキースの田中投手は怪我からの回復途上、イチロー選手は不可解な現役「半引退」状態ですが、試合前の練習で「動くイチロー選手」を、試合開始時の国歌斉唱と試合後のハイタッチで「動く田中選手」を見られました。試合は、地元ファンからの声援が特に大きいアーロン・ジャッジ選手が初回に2ランHRを打ち、ヤンキースが逃げ切りで勝利しました。

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エンパイア・ステート・ビルの上から見たマンハッタン南部。前回ニューヨークに来た2000年には、今あるのとは違う双子の超高層ビルが、島の南西部(右奥)に立っていました。現在、マンハッタンで一番高い建物は、以前それらがあった隣接地に立つ「ワン・ワールド・トレード・センター」という超高層ビル。

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マンハッタン南部にある、旧ワールド・トレード・センター跡地。2001年9月11日の同時多発テロ事件で崩落したツインタワーの建物があった場所(二か所)には、敷地を四角く掘り下げた追悼施設が作られ、絶え間なく水が流れています。周辺一帯は商業施設として再開発され、多くの観光客でにぎわっていました。

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旧ワールド・トレード・センター跡地の昼間部にある、9/11記念博物館。あの時、ここで起きた出来事を時系列に沿って知ることができる施設で、理不尽な市民の大量殺害(虐殺)という側面もあるためか、ホロコースト関係の博物館と近い雰囲気を感じました。ビンラディンらの動機について説明した展示もありますが、説明内容は善悪二元論的な「断罪調」ではなく、米政府がかつて(ソ連軍のアフガニスタン侵攻に対抗する関係で)彼らに資金援助などの協力をしていた事実にも触れていました。

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マンハッタンにある国連本部ビル。事前に予約して英語のガイドツアーに参加しました。過去に紛争史の原稿を書く時、何度も「国連安保理決議」に触れたこともあり、安全保障理事会の議場は感慨深く見ました。他の議場では、まさに会議をしている様子を少し見せてもらえました。

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ニューヨークのメトロポリタン美術館。ラ・トゥール、フェルメール、カナレット、エル・グレコなど私の好きな画家の名作が揃っていて大満足でした。

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ニューヨークのブルックリン地区にある同市の交通博物館。使われなくなった地下鉄の駅を利用した「地下鉄博物館」で、普通に地下鉄駅へ降りるように階段で館内に入り、ホームに降り立つと、ホームの両側の線路に端から端まで、ニューヨークで過去に使われた歴代の地下鉄車両が連結して展示されています。20世紀初頭のレトロな車両から、1950〜60年代独特の近未来的デザインの車両まで、いろんな時代の車両が開放状態で並んでいて、自由に乗って座席に座ったりできます。車内の広告も運用当時のものが使われているので、昔のニューヨークの雰囲気に浸れます。鉄道ファンでない人でも、たっぷり楽しめる博物館だと思います。

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ニューヨークのマンハッタン、パーク・アベニューに建つビルふたつ(一枚目は 44 East 23rd Street、二枚目は 257 Park Avenue South)。かつてここに、SPI(Simulations Publications, Inc.)社のオフィスが置かれていました。『歴史群像』誌の「制作こぼれ話」でも触れたように、SPI社は1970〜80年代に大量のゲームを出版した代表的メーカーです。40年ほど前、ここでジム・ダニガンやリチャード・バーグ、ジョー・バルコスキらが仕事をしていたのかと想像しながら、静かに興奮しました。

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日本からニューヨークまで16時間のエコノミー席が原因か、先日の旅行中に少しずつ、人生で初めての腰痛に直面しました。ニューヨークからアリゾナへ5時間半飛行機に乗ったあとが一番ひどく、空港ではヨタヨタ歩きしかできませんでした。迎えに来てくれた友人のジョン・クランツ氏と奥さんが、薬局でサロンパスを買ってくれましたが、症状は変わらず。

このままでは帰国便に乗れないと思い、現地アリゾナで人生初のカイロプラクティックへ二日通いました。いろいろ施術してもらった上、腰を支えるサポーターを買い、姿勢についてのアドバイスも受けました。そのおかげで、帰りはロサンゼルスから関空まで12時間でしたが、危惧していたほど辛くはなく、関空到着後もわりと普通に歩けました。

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アリゾナのテンピでは、昨年に続いてウォーゲームのコンベンション「コンシムワールド・エキスポ2018」に参加し、友人知人との歓談やゲームのプレイ、私が過去にデザインしたゲームといま作りかけている新作を、米国のメーカーから出版する条件交渉などを行いました。上の写真は、同イベントの主催者であるジョン・クランツ氏(中央)、GMT社の創設者でデザイナーのジーン・ビリングスレイ氏(右)と共に。

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GMT社の「COINシリーズ」で定評のあるデザイナー、ブライアン・トレイン氏と。彼がデザイン中の新作COINゲーム「サンダー・アウト・オブ・チャイナ」(1937年の盧溝橋事件以後の日中戦争を、中国国民党、中国共産党、どちらにも付かない中国の軍閥勢力、そして日本軍の四陣営で再現する)も少し見せてもらえました。これは個人的に期待大。

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新興メーカーの中でも特に活発にゲーム出版を行っているコンパス・ゲームズの面々と共に(左から3人目が社長のビル・トーマス氏)。私が制作中の新作「マザーランド2」について、同社から箱入りで出版することで合意し、帰国後に契約書にサインしました。

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今年の同イベントの主賓は、かつてGDW社で数々の名作をデザインしたフランク・チャドウィック氏でした。

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会場では、新作ゲームのプレイテストもいろいろ行われていました。これは、GMT社から出版予定の「スターリングラード'42」で、デザイナーはマーク・シモニッチ氏。

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これもGMT社から出版予定の「ア・タイム・フォー・トランペッツ」。大隊レベルでバルジの戦いを再現します。

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NES(ニュー・イングランド・シミュレーションズ)社から出版予定の「ジョーズ・オブ・ビクトリー」。1944年1月〜2月のコルスン包囲戦を、同社の「キリング・グラウンド」と同じ戦力チット式システムで再現しています。

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これもNES社から出版予定の「ウインターズ・ビクトリー」。ナポレオン戦争のアイラウの戦いがテーマ。

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デシジョン・ゲームズ社でテスト中の作戦戦術級の西部戦線シリーズ新作「ラッキー・フォワード」。1944年秋のフランス東部ロレーヌ地方でのパットン第3軍(アメリカ軍)の進撃を詳細に描くビッグゲーム。

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MMP社のOCSシリーズの新作テスト各種。「ビヨンド・ザ・ライン」(西部戦線、1944〜45年)、「ハンガリアン・ラプソディー」(ハンガリーでの戦い、1944〜45年)、「フォーゴットン・バトルズ」(東部戦線、1943年)。

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メーカーは不明ですが、GDWの「サード・ワールド・ウォー」のシステムで極東の戦いを再現する仮想戦。

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会場では米国GMT製の「関ヶ原」ゲームを、テキサスから来たという米国人ゲーマーにルールを教えてもらいながらプレイしました。戦略レベルの大局観が問われる内容で、大胆な抽象化と簡略化がなされたゲームですが、カードを併用して解決する合戦では、結集した兵のすべてが戦いに参加できるとは限らず、史実のような番狂わせの展開もしばしば起こります。例えば、毛利軍の兵が大量に集結したのに、毛利のカードが手許にないので、合戦に参加できず敗退、といった展開も、自然に起こります。

今年の後半は、単行本一冊と新書一冊、そして『歴史群像』誌の担当原稿の執筆がメインですが、前記した「マザーランド2」など、ゲーム関係の作業もそれに挟む形で進めます。



【おまけ】

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アメリカで食べた美味しいものを、いくつかご紹介。これはニューヨークで食べたロブスターロール。東海岸のメーン州で獲れたロブスターの身をパンにたっぷり盛って少し味付けしたものですが、プリプリした歯ごたえが絶品で、海老好きには大満足の品でした。

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これは、ブロンクスのヤンキースタジアムで食べたホットドッグとポテトのセット。ソーセージはドイツ風で、ポテトも黒コショウが効いていて、生ビールとよく合いました。

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シェイクシャックのハンバーガー。こういうシンプルで乾いたハンバーガーが好きなんですが、名張では「安いM」と「こだわりのM」しか選択肢がなく、なかなか味わえないのが残念(梅田阪神に最近出店した模様)。
 

 
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2018年6月15日 [その他(ウォーゲーム関係)]

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新刊『[増補版]戦前回帰』(朝日文庫)が、6月7日に発売になりました。三年前の2015年(一連の日本会議本が出る一年前)に学研から出た旧版の誤記を修正し、この三年間に起きた出来事を同じ文脈で説明する一章を加筆したものです。戦前・戦中と現在の日本の「見た目の類似点」だけでなく、ある行動の動機や価値観などの根源的な思考の土台にも光を当てています。

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この本の主題は、戦前、戦中、戦後を経て今の日本に繋がる、一本の「価値観の系譜」を読み解くことで、第2章では戦前戦中の日本人の思考を支配し、無自覚に破滅へと向かわせた「国体」思想についても詳しく解説しています。

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第1章から第4章は、三年前に書いた原稿ですが、一部誤表記の訂正や文章の手直し以外、特に内容の書き直しは必要ありませんでした。そのままの大きな流れで、この三年間の出来事、具体的には伊勢志摩サミット(伊勢神宮/神社本庁)と教育勅語復活、天皇の生前退位、神社の憲法変更運動などを扱った第5章に続きます。旧版を既にお持ちの方にもぜひ読んでいただきたい一冊で、拙著『日本会議』『「天皇機関説」事件』(共に集英社新書)と合わせて読めば、より理解が深まります。

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友人の青木真兵さんが主宰されている「オムライスラヂオ」は、無料で聴けるネットラジオですが、6月6日に公開された回(私との対談)は、『[増補版]戦前回帰』(朝日文庫)の趣旨説明のような内容構成になりました。今の日本社会にある諸々の問題や不可解な動きを、違った角度から見る参考になれば幸いです。以下のタイトルをクリックすれば、番組(約60分)を聴くことができます。

オムライスラヂオ


また、先週発売の週刊誌『AERA』(6月11日号)は「ウソつきとは戦え」という特集を巻頭に掲載していましたが、記事の中で私のコメントも一部掲載されています。

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日本人は元々、権威に弱い国民性だと思いますが、2011年の3.11以降、不安や孤立感、焦りなどの弱った心理から、権威主義が以前にも増して強化されていると感じます。私の発言部分は、以下のネット記事で読めます。

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「日大アメフト問題」の背景に日本に根深い「権威主義」



さて、来月発売の『歴史群像』7月号は、前回の記事でも触れた通り、通巻150号記念として、私のデザインしたボードゲーム(シミュレーション・ゲーム)二個が付録として付く予定です。2012年の創刊20周年記念号(8月号)に続き、厚紙のコマと両面カラーマップでプレイできる仕様です。コマの厚紙の厚さ(薄さ)は、前回と同様ですが、あまり厚くすると輸送費等にも影響する(一箱に入る冊数が減る)ので、これはやむを得ないところです。

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二人用の「モスクワ攻防戦」は、ドイツ軍が軍団、ソ連軍が軍(1個のみ軍団)規模の作戦級ゲームです(1ターンは10日で全9ターン)。初期配置されるソ連軍のほとんどが戦力未確認(アントライド)ユニットで、初めて戦闘に参加するまで、両プレイヤーとも戦闘力を知ることができません。これだけなら、東部戦線の作戦級ゲームでは定番ですが、今回はドイツ軍の損害管理に工夫を凝らしました。

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ドイツ軍の損害は、「第3装甲軍+第9軍」「第4装甲軍+第4軍」「第2装甲軍+第2軍」の3つのグループごとに管理されます。ドイツ軍ユニットが戦闘結果で被った損害の数値は、地図上に印刷された、所属グループの「損害管理トラック」の上限(8)に達するまで、退却ではなく、同トラック上で蓄積します。そして、それが上限に達した瞬間から、所属ユニットの損害は、退却で適用されます。これで、どのような展開になるかと言えば、攻勢をとる序盤と中盤の計6ターンでドイツ軍が被った損害が少ないほど、終盤の3ターンで戦線を持ちこたえられる(死守できる)可能性が高まり、被った損害が多いほど、戦線を持ちこたえられずに退却する可能性が高まります。

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こうしたシステムなので、ドイツ軍プレイヤーは自軍の損害を避けるため、なるべく戦闘ではなく、ソ連軍ユニットを包囲して補給線を断つことで全滅させるよう努めます。けれども、長いようで短い最初の6ターンでぐずぐずしていると、モスクワに到達できずに時間切れになるという側面もあるので、強攻策も時には必要となります。この辺りのジレンマが、ゲームのポイントとなります。

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対するソ連軍は、最初の6ターンは防戦一方ですが、終盤の3ターンで冬季反攻を行って、戦線を西へと押し戻します。凍結による修正に加えて、戦車や重砲、ロケット砲(カチューシャ)、スキー部隊などを表す「攻勢支援マーカー」を重点に配置することで、有利な修正を得られます。

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勝敗は、ドイツ軍のモスクワ占領とソ連軍の降伏判定(5/6の確率で降伏)によるサドンデスを別にすれば、地図上に7箇所ある勝敗判定ヘクスを多く(4個以上)支配している側が勝者となります。終盤にドイツ軍の戦線が退潮するのは確実なので、どこまで戦線を東に押し上げておけるか、シベリア兵を含め最も大きな戦闘力を持つ第1打撃軍をどこに投入するか、そして損害蓄積の余力を残しておけるかが勝敗を左右します。

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ゲームの手順も、最初の6ターン(荒天)と最後の3ターン(凍結)では、内容を変えています。フェイズ攻勢を見れば、どちらがイニシアチブを握っている状態なのか、ベテランゲーマーには一目瞭然でしょう。

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一人用の「バルジの戦い」も、同様に「第6装甲軍」「第5装甲軍」「第7軍」の3つのグループごとにユニットの損害を管理しつつ、プレイヤーの担当するドイツ軍がアルデンヌの森を北西に向けて突破する展開となります。

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一般的なバルジのゲームとは異なり、マップの北西端にブリュッセルとワーテルローが含まれているので、大体どのあたりが戦場になっているのかを、より感覚的に理解できるでしょう。イギリス軍のホロックス中将がモントゴメリー元帥に提案した「ドイツ軍をワーテルローまで進ませて、そこで撃滅する」という展開も、もしかしたら起こるかもしれません。

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ノンプレイヤーのアメリカ軍は、すべて師団規模のユニット(一部はユニット化されず「固定戦闘力」としてマップに記載)ですが、バストーニュを守る第101空挺師団以外はやはり戦力未確認(アントライド)ユニットです。A、B、Cの三種のカテゴリーで分類され、後方エリアに配置される後者の方がより強い戦闘力を有しています。

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マップはエリア式で、黒い境界線は河を表しており、円形の「橋エリア」を通らないと、河の対岸には進出できません。ただし、「橋エリア」の固定戦闘力を撃破しても、橋梁爆破の判定で「爆破成功」なら、そのエリアにはゲーム終了まで進入できなくなります。ゲームの序盤では、史実同様、トロワ・ポンの「橋エリア」を確保できるか否かが重要なカギとなります。

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一方、南部のバストーニュは、第101空挺師団の「兵員ポイント」がマップ上のトラックで管理され、二本ある増援ルートをドイツ軍が遮断しなければ、兵員ポイントが毎ターン増加します。バストーニュ占領のポイントは高いので、ドイツ軍は同地を包囲したのち、波状攻撃で兵員ポイントをすり減らして、第101空挺師団を全滅(降伏)させることを目指します。

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また、全5ターンのうち、第3ターン以降は一部のドイツ軍装甲軍団が「燃料不足」に直面する可能性があり、燃料不足と判定された装甲軍団は、該当ターンの行動力が歩兵と同様になってしまいます。このゲームの勝敗も、第5ターン終了時にドイツ軍が支配しているエリアの数と種類で判定されます。このほか、史実同様にゲームでも活躍できない場合が多いですが、スコルツェニーの第150装甲旅団とハイテの空挺連隊も、彩りを添える薬味的な形でゲームに含めました。

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ゲームのプレイテストは、いつもの石田博さんに加え、横浜の堀場さんと山内さん、大阪の古角さんたちにも手伝っていただき、この種のゲームをプレイしたことがないという『歴史群像』の星川編集長や編集スタッフにも遊んでもらい、フィードバックをルールブック等に反映しました。

メジャーな雑誌で、こうした本格的なシミュレーション・ゲームが付録に付くことはめったにないので、熱意を注いで制作しました。付録付きで税込み1185円というのはかなりお買い得だと思います。発売日は、2018年7月6日(金)です。ぜひご期待ください。
 
 
 
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2017年6月11日 [その他(ウォーゲーム関係)]

5月28日から6月5日まで、アメリカのアリゾナとハワイに行ってきました。アリゾナのテンピで開催されたシミュレーション・ゲームのコンベンション「ConsimWorld Expo 2017」への参加が直接の目的でしたが、帰りにハワイで戦史関連の博物館をいろいろ取材しました。

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写真は、行き帰りで経由したホノルルのダニエル・イノウエ国際空港。イノウエ氏は、ハワイ生まれの日系二世で、戦中はアメリカ軍第442連隊戦闘団の一員としてヨーロッパでドイツ軍と戦った経歴を持ち、戦後は政界に入って上院議員や上院仮議長として活躍した人物です。2017年4月27日、ホノルル国際空港の正式名称が「ダニエル・K・イノウエ国際空港」に改称されました。

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手前の四角い建物が、「ConsimWorld Expo 2017」が開催された、テンピの「ミッション・パームズ」というホテル。今回、私は「ゲスト・オブ・オナー(主賓)」という形で招待され、初日夜の開会式では私も少し話をしました。

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英語でのスピーチは初体験だったので少し緊張しましたが、iPadに英文で書いた原稿を、古い友人で主催者のジョン・クランツ氏が添削してくれ、なんとかクリアできました。

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ジョン・クランツ氏と。とても面倒見のいい人で、みんなから慕われていました。このイベントが毎年盛り上がっているのも、彼の人望だと思います。10数年前には、フェニックスの自宅に泊めてもらったこともあり、久々に会って個人的な話もいろいろしました。

1993年に米国ダラスで開催されたコンベンションに参加して以来、米国には10回ほど訪れていますが、2001年の9.11以降は行くのをやめていました。米国ゲーム業界のデザイナーやアートワーカーの友人とは16年ぶりの再会でしたが、ブランクは一瞬で解消し、最近の仕事(私が戦史関係だけでなく、政治関係の本や新聞記事を書いていることはフェイスブックの投稿で先方にも知られている)についても話しました。

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ゲーム・デザイナー兼グラフィック・デザイナーのマーク・シモニッチ氏と。私はこのイベントに、同氏のデザインした『ウクライナ'43(第二版)』を持参して会場で二人の米国人とプレイし、シモニッチ氏と夕食を食べたあと、箱にサインをしてもらいました。ゲームデザインでもアートワークでも、参考になることが多いので、特に尊敬している人物です。

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こちらもゲーム・デザイナー兼グラフィック・デザイナーのジョー・ユースト氏と。ゲームの話、アートワークの話に加えて、政治の話でも盛り上がりました。日本では「旅先では政治と宗教の話は禁物」みたいな話がもっともらしく語られていますが、私はアメリカでもヨーロッパでもアジアでも、友人と政治や宗教の意見交換をよくやります。むしろ、同国人の間ですらこれらに触れたがらない日本人の方が、世界では珍しいような気がします。

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ランディ・ヘラー氏(真ん中、アバロンヒル『ビター・ウッズ』のデザイナー)、ポール・ケーニグ氏(右)と。ヘラー氏は米海軍の退役軍人ですが、医療関係の任務に就いていたとのこと。

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ジャック・グリーン氏(右奥、ホビージャパン『アイアンボトム・サウンド』等のデザイナー)、デーナ・ロンバーディ氏(右手前、L2『ストリーツ・オブ・スターリングラード』等のデザイナー)と。お二人とも、とてもやさしいおじさんです。グリーン氏は1980年代に日本のホビージャパンがゲームを出版していた頃、さまざまな形で関わっておられたので、日本のゲーマーにもなじみ深い人物。

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プレイ会場のようす。主にビッグゲームをプレイしている人が多いですが、あちこちでデザイナーとスタッフが新作ゲームのプレイテストを行っていました。貴重な機会ということで、深夜までプレイに熱中している人も。

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私が一番注目したのがこれ。シモニッチ氏が仲間とテスト中の新作『スターリングラード'42』(たぶんGMT社)。フルマップ2枚で、青作戦の始まり(1942年6月)から1943年1月初めまでをカバーする作戦級で、システムは『ウクライナ'43(第二版)』とほぼ共通。先に完成した、マーケット・ガーデン作戦を扱う『オランダ'44』は、GMT社から8月か9月頃発送とのこと。

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デーナ・ロンバーディ氏の『ストリーツ・オブ・スターリングラード』は、第四版のテストが行われていました。ヴォルゴグラードの公文書館で詳細な新史料が見つかり、独ソの地上部隊はもちろん、河川小艦隊や航空戦力などの編制もより正確になるとのことでした。

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GMT社で企画中の『ア・タイム・フォー・トランペッツ』。大隊レベルのバルジゲーム(タイトルはチャールズ・マクドナルドのバルジ戦本と同じ)で、デザイナーはアバロンヒル『シージ・オブ・エルサレム』などを手かげたブルーノ・シニガーリョ氏。ランディ・ヘラー氏らと夕食を食べた時に同席され、いろいろ昔の話を聞けました。

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MMP社のスタッフがテストしていたOCSの新作『サード・ウインター』。1944年初頭の東部戦線ウクライナでの激闘を、複数のシナリオで再現。マップにはキエフからオデッサまで、リヴォフからニコポリまでが含まれています。

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こちらではMMP社のGTSの新作『ザ・グレイテスト・デイ:ユタ・ビーチ』がテスト中でした。1944年のノルマンディー上陸作戦で、オマハ・ビーチの西に位置する戦域での戦いがテーマ。

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ロジャー・マクゴワン氏とデーナ・ロンバーディ氏がタッグを組んで制作・テスト中の新作『ザ・グレート・ウォー』。第一次大戦がテーマのカードゲームで、マクゴワン氏のおなじみのイラストもふんだんに使われています。

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ニュー・イングランド・シミュレーションズ(NES)でテスト中の新作『ジョーズ・オブ・ビクトリー』。1944年初頭の東部戦線コルスン包囲戦がテーマで、『キリング・グラウンド』同様に戦力チットを併用しています。

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コンシム・プレスで何年も前からテストを重ねているという新作『ベネス・ザ・サザン・クロス』。南太平洋を舞台にした、太平洋戦争期の空母戦ゲームで、艦艇を艦隊に編成して運用するヘビーなゲーム。

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こちらもコンシム・プレスでテスト中の『ザ・ウォー:パシフィック 1941-1945』。フルマップ二枚で太平洋戦争全体を扱う戦略級ゲーム。

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クレイグ・ニニッチという人がテストしていた『オストフロント』。師団レベルで独ソ戦全体をプレイするモンスターゲームで、生産ルールなども凝っています。マップにはムルマンスクやバクーも含まれています。

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グロニャール・シミュレーションズのチームがテストしていた『デス・ライド・クルスク』というモンスターゲーム。1943年のクルスク戦の南部戦域、第3装甲軍団戦区の戦いを、小隊レベルのユニットで再現する野心作です。

ゲーム紹介の写真点数がかなり多くなったので、ハワイでの話は次回に紹介します。
 
 
 
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2016年2月21日 [その他(ウォーゲーム関係)]

久々の更新です。先週火曜日(2月16日)から木曜日(18日)まで、二泊三日で東京/横浜へ行ってきました。仕事の打ち合わせと面会が計9件あり、仕事以外の友人とは会えずじまいでしたが、フェルメールと17世紀オランダ絵画の展覧会(六本木ヒルズ)は隙間の時間に挟んで観ました。会場に年配の鑑賞客が多くて驚きました。

この中日の2月17日付の神奈川新聞さんに、神社本庁の主導で全国の神社で進められている「改憲賛成署名運動」についての私のインタビューが掲載されました。同紙は、2月16日〜19日(今日)までの4回シリーズで「日本会議を追う」という記事を掲載していました。

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それから、シックス・アングルズ第11号『モスクワ攻防戦』と、別冊第8号『東方への突撃』、別冊第9号『独ソ戦コレクション-2: 突撃レニングラード&スターリングラード』、別冊第10号『パンツァークリーク』が、完売となりました。

中国のいくつかの小売店さんから、まとまった注文があり、もともと残部僅少になっていたタイトルが一気に大陸へ飛んでいきました。残りのタイトルは、まだ一定数ありますが、動き始めると速いかもしれません。興味のあるゲームがある方は、早めの入手をお薦めします。

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2015年11月3日 [その他(ウォーゲーム関係)]

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シックス・アングルズ第16号『ベルリン陥落 1945』は、現在印刷段階に入っており、予定通りに今月中に発売できそうです。プレオーダーを下さった皆様、もう少しお待ちください。上の画像は、校正用の試し刷りです。

さて、今日は最近いただいた、あるメールをご紹介します。お名前は伏せ字にしますが、ここに書かれているのと同じような話を、取材を受けた新聞記者さんや雑誌編集者さんからもよく質問されます。

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山崎雅弘様

はじめまして。 ●●と申します。

ツイッターでのリベラルな発言でよく目にする「山崎雅弘」氏。なんか見かけたことのある名前だなあと思い、プロフィールを見ると、戦史関係の著作のある方らしい・・・

え? もしかして、あのシミュレーションゲームデザイナーの山崎雅弘さん? Wikipediaなどを参照して、やはり、どうも同一人物なのは間違いなさそうだ。

ということで、突然のメール失礼します(笑)

こういっては何ですが、SLGやる人って右寄りの人たちが多そうで、極めてまっとうな民主主義的発言をされている人物と、どうも結びつかなかったのです(笑) 戦史・ミリタリー関係が好きだけど、思想的にはリベラルという人物は、宮崎駿さんに次いで2例目です、自分の中では(笑)

こんなメールを出す以上、自分もSLGを趣味としています。とはいえ、一番やったのは、中学・高校時代で、今ではたまにコマンドマガジンやゲームジャーナルを購入したり、昔欲しかったゲームをヤフオクで落札したりといったくらいのことしかしてません。ふと、対戦を求めイベントへの参加を考えたりしますが、ネトウヨみたいな人たちがばかりだと、気分悪いだけですから、参加は見送っています。

それにしても、とんでもない時代になったものですね。SLGが流行った80年代から、たかだか二、三十年ほどでこんなに変わるなんて。。。

こんな時代ですので、民主主義者がしっかり声を上げて行くというのはとても大事なことですよね。当方といえば、今夏の安保法制反対デモに相当参加しました。採決の日は徹夜して国会議事堂前で声あげていました。あと、政党や議員宛にメールするとかやってます。自分にできることといったらこのくらいですので。

とりとめのない内容ですみません。SLGをやり、かつリベラルな人がいらしたということが嬉しかったため、メールさせていただいた次第です。

これからも、極々まっとうな民主主義者の立ち位置からの言論活動、応援しています!

#『戦前回帰』はすごくいい本だと思います!
#『ハリコフ大戦車戦』(翔企画)では、かなり遊ばせてもらいました(笑)

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このメールに対し、私は以下のような返信をお送りしました。

────────────────────────────

●●さま


こんばんは。とても興味深いメールを、ありがとうございます。

シミュレーション・ゲーム愛好家を含め、軍事マニア/オタクと呼ばれる人は一般に「右寄り」だとされていますが、私の見るところ、「右寄り」というよりは「左翼嫌い」や「朝日新聞嫌い」が多いような気がします。

その理由については、私にもなんとなくわかる気がします。表面的な「綺麗ごと」で戦争や歴史を語ったり、自らが正義であるかのような高飛車な態度で「軍事」にまつわる問題を切り捨てるような傾向が、「左翼」や「朝日」には多々あったことは事実だと思います。自衛隊員が相応の社会的地位を長らく得られなかったのも、そうした人々の行動に原因があったのでしょう。

けれども、最近はそうした「左翼嫌い」や「朝日新聞嫌い」の人が、自分と同じように「左翼」や「朝日」を攻撃しているからという、ただそれだけの理由で、安倍政権を応援する側に立っている例も多いような気がしています。例えば安保法制の議論でも、首相の代わりに自分が論理的に説明してやる、という人は皆無で、ひたすら反対派を「左翼」や「朝日」に結びつけて罵倒するだけのような人を多く見ます。

ご存知かと思いますが、ナチスは、ドイツ国民(および占領した北欧・西欧の国民)の支持を集めるために「共産主義の脅威」を煽る手法を使い、それに応えて「自分は反共だから」という理由でナチスに加担した人が少なからずいました。1945年4月から5月の、首都ベルリンを防衛する戦いにおいて、ヒトラーの側に立ってベルリンを守ったSS部隊は、オランダ人やノルウェー人などの「反共義勇兵」部隊でした。しかし歴史的に見れば、スターリンを敵視してヒトラーの側につくというのは、きわめて愚かな選択であり、そうした(共産主義か、ナチスかという)二者択一以外にも、自国の将来にとって良い道はいくつも存在したはずでした。

それと同様のことが、今のこの国でも起こっているような気がしてなりません。「左翼」や「朝日」が間違っているからといって、それらを批判する「安倍政権」が正しいということにはなりません。敵の敵は味方、という単純な二者択一を安易に受け入れるのではなく、今この国で何が起こっているのか、そしてこのまま社会の変化を放置・傍観した場合に、この国がどんな道に進むのかを、過去の歴史を道しるべにしながら理解し、手遅れにならないうちに是正する必要があるように思います。

ちなみに私も、今年の夏はデモや集会に何度も参加し、8月30日の国会議事堂前の抗議集会もど真ん中で声をあげました。過去の歴史をそれなりに知る者の責任として、自分の目の前で作られつつある「歴史」に、今後もさまざまな形で関わっていくつもりです。

ところで、今回いただいたメールの文面ですが、お名前を伏せ字にした上で、ブログに転載させていただいてもよろしいでしょうか? おそらく、こういう話題に関心がある方は、●●さん以外にもおられると思いますので、ブログの記事にすれば、興味を持って読まれる方もいるかと思います。

それでは、今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。


山崎雅弘

────────────────────────────

ブログ転載という私の申し出に対し、このメールの送り主の方は快く了承して下さいました。私の考えの全てを説明できているわけではありませんが、この記事をお読みになられる方々のご参考になればと思い、今回はこのような形にしました。

「歴史を研究する者は、目の前で進行している歴史の生成に関与してはならない」というような、タイムトリッパー的な「傍観主義」に基づいて、社会の政治的変化に沈黙・傍観の態度をとる歴史家や歴史研究者もおられるようですが、私はそのような考え方には与しません。なぜなら、もう取り返しのつかない段階に事態が進展してから、望ましくない歴史の流れを止めようとしても手遅れである、ということも、過去の幾多の歴史が我々に教える厳然たる現実だからです。

現在のドイツ連邦軍では、ナチス時代の反省から「上官の命令には絶対服従」という考え方が原則として否定され、たとえ上官の指示であっても、非人道的な命令には従わなくてもよいという「抗命権」が認められています。その前提にあるのは、「軍人も軍人である以前に一人の市民である」という民主主義国の価値判断です。それと同様、民主主義国に生きる歴史家や歴史研究者もまた、一人の市民として、自分の属する社会の健全さの維持に対し、責任の一端を負う立場にあるはずです。

例えば、半藤一利さんや保阪正康さんは、厳密には「歴史家」でなく「ノンフィクション作家」ですが、過去の歴史をよく知る一市民としての社会的責任を、きちんと果たされていると思います。お二方が様々なメディアでされているのは、単なる「政権批判」ではなく「過去の失敗事例と共通するパターンの再来に対する警告」であり、政治思想とは別に、誰もが落ち着いて耳を傾けるべき「警鐘」です。

また、現在の日本政府がとっている、重要な政策決定の審議経過に関する記録を残さなかったり(内閣法制局)、国会での議論を記録した議事録に「実際には存在していない架空のやりとり」を捏造して追記する(参議院)などの「歴史に対する背任」行為は、後世の歴史家の研究を著しく妨害するものであり、同時代の歴史家は後世の歴史家の代理人として、直接的な抗議の声を挙げる責任を負っているようにも思えます。1945年の敗戦当時、重要な歴史的史料が大量に破棄・焼却されたために、市民虐殺や慰安婦問題、人体実験などに関する当時の実情を知る手がかりがあちこちで失われている現状を鑑みれば、そうした「歴史に対する背任」がどれほど悪質で、後世の人々に対して不誠実な態度であるかを理解できるはずです。

政治権力が当たり前のように歴史研究に介入して、時の権力者に都合のいい歴史だけを書かせ、不都合な歴史は書くことを禁じるという政治体制の国は、戦前戦中の日本やドイツを含め、過去にいくつもありましたし、現在も少なからず存在しています。今まで、私が世界中の戦史や紛争史についての原稿を自由に書けていたのは、私が生きてきた戦後の日本社会が「幸いにもそういう政治体制ではなかった」からですが、来年以降もそうであり続けるのか否かは、今を生きる日本人の行動と態度によって左右されます。そういう重要な分岐点に、我々は今立っていると、私は理解しています。

メールの文面の繰り返しになりますが、私も「過去の歴史をそれなりに知る者の責任」として、自分の目の前で新たに作られつつある「歴史」がどのようなものなのかを判断・評価しながら、今後もさまざまな形で関わっていくつもりです。



【追記】

シミュレーション・ゲーム(SLG)愛好家のイベントや定例会について、誤解があるといけないので少し補足しておきます。私がよく出入りしているゲームクラブの定例会で、いわゆる「ネトウヨみたいな人」と遭遇して嫌な思いをしたことは一度もありません。

シミュレーション・ゲーム愛好家は、基本的に「歴史好き」の人が多く、会場ではいつも個々のゲームの背景の歴史についての話で盛り上がりますが、公共スペースなので、みな社会人としての節度を守ってコミュケートしています。



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2015年1月13日 [その他(ウォーゲーム関係)]

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今日は訃報です。

私の最も尊敬する戦史シミュレーション・ゲーム・デザイナーのジョン・ヒル氏が、2015年1月12日に急性心筋梗塞で亡くなったとの知らせがありました。ヒル氏は、シミュレーション・ゲーム業界を築いた巨人の一人で、傑作『スコードリーダー』をはじめ、数多くの優れたゲームをデザインし、コミュニティの繁栄に貢献されました。

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私がシミュレーション・ゲームの世界に足を踏み入れたのも、14歳の時に彼のデザインした『スコードリーダー』をプレイしたのがきっかけでした。上は、1996年のオリジンズ(米国オハイオ州コロンバスで開催されたボードゲームのコンベンション)で、初めてヒル氏とお会いした時の写真です。会場で幸運にも手に入れた、空が紫色の『スコードリーダー』の箱にサインをお願いしたら、カン高い元気な声で「おう、初版じゃねえか!」と笑いながら、快く書いて下さいました。

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ヒル氏がいなければ、私はこのホビーにここまで深入りすることはありませんでした。また、版権契約の関係で、ヒル氏とは直接やりとりする機会がありませんでしたが、シックス・アングルズ別冊第1号として、彼がデザインした傑作『スターリングラード攻略』の日本版を出すことができたのも、忘れられない思い出です。

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ジョン・ヒルさん、本当に、ありがとうございました。

謹んでご冥福をお祈りします。

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2013年10月18日 [その他(ウォーゲーム関係)]

今日は、シミュレーション・ゲーム関係の話題を二つほど。

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まず、シックス・アングルズ別冊第10号『パンツァークリーク』の制作作業が、予定より遅れています。前回の記事でもお伝えしました通り、残りは本誌の編集作業のみなのですが、KKベストセラーズさんの『歴史人』誌別冊の32ページ分の原稿と収録地図10点の仕事を先に仕上げる必要があり、『パンツァークリーク』の作業は来週中頃まで中断することとなりました。

既にプレオーダーをいただいた方をはじめ、発売を楽しみにされている方には大変申し訳ありませんが、11月には発売する予定ですので、今しばらくお待ちいただければ幸いです。プレオーダーは、引き続き同条件で募集を継続いたします。

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次に、国際通信社さんの『コマンド・マガジン日本版』最新号(第113号)が、本日手元に到着しました。今回の付録ゲームは、DDH社の『ゲティスバーグ会戦』と『アンティータムの戦い』という、同一システムで米国南北戦争の著名な戦いを描くハーフサイズのゲーム2個セットです。

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本誌記事の「ゲティスバーグ会戦ゲーム55年史」は、かつての『タクテクス』誌(初期)を彷彿とさせる内容で、(シミュレーション・ゲームの)有史以来、デザイン・出版されたゲティスバーグ戦ゲームを網羅的に紹介しています。

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今回のコマンド誌には、私も超久しぶり(記事筆者としては15年ぶり!)に記事を2本寄稿しています。1本は、特集記事に関連した「日本人デザイナーの見た戦場」で、私がかつてデザインしたミニゲーム『ゲティズバーグ1863』に関するデザイナーズ・ノート的な記事です。

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このゲームは、個人的には思い入れのある小品で、機会があればプレイしたいと思っています。上の画像は『シックス・アングルズ・コレクション』版の『ゲティズバーグ1863』ゲームマップの拡大画像です。

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もう1本は、この号から連載としてスタートした「第7の視角」で、第1回はシックス・アングルズ別冊第9号『独ソ戦コレクション-2』の1作「突撃スターリングラード」のデザイナーズ・ノートです。1942年7月から10月までのスターリングラード攻防戦がテーマで、拡大地図を使った市街戦と、郊外でのソ連軍による側面攻撃の両方をプレイできる作戦級ゲームです。


ところで、先日の台湾旅行で現地のゲーマーと交流し、ゲーム談義に花を咲かせた影響か、最近は新作への意欲も高まっており、帰国してからいくつかゲームを購入しました。

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GMT『アンデスの深淵(Andean Abyss)』と同じ「COIN(対反政府勢力)」シリーズの新作『遥かなる地平(A Distant Plain)』。電子書籍『米軍のアフガニスタン戦争』で解説している、現代アフガニスタンの紛争を、政府・米軍+多国籍軍・軍閥・タリバンの四つ巴の構図でプレイします。

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こちらは、デシジョン・ゲームズの現代戦ゲーム雑誌『モダーン・ウォー』最新号の付録『聖なる地(ホーリー・ランド)』。近未来に起こりうる第五次中東戦争がテーマで、シリア内戦を扱うバリアントも収録されています。本誌のページをめくると、ステーキハウスの通販広告が掲載されていたりして、ゲーム雑誌の趣も変わったなぁ、と感じます。

新作のアイデアもいくつか湧き出ており、テスト用のマップ作成なども仕事の合間に始めていますが、それについては次回以降に。
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2012年1月12日 [その他(ウォーゲーム関係)]

シックス・アングルズ第13号『ツィタデレ: クルスクの決戦』と、別冊第4号『砂漠のキツネ』が、完売(出荷前在庫なし)となりました。ご購入いただいた皆様、ありがとうございました。この2点につきましては、重版の予定はなく、現在市場に出ている商品のみとなりますので、購入をご検討されている方はお早めにどうぞ。

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