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2005年9月18日 [バルジの戦い]

「バルジの戦い」記事用プレイ二日目。詳細な記録をとりながらのプレイ
だったため二日もかかったが、内容は(プレイヤーとして)非常に満足の
いくものだった。そして、記事用プレイとしての盛り上がりも充分であった。

このゲームの戦闘結果表は流動型で、ZOCで囲んで完全包囲しない限り
なかなか敵ユニットのステップを奪えない。強制ステップロスの結果もある
にはあるが、戦力比7:1でようやく1/36、9:1でも2D6で2~4の目でしか
出ない(通常の戦闘結果に加えて強制1ステップロス)。だから、奇襲に
よるサイの目修正があるとはいえ、通常はサン・ヴィットの攻略にけっこう
手間取るのだが、今回のプレイでは中北部の重要な戦闘で二度も強制
ステップロスの結果が出たため、米軍の戦線に大穴があくこととなった。

第4ターン(12月17日午後)、守りの手薄なバストーニュに対し、北部から
突進したパイパー戦闘団が強襲。満足な銃火器を持たない工兵連隊は
すぐに敗走し、バストーニュはわずか数時間でドイツ軍の手に落ちた。

その後もドイツ軍の進撃は止まらず、米軍が戦線を引くよりも早くムーズ川
へと到達、第7ターンには教導装甲師団の第130装甲連隊がムーズ川西岸
への一番のリを果たした。米軍は必死に兵力を集めて対応しようとするが、
続々と到着するSS装甲部隊が橋頭堡を拡大し、第9ターンには第1SS装甲
師団の2個連隊と第12SS装甲師団の1個連隊も西岸に進出した。

標準ルールのキャンペーン・シナリオにおける勝利条件では、補給下にある
装甲ないし装甲擲弾兵連隊が3個、ムーズの西岸にいればサドンデスで
戦術的勝利を得られるのだが、ドイツ軍プレイヤーの任意でその権利を放棄
して、戦略的勝利狙いでゲームの継続を選択できる(クイズ・ミリオネアで
小切手を破るのと同じ感覚である)。ドイツ軍は、アントワープへの突破を
継続する方針を固め、可能な限りの装甲兵力をナミュール橋頭堡へと送り
込むよう前線指揮官を急き立てた。

だが、ここからがドイツ軍にとっての苦難の始まりである。史実よりも遠くへ
進撃したということは、側面防御の部隊密度が史実よりも薄くなっていること
を意味する。続々と集結する米軍部隊は、鋭角を成すバルジの根元に近い
場所へと集結し、次第に反攻の度合いを強めてきた。第15ターンには、南の
パットン第3軍の機甲部隊がバストーニュの奪回を目指す猛攻を開始。ドイツ
第7軍の歩兵は瞬く間に消耗し、増援の装甲擲弾兵でなんとか支えている
状況となった。

ドイツ軍が戦略的勝利を得るためには、装甲ないし装甲擲弾兵連隊が12個、
補給下で地図外へと突破しなくてはならない。だが、地図端までの領域を
占領下に置いていても、おいそれと突破することはできない。なぜなら、
ユニットを突破させてしまえば、橋頭堡の側面を維持する兵力が消滅して
しまうからだ。そうなると、一度に12個同時に突破する状況を作らなくては
ならないのだが、ドイツ軍には「燃料切れ」という大きな足枷があるので
ムーズ西岸に14個の装甲ないし装甲擲弾兵連隊を進出させていたとしても、
たった1個師団が燃料切れになれば11個しか補給下の状態にならないのだ。
たいていは2個師団程度が燃料切れになるので、ドイツ軍は燃料が届く
(サイの目判定で良い目が出る)のを待ちながら、1個でも2個でも余分に
ムーズ西岸へと装甲部隊を送り込む。だが、米軍の側面への反撃はターン
を重ねるごとに激しさを増し、ドイツ軍司令官は何度も戦略的勝利への挑戦
を放棄して、引き分け(バストーニュほか都市数ヶ所の確保)狙いに切り替え
るべきか悩まされた。ナミュールに燃料が届くのが先か、それとも米軍の
戦車が「バルジ」の側面を食い破るのが先か。下は第17ターン(12月24日
AM)終了時の戦況で、残り3ターンの勝負となる。

この結末は、本誌に収録するリプレイ記事で詳しく報告させていただくが、
両プレイヤーとも、これほど楽しいバルジ戦ゲームは初めてだという感想で
一致した。もちろん、今回のプレイはかなり極端な展開であり、通常は
もう少し地味な展開になるのだが、たまにはこういうことも起こるゲームだ
ということで、判断の参考にしていだければ幸いである。


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