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星野仙一氏の去就について その2 [その他(雑感・私生活など)]

9月7日、タイガースの今後を左右する重要な出来事が2つあった。

ひとつは、ナゴヤドームで行われた阪神=中日の首位攻防戦。
試合時間5時間1分、延長11回の末にタイガースの勝利で終わった
この試合、岡田監督は計三度にわたってグラウンド内に登場した。
最初の二度は、審判の不自然な判定に対する抗議。そして最後は
9回裏の守備中、集中力が切れた選手へ直接声をかけるために、
今季初めてマウンドに足を運んだ。3対3の同点で一死満塁。

追い詰められた久保田に対して、岡田は意外な言葉を口にした。
「もう打たれろ。こうなったらお前の責任じゃないわ。責任は
オレが取ったるよ。むちゃくちゃ投げろ」

この一言でマインドを切り替えた久保田は、代打の渡辺と4番の
ウッズに全て直球で挑み、二者連続三振で危機を脱した。そして
11回表に中村豊のホームランで得た1点を最後まで守りきった。

絶妙のタイミングで口にする「言葉」の力で、チームを絶体絶命
の窮地から救う。これは名指揮官と呼ばれる人物のみが持つ才能
であり、星野仙一氏が阪神の監督をしていた頃に何度も目にした
光景である。だが、タイガースのファンは今まで、岡田監督には
そのような力が欠けていると思い込んでいた。この1勝は、他の
どの試合にも増して重要な意味を持つマイルストーンであろう。
チームを牽引する主力の1人である金本は、9月9日の広島戦終了
後のインタビューで「岡田監督の胴上げ」を口にした。もはや
星野SDの去就など、どうでもよい。今のタイガースの選手は
そんな気持ちで優勝だけを目指してプレイしているに違いない。

その同じ日、星野仙一氏は大阪市内の阪神電鉄本社で行われた
タイガースの定例報告会に出席していた。テレビのニュース番組
で、星野氏が建物から出てくる姿が放映されていたが、建物の外
で待つタイガース・ファンが口々に叫ぶ「星野さ~ん」という
必死の問いかけに、全く目もくれず、ファンに背を向けたままで
迎えのクルマに乗り込んでいった。これを見た時、私は既に全て
答えは出ているのだと確信した。星野氏は、もうタイガース・
ファンに堂々と顔向けできる立場ではなくなってしまったのだ。

問題は、現在タイガースのコーチを務めている島野育夫氏の去就
である。果たして星野氏と共に巨人入りするのか、それとも来年
もタイガースに留まるのか。私は、今季のタイガースの強さの
背景には「鬼軍曹」島野氏の存在が大であると考えているので、
ぜひ来季も縦縞のユニフォームを着てもらいたいところだ。

あとは、星野氏がニュース・ステーションを辞めた後の久米宏氏
のように、輝きを失って没落しないことを陰ながら祈りたい。


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コメント 3

Mas-Yamazaki

さっそくエラータです。今日、星野氏は記者会見を開き、来季もタイガースのSDを続けると発表しました。泰山鳴動して鼠一匹、星野氏のコメントを聞いてホッとしている半面、なにかスッキリしない部分が…。

――巨人から監督要請はあったのか。
正式な要請がないんだから、仮の話に対して答えるのは失礼だと思っていた。

最初から受ける意思がないのであれば、ただ一言「もし来ても断るよ」と言えば全てクリアに解決すること。それをせず、含みを持たせた曖昧なコメントだけ口にしてきたということは、やはり「非公式な要請」はあり、星野氏も本気で検討していたんでしょう。

その後のことはご本人が決めることなので、他人が口出しすべきではありませんが、これで巨人の面目はまた丸つぶれとなった格好です。こういう経緯が(誇張や憶測も含めて)報道されるごとに、巨人というチームの価値が下がり続けているのは確かです。もしかして、これがあの人の本当の狙いだった?
by Mas-Yamazaki (2005-09-10 23:49) 

擲弾兵

マスコミの報道を見ていると、星野監督の動勢がどちらともとれるので判断難しいですね。でも、要請を受けていないなら、すぐにコメントできるはずなので、山崎さんの意見と同じです。
中日や阪神で打倒巨人だった星野さんは、ずっと打倒巨人でいて欲しいです。巨人に指名されなくて、打倒巨人で西武で一花咲かせた清原が、結局は巨人に行き、たいした活躍も出来ずに巨人を去る姿は寂しい物です。なんで、選手は皆巨人に行きたがるのでしょうかね?もはや、昔日の面影はないと思うのですが。
また、球界を引っ張る盟主が、球界の人気を下げるような事ばかりするのも疑問を感じます。
by 擲弾兵 (2005-09-12 23:38) 

Mas-Yamazaki

結局、巨人の人気低迷の原因は、成績が悪いからではなく、封建的な体質がファンに嫌われているからではないでしょうか。勝てば人気回復するかといえば、もう難しいでしょう。特に地方のファンは、地元チームに強い愛着を感じ始めているわけですから、「球界のNHK」的な全国区の巨人人気が低下するのは、ある意味で当然あるいは健全なことのはずです。

原監督が不可思議な形で解任され、また原監督待望論がなかなか具体化しない理由は、単にナベツネ氏が個人的に嫌っているからだというのは有名な話です。プレスに叩かれまくっている堀内監督も、本当はホームラン打者主体ではなく、投手力とスピードを重視した「正統的な野球」をやりたかったものの、あれこれ口出ししてくる読売首脳の方針には従えず、中途半端な選手起用で妥協せざるを得なくなり、結局フロントと選手の両方から信頼されない存在になってしまったようです。そう考えると、巨人V9の立役者である堀内氏ですら、現在の巨人体質に傷つけられた「被害者」と言えるかもしれません。
by Mas-Yamazaki (2005-09-14 02:14) 

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