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F1 アメリカGP [その他(雑感・私生活など)]

6月19日に開催されたF1アメリカGPは、この25年間で最も空しく、
全世界のF1ファンを愚弄するイベントとなった。タイヤをめぐる
レギュレーションの是非は別として、今シーズンのF1は異様に
政治色が濃くなっているような気がしてきた。

まず、サンマリノGP後に決定された、BARホンダに対する
2戦出走停止というペナルティについて。同種のタンク構造を持つ
他のチームは検査対象になっていないこと、BARだけ執拗に
検査の対象になったことは前々から不思議だと思っていたが、
近いうちに行われるFIAの会長選挙との関連を指摘する声を
いくつかの媒体で見た。それによると、現会長マックス・モズレー
の対抗馬であるジャッキー・スチュアートが、BARと緊密な関係
を結んでいることから「スチュアートを支援するとこうなるぞ」
というモズレーの見せしめ懲罰だったというのだ。

もうひとつ、数年前からパドックで話題になっている「新F1
シリーズ」(メルセデス、ルノー、ホンダ、トヨタ、BMWの
5社が、現在のF1運営機構と袂を分かち、新しい運営機構を
作ってF1のような国際レースをやろうという構想)への
参加表明チームが、今回のボイコットと完全に一致していること
も気になる。決勝直前、最終コーナーにシケイン(障害物)を開設
してレーススピードを低下させるという、1994年(アイルトン・セナ
とローランド・ラッツェンバーガーが事故死した年)には認可された
暫定措置をミシュラン側が提案し、9チームがそれに賛同したものの
残る1チームが反対したため、否決されたという。この1チームとは
言うまでもなく、現行F1の枠組みを決める「コンコルド協定」の
更新会議に唯一出席してマックス・モズレーとの友好関係を示した
フェラーリである。結果として、今年のアメリカGPはフェラーリ
に18点のコンストラクターズ・ポイントをもたらした以外には
何の成果もない空虚な催しとなってしまった。観客は、高い入場料
と交通費(モントーヤを応援するためコロンビアから飛行機で来た
ファンは一体いくらのお金を無駄にしたことか)を払わされて、
この1企業のPRに付き合わされたことになる。

さらに言えば、ニュルブルクの欧州GPから変更された土曜日一発
の予選形式も、フェラーリの要望に沿ったもので、実際にあの変更以降
フェラーリはレースで着々とポイントを獲得するようになっている。
メルセデス、ルノー、ホンダ、トヨタ、BMWという有力サプライヤー
による「新F1シリーズ」が、俄然現実味を帯びてきたように見える。
今回のアメリカGPを観てFIAの運営方針に失望したファンは、
おそらく抵抗なくそちらの新シリーズを支持することだろう。


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