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2006年10月3日 [戦略級 日露戦争]

シックス・アングルズ別冊第5号「日露戦争: 皇国の興廃」の地図がほぼ
完成しました。今回は、この地図を見ながら、ゲームの基本コンセプトを
ご紹介します。


これがマップの全景です。上下の余白にあるのは、陸上ユニットの所属を
示すための「編成ボックス」です。右下の「戦略海域地図」の上にあるのは、
各艦隊に所属する艦艇ユニットを置くための「艦隊編成ボックス」です。
水上戦が発生した時以外は、このフルマップ1枚のスペースでプレイでき
るように、各種のトラックやディスプレイを余白の部分に押し込みました。

ゲームの開始時には、日本陸軍ユニットは全て「戦略海域地図」の日本
本土のヘクスに配置され、日本海軍の艦艇は、第1(東郷)と第2(上村)
の2個艦隊に編成された上で「戦略海域地図」の対馬/佐世保のヘクス
に配置されます。一方のロシア軍は、動員途中(戦力半減状態)の東シ
ベリア狙撃兵師団と少数の騎兵旅団が旅順とウラジオストク、そして数
箇所の拠点に配置され、旅順艦隊とウラジオストク艦隊はそれぞれの
港湾に配置されます。

【史実における日本軍の基本戦略】 ※4、5は実現せず

1. 朝鮮に上陸後、半島を制圧し、本格的な進出準備
2. 満州南部のロシア軍との決戦
3. 旅順および奉天への進出
4. 羅津への上陸(ウスリー支作戦)
5. ウラジオストク港の攻略と同港艦隊の撃滅

このゲームにおける日本軍プレイヤーは、日露戦争をどのように戦うかと
いう基本戦略をまず立案した上で、商船隊を用いて本土から1つずつ師団
や旅団を大陸に運び、満州一帯に展開するロシア軍に対して大小の会戦
を挑んでいきます。会戦に勝利すれば、外国からの戦費調達がはかどり、
陸上部隊を運ぶための商船隊ユニットをより多く受け取ることができます。
このように、本ゲームは史実の「奉天会戦」や「遼陽会戦」あるいは「旅順
攻略戦」を個別に再現することではなく、日露戦争の「全体像」を、当時の
日露双方の直面していた戦略レベルでの諸問題と絡めてゲーム化した、
本格派の戦略級ゲームです。会戦の勝利→戦費調達→商船隊の増加
→大陸派遣陸軍の増強→更なる会戦の勝利という具合に、日本軍は
ロシア軍に対する個々の会戦での勝利を、戦争全体の戦略的な優位へ
と結びつけていかなくてはなりません。

【史実におけるロシア軍の基本戦略】

6. 予想される日本軍の進撃
7. ロシア極東野戦軍主力による大反撃
8. 南ウスリー支隊による日本軍側面への牽制

日本軍がウラジオストク方面へと上陸できる日露戦争ゲームというのは、
私の知るかぎりこの作品だけですが、当時の日露戦争における戦略的な
選択肢を考えれば、この方面で何らかの会戦が発生する「余地」をゲーム
に含めることは、きわめて自然であるように思えます(東部戦線の戦略級
ゲームで、ゴーリキーやバクーが地図に含まれているのと同じです)。
史実では、旅順攻略に時間と人員を費やしたため、ウスリー支作戦は
実行されずに終わりましたが、情勢次第では、こちらに日本陸軍が進出
した可能性も存在したからです。

ちなみに、ここに紹介した「作戦地図(欄外に「戦略海域地図」を含む)」
のほか、水上戦の解決に使用するハーフサイズ(A2)の「水上戦ディス
プレイ」が、フルカラーで用意されています(作戦地図と同じ海の背景に
各種のボックスやトラックが配列されているだけですが)。


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コメント 2

tanaka

日露戦争の地図・ユニットを拝見しました。
システムもご教示いただき、発売が楽しみになりました。
地図の広さとユニット数の関係からして、
拠点の攻防といった戦い方になるのでしょうか。
あと、ハーフサイズの海戦マップもあるとのことですが、
海戦は戦術級的要素(砲戦・艦隊運動など)が
あるのでしょうか。
by tanaka (2006-10-05 12:48) 

Mas-Yamazaki

tanaka様: コメントありがとうございます。地上戦については、ご指摘のとおり、広い戦線でぶつかり合うよりも、道路や鉄道沿いの要衝に両軍の主力が集結してぶつかり合うような展開になります。ただ史実の奉天会戦程度の規模で「包囲戦」が発生する余地はあります。海戦については、残念ながら、両軍艦隊の「隊形」や艦隊運動を再現することはできませんが、主力艦は1隻=1ユニットなので、「海戦ディスプレイ」上で砲撃を行うことができます。具体的には、戦列(バトルライン)と呼ばれる数字が振られたボックスに艦ユニットを1個ずつ対面で配置し、個々の艦ユニットは、自分と同じか、それより1だけ多いか、または自分よりも少ない(いくつでも可)ボックスにいる敵の主力艦を砲撃できます。つまり、この戦列を組む時点で、艦の順番を決めることで、抽象的な隊形を表しているわけです。あと、魚雷艇戦隊のユニットもあり、雷撃を行うこともできます。こうした簡略化の度合いは、人によって最適なレベルが異なると思いますが、日露戦争全体を再現する戦略級ゲームにしては、最低限の戦術的要素がゲームに含まれているのであはないかと思います。海戦の解決方法をこれ以上複雑なものにすれば、おそらく1日で全体をプレイするのは不可能になるでしょう。
by Mas-Yamazaki (2006-10-09 14:16) 

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