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2009年11月20日 [その他(戦史研究関係)]

今月と来月は、次の文庫本『ポーランド1939』の執筆作業に全力で取り組んでいますが、息抜きにネットでニュースを見ていたら、おもしろい話が出ていました。

オバマ大統領の名前を漢字でどう表記するかで、米中の意見が対立しているのだとか。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091120-00000025-scn-cn

「オバマさん」と「オバサン」は確かに似ていますが(笑)、字面やイメージをとるか、発音の近さをとるか、難しいところです。

中国人の名前を英文にする時には、一定の規則に従って発音の再現を重視しているようですが、中国と(ほぼ)同じ漢字を使う日本だと、逆に発音の近さよりも「漢字としての読み方」を優先してしまいます。以前にどこかの掲示板でも書いた記憶がありますが、文字体系が近い国は、なまじ同じ(またはほぼ共通の)文字を使用するがゆえに、発音の正確さに関しては、まったく違う文字体系の文化圏に住む人よりも、逆に遠ざかってしまうというのが面白いところ。

例えば漢字を使わない文化圏の人と話す時、毛沢東を「モウタクトウ」と発音してしまうと「Who?」と返されてしまいますが、英語風に「マォツェードゥン(グ)」と(たとえヘタクソでも)言ってみると、それなりに通じたりします。逆に、ドイツ人のHube将軍は日本人の戦史マニアは「フーベ」と原語(ドイツ語)に近い(完全に正確ではありませんが)発音で呼ぶのに対し、ゲルマン語系である英語圏の人は英語風に「ヒューブ」と読んでしまうので、アメリカ人とスターリングラード戦やシチリア戦、第1装甲軍の脱出について話す時には「ジェネラル・ヒューブが…」と言わないとわかってもらえないようです。伊達公子さんは、英語圏では「ディト」と読まれてしまうと、何かの番組で苦笑されていました。

ちなみに、ロンメルさんの名前は、中文では
埃爾温(エルヴィン)・約翰尼斯(ヨハンネス)・歐根または尤金(オイゲン)・隆美爾(ロンメル)

と表記します。1940年に戦ったアラスは「阿拉斯」、1941年に陥落させたトブルクは「托布魯克」、1944年に米英連合軍の上陸を迎え撃ったノルマンディは「諾曼地」となります。德意志帝國(ドイツ帝国)に生まれた隆美爾さんでしたが、納粹(ナチ)党には入党しませんでした。

rommelcover.JPG

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