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2006年1月5日 [クルスク大戦車戦]

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

新作モスクワ戦ゲームについて、ブログのコメントやメールでいろいろ
応援のお言葉をいただきました。良いゲームに仕上げられるよう
全力でがんばりますので、ご期待ください。

さて、昨日の1月4日、石田氏と「クルスク大戦車戦」5月シナリオを
簡略版ルールでプレイしました。一応、リプレイ記事用のプレイだった
のですが、5月シナリオを簡略版ルールで2度プレイして、異なる戦略
の違いをゲームで検証する、という形にしようと考えています。当初の
構想では、前に書きましたとおり、7月のミニゲームを標準ルールで
プレイする予定でしたが、ミニゲームではほとんど戦略の幅がない
ので、リプレイという形にする意味がないと思われたからです。

ですので、ミニシナリオの経過は「プレイの実例」という趣旨の図入り
記事にまとめて、両プレイヤーの判断で展開が変わる「リプレイ」は、
ドイツ軍が史実通りの戦略(クルスク突出部の根元に南北から攻勢
軸を向ける)と、より現実的な戦略(突出部全体の挟撃をあきらめ、
リゴフ周辺を指向する小包囲を完成させた後、西からクルスクに
向けて二次攻勢を行う)の二通りをゲームで試すという内容で記事を
作る予定です。

クルスク戦全体を扱うこのゲームを何度もプレイしてみると、突出部
全体の挟撃を目指す史実の戦略は、アントワープの占領を最終目標
に設定した「バルジの戦い」のヒトラー案と同様の「いちかばちかの
ギャンブル」以外の何物でもなかったことを実感します。突出部の根元
付近にドイツ軍が攻勢をかけた場合、ソ連側は突出部の内側と外側の
両方から、迅速に増援部隊を急派することができ、また塹壕線も充実
しているので、機動的な大突破を行える可能性はきわめて低いと
言わざるを得ません。では、当時のドイツ軍にとっての最良の選択は
何だったのかと考えた場合、一案として思い浮かぶのは、クルスクの
ソ連軍突出部とオリョールのドイツ軍突出部をそれぞれ相殺して戦線
形状を整え、その過程でソ連軍になるべく多くの損失を与えつつ、
自軍は戦線縮小で浮いた兵力を予備として再編する、というものです。

クルスク戦というと、ソ連軍の突出部にばかり光が当たってきましたが、
ゲームをプレイしてみると、実はドイツ軍のオリョール突出部というのは
ドイツ側にとっての危険な「落とし穴」であることに気づかされます。
クルスク突出部に対するドイツ軍の攻勢に対する牽制として、ソ連側が
オリョール突出部の反対側で攻勢を開始した場合、ドイツ第9軍の背後
は危険な状態に陥り、最悪の場合にはクルスク突出部の根元に
食い込んだ第9軍の先頭部隊がそのまま逆包囲されるという可能性も
出てきます。一応、第2装甲軍には装甲1個師団と装甲擲弾兵1個師団
が機動予備として割り当てられていますが、クルスク突出部に対する
攻勢にこの両師団を投入していれば、北部での戦況はかなりドイツ軍
にとってスリリングなものとなってしまうでしょう。

昨日の記事用プレイでは、ドイツ軍が史実の攻勢案を行った場合の状況
を検証しました。近々、史実とは異なる「小解決策」案で再びプレイして、
地図上の戦況がどのように変わるのかを確かめてみたいと思います。


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