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2011年12月12日 [その他(戦史研究関係)]

先日の記事でも少しご紹介しましたが、KKベストセラーズさんの雑誌『歴史人』2012年1月号が、今日発売となりました。

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今号の特集は、現在NHKで第三部(完結編)を放送中のドラマ『坂の上の雲』(原作・司馬遼太郎)にちなんだ「日清・日露戦争の真実」で、この二つの戦争を主に軍事面から多角的に紹介しています。私の担当した記事は、P40から49までの10ページで、日露開戦時の両軍の戦争計画から、仁川港外の海戦、最初の旅順港奇襲攻撃、第一回から第三回の旅順口閉塞作戦などをカバーしています。

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原稿に加えて、今回も地図10点(うち2点は二分割)の制作まで担当させていただきましたが、旅順口閉塞作戦は顛末がよりわかりやすくなるよう、一回ずつ別の地図で表現しています。夜間に実施された作戦ということで、地図の配色も「夜モード」仕様にしてみました。

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以前の記事でご紹介した「太平洋戦争」特集の時と同様、全146ページ中102ページ(70パーセント!)が特集という、情報満載で非常に読み応えのある一冊となっています。価格は680円で、書店のほかコンビニでも販売されていますので、興味のある方はぜひ一度ご覧ください。

しかしNHK『坂の上の雲』、資金と時間をたっぷり使って丁寧に作っているだけあって、非常に素晴らしい作品に仕上がっていますね。第三部は特に充実している気がします。昨日の二〇三高地攻略の回は、乃木将軍をどんな風に描いているのか、原作との対比という意味でも興味がありましたが、将兵をいたずらに死地へ追いやった「単なる愚将」ではなく、海軍の不運と不手際のしわ寄せを一身に背負い、致命的な情報不足の中で結果だけを即座に出すことを陸軍上層部と海軍の両方から要求される孤独な老将として役柄が作られており、柄本明さんの抑制の効いた名演に心を打たれました。

また、品川徹さん(唐沢版『白い巨塔』の大河内教授役)演じる第7師団長・大迫尚敏中将の、同師団が置かれている境遇についての言葉と表情も、とても強く印象に残っています。秋山兄弟や児玉、乃木といった「主役級」だけでなく、あまり大きく扱われることのないような大小の各部隊にも、それぞれの「日露戦争」あるいは「旅順攻防戦」が存在したことを感じさせてくれました。



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ちなみに、こちらは『歴史群像アーカイブ 日露戦争』。同誌に掲載された日露戦争関係の記事を一冊にまとめたもので、記事の筆者は全て瀬戸(利春)さんです。上の『歴史人』最新号にも瀬戸さんの記事が出ていて、今や日露戦争研究の第一人者となられた感があります。
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