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2005年9月2日 [バルジの戦い]

シックス・アングルズ別冊第2号「バルジの戦い」の
プレオーダー募集を開始。発売は10月上旬の予定。

http://www.mas-yamazaki.net/sixangles.html

本当なら、正式な発売日と共に発表する予定だったが
駒シートに関して大きな問題が発生したため、日程に
多少の変動が生じることになってしまった。最初は、
第10号と同じ業者に頼むつもりだったが、見積もりを
出してもらったところ、1シート当たりのコストが2倍
に高騰してしまったため、急遽ほかの業者を探すことに。

現在、印刷所と調整中で、初期のサンセット・ゲームズ
製品で使用していた132個のシート3枚にするか、または
新たに1シート=240駒ないし280駒の抜き型を製作して
それを2シート使用するかのどちらかになる。駒のデータ
は99パーセント完成しているので、業者が決定次第、
入稿して印刷作業に取り掛かるという段取りである。

製作作業もだいぶ進み、ルールブックもレイアウトに
組んだものを何人かの有志に読み込んでもらって校正
作業を繰り返している段階にある。一部の人にはゲーム
の現物をプレイしながら確認してもらっているので、
説明不足や不明点などもかなり解消できたと思う。

作業の傍ら、バルジ戦の文献にもいろいろ目を通したが
アーヘンとアントワープをマップに含めた師団レベル
でのバルジ戦ゲームを作ろうかという気になってきた。
これは、モーデルの提唱した「小解決策」を具体的に
プレイできるような作戦級ゲームで、SPIのゴールド
バーグ版クルスクのようなマルチシナリオの作品に
すればどうだろう。マップエリアにはナイメーヘンや
アルンヘムも含まれるので、マーケット・ガーデンの
ミニシナリオも入れられる。仮に作るとしても、来年
以降の発売になるから、今は少しずつデザイン上の
アイデアを積み重ねていこうと思う。

バルジ戦ゲームといえば、サンセット・ゲームズで
長らく予定に挙がっていた「バトルズ・フォー・ジ・
アルデンヌ」の製作作業が、いよいよ動き出したので
こちらも気を抜けない状況になってきた。向こうは
傑作の誉れ高いゲームだが、私はあくまで「ダーク・
ディッセンバー(バルジの戦い)」で「バルジ戦
ゲームの決定版」という勝負をかけたい。デザイナー
は同じで、スケールも似通っているが、両ゲームには
直接のつながりはない。発売順序は、OSGの「ダーク・
ディッセンバー」の方が少しだけ後である。

ちなみに、HJ/WWW/ヨシカワデザインから出た「ザ・
(ヒトラーズ・)ラスト・ギャンブル」は、ダーク・
ディッセンバーをベースに、ディテールを付け足した
もので、ゲームマップも基本的には同じ(ダーク・
ディッセンバーの地図の周辺を拡大し、道路網や村を
大量に追加してある)。ルール面でも共通部分がある
が、フランク・デイヴィスやJ.A.ネルソンなど元SPIの
スタッフが手を入れただけあって、対戦ゲームとしては
ダーク・ディッセンバーの方がはるかに洗練されている。

「バトルズ・フォー・ジ・アルデンヌ」の発売は、
まだだいぶ先になるようなので、店頭でバッティング
することはないと思うが、良い意味で内容面での競争に
なれば、ユーザーにも満足してもらえる製品に仕上げる
ことができるのではないかと思う。フルマップ1枚で
バルジ戦全体を1日で終わらせられる「バルジの戦い」
と、ハーフサイズのゲーム4個で個々の戦いをより詳細に
描く「バトルズ・フォー・ジ・アルデンヌ」の2つを、
用途に応じて使い分けてもらうというのが理想的だ。


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コメント 8

ニャンオヤジ

師団級バルジ、賛成に一票です。たいていのバルジゲームでは盤外の出来事となってしまう第15軍の支援攻勢や南翼の北風作戦とアルデンヌ攻勢の相関性、アントワープという盤外の戦略目標がいかに非現実的だったのか(もしかして多少の可能性はあったのか)、モンティは他人事のように支援を出し渋ったというが、バルジ殲滅に駆けつけたパットン第3軍戦区はあれだけの戦力を引き抜いて大丈夫だったのか、逆に独軍は第3軍の転進を妨げる行動には出なかったのか、興味は尽きません。
「ダーク・ディセンバー」もバルジの決定版として期待していますが、師団級バルジ、という企画もとても期待しております。
by ニャンオヤジ (2005-09-04 22:23) 

Mas-Yamazaki

こんにちは。コメントありがとうございます。師団レベルのバルジ戦という企画については、プレオーダーを下さった方の何人かも賛同してくださいました。おっしゃるとおり、このスケールのバルジおよび西部戦線終盤のゲームは、過去のアメリカ製品にもないようです。

1へクス=5.5km(パウルス第6軍と同じ)、1ユニット=師団(歩兵・米英機甲)/連隊・旅団(ドイツ軍装甲)という形で、完成品のイメージを描いているところですが、実際に測定してみると、南北のグリッドを30度傾けてマップを作る場合、東西はブリュッセル/ムーズ川とライン川(ケルン周辺)となりますが、南北をどこに設定するかで悩んでいます。フルマップ1枚だと、南をルクセンブルク中部にすると、北はアルンヘム(アーネム)まで入りますが、北をアントワープにすると、南はメッツまでとなり、米第3軍のメッツ攻略もぎりぎり入ります。バルジのシナリオの場合、ドイツ軍は史実のヒトラー案のほか、モーデルの小解決案(アーヘン=リエージュ突出部の包囲)、そしてヒトラーの参謀案(パットン第3軍の背後を衝く)の中から、勝利条件を密かに(チットなどで)選んでおくことにすれば面白いと思います。

また、前者にハーフサイズのマップを1枚足して、1.5枚を縦につなぐようにすると、南はナンシーまでの米第3軍戦区全体が収まるので、キャンペーンでプレイするにはベストかもしれません。
by Mas-Yamazaki (2005-09-05 18:53) 

ニャンオヤジ

かなり具体的な検討が始まっているようで、実現が楽しみです。
シンプルでプレイアブルなゲームを期待しております。
ユニットサイズは盤上に展開するユニットが減らせるので、独装甲師団が3ステップ、他の師団が2ステップくらいがいいなー、と思います。
by ニャンオヤジ (2005-09-06 22:54) 

Mas-Yamazaki

そうですね、装甲部隊も師団にしてマルチステップにした方が、プレイはしやすいでしょう。「マザーランド」のように、条件付きで装甲師団をKGに分割できる、という方法も考えられます。あとは、弾薬の集積や燃料の欠乏などをどう再現するかですが… 考えてみると、「パウルス第6軍」のソ連軍をドイツ軍、同じくドイツ軍を米英軍にすれば、攻勢補給ルールや対応移動できるユニット数の制限などを使用して、末期のドイツ軍の補給面での不利をうまく再現できるかもしれません(多少の修正は必要ですが)。バルジだけを扱うとすると、12月16日から1月7日までとして、1ターン=3日で計8ターンになります。
by Mas-Yamazaki (2005-09-07 03:15) 

ニャンオヤジ

補給や航空支援についてもシンプルなものが嬉しいです。
ユニットサイズの提案は、実は私の好きな「NATO」(VG/HJ)から拝借したものなのですが、補給に関しても「NATO」の攻勢支援司令部システムはシンプルにして充分効果的な解決法だったと思っております。また司令部の指揮範囲にいないといろいろと制約があるので、各ユニットはおおむね所属軍単位で動いてくれることもリアリティがあって好きでした。
by ニャンオヤジ (2005-09-08 22:13) 

Mas-Yamazaki

VGの「NATO」は、現物を見たことがないのでよく知りませんが、具体的にはどのようなルールなんでしょうか? 要点だけでも教えていただけると助かります。今から探しても、持っている人は私の周囲になかなかいないと思いますので。師団の所属を限定すべきかどうかも難しいところですね。バルジ戦の期間中は、けっこう他の戦区から増援が来ていますし、作戦の過程で師団の配置も初期の配置区分とはだいぶ変わっていますし。プレイしやすさを考えると、所属は限定せず、単に「司令部から何ヘクス」という形にした方がスムーズですが。

あとはアントワープにドイツ軍が行ける可能性をどの程度に設定するべきか。ゼロパーセントだったら誰も「ヒトラー案」は選ばないでしょうから。勝利条件を少しドイツ軍に甘く(アントワープに行けなくてもリエージュを確保していればOK、とか)設定すれば、ゲームとしては成立しますが、そうすると最初から誰もアントワープは目指さないわけで。
by Mas-Yamazaki (2005-09-09 01:31) 

ニャンオヤジ

「NATO」の攻勢支援司令部ルールは、攻勢支援司令部に所属しその指揮範囲(司令部ユニットから3-4ヘクス)にあるユニットは攻撃力が2倍になります。攻勢支援司令部はシナリオにより各陣営への割り当て数が決定されます。また所属司令部の指揮範囲にないユニットは攻撃力半減、戦略移動不可のペナルティが与えられます。空軍による制圧が成功するとそのターン、攻勢支援の効果が失われます。補給物資集積の状況を簡潔に再現できているように思います。バルジに当てはめると、
12月第3週:独軍2個(5Pz、6Pz)
12月第4週:独軍1個(5Pz or 6Pz)、連合軍1個
1月第1週:連合軍2個
といった感じでしょうか。
攻勢支援を受けられる間に独軍は多少無理をしてでも突進、英米それぞれに勝利条件が設定されている場合、バルジを潰すのに戦力を割くより、自軍の戦略目標を達成するために戦力を温存する、という選択肢も再現できるかな、と思った次第です。
所属軍の制約は難しい問題ですね。SSや空挺などの戦略予備的存在はどの軍の指揮範囲にも属せる、というのはどうでしょうか。
アントワープへの到達可能性、というのはどれくらいだったんでしょう。当時の燃料、制空権の状況からいえば絶望的なのではないでしょうか。しかし当時の独軍はヒトラーに言われずとも万が一でも可能性があれば主導権をとり行動する方を選択したようにも思えます。5割くらいは無条件に「ヒトラー案」実施、といきたいところですが、それでは連合軍の驚愕は再現できないし、難しいところです。連合軍にとってまさかの目標を独軍が目指したからこその連合軍の驚愕であり、それが後世から見た結果であるため、それが起こらないと不自然と感じてしまうのはシミュレーションゲームの難しさですね。アントワープ占領したら独軍無条件サドンデス勝利(それくらいの価値あり)、でも可能性低すぎて対戦10回に1回くらいしか実現しない、ではバルジゲームといいがたい、となってしまうでしょうか。個人的には独軍が何もしなかった場合、つまり作り上げた予備戦力を温存した場合、どれほど西部戦線を維持しえたのか、というのも面白い(ゲーム的には面白くない?)オプションか、とは考えます。
by ニャンオヤジ (2005-09-09 21:54) 

Mas-Yamazaki

情報ありがとうございます。やはり「パウルス第6軍」のソ連軍攻勢補給ルールと似ていますね。「パウルス」の場合、攻勢補給司令部の指揮範囲内にいるソ連軍ユニットは、◆オーバーランを実行できる ◆攻撃時の戦闘解決時に右へ2コラムシフト という2つの特典があり、指揮範囲外のユニットはオーバーランを行えなくなります。空軍力で無力化できるという部分は、西部戦線末期らしくて良いかもしれませんね。あと、大戦末期のゲームで難しいのは、増援の調節です。もしドイツ軍がバルジの攻勢を行わずに兵力を温存したとしても、結局ハンガリーやオーデル川にまわされるだけとなった可能性が高いと考えられます。「バルジの戦い」では、第2SSと第9SSの両装甲師団が予備ではなく第一撃に参加していたら、とか、ヘルマン・ゲーリングと第3SSの2個装甲師団を東部戦線から持ってきていたら、というバリアント設定があります(前者の場合、連合軍はサイコロを振って判定に成功すれば「敵の攻勢を察知」したものと見なされて、第1ターンの開始前に追加の移動を行えます)が、ドイツ軍の兵力強化をもっともらしく正当化できる理由があれば、「ドイツ軍は初期兵力が増える代わりに決定的勝利(アントワープ占領)以外ではゲームに勝てなくなる」という選択式の勝利条件設定も可能になるかと思います。
by Mas-Yamazaki (2005-09-10 02:36) 

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