2008年6月25日 [戦略級 日露戦争]
http://www.mas-yamazaki.net/RSR_Variant_image.pdf
http://www.mas-yamazaki.net/RSR_Variant_text.pdf
上記のリンクは、「戦略級 日露戦争」のHPからもダウンロードできます。
http://www.mas-yamazaki.net/sixangles_redsun.html
このゲームに関しては、時おり熱心なプレイヤーの方から感想のメールをいただくことがあり、日露戦争というテーマに対する関心の高さを改めて認識させられました。「奉天会戦」の新版も、まだ頭の中から廃棄していませんので、少しずつ進めていきたいと思います。
2008年6月13日 [戦略級 日露戦争]
時おり、シックス・アングルズの発行部数について、お客さんから質問を受けることがあります。その多くは「もう少し部数を増やしてはどうか」というものですが、シックス・アングルズのような個人出版では、なかなか「既刊製品の在庫を常に取り揃えておく」ということができません(在庫を置く倉庫のコスト、商品管理に費やす時間、などがその理由です)。また、現在のシミュレーションゲーム市場の大きさを考慮すると、私はシックス・アングルズ製品に関しては、現状程度の部数で適当なのではないかという気がしています。
「戦略級 日露戦争」の場合、発行は2007年2月で、出版元での在庫切れが2008年6月なので、実売期間は1年4ヶ月(実際は数ヶ月前に無くなっていたらしいので、ほぼ1年)ということになりますが、私の想定では「発売開始から半年~1年で売り切れるのが理想的な展開」です。それだけの時間があれば、欲しいと思う人が買うチャンスは平等にあると思われるからです。シックス・アングルズのような零細「同人誌」または「個人誌」は、常にお店に商品を陳列するという状態を目指すべきではないと私は考えていますし、実際に発売から1年が経過した以後の商品の売上げは極端に低下する場合がほとんど(少数ながら例外はあります)なので、そうした管理コストを考慮すれば、1年以内に売り切れることを理想とする現在の方針以外には、現実的な選択肢は見当たらないという状況です。
7月末に発売予定のシックス・アングルズ第11号「モスクワ攻防戦」と、それ以降のシックス・アングルズ製品についても、発行部数は800部またはそれ以下とし、追加の増刷等は行わない方針です。この業界の将来については、いろいろな見方がありますが、私は「ゲーマーの数が減ることはあっても増えることはない」という認識なので、欲しいと思ってくださる方々がおられる限り、そうした方の全員に行き渡る程度の部数で、これからも地道に仕事をしていきたいと考えています。
これで、ウォーゲーム・レトロスペクティブ・シリーズでは「砂漠のキツネ」以外は全て完売となりました。「砂漠のキツネ」も残部僅少です。
2007年4月26日 [戦略級 日露戦争]
本ブログに時おりご意見をいただいているQUIETさんのブログに、戦略級 日
露戦争のゲーム紹介と艦隊士気値ルールの不備についてのご批判が出てい
ます。私がテストした時には、司令官を失って敗走したロシア艦隊を日本海軍
の連合艦隊が追撃する場合、日本軍の戦艦に有利な艦隊間距離(私は「東
郷タッチ」と呼んでいますが、これも多少の問題ありとはいえ、良い修正案を
考えることができませんでした)で第2ラウンド以降を戦えるので、さほどの違
和感はなかったのですが、しかし「商船隊の襲撃すら行えないのに戦艦相手
の砲撃戦を行えるのはおかしい」というご批判もごもっともだと思います。です
ので、この問題に関しては新たな日本版改訂選択ルールとして、QUIETさん
が提示されている「艦隊士気値ゼロの艦隊に所属する全ての艦艇は、一切の
砲撃や魚雷発射を行えない」というルールを採用させていただくのが良いかと
思います。SPIスタッフはともかく、日本版の出版に際して私が気づいて改善
案を提示すべき重要な問題点だと思いますが、不注意にも見落としてしまいま
した。「戦略級 日露戦争」をご購入いただいた方には、ぜひ上記のQUIET
さん案のルール修正を適用してプレイしてください(依然としてホームページ
の更新ができない状況なので、公式ページへのエラータの反映は少し後にな
りますが、ご了承ください)。
情報伝達媒体としてのインターネットも、過渡期を過ぎて成熟期に入ったよう
で、ウォーゲーム関係の分野においても、明確で論理的なゲーム批評を行なう
ブログが少なからず運営されており、その中でもQUIETさんのブログは
評者の「立ち位置」が明確な上、視線の起点と到達点、自らが考える理想など
についても明快に記されているので、自分の関わったゲームはもちろん、それ
以外のゲームについての論評も非常に参考になります。個人的には、昨年11
月6日の「料理とウォーゲーム」という記事がとりわけ秀逸だったと思います。
ウォーゲームを趣味とする方には、ぜひ一読をお奨めしたい記事です。
http://zero.ferio.net/quiet/index.php?itemid=46&catid=12#more
2007年3月22日 [戦略級 日露戦争]
今日、無事に「戦略級 日露戦争」のプレオーダー分の発送を行いました。
複数部数でのご注文(他の商品との組み合わせも含む)は、一部地域を
除いて明日必着の宅急便にて発送しました。単品でのご注文はメール便
にて発送しましたので、地域により多少の変動はありますが、1~3日で
お手元に届くことと思います(三重からの発送は今回が初めてなので、
お時間に余裕のある方に、到着をメールでお知らせいただけると今後の
参考にさせていただきます)。最終的に、プレオーダーの件数とご注文
部数の両方で「クルスク大戦車戦」に次ぐ数字に達しましたが、自分では
完成度にかなり満足しています(特にマップと駒の仕上がり具合)。
プレオーダーを申し込まれた方は、ぜひ到着を楽しみにしていてください。
今日は、体調が思わしくないのでもう寝ます(昨日もまた徹夜でした)。
コメントへの返答は後日ということで、ご容赦ください。
2007年3月21日 [戦略級 日露戦争]
シックス・アングルズ別冊第5号「戦略級 日露戦争」のプレオーダー
分がさきほど届きました。ざっとチェックしましたが、特に問題は
発生していないようです。駒シートは、「砂漠のキツネ」などと同様の
1シート=132個の形式ですが、厚みが以前よりかなり分厚くなって、
よりプレイしやすくなったと思います。また、艦艇ユニットのダブルサイズ
カウンターも正しく打ち抜き加工されています。マップは、いろいろと
考えた末、フルマップ2枚とし、海戦ディスプレイと観にゲーム用の
マップを繋げた形にしました。一見すると、分かれていた方が便利な
ようですが、これらは両方同時に使うことがないもので、しかも
机の上に広げた時、ハーフサイズの紙よりも、フルサイズを半分に
折った紙の方が(当然ですが)重くて、ちょっとした衝撃(机の端に手や
足がぶつかるなど)でもずれたりしにくいというメリットがあります。
プレオーダーは、本日午後11時59分まで受け付けています。
2007年3月16日 [戦略級 日露戦争]
このところ多忙のため更新ペースが遅れていることをお詫びします。
「戦略級 日露戦争」のデータ入稿を終えた後、歴史群像次号の
「フィデル・カストロ伝」と確定申告の作業に追われていましたが、
正月から続いてきた「月月火水木金金」の日々がようやく一段落
しました。かといって暇になったわけではなく、今月の後半は
サンセット・ゲームズの「プラン・サンセット」の製作と、学研さんの
新しいムック本「ドイツ空軍全史」の原稿執筆、そして「戦略級
日露戦争」のプレオーダー分発送という仕事でほぼ埋まって
います。あまりの多忙で神経が磨り減っているので、来月初め
には「充電」で一週間ほど留守にする予定を強引に入れました。
「戦略級 日露戦争」の発売日は、プレオーダー発送が3月22日、
店頭発売は3月27日を予定しています。長らくお待たせした分、
今回もたっぷり中身の詰まったパッケージに仕上がったと思いま
すので、ぜひ期待していてください。プレオーダーの募集は、
3月21日の午後11時59分まで受け付けています。
あと、以前に紹介しました学研さんの新しい日露戦争ムック本を
本屋で買いました。中身は、ある程度の知識がある人向けですが、
「戦略級 日露戦争」のヒストリカル・ノートを読んで、さらに詳しく
知りたいと思った方に最適の、中身の濃い本です。特に、日本の
参謀本部が作成した公刊戦史付録の精密な戦況図が数多く収録
されているのは貴重です。昔東京に住んでいた頃、瀬戸さんが
個人で所有している同書の戦況図の実物を見ましたが、中身の
濃密さと枚数の多さに圧倒された記憶があります。この学研さん
のムック1冊だけでも、簡単な日露戦争の作戦級ゲームをいくつか
デザインできそうな感じです(特に奉天会戦時のロシア軍戦闘序列
はゲームデザインに最適の情報です)。「戦略級 日露戦争」と
合わせて、この春は103年前に発生した極東の動乱に思いを馳せ
てみてはいかがでしょうか。ヒストリカル・ノートにも少し書きましたが、
19世紀末から20世紀初等の「帝国主義時代」と現在は、共通する
点がいろいろあって、少し不気味な感じがします。
2007年3月8日 [戦略級 日露戦争]
本日、ようやく「戦略級 日露戦争」の本誌データを印刷所に発送しました。
順調に進めば、3月22日にプレオーダー分発送、27日に店頭発売という
流れで出せそうです。まるで乃木第3軍の旅順攻略のような仕事ぶりに
なってしまいましたが(笑)、私にとっては収穫の多い有益な作業でした。
以前にお伝えした「奉天会戦」の全面改訂版のアイデアもいろいろと
思いついたので、システム案をノートに書き留めておきました。
奉天会戦に限らず、遼陽会戦も、沙河会戦も黒溝台作戦も、
日露戦争の主要な大規模野戦のほとんどでは、敵軍の展開状況
についての誤認が大きなファクターとなっていたので、こうした情報
の制限をプレイアブルな形で再現するルールを考案中です。
史実の戦闘序列や配置場所に拘束されず、両軍指揮官が史実と
同じジレンマを感じるような「銀一郎イズム」でデザインします。
あと、学研さんから歴史群像の最新刊(私は「ペルー人質救出作戦」を
執筆しています)と、文庫本「完全分析 独ソ戦史」が届きました。
これから、ソファに座ってゆっくりとページを繰ることにします。
2007年3月3日 [戦略級 日露戦争]
シックス・アングルズ別冊第5号「戦略級 日露戦争」の経過報告です。
たくさんのプレオーダーを頂きながら、発売がずるずると遅延して
しまっていることを深くお詫びいたします。現在、本誌の製作作業が
最終段階に入っていますが、学研さんの新しいムック「ドイツ空軍全史」
の仕事が急遽入り、そのうちの一本「なぜドイツ空軍は『戦略空軍』に
なれなかったか」を昨日まで執筆していたため、こちらの作業が中断
してしまっていました。本誌のデータは、来週中ごろには印刷所に送る
予定で、おそらく3月中旬にはプレオーダー分を発送できると思います。
当初の発売予定から3ヶ月以上も遅れ、年4回刊行というスケジュール
の1回分を空けてしまいましたが、今回も従来の製品同様、内容の
濃いものに仕上げることができたと考えていますので、あともう少し
だけ、お待ちいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
プレオーダーも、発送前日まで募集しています。
あと、学研さんから新しいムック「世界の特殊作戦」が刊行されました。
ボーア戦争と日露戦争から現代までの特殊作戦を網羅した、資料的
価値のきわめて高い1冊で、私も52ページ分の各種記事を執筆して
います。あまり知られていない第二次大戦中の特殊作戦もいろいろ
紹介されていますので、興味のある方はぜひ書店で手にとって内容
をご覧ください。
http://shop.gakken.co.jp/shop/order/k_ok/bookdisp.asp?code=6017220
ついでに、こちらもお忘れなく。今月16日店頭発売予定です。
http://shop.gakken.co.jp/shop/order/k_ok/bookdisp.asp?code=1B1638
2007年2月25日 [戦略級 日露戦争]
依然として、「戦略級 日露戦争」のヒストリカル・ノートと格闘中です。
メジャーな題材なのに、なぜこんなに時間がかかっているかと言うと、
書く作業よりも資料文献の読み込みに熱中してしまっているからです…。
特におもしろいのが、デニス・ウォーナーとペギー・ウォーナー夫妻の
「日露戦争全史」(時事通信社・1978年)。日本人の著者が執筆した
日本戦史ものは、多かれ少なかれ独特の情緒的表現が見られ、
冷徹な分析を求める私には違和感が感じられることが多いのです
(その点、瀬戸さんや河合さんなどのゲーマー畑出身の人は、情緒的
表現に走らないので安心して読み進めることができます)が、この本
は偏りのない公平な視点から的確な分析を行っており、また特定の
人物を必要以上に美化したり貶めたりもしていません。事実関係の
記述もおおむね正確で、資料文献としてはかなり完成度の高い作品
だと思うのですが、残念ながら現在は絶版となっているようです。
ヤフーオークションを覗くと、数点出品されているようなので、この
題材に興味のある方は閲覧してみてください。
クロパトキンの指揮統率値は、ヒストリカルな展開に固執しないなら、
やはり「4」のオプション・ユニットを使うべきでしょうか。東郷の指揮統率
値は「5」ですが、史実ではけっこう判断ミスもしているので、6回に1回は
出撃(敵艦隊の捕捉)に失敗するくらいでちょうどいいバランスですね。
両軍の戦略構想とその実情を知れば知るほど、またゲームをプレイ
して地図上でいろいろ検証したくなってきました…。
2007年2月13日 [戦略級 日露戦争]
「戦略級 日露戦争」の本誌記事の仕上げ作業を進めているところ
ですが、今回はルールの文量が少なかった(SPI版の標準ルール
が16ページと、日本版オリジナルのQ&Aが2ページ、同じく日本版
オリジナルの選択ルール5ページとミニゲーム1ページを合わせて
も合計24ページ)ので、歴史的背景についての記事にページを割く
ことができました。日露戦争全体のヒストリカル・ノートが12ページ
に加えて、両軍のユニット化されている指揮官の解説が4ページの
計16ページが史実記事になります。あとは、デザイナーズ・ノートと
プレイの指針が各2ページ、リプレイ記事が12ページと、マップおよ
びユニットの縮小版という構成です。毎回、このくらい史実解説の
記事にページを割くことができれば、より読者の方にも満足して
いただけるだろうとは思うのですが…。
それから、以前より告知していました東部戦線文庫本のタイトルが
決まりました。その名も「完全分析 独ソ戦史」。私ごときの著書に
「完全分析」などと銘打たれるのはお恥ずかしい限りですが(笑)、
賢明な読者の方々は笑ってスルーしていただけると信じています。
私自身が制作した詳細な戦況図も計25点収録されていますので、
興味のある方はぜひ本屋で手に取っていただければと思います。
価格は690円+税、発売予定は3月です。下が本の表紙です。