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2009年9月3日 [その他(戦史研究関係)]

では問題です。この人は、誰でしょう?

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このブログをずっとご覧になっている方なら、すぐにおわかりかと思います。答えは、エルヴィン・ロンメルさん(当時大佐)。1937年にポツダムのルードヴィヒ・フォッゲンライター社から出版された著書『歩兵の攻撃(Infanterie greift an)』に収録されている「著者近影」の写真です。

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ロンメルさんは1891年11月生まれですが、この本の発売日が10月以前だとすると、45歳。トブルクを攻略して元帥になる5年前の写真です。エイブラハム・リンカーンも、南北戦争の5年間で別人のように老け込んでしまいましたが、戦争は人間を早く老いさせるんでしょうか。『歩兵の攻撃』は大ベストセラーになりましたが、本人は予想外だったようで、友人に「あんな本でこんなにお金が稼げるとは。どうしていいかわからないくらいお金が入ってくるよ」と漏らしていました。

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これが表紙。ドイツに10年住んでいた妻の話では、シュヴェービッシュ(シュヴァーベンの、という意味)というドイツ語の単語は「ケチ」とか「しみったれ」とかいうニュアンスで使うらしいですが、良く言えば倹約家のシュヴァーベン人であるロンメルさんは、いわゆる「税金対策」として、フォッゲンライター社に頼んで印税を一部だけもらってその分を収入として税務署に申告し、残りはこっそり別の口座にプールしてもらっていたそうです。えっ? それって、もしかして、アレちゃうん…? あかんで、それは。

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こちらは1979年にアメリカのAthena Press社から出た英訳版。プール・ル・メリート章のイラストが表紙です。Amazonで検索すると、今はZenith Press社から今年の5月に出たバージョンが買えるようです。

Infantry Attacks (ペーパーバック)

長かったロンメルさんとの生活も、もうじき終わりです。北アフリカでの過酷な日々(最初の半年くらいは、砂漠の猛暑や敵との戦いよりもドイツ軍内部での人間関係のストレスが、ロンメルさんにとっての悩みの種でした)が、今となってはなつかしい気がしますが、人生の最期は悲しい終わり方なので、本の結末をどう締めくくるかが考えどころ。良くできた映画のように、読後の余韻が残るような形にしたいですね。
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