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2007年6月23日 [モスクワ攻防戦]

昨日まで、学研さんから8月に出る新しいムック本「本土決戦」の原稿3本を書くのに没頭していて、こちらの更新に手をつける余裕がありませんでした。私の担当は、国連創設までの経緯を中心とする連合国側の戦後に向けた動き(歴史群像次号に掲載される原稿「国連誕生」とは部分的に異なります)と、ソ連参戦および満州・千島・樺太等での日ソ戦(歴史群像第61号に掲載された「満州1945」を再構成して加筆したもの)、そして開戦から終戦までの日本の東南アジア統治政策とそれが戦後にもたらした影響(書き下ろし)、という3つですが、最後の原稿は特にヘビーな作業でした。他のテーマだと気を抜けるというわけではもちろんないですが、やはり日本絡みのテーマ、それも「侵略か、解放か」というデリケートな題材なので、事実関係の調査だけでなく、言葉の選び方にも細心の注意を払って仕上げました。私の担当外ですが、オリンピック作戦やコロネット作戦の詳細な計画図も付くそうですし、太平洋戦争/大東亜戦争に興味のある方だけでなく、歴史全般に関心がある方にもお奨めできる本になると思います。

ところで、2007年6月17日の記事についての中隊長代理さんのコメントで「ルールのウェブ公開」についてのご質問をいただきました。だいぶ前に予告しておきながら、延び延びになっていた原因は、ルール内容が流動的な段階で公表するのは弊害が多いと判断されたためです。ただ、現在は内容もほぼ固まり、プレイテストごとの修正点も絞られてきているので、データをサーバーにアップロードしておきました。ルールはPDF形式、チャートはJPEG形式でダウンロードしていただけます。

《ルールブック》
http://www.mas-yamazaki.net/moscow_rules070621.pdf

《チャート・表》
http://www.mas-yamazaki.net/moscow_chartfront.jpg

《チャート・裏》
http://www.mas-yamazaki.net/moscow_chartback.jpg

ルールブックは、現時点での最新版(第12版)ですが、最終完成版までにはまだ細部で多少の変更が加わる可能性がありますことを、あらかじめ予告しておきます。もし何か、内容に関してご感想やご意見などがありましたら、遠慮なくメールやコメントでお知らせください。

それから、明日の大阪ミドルアースの例会で「モスクワ攻防戦」の公開テストを行います。今回は、山根さんがドイツ軍、私がソ連軍を担当します。テストも大事ですが、プレイそのものも非常に楽しみです(どうやってドイツ軍を苦しめてやろうか、と)。


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2007年6月17日 [モスクワ攻防戦]

今回は、私が「モスクワ攻防戦」のデザイン作業で中核に据えている「テーマ」と、私が考える理想的なプレイの展開について少し書いてみます。

私は、本ブログの2006年8月29日付の記事において、「モスクワ攻防戦」のデザイン意図について「首都モスクワに対するドイツ軍の総攻撃の意義を、独ソ戦の勝敗を左右する一大決戦と捉え、ドイツ軍の能力で最大限何をなしえたかをプレイによって検証するゲーム」と定義していました。そして、史実の「経過」を単純にトレースするゲームではなく、独ソ両軍がモスクワ会戦の期間中に感じたであろう心理的なストレス(不安、恐怖、焦燥など)を、ゲームとしての娯楽性を損なわない範囲で実感できるようなシステムに仕上げることを目標にしていました。

その後、製作作業を続けるうち、私の頭にあるデザイン目標はやや広がり、モスクワ攻防戦の再現という形式をとりつつ、ドイツ軍の1941年度の対ソ侵攻作戦「バルバロッサ作戦」の終末点を、劇的な形でゲームで表現したいと考えるようになりました。言い換えれば、1941年6月22日に開始され、12月4日に事実上の「停止(または頓挫)」を迎えたバルバロッサ作戦の「縮図」と、それが最終的に失敗するに至るまでの「過程」を、このゲームに凝縮しようというわけです。

このゲームは、1ターン=10日が計10ターン、つまり3ヶ月と10日(1941年10月上旬~1942年1月上旬)の期間をカバーしていますが、第1ターンは「ドイツ軍のバルバロッサ作戦期における典型的な電撃戦」を再現しています。ドイツ軍の車輌部隊は、オーバーランと浸透移動を駆使して戦線を突破展進し、敵背後のソ連軍司令部を蹂躙して前線のソ連軍部隊を無力化し、孤立した敵部隊の包囲は歩兵に任せて、装甲師団と自動車化歩兵師団は道路上を東に突進します。しかし、10月中旬(第2ターン)に雨が降ると、地表は泥沼と化し、舗装されたモスクワ=スモレンスク街道を除く全ての道路は消滅して、ドイツ軍車輌部隊は足枷をはめられたかのように突進力を急激に失います(天候が雨となる第2、第3ターンには、ドイツ軍車輌部隊はオーバーランを行えず、両軍の対応移動と突破移動の各フェイズは省略され、さらにドイツ軍補給ユニットの移動力は半分になります)。前線に到着する補給ユニットの数も一時的に激減するため、ドイツ軍は充分な補給物資を最前線へと送り込むのに時間を費やし、電撃的な進撃はいったん停止を余儀なくされます。

11月(第4ターン~第6ターン)に入り、地表が凍結すると、ドイツ軍の装甲師団と自動車化歩兵師団は再び走り出しますが、既に戦場の気候はドイツ軍前線部隊の戦闘能力を損ない始めており、全ての戦闘やオーバーランでドイツ軍に不利なコラム修正(1列)が適用されるので、効果的な攻撃を継続的に行うためには、貴重な補給物資を消費した「攻勢補給」を準備しなくてはなりません。そして、天候がさらに悪化する12月が始まるまでに、ドイツ軍はソ連軍の首都モスクワに向けた最後の総攻撃を、全力で続けることになります。

このゲームの勝利条件は、その時点でドイツ軍によって除去されたソ連軍守備隊ユニットの数(原則として重要目標ヘクス1個につき1ユニットですが、モスクワは3ユニット、ツーラとカリーニンは2ユニットを持ちます)によって判定され、ソ連軍プレイヤーがゲーム開始時に引いて戦意ボックスに置いている「戦意チット」の裏面に記された数値よりも多くの守備隊が全滅すれば、その時点でソ連邦の体制が崩壊したと見なされ、ゲームはドイツ軍のサドンデス勝利となります。ただ、それが実現しなかった場合でも、ゲーム終了時にドイツ軍が保持している重要目標ヘクスの数が勝敗判定で重要な意味を持つため、ソ連崩壊を達成できなかったとしても、ただちにドイツ軍が敗北するわけではありません。

一方のソ連軍は、第1ターンの混乱から立ち直った後、泥濘期を利用してドイツ軍の前進を各地で遅延させながら、首都モスクワの防備を固めます。しかし、彼我の戦闘能力の差は圧倒的で、ドイツ軍がモスクワへと接近するにつれて、国家指導部は動揺し、国民は不安と恐怖に浮き足立ち始めます。先に述べた「戦意チット」の数値は、13~19までの幅がありますが、ソ連軍プレイヤーは除去された守備隊の数が13個に達するまでは、チット裏面の数値を確認することができません。そのため、ソ連軍プレイヤーは先行きの展開に不安を感じつつ、1つの重要目標ヘクスの防御もおろそかにできない状態で、モスクワとその周辺の防衛に全力で取り組まなくてはなりません。

そして、再編ユニット(一定の条件下で全滅状態からゲームに復帰するソ連軍の戦闘ユニット)を温存して天候が「雪」になるのを待ち、第7ターン(12月上旬)から第10ターン(42年1月上旬)の計4ターンを使って、ドイツ軍の占領した重要目標の奪回と、ドイツ軍後方の補給線分断(およびそれに伴うドイツ軍戦線の崩壊による勝利条件の修正確保)という2つの大目標を目指した冬季反攻を実施します。冬季反攻では、カチューシャ砲の一斉射撃による敵最前線の破砕と、スキー部隊による敵背後への浸透、そして親衛騎兵部隊による後方撹乱を展開しつつ、前半の攻勢でボロボロになっているドイツ軍前線部隊に波状攻撃を仕掛けて、西への退却を強要し、場合によっては一部部隊の退路を遮断して包囲殲滅することも企図します(史実ではイェレツ付近でドイツ軍の2個歩兵師団が包囲され、壊滅しました)。

ドイツ軍プレイヤーは、「雪」の到来と共に、戦線の整理を行いつつ、ソ連軍の反攻に対処することになりますが、この時点でソ連軍のダメージマーカーが「降伏の可能性」を含む数に達していれば、モスクワ以外の戦域では防戦に転じる一方、首都モスクワに対してだけは、ソ連邦の体制崩壊という可能性に賭け、なけなしの補給物資を消費して、損害覚悟の総攻撃を継続するという選択肢も成立します。モスクワに対するドイツ軍の攻撃で、防御側に何らかの結果が発生すれば、戦意チットの引き直しが要求される=その時点での累積ダメージマーカー数で突然降伏が発生する事態も起こり得るので、ドイツ軍は「あと一撃で壁が崩れる」ことを信じて、破砕槌を叩き込むのも無駄とは言えないのです。

しかし、ドイツ軍の前線部隊には、防寒服も防寒手袋も防寒靴も支給されておらず、銃火器の凍結を防ぐ不凍液の準備もなく、戦車は焚き火でエンジンを温めなくてはエンジンが始動しなくなり、補給輸送用の機関車は水パイプが凍結して破裂し、補給物資の前線への輸送は実質的に破綻の瀬戸際に立っていました。凍傷で手足の指を失う兵士が続出したため、ドイツ中央軍集団は42年1月に100人を超える軍医を輸送機で前線に送り込みましたが、焼け石に水でした。

こうした史実を再現するため、「雪」ターンに発生する全ての戦闘とオーバーランではドイツ軍に不利な方向への修正(3列)が適用される(ただしドイツ軍が補給物資の前線備蓄を消費して攻撃を行う「攻勢補給」の場合だけは天候による不利な修正を無視できる)上、ドイツ軍は「雪」ターンごとにランダムに1個の補給ユニットを選んで地図端に置き直さなくてはならなくなる(従ってそれが前線付近に移動するまでは補給中継点として使用できなくなる)ため、最後の4ターンにおける防衛線の構築を、ドイツ軍が事前の計画どおりに整然と進められる望みはほとんどありません。どの軍の補給ユニットが、どのタイミングで失われるかによって、戦線形成の方法が変わってくる上、ドイツ軍プレイヤーはソ連軍の戦意チットに記された数値をゲーム終了まで知ることができないので、どの程度の重要目標を死守すれば自軍が勝てるかをゲーム終了前に確信することはできないからです。それゆえ、ドイツ軍は勝利条件を正確に把握した上での「安易な引き分け狙い」の戦法を選べない状況に立たされ、全力で目標ヘクスと後方補給線の防御に努めることになります。

さらに、ドイツ軍はゲーム終了時に、戦闘ユニットまたはそのZOCで北端から南端までの戦線を形成できなければ、勝敗判定で不利なシフトを受けるという制約がありますが、この判定では「孤立(2ターン続けて補給切れと判定されたユニット)」状態にあるドイツ軍ユニットは戦線形成に全く使えないため、最後の4ターンにおけるドイツ軍は「絶対的な補給不足の中での防戦」に忙殺されることになります。補給ユニットが地図上に存在する限り、同一の軍が2ターン続けて強制消費の対象となることもあるため、補給ユニットの備蓄だけではこの問題の完全な解決にはなり得ません。

バルバロッサ作戦が史実のような失敗に終わった理由については、これまで様々な説が提示されてきました。私は、ヒトラーの無定見な作戦への干渉よりも、むしろドイツ軍参謀本部の事前計画の不備の方が重大な原因であったと考えています。とりわけ、戦況の推移についての見通しの甘さと、兵站計画の杜撰さは、調べれば調べるほど、いわゆる「ドイツ参謀本部=理性的なエリート」という伝説とはかけ離れた実像が浮かび上がってきます。

ロシアの冬将軍という要素も、結果的には重要な役割を果たしましたが、ドイツ参謀本部がそれに対する「備え」さえ用意していれば、酷寒の冬季戦でも充分にソ連軍と戦うことができたはずです(実際、42年~43年の冬と、43年~44年の冬には、ドイツ軍も冬季装備を前線部隊に割り当てていたので、寒さそのものが原因で戦いに敗北するという事態は稀でした)。結局、質で勝るドイツ軍が1941年のソ連で戦略的な敗北を喫した最大の原因は、私の認識では総合的な意味での「兵站の限界」であり、ドイツ軍プレイヤーが巧みな作戦運用でその限界を超えることができるか否かに、ドイツ軍の本ゲームにおける勝敗がかかっています。

対するソ連側はと言えば、このモスクワ攻防戦の期間中、最高指導者のスターリンですら一時はモスクワ保持を悲観し、ジューコフに弱音のような言葉を漏らしたほど、精神的に追い詰められた状況へと立たされていました。最終的にはソ連軍の勝利に終わったとはいえ、そこに至るまでの道のりは決して平坦ではなく、冬季反攻が軌道に乗って戦線が西へと押し返されるまでは、一瞬たりとも気を抜くことの許されない緊迫した戦いを続けなくてはなりませんでした。

そして、冬季反攻をうまく軌道に乗せるためには、1941年10月~11月の防御戦における部隊の損失を控えて、12月開始時の段階で前線に充分な部隊を揃えておくことが必要でした。ソ連軍は、モスクワを始めとする重要目標ヘクスを守るために全力を尽くさなくてはなりませんが、防御戦で部隊をむやみに消耗し過ぎると、兵力不足のために続く冬季反攻が不発に終わる可能性が出てきます。そのため、ゲーム前半では「土地の確保」と「部隊(とりわけ戦車)の温存」のバランスを考慮しながら増援と再編部隊の配分を調整し、綱渡りのような戦いを繰り広げなくてはならないのです。

私が「モスクワ攻防戦」で再現したいテーマと、私が理想として頭に描くゲーム展開のイメージは、だいたい上記のとおりです。これを参考に、ゲームシステムの問題点の洗い出しや、テーマを上手く再現できていない個所の修正を行っているところです。ちなみに、今日も石田さんと私の自宅で「モスクワ攻防戦」のプレイテストをしました。主力プレイテスター4氏から寄せられた報告と提案を参考に、効果を絞り込んだ修正をピンポイントでいくつか加えたことが奏功したようで、過去の対戦で最も緊迫した内容となりました。


第6ターン終了時。モスクワとツーラの中間地点で突破を試みるソ連軍。ドイツ軍はそろそろ補給不足が危機的なレベルに到達します。


第8ターン終了時。ソ連側は、ドイツ第3装甲軍と第4装甲軍をモスクワ前面で完全包囲することを企図して冬季大攻勢を展開。ドイツ軍は、まるで「パウルス第6軍」のような緊張感の中で、車輌部隊を各地から引き抜いてソ連軍の突破に対応しています。

今回使用した最新版ルールで、ようやく「両軍が最後まで緊張感を保って楽しめるゲーム」が射程範囲内に見えた感じです。完成までは、もうしばらくかかりそうですが、納得のいくまで手を入れて、ベストのゲームに仕上げるつもりです(プレイ時間は慣れればほぼ確実に1日=8時間以内で終了します)ので、ぜひ期待していてください。


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2007年6月13日 [モスクワ攻防戦]

今日は「モスクワ攻防戦」の表紙見本をご紹介します。今回、表紙をデザインする上でイメージしたのは、東部戦線を描いたサム・ペキンパー監督の傑作「戦争のはらわた」のオープニング・シークェンスでした。

ドイツの童謡「ハンス坊や」(日本では「ちょうちょ」で有名)を絶妙にアレンジしたテーマ曲が流れる中、ヒトラーの政権掌握から第二次世界大戦の勃発、独ソ戦の開始と電撃的侵攻、スターリングラードの市街戦、そしてソ連軍のスターリングラード包囲作戦の実施とドイツ軍の東部における退潮の始まりに至る過程を、当時のドキュメント・フィルムを巧みに編集してコンパクトに表現することに成功しています。この方法を参考に、1941年10月の電撃的な「台風」作戦の開始から、酷寒と補給物資の不足による進撃の停止、同年12月から1942年1月のソ連軍による冬季反攻という、戦いの流れのイメージを、表紙に散りばめてみました。

左下には「The End of Operation Barbarossa」という副題を入れましたが、これが今回のデザインにおける「もう1つの主要テーマ」です。本ゲームの「テーマ」については、次回の記事で詳しく説明させていただきます。テストの方は、後半のソ連軍の冬季反攻と、それに対するドイツ軍の防御作戦のプレイ状況が、まだ私の思い描くイメージと合致していないので、修正を加えながらもう少しテストを重ねる必要がありそうです。全10ターンのうち、最初の6ターンは、ほぼイメージ通りのゲームに仕上がってきたと思いますので、残りの4ターンについても焦らず着実にディヴェロップを続けていきます。


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2007年6月4日 [モスクワ攻防戦]

今日は、2007年5月29日付記事に対するデザイナの卵さんのコメントにお答えする形で、私が現在進めている「モスクワ攻防戦」のプレイテストとディヴェロップ作業の内容について、少し述べてみることにします。

ゲーム製作という仕事の中で、最も重要な工程が、プレイテストとディヴェロップであることは、既に数多くのデザイナーや製作責任者によって語られており、改めてその重要性を強調するまでもないことと思います。ただ、この作業は同時に、ゲーム構想の発案やルール作成、グラフィックのデザインなどの他の工程と比較すると、最善の方法論を確立することが難しく、数多くのデザインを経験してきた私もまだ「これが最終形」と言える結論を見出せてはいません。そのため、今回の「モスクワ攻防戦」も、以前から繰り返している試行錯誤の延長線上で、前回の「パウルス第6軍」と前々回の「マザーランド」での反省点を踏まえていろいろと新機軸を盛り込んだ方法論を用いています。

ゲーム構想の発案から完成に至るまでの、長くて忍耐を要する製作作業においては、種類の異なるさまざまな能力が必要とされます。私は、そのうちのいくつかの能力には多少の自信がありますが、いくつかの能力については、自分にはあまり備わっていないことを自覚しており、その部分を補うために、いろいろな人に手助けを乞うてきました。その「私に欠けている能力」とは、例えば私が特定の意図を持って考案したゲームシステムに潜む「予想もしなかった使われ方」を見抜いたり、ゲームシステムを最大限の「効率」で駆使した場合における両軍のプレイ上での限界を見極めたりすることです。

前者に関しては、私がウォーゲーム(シミュレーション・ゲーム)と接する姿勢とも深く関係しており、自分でもその能力を磨こうという努力をあまりしてきませんでした。私が他人の作ったゲームをプレイする場合、歴史的な要素が地図上でうまく再現され、そこから何らかの(歴史解釈の)ヒントを得ることを第一の目標としているため、ルール上の不備があったとしても、自分でそれを適当に補って、地図上の展開が(戦史的観点から見て)破綻しないようにコントロールする傾向があります。言い換えれば、何かしら魅力的と思われる要素がゲームに含まれていれば、ゲームシステムに何らかの欠点があっても大目に見てしまうというのが、私のプレイスタイルです。しかし、プレイテストとディヴェロップにおいては、ゲームシステムの不備を洗い出すことが最も重要となるので、この能力に劣る私一人が手がけていたのでは、ゲームシステムの欠陥を見つけられないままゲームが発売されることになってしまいます。

これは経験を積んだ今だからこそ、問題点を正しく認識して反省できる事柄ですが、私が過去(2000年以前)に製作したゲームには、こうした「見落とされたゲームシステムの欠陥」がしばしば見られ、せっかく買って下さったプレイヤーの方々を失望させる結果を招いていました。また、後者の「両軍のプレイ上での限界を見極める」という点においても、私は先に述べたようにゲームの勝敗よりも地図上の展開の「らしさ」に目を奪われるタイプのプレイヤーであるため、私よりも優れたプレイヤーの方が発売後にゲームをプレイされた後になって、バランスの「いびつさ」が表面化するということも少なくありませんでした。

こうした反省を踏まえて、2001年にシックス・アングルズ第7号の付録として「ゼーロフ&キュストリン」をデザインしましたが、この頃はまだプレイテストとディヴェロップの方法論を模索し始めたばかりで、私に欠けている能力を備えた人に代わりにやってもらうのがいいだろうと単純に考えて、知人のグループに「丸投げ」のような形でお願いしていました。しかし、仕上がったゲームを前にいろいろと考えるうち、こうした「丸投げ」方式にも限界があることがわかりました。この方法だと、確かに「見落とされたゲームシステムの欠陥」や「ゲームバランスのいびつさ」というような「商品(ゲーム)としての欠陥」は極限まで取り除くことができますが、デザイナーがそのゲームを通じて表現したかった「テーマ」の追求という点では、逆に焦点がぼやけてしまうこともあったからです。

「丸投げ」方式のプレイテストとディヴェロップでは、デザイナーは実際にどのような内容のプレイが行われているかを知ることができず、ただ「感想」や「結果」を聞いた上で、実際のプレイ内容を想像しながらルールの修正を行ったり、または「こういう風に変更するといいと思います」という報告をそのままルールに反映させたりしていました。そのため、自分が本当は何をやりたかったのかという「テーマ」が曖昧になり、全体としてデザイナー本人も自信を持って「これが決定版です」と言い切れないような作品に「落ち着く」結果となりました。

それで、第9号の「マザーランド」と第10号の「パウルス第6軍」では、プレイテストは私よりも「ゲームプレイの能力」と「ゲームシステムの欠陥を見抜く能力」を持った人に手伝ってもらう一方、私自身もプレイヤーないし観戦者として可能な限り「プレイテストの現場」に立ち会う方針をとりました。実際に地図上である問題が発生した場合、その「問題」だけを切り取って考えるのではなく、前後の脈絡やゲーム全体との関係性を考慮して改善案を考えた方が、より良い結果を得られるのではないかと考えたからです。また、この方法だとデザイナーが意図した「テーマ」をプレイテスターに随時説明しながら作業を進められるので、場当たり的なルール修正で開発作業が「テーマ」から脱線するという事態も回避できるようになりました。

幸い、「マザーランド」も「パウルス第6軍」も、私が過去にデザインした作品の中ではかなり好意的に評価されているようで、プレイテストとディヴェロップの基本的な方法論は、さほど的を外していなかったのではないかと考えています。もちろん、両ゲームをあまり評価しない方もおられますが、そもそも「テーマ」を絞り込んだ段階で、その「テーマ」に賛同できない人からは好意的な評価を得られないことを覚悟しなくてはならないので、多少の不評は覚悟の上で作業を最後まで進めなくてはなりません。ただ、私の提示する「テーマ」に賛同できない人がゲームを買われることは、私にとってもユーザーにとっても不幸なことなので、なるべく発売前の段階で私の意図した「テーマ」を説明する努力はしているつもりですし、製品の裏表紙でもそのあたりの情報は提示しているつもりです。

こうした流れを経て、今回の第11号付録「モスクワ攻防戦」のテストとなるわけですが、今回は前回と前々回の方法論に多少の修正を加えて、「ゲームプレイの能力」と「ゲームシステムの欠陥を見抜く能力」を備えた信頼できる方をプレイテスターとして慎重に選んだ上で、私自身の参加するテストと並行して、プレイテストとディヴェロップの作業を進める方法をとっています。具体的には、ユニットやマップ、チャートなどのゲーム備品を計4セット作成し、1つは私の自宅に置き、1つは石田さん、1つは出口さんと山根さんのチーム、そして残る1つはブラインド・テスター(デザイナーと面識はないが、プレイスタイルや能力がある程度わかっている人)のQUIETさんに送付して、それぞれが同一のルールでテストを行って、プレイ中に生じた問題点を定期的にとりまとめた上で、私がゲーム全体の「テーマ」を確認しながら修正版のルールやコンポーネントを作成し、それをまた一斉に全ての参加者に配布する、という段取りとなります。

実際の戦争でも、あるいはビジネスにおいても、総責任者の立場にある人間が決定を下す際、最も有効な武器となるのは「正確な情報」です。その点、石田さんや出口さん・山根さんチーム、QUIETさんは、「単なる感想」や「主観的な評価」ではなく、「ゲーム全体の中での個々の問題点の位置付け」を冷静に(あるいは情け容赦なく)報告してくださるので、非常に明確な形でルール修正を決定することができます。私に遠慮して、問題があるのに伝えないというような人であれば、プレイテストをお願いすることはないと思いますが、私と直接対戦する機会が最も多い石田さんも、普段は温厚な性格ですが、プレイテスト中はプロ意識を持って厳しく問題点の指摘をしてくれるのが有り難いです。そして、ルール修正を行う際には常に、私自身がプレイを通じてその問題点とそれを取り巻く状況を確認した上で、決定を下す方針をとっています。プレイテスターの報告には、時おり「ルール修正案」が含まれている場合もありますが、以前の「丸投げ」時代のように鵜呑みにはせず、必ず自分でプレイして効果を確認してから、それを採用するかどうかを判断しています(実際には、それらの半数以上を採用していますが)。

あと、上記のプレイテスター以外に、何人かの方がイレギュラーでテストに参加してくださっています。これらの方々(便宜上「テストプレイヤー」と称します)が出された意見は、私が直接受けることはせず、基本的にはその方の対戦相手であるプレイテスターにいったん評価していただいた上で、こちらに報告してもらう形式をとっています。一般的に、プレイテストというと「なるべく多くの人の意見を聞く」のが無条件で良いことのような印象がありますが(私もかつてはそう考えていました)、しかし実際には1回ないし2回程度プレイされたテストプレイヤーの「感想」や「主観的な評価」は、プレイヤーのファースト・インプレッションという情報的価値はあるものの、そのままルール修正に反映させるには危険な部分もある(そこで指摘されている問題点が「ゲームシステムの欠陥」なのか、プレイの方法によって生じたものなのか、現場に立ち会っていない私の方では判断できない)ので、その現場に居合わせた(このゲームのプレイ経験が豊富な)プレイテスターにそのあたりの判断をお願いしているわけです。

私が現在用いているプレイテストとディヴェロップの作業内容は、大体上のような感じです。私にとっては、これが現段階での「最善」ですが、おそらくこれ以外にも良い方法論はいくつもあると思いますし、今後もさらに良い方法を模索し続けていくつもりです。


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2007年6月1日 [モスクワ攻防戦]

石田さんの仕事が代休でお休みとのことで、今日は私の家で「モスクワ攻防戦」のプレイテストを行いました。先週日曜日に作成した最新版ルール(以前の記事でお知らせしたもの)で最終ターンまでプレイしましたが、今までのテストでは一番私のイメージに近い、満足のいく内容の展開となりました。


第1ターン終了時。第2装甲軍がやや出遅れ気味。


第6ターン終了時。ドイツ軍はモスクワに隣接するところまで進出したものの、今回はモスクワへの本格攻撃は行えないまま雪と酷寒の季節を迎えることになりました。


第10ターン(最終ターン)終了時。地図上ではドイツ軍も戦線を維持できているように見えますが、実情はボロボロで、特に第4軍の部隊は補給物資(防寒服や不凍液など)の不足で戦力が激減しており、あと数ターン続けば戦線崩壊もありうるという綱渡り状態です。


今回のプレイテストでの最大進出線。ほぼ史実どおりの進出限界ですが、ソ連軍は要所で防御力の強いユニットが多く出た対戦だったので、うまくやればもう少し前に出られたかも。


ツーラ攻防戦(右)。全周包囲したものの、軍需工場のあるツーラの防備は堅く、遂に陥落させられないままグデーリアンは退却を余儀なくされました。

最終ターン終了後の勝敗判定では「引き分け」という結果が出ましたが、ソ連軍の冬季反攻もだいぶ効果的かつ史実に近い雰囲気で行えるようになってきたので、ソ連軍プレイヤーの楽しみという点では大きく改善されたと思います。一方、モスクワ攻勢が酷寒と補給欠乏で頓挫した後のドイツ軍は、戦力の低下した部隊を巧みに運用して、戦線の崩壊を防ぎつつ戦線を徐々に後退させるという難題を、史実同様にクリアしなくてはなりません。前半と後半で攻防が逆転するテーマは多々ありますが、ドイツ軍のバルバロッサ作戦の終着点に当たるモスクワ攻防戦を題材とする以上は、その転換点がより劇的に感じられるようなゲームに仕上げたいと考えています。

ちなみに、参謀役として幾多の「戦場」を共に戦ってきた石田さんをはじめ、「鉄人」出口さん・山根さんチームと「某ブラインドテスター」ことQUIETさんが、鋭い分析に基づく的確な問題点の指摘をメールで定期的に送って下さるおかげで、ディヴェロップの作業はかなり効率的に行えています。自分の目の届かない場所でのプレイテストに関して、デザイナーが最も必要とする情報は「単なる感想」や「主観的な評価」ではなく、「ゲーム全体の中での個々の問題点の位置付け」なのですが、送られてくるリポートはいずれも、そのあたりの情報も十分にフォローされているので非常に参考になり、ルールの修正を考案する際にもあまり迷わずに決定を下すことができます(今回の「モスクワ攻防戦」の製作に際して、私自身が用いている具体的なプレイテストの方法論については、日を改めて詳しく書くことにします)。

今回のテストでも、ゲームの内容は確実に良い方向へと進んでいるという感触を得ることができましたが、それでもシステム上の改善の余地はまだいろいろとあるようなので、今後も時間をかけて、地道にルールのブラッシュアップを続けていきたいと思います。


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2007年5月29日 [モスクワ攻防戦]

東京出張から戻ってから、いくつかの仕事と家の用事に追われて「モスクワ攻防戦」の作業が後回しになっていましたが、日曜日にようやく、出口さん・山根さんチームと某ブラインドテスター氏(近々、お名前を公表します)、それに石田さんからの報告と私自身がプレイテスト中に作ったメモを基にした最新版ルールとチャートを作成して、各テスターに送信しました(ルールのPDF公開はもうしばらくお待ちください)。今週末に、石田さんと最新版ルールでテストする予定ですが、「パウルス第6軍」や「マザーランド」の時と同様、自分でプレイを重ねて完成度に納得できるまで、ディヴェロップの作業を続けるつもりですので、気長に見守っていただけると幸いです。幸い、今回も士気の高い有能なテスターに恵まれていますので、彼らの熱意に応えられるような良いゲームに仕上げたいと思います。ちなみに、下は最新版のマップですが、細部にいろいろと手直しを施してあります。


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2007年5月14日 [モスクワ攻防戦]

先週の土曜日、石田さんと「モスクワ攻防戦」のテストを行いました。午前11時スタートで、昼食休憩を含めて午後7時には最終ターンが終了という感じで、前回のルール修正によりプレイ時間を少しだけ短縮できることを確認しました。ゲームバランスは、まだドイツ軍が有利なようなので、包囲されずに除去されたソ連軍ユニットのゲームへの復帰タイミングを少し調整する必要があります。ただ、カチューシャ砲と親衛騎兵軍団のルールを新しくしたことで、ソ連軍の冬季反攻の様子が劇的に変化した(今回のプレイではモスクワ背面に進出したドイツ軍装甲部隊の殲滅にカチューシャ砲を投入したため、冬季反攻は最大限の効果を出せずに終わりましたが、これがなければ主戦線でドイツ軍の戦線が数箇所で綻びていたと思われるので、プレイテスターからの報告が楽しみです)ので、現在の方向性で細部の贅肉を殺ぎ落としていくことにしようと考えています。


第1ターン終了時。3個装甲軍が順調に侵攻していますが、第4装甲軍は今回運悪く強い狙撃兵部隊と当たって掃討に手こずり、ターン終了までに外郭陣地線に食い込むことができませんでした。


第3ターン終了時。ドイツ軍は防備の手薄なカリーニン方面を強襲するも、奇襲で同市を占領しようという意図は成功せず。


第6ターン終了時。前のターンにモスクワ川を渡河した装甲部隊が、背後からモスクワに迫る!(下写真も)


第10ターン終了時。ドイツ第2装甲軍が補給線を切られていますが、これを勝敗判定にどのように反映させるか思案中。ゲーム終了時の戦線については、モジャイスクとオリョールをソ連軍が脅かすくらいまで押し返せるのが私の想定目標なので、現状ではまだソ連軍の冬季反攻が決定力不足のようです。


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2007年5月8日 [モスクワ攻防戦]

今日は、4月23日の記事についての「東部戦愛好家」さんのご質問に答える形で、「モスクワ攻防戦」におけるドイツ軍の補給について少しご紹介します。

1941年から42年にかけてのモスクワ攻勢の期間中、ドイツ軍が補給面で危機的な問題に直面し、それがモスクワ攻略失敗を招いた要因の一つであることは、東部戦線に詳しい方ならよくご存知だと思います。「モスクワ攻防戦」では、ドイツ軍の作戦/戦略面での補給不足(輸送手段の崩壊による物資供給の断続的途絶)と、戦術面での補給不足(防寒衣服や不凍液入り冷却水などの欠如)を、それぞれ「補給ユニットの数的制限と消費」および「凍結・雪ターンにおけるコラムシフト」で表現しています。


ドイツ軍補給ユニット(左が通常状態、右が消費状態)

ドイツ軍は、第1ターンに9個、第2ターンに7個、という具合に、ターンごとに定められた数の補給ユニットを受け取ります。各補給ユニットには、軍の名称が記されており、異なる軍の部隊には補給を送ることができません。そのため、第2ターン以降はドイツ軍プレイヤーが、攻勢状況を見極めながら、どの軍の補給ユニットを登場させるかを決めなくてはなりません。

ドイツ軍の戦闘ユニットは、地図端の同一軍の補給源ないし、そこから道路沿いの後方補給線を設定できる同一軍の補給ユニットから8ヘクスの補給線を設定することで、補給を受けられます。従って、ドイツ軍は各軍ごとに最低1個の補給ユニットを、前線に配置する必要があります。

この補給中継点としての機能とは別に、ドイツ軍は前線に近い補給ユニットを移動フェイズ終了時に「消費」することで、続く戦闘フェイズで有利なコラム修正を得ることができます(「パウルス第6軍」のソ連軍攻勢補給とほぼ同じ)。この修正を適用するためには、消費される補給ユニットと同一軍の戦闘ユニットが攻撃に参加している必要がありますが、消費された補給ユニットは、戦闘フェイズ終了時に地図上から取り除かれてしまいます。

ソ連軍の防備は、モスクワに近づくにつれて強固になるので、ドイツ軍が中盤にも攻勢を継続するためには、攻勢軸の補給ユニットを消費し続ける必要があります。しかし、獲得する補給ユニットはターンを追うごとに激減し、第7ターンと第8ターンにはゼロ(鉄道輸送の破綻が主な原因です)となるので、攻勢を継続するか、それとも敵の反攻開始に備えて補給ユニットを温存するかの決断を、何度も迫られることになります(ちなみに、第2装甲軍の司令官グデーリアンは、11月中旬=本ゲームの第5ターンにモスクワ攻略の成功を絶望視し、攻勢を継続すべきかどうかは判断できないと日誌に書き残しています)。また、天候が「雪」のターンには、地図上にある補給ユニットの中の1つを無条件で除去しなくてはならないという過酷な追加消費のルールもあるので、ドイツ軍のモスクワに対する攻勢は、第1ターンの派手な「電撃戦」から、泥沼をかき分けながらの前進、そして兵站面での重い足枷を引きずりながら最後の力を振り絞って行う決死の突撃へと、ゲームの進展に伴って劇的に変化していくことになります。

一方の「戦術面での補給不足」は、「凍結」ターンには1列、「雪」ターンには2列、戦闘やオーバーランで常にソ連側に有利な方向へとコラムシフトする修正で再現しています。モスクワ攻撃の最中、ドイツ軍は防寒装備の欠如から凍傷患者の続出で戦闘能力を大きく失っており、ユニットの数値で表現されている戦術上の優位は完全に消滅していました。このあたりの問題を再現する方法はいくつか考えられると思いますが、今回はルール的に最もシンプルな解決法をとることにしました。ドイツ軍プレイヤーは、補給の問題が顕在化するゲーム中盤までにモスクワへと肉薄して、首都を巡る決戦を開始しなくてはならないわけです。


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2007年5月4日 [モスクワ攻防戦]

シックス・アングルズ第11号付録「モスクワ攻防戦」のプレイテストが無事に
終わりました。いくつか細かい修正点やルールの明確化は出ましたが、
全体としては大きな問題もなく、あとはバランス調整とバグ取りのテストを
重ねれば完成に近づいていきそうです。ジューコフ将軍ルールと「完全包囲
されずに全滅したソ連軍ユニットの再編」ルールがいい感じに効いてきて、
ソ連軍プレイヤーが「つまらない」という弱点がだいぶ解決されたようです。

とりあえず、今日の成果を踏まえてテスト版のルールを作成し、近いうちに
ホームページで公開します。出口さん・山根さんコンビと、某ブラインド・
テスター氏(現時点では諸般の事情により氏名は伏せます)にも、この新版
ルールでテストしていただくことになります。「1日あれば最後までプレイでき」
「ドイツ軍とソ連軍が双方とも攻撃と防御を行え」「1941年冬のモスクワ攻防
戦における独ソ両軍首脳部のジレンマが味わえるプレイアブルな作戦級」
というのが本作のデザイン・コンセプトでしたが、少しずつ目標に近づいてい
るという手ごたえはあります。もちろん、出口さん・山根さんコンビと某ブライ
ンド・テスター氏の率直なご意見を聞いてみるまでは慢心は禁物ですが。


あと、石田さんから気になる話を聞きました。最近、石田さん宛てに
「山崎雅弘」という発信者で、以下のような内容のeメールが届いたとの
ことです。しかし、私はこのような内容のメールを送信しておらず、
最近携帯電話の機種変更を行ったりメールアドレスを変更した事実
もありません。もし、同様のメールが届いていましたら、少なくとも私が
送信したものではありませんので、ご注意いただければ幸いです。
「(伏字)」という部分は、メール原文では英数字のアドレスでしたが、
差出人も事情も不明であるため、念のため伏字にしました。ちなみに、
私は携帯電話を使ってメールを送受信することは一切なく、携帯の
メールアドレスは全く使用しておりません。

>こんばんは。携帯をauに変えましたので、登録内容の変更をお願い
します。新しいアドレスです↓。
>(伏字)@ezweb.ne.jp
>電話番号はそのままです。よろしくお願いします。
>山崎。
>
>[Eメールアドレス]
>(伏字)@ezweb.ne.jp


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2007年5月3日 [モスクワ攻防戦]

まずは告知から。シックス・アングルズ別冊第3号「クルスク大戦車戦」が、
完売しました。現在、お店に並んでいる商品で最後となります。繰り返しに
なりますが、版権保有者との契約上、増刷はしませんので、ご了承下さい。

この「クルスク大戦車戦」については、SPI版が出た当時はまだ学生で、
お金がなくて買えなかった、あるいは買おうと思った時にはもう売っていな
かったという方がけっこう購入されており、昔ウォーゲーマーだった人に、
現在のゲーム界へと目を向けていただく良い機会だったのでは、と思い
ます。また、私が予想した以上にあちこちのゲームサークルでプレイして
いただけているようで、単なるコレクターズ・アイテムとして出すのではなく、
きちんとプレイしてゴールドバーグ氏のデザイン意図がプレイヤーに伝わる
ように工夫を凝らした甲斐がありました。石田さんと二人で、週末ごとに
忍耐強くクルスク突出部で格闘した日々が懐かしく思い出されます。

さて、明日はその石田さんと「モスクワ攻防戦」のプレイテストです。先日
の出口さん・山根さんコンビによるテストで確認された修正点を施した新版
ルールでフルターンをプレイしてみて、良さそうなら過去の「マザーランド」
や「パウルス第6軍」に続き、ルールPDFのネット無料公開を行う予定です。
ファイル転送ソフトの設定も復旧しましたので、ホームページの更改も
そろそろやりますが、今日は明日の準備に追われているので、先日の
コメント欄でのご質問にお答えする形でのドイツ軍の補給に関する記事と
現在いただいているコメントへのご返答は、明日以降にさせていただき
ます。プレイテストのBGMは、プロコフィエフの「イワン雷帝」でいきます。


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