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2011年7月28日 [その他(ウォーゲーム関係)]

仕事2つが完了したので、昨日は久しぶりに京都へ出かけてきました。今日はその話題を少し。

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京都行きの目的の一つは、京都市美術館で開催されている『フェルメールからのラブレター』という展覧会を観ること。フェルメールおよび17世紀のオランダ絵画好きとしては、見逃せない催しでしたが、当時最新のコミュニケーション手段としての「手紙」に着目し、親子や恋人、先生と生徒などの人間関係を主題にした作品が多く集められていたのが印象的でした。

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(画像は公式ホームページより)

ちなみに、私の今回のベストはフェルメールではなくヤン・ステーンの「生徒にお仕置きをする教師」。狭い空間に先生と生徒たちが密集した構図ですが、絵の中心にある先生と生徒の「右手」の関係性が絶妙だと思いました。じっと観ていても全然飽きません。そして、視線をあちこち巡らせても、最後はいつもこの「先生と生徒の右手」に行き着きます。

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これを見終わった後、道路を挟んで反対側に立つ京都国立近代美術館で開催中の『視覚の実験室 モホイ=ナジ/イン・モーション』という展覧会を鑑賞。

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(画像は公式ホームページより)

日本ではさほど知名度が高くない作家さんですが、第一次世界大戦と第二次世界大戦の戦間期に活躍した人で、絵画や写真、彫刻(自作の構造物)、映画、出版物の装丁やグラフィックデザイン、舞台美術など、幅広い領域で作品を残しています。

写真や絵画も良かったですが、一番面白いと思ったのは、「ライト・スペース・モデュレータ」という装置に光を当てて撮影した映像作品と、その装置のレプリカの展示。30分おきに実際に「動作」させてくれるのですが、何とも言えないクールな「おかしみ」があって、何度も装置と映像を見比べてしまいました。

その映像作品が無いか、と思ってYouTubeを探してみたら、ありました。小さい画面だとインパクトが弱いかもしれませんが、会場では壁一面に投影されていて、光と影のシャワーを浴びているようでした。フルスクリーンにして、少し画面から離れて観るのがお勧めです。



こちらは装置レプリカの作動風景。


その後、バスで烏丸五条に移動し、クロノノーツ・ゲームの渡辺裕之さんとお会いして、スペイン料理の店で夕食をご一緒しました。現役のシミュレーション・ゲーマーなら、クロノノーツさんの名前を知らない人はいないかと思いますが、実はシックス・アングルズの創刊(1994年)以来もう17年もお世話になっているにもかかわらず、じかにお会いするのは今回が初めてでした。

美味しいシーフード主体のスペイン料理と白ワインを味わいつつ、話題はゲームを始めたきっかけや現在の(ゲームに関わる)仕事を始めるに至った経緯、業界内でのそれぞれの経験や苦労話など多岐に渡り、あっという間に時間が過ぎてしまいました。今後も、日本の(紙製)シミュレーション・ゲーム界を供給サイドから支える重要な役割を担っていただけたら、と思います。

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帰りの電車の中で、渡辺さんから直接購入したGMT社の機関誌『C3i』最新号(第25号)を読みました。『ラビリンス』関連の記事(ディヴェロッパーズ・ノートと、このゲームを「現代史の教材」として活用する可能性について)がお目当てでしたが、それ以外にもチャールズ・S・ロバーツ氏の追悼記事や、マーク・ハーマン氏によるカード・ドリブン・システムの分析記事、そして厚紙打ち抜き駒と厚紙製カラーマップが用意された付録ミニゲーム『モスクワ攻防戦』(フランク・チャドウィックがデザインし、大昔にGDW社から無料配布されたものの復刻版)などが入っていて、大変お買い得な印象を受けました。興味のある方は、在庫が無くならないうちにどうぞ。

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黄金の日々

山崎さん、こんにちは。今年は冷夏。なま暑い夏。
熱いのは福島第一原発の底だけでしょうか。
http://phnetwork.blogspot.com/

東電救済法案可決で、東電と自公民政権&官僚は、復興の名の下、
福島の生き埋め処理・見殺しが決定されたようです。

白河以北、一山、百文といわれた荒涼の原野、
明治来、百年かけて成遂げた豊穣の大地と水源は、
東電と自公民+官僚の利益誘導政治=放射能で穢され死絶えました。

相手は殺す気満々。なのに、東北の人は全く何も気づいていない。

民衆の欲望&関東軍の暴走&政官の無策。理想と欲望の果ての、広島・長崎、原爆投下。
民衆の無関心&東電の暴走&政官、無能と利益誘導の果て、三発目の原爆を受けた件。

正直、3.11までは、『日本は、大戦や公害を克服して、進歩を続け、
明治以来の文明開化の理想をなんとか達成できた』と信じていた。

これからは、日本がさきがけとなって、宇宙世紀00の幕開け、
真の21世紀の到来!なんだと信じていた。本気で思ってた。
正直、原発も信じていた。情けなくて凹んだorz

明治・大正の先達、なにより、平成の中の人たちに、申し訳が立たねぇです。

あの時はぜんぜん書けなかったですが、改革のためには、
大前研一に総理になってもらうだけではなく、
自分が大前研一になる気概、各人一層の奮闘と努力!
こそが必要なのかもしれません。

東京裁判が裁けなかった、『官僚の意思決定プロセスの中枢』の破壊。
靖国システム=百万英霊を人質に、理想に寄生する官僚システムの破壊。
現代の関東軍=東京電力の撲滅。利益誘導政治の権化=自公民政権の撲滅。

昭和世代、最後の仕事よ!
by 黄金の日々 (2011-08-06 12:27) 

Almera WRC改めQazana

 久しぶりに投稿させていただきます。

 丁度豊田市美術館でやっている「フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」行ってきたところで、そこでチラシの置いてあった「フェルメールからのラブレター」も行きたいなと思っている所でしたが、京都国立近代美術館でもなかなか興味のそそられる展覧会をしているのですね。

 名古屋でやっている「レンブラント 光の探求/闇の誘惑」も前売りでチケットを買っているので行きたいところばかりです。(笑)
 いつもクルマでしか動かないのでどうしても行動範囲が名古屋近郊になってしまうので、どっかで時間を作ってちょっと京都まで足を伸ばしてみようかなと思います。

 先日「JABRO」が30年ぶりに復刻されるという記事があり、入手してもうそんなに経つのかとびっくりしました。
 このゲームは「ガンダム」のゲームで、当時ガンダムにはまっていた私が最初に買ったSLGであり、またSLGにのめり込む切っ掛けにもなったものです。たまたま今年に入って荷物の奥底から当時のボロボロのユニットとルールブックが見つかり懐かしい思いに浸っていました。
 当時色々SLGが出ていましたがお小遣いではなかなか手が出ずに、そうこうするうちに売れてしまったゲームも結構ありますから、これを切っ掛けにアニメに限らず色々と復刻してくれないかなと、密かに思っています。
by Almera WRC改めQazana (2011-08-07 21:04) 

Mas-Yamazaki

黄金の日々さま: コメントありがとうございます。毎年8月になると、太平洋戦争関係のテレビ番組が多く放送されますが、今年は今までは全然違う視点で、現在進行中のいろいろな出来事や人・組織の動きと関連づけて観てしまいます。特に、昨晩観たNHKスペシャル『原爆投下 活かされなかった極秘情報』は、本当に「リアルな」話だったと思います。

この辺りの話は、また記事本文で書こうと思います。
by Mas-Yamazaki (2011-08-07 23:43) 

Mas-Yamazaki

Qazanaさま: コメントありがとうございます。『フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展』は、私も4月に東京で観ましたが、良い展覧会でしたね。今、仕事場には会場で買った「地理学者」のポスターを貼っています(笑)。『レンブラント…』も、非常に興味がありますが、名張からだと名古屋は大阪・京都よりも遠い感じで、ちょっと二の足を踏んでしまいます。名古屋にはいい美術館がたくさんあるので、いつか二泊くらいの小旅行で逸品めぐりをしたいと思っています。

ツクダの『ジャブロー』は、私は持っていませんでしたが、シミュレーション・ゲームの手法を広く世に知らしめたという意味では、功績の大きいゲームだと思います。一種のSFでありながら、ユーザーには第二次大戦と同等か、あるいはそれ以上の「テーマへの思い入れ」が期待できるテーマですね、ガンダムは。
by Mas-Yamazaki (2011-08-07 23:48) 

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