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2014年2月5日 [その他(雑感・私生活など)]

久々の更新です(すいません)。昨日、大阪で展覧会とライブコンサートを鑑賞してきました。今日はその話題です。

gursky.jpg

(画像は公式ホームページより)

展覧会の方は、中之島の国立国際美術館で開催中の『アンドレアス・グルスキー展』。グルスキーは、現代美術の世界では超有名な作家で、作品が尋常でない高値で取引されることで知られていますが、なかなかオリジナルを目にする機会がなく、以前からずっと「本物を観てみたい」と思っていました。

この人の作品は、一見すると普通の写真に見えますが、実は非常に手の込んだ手法で「創り出された」風景や光景です。ある対象を写真機で撮影すると、どうしてもレンズという「点」から放射状に感知した色と光だけが映り込むことになりますが、この人はそうしたカメラの弱点を克服したというか、逆手に取ったというか、対象を複数の「点」から撮影した写真をいくつもつなぎ合わせて、普通の写真では再現できないけれども、現実に我々が目にしているものに近い「風景」や「光景」を創り出すことに成功しています。

その意味で、彼の作品は「現実」とも「虚構」とも明言できない、何か宙に浮いたような存在ですが、現代美術の知識が全然ない人でも「作品そのものと向き合って素直に楽しめる」という意味では、多くの人に紹介したいと思う作家さんです。会場で展示されている作品の多くは、縦2メートル、横5メートルといった巨大な「写真」ですが、ひとつひとつの作品をじっくり時間をかけて観ると、「全体」と「細部」の両方をたっぷり楽しめます。

多くの展覧会と同様、この会場でも展示作品のリストを入り口でくれるのですが、私はそれを見ず、オーディオガイドも借りず(今まで一度も借りたことがありません)、大きな作品の前に立つと、まず作品全体を見渡せる位置まで後ずさりし、それが何を撮影したものなのかを、クイズのように考えました。すぐわかるものもあれば、全然わからないものもあります。充分考えたら、その作品(のみ)の題名を確かめ、作品に近寄って、細部をよく観察しました。何枚もの写真をつなげて作品にしているので、普通にカメラで撮って大きく引き延ばした写真とは全く比べ物にならないほど、細部までいろんなもの(人の顔や動き、川に浮かんだゴミなど)が映り込んでいます。

横5メートルの作品で、細部を丁寧に確かめようとすると、自分が歩いて移動しながら、端から端まで舐めるように目線を走らせなくてはなりません。そして、縦の寸法も大きいので、1回の横移動では足りず、視線の高さをずらしながら、画面全体をスキャン(走査)するかのように、何度も左右に往復することになりますが、これをやっていると、自分が動いているせいで、なぜか静止画なのに動画を見ているような錯覚に陥るのがおもしろいです。

例えば「F1ピットストップ IV」という作品は、マシンを取り巻くピットクルーの動きを端から端まで目で追った後、作品に写っている二階部分に移動し、パドッククラブ(高額のパスを買うことで豪華な食事つきでピットの上からレースを観られる特等席)にいる一人一人の表情やポーズを順番に観ていると、全体が「わさわさと動いている」ように感じられるのが不思議です。「ツールド・フランス I」は縦長の作品なので、スキャンの回数は増えますが、下から上へと道路に沿って自転車やサポートカー、沿道で応援する人々の姿を順に観ていくと、なぜか笑いがこみ上げてくるのを抑えられませんでした。

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展覧会の図録。この小さいサイズで普通の印刷だったら、価値も半減以下なので買わなかったと思いますが、これは高精細で細部まで再現できる特殊な印刷なので買いました。しかしハードカバーで上等な紙を使っているので重い。国際美術館での「アンドレアス・グルスキー展」は、5月11日まで開催される模様です。


worldorder.jpg

(画像は公式ホームページより)

コンサートは、須藤元気さん率いる『ワールド・オーダー』の大阪公演初日です。最近はテレビ番組やCMにもよく出演されているので、ご存知の方も多いかと思いますが、ピシッとしたスーツ姿で繰り出される彼ら独特のダンスパフォーマンスに、私もずいぶん前からハマっています。


最初に彼らの存在を知ったのは、この動画でした。「マシン・シヴィライゼーション(機械文明)」。YouTubeで公開されたのは、3.11から一週間後の2011年3月18日。つまり「あの出来事」の直前に撮影されたもの。


こちらはメキシコで撮影された「2012」の動画。マヤの予言で「人類が滅ぶ」といわれていた2012年は無事に過ぎましたが、人類が直面する問題はまだまだ山積です。最後のシーンのロケ地は、メキシコシティ南部にある「レオン・トロツキーの家」。メキシコに亡命したトロツキーが、スターリンの刺客に暗殺されるまで過ごした邸宅の庭です。私も現地に行ったことがありますが、たくさんの緑に囲まれて居心地のいい場所でした。


これも好きな作品の一つ。「パーマネント・レヴォリューション」。韓国ロケがメインですが、冒頭の日本国内でのシーンも画面を注意深く見ると、画面の端に「おや?」というマークが映っていたりして、ニヤリとさせられます。韓国のアシアナ航空とのコラボバージョンもあります。


最新作「ラスト・ダンス(最後の踊り)」の動画。冒頭、後ろにあるビルは東京電力本社で、経済産業省、テント村、財務省、最高裁判所と続いた後、汐留某所が出てきた時には唸りました。葉っぱの陰に、何かの看板が隠れています。

彼らのライブを観たのは今回が初めてでしたが、予想よりはるかに大きな満足感を味わえました。上の動画で繰り返し観て知っているパフォーマンスでも、目の前で観ると全然インパクトが違います。「ファインド・ザ・ライト」の躍動感ある「歩きポーズ」をはじめ、文字通り「目が釘付け」になるシーンが何度もありました。また、当然ながらライブならではのパートも随所に織り込まれ、各メンバーのダンスソロは圧巻でした。

曲順を含め、まったく先が読めない構成になっていて、2時間弱のライブはあっという間に終わってしまいました。まだ観ていない人のために、構成などを詳しく書くのは控えますが、帰りの電車の中ではiPodで彼らの曲を聴きながら「テーマ的にもいろいろ伝わってくるものを感じた」という余韻に浸りました。

ちなみに、大阪公演は昨日と今日の2日ですが、行こうかどうしようかと迷っている人がおられたら、行かれることを強くお薦めします。その後、2月14日に札幌、2月18日と19日に名古屋、2月25日に福岡という日程となっているようです。

ちなみに、米国人ゲームデザイナーで戦史研究家でもあるジャック・グリーン氏に、ワールド・オーダーのYouTubeの動画をいくつか(フェイスブックで)紹介してあげたら、結構気に入られた様子で「いつ彼らは米国公演をするんだ?」と訊かれました。YouTubeのコメント欄を見ても、いろんな国の人が「すごい!」と書き込んでいて、彼らの人気は世界にも浸透しています。


今月は、諸々の執筆の仕事に集中し、それが終わったらアマゾンKindleの電子書籍シリーズの刊行を再開するのと共に、シックス・アングルズ第16号『ベルリン陥落 1945』の制作に取りかかります。箱入りのゲーム(内容は後日改めて告知します)についても、印刷所から見積もりが届いたところで、もしかしたら出版はこちらが先になるかもしれません。
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