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2005年11月10日 [マザーランド]

今日は第9号付録「ウォー・フォー・ザ・マザーランド」の話題を2つほど。

まず1つ目ですが、「マザーランド」の英語版が来年初頭に米国MMP社
から発売されることが正式に決まりました。だいぶ前から細部の交渉を
詰めていましたが、全ての条件で合意に達し、先週末に先方のサイン入り
の契約書2通がこちらに送られてきたので、サインを入れて1通を航空便
で送り返しました。発売時期は多少変動するかもしれず、またグラフィック
はすべて向うのスタッフが独自にデザインするようなので、まだまだ予断を
許さない状況ですが、とりあえず一足先にご報告まで。

2つ目は、このゲームのルール改訂案について。1941年度のドイツ軍の
進撃速度が、北部と中部ではおおむね史実どおりなのに対し、南部では
史実よりもかなり遅いというご意見を何件かいただいていて、私もそれは
ごもっともだと考えていましたが、良い機会なので、だいぶ前に某掲示板
で「試案」として発表した改訂ルールを、ここで改めて再録してみます。
これも、以前に発表した「パウルス第6軍」のヒトラー命令ルールと同じく、
現状ではまだ「改訂案」の段階ですが、上記の理由でこのゲームを敬遠
された方がおられましたら、ぜひ下の改訂案でプレイしてみてください。

20.5 天候の地域的変動

20.51 標準ルールでは、北極圏を除く地図上の天候は全て同じ扱いと
 なっていましたが、実際には戦域北部と南部では、泥濘期の到来時期
 が異なっていました。この事実を再現するために、以下のルールを適用
 します。
20.52 各年の9月・10月ターンにおいて、自軍移動フェイズ(ドイツ軍装甲
 ユニットの場合は機械化移動フェイズも含む)の開始時に「南部エリア」
 のヘクスにいたユニットは、そのフェイズに消費できる移動力の数値が
 増大します。徒歩ユニットの場合、移動力の数値は、駒に印刷された
 数字プラス2となります(例: ソ連軍狙撃兵軍団の場合、3+2=5)。
 車輌ユニットの場合は、駒に印刷された数字プラス4となります(例:
 ドイツ軍装甲軍団の場合、7+4=11)。司令部や補給基地、空軍基地、
 攻勢支援群の各ユニットにも、この特典は適用されます。
20.53 上記20.52項で示された「南部エリア」は、その9月・10月ターン
 開始時に、サイの目によって判定されます。毎年の9月・10月ターン
 (のみ)の開始時に、ソ連軍プレイヤーはサイコロを1個振り、出た目を
 以下の表に当てはめます。地図Cおよび地図Eに印刷された「境界ヘク
 ス列」および、それより南に位置する全てのヘクスが、その泥濘ターン
 における「南部エリア」であると判定されます。

 サイの目  境界ヘクス列
   1      36xx
   2      38xx
   3      40xx
   4      42xx
   5      44xx
   6      46xx

20.54 南部エリアの判定は、9月・10月ターンごとに個別に行います。 
 言い換えれば、その境界線は、年ごとに変動します。
20.55 天候の地域的影響は、南部エリアにおけるユニットの移動力値
 にのみ影響します。それ以外の要素については、補給線や航空艦隊
 マーカーの効果を含め、一切影響しません。
20.56 「バルバロッサの場合」をプレイする際には、この選択ルールの
 使用をお奨めします。


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ウィリー

史実に比べて南部の進撃が遅いですか?
うちでやるときは大抵史実通りの進撃速度を維持して
(チット次第ではキエフが第4ターンに落ちるので史実以上かもしれません)
ドニエプロペトロフスクやサボロジェの工場を
疎開させるのも困難なぐらいですが。

中央軍集団から歩兵2個軍団と装甲1個軍団程度を
南方軍集団に回してやれば史実程度の進撃速度は
維持出来るはずなのですけど。
by ウィリー (2005-11-10 17:53) 

NO NAME

南部に限らず、全体的に見てもペースは早いと思います。泥濘期の補給ユニットの戦略移動と装甲部隊のブーメラン戦法(移動、戦闘の手順を初版から変えているのが問題)がネックで、ここまでドイツ軍を有利にする必要があるのかと思うくらいです。・・・初版のルールでKGにステップ持たせるだけで十分ドイツは強くなると思いますが。
by NO NAME (2005-11-10 23:29) 

カール剪定公

こんにちは! マザーランドですが、わたしが相棒とやるときは、スターリノの手前あたりで南方のドイツ軍は最初の冬を迎えます。クリミヤ攻略を放棄して、ドイツ歩兵軍団を送らず、南方補給網の支線もクリミヤ方面に伸ばさなければ、スターリノの占領はできても、ルーマニア軍だけだとセバストポリの攻略は絶望的だと思います。兵力のわりふりを変えれば別でしょうが、史実とおなじ兵力配分だと、南方は史実ほど進めない気がします。この改訂ルールは、こんどの対戦で試してみます。

ところで、デザイナーズノートに書かれていた「ソ連軍親衛騎兵軍団」のルールとユニットは、アメリカ版にはつくのでしょうか? もしそうなら、日本版でも打ち抜きユニットの形で次号につけてほしいです。
by カール剪定公 (2005-11-11 16:16) 

ウィリー

ドイツ軍の進撃が早くても後半のソ連軍の進撃も早いので
ゲームバランス自体はとれてます。
私がやったときには、レニングラードとモスクワとスターリングラードと南方資源地帯を全部占領したのにソ連軍の大反攻の結果
結局ドイツ軍の辛勝に終わってしまいました。

宛>カール剪定公さん

とりあえず、次のブログを見てみてください。
41~42年夏のソ連軍には「絶望」の二文字しかないのか
というぐらいにドイツ軍は勝ちまくれるはずです。
…42年冬からドイツ軍に「絶望」の二文字しかないのかと
いうぐらいにソ連軍が勝ちまくるんでゲームバランスは問題ないんですけどね、確かに。

http://blogs.yahoo.co.jp/kota2game/
by ウィリー (2005-11-13 20:32) 

Mas-Yamazaki

みなさん、こんにちは。いろいろなご意見、ありがとうございます。今回の試案天候ルールは、ドイツ軍の進撃が遅いと感じられている方用に作ったものですが、必ず使用しないといけないというものではありませんので、対戦相手との技量差やプレイのパターンなどに応じて、他の選択ルールと共に使用を検討していただければ幸いです。ちなみに、本編収録の選択ルールの多くは、ドイツ軍が不利になるものなので、もしドイツ軍が強すぎると感じられたなら、これらを使用するのも一興かと思います。特に、装甲部隊の大都市攻撃時の追加損害ルールは、バランス調整とは別に、リアリズムの点でも使用を強くお奨めします。

また、ソ連軍の親衛騎兵軍団のユニットですが、MMP版に付く予定はありません。新作のデザインも含め、やりたいことは山積みですが、作業時間の優先順位では新作デザインやシナリオ/追加ルールのデザインなどは後回しになってしまいがちです(締切りの決まっている外注の仕事が優先になります)。なるべく早く作って発表しますので、今しばらくお待ちください。

あと、ウィリーさんの紹介してくださったブログを少しだけ拝見しましたが、非常によく研究されているという印象を持ちました。特に、地図Nの分析など、一般にあまり関心を向けられない方面にもきちんと対応しておられることに感銘を受けました。あと、具体的なヘクス番号入りで研究してあるのも、私の好みです。この方式だと、実際に地図上で駒を動かして一緒に研究できるので、第三者とのコミュニケーションをとる上でも有益ですし、肯定的であれ否定的であれ、結論にも強い説得力が出ると思います。帰国したら、じっくり読ませていただきます。
by Mas-Yamazaki (2005-11-13 23:05) 

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