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2007年2月22日 [その他(ウォーゲーム関係)]

シックス・アングルズ別冊第5号「戦略級 日露戦争」の制作作業
ですが、現在ヒストリカル・ノートを執筆中で、今週末くらいには
印刷所にデータを送る予定です。引越しから今日まで何かと雑事
に追われることが多く、作業は遅れ気味でしたが、シックス・アン
グルズの記事原稿も学研さんの仕事と同様、ベストの質を保って
買って下さった方に満足してもらえる商品に仕上げたいと考えて
いますので、あともう少しだけ、お待ちいただければ幸いです。

さて、前回の記事で少しだけ触れました、新作ゲームのアイデア
ですが、石田さんと出口さんが異口同音に言われたのが「GMT
社のバルバロッサ・シリーズを、手軽にプレイできるような作戦級
ゲームが欲しい」ということでした。それで、テーマやシステムに
関していろいろと話題が弾み、いくつかのプランが現実的な構想
として出てきました。その1つは、SPI社の「ドイツ南方軍集団」の
ような形で、ハーフサイズのマップと駒150個前後(マーカー込み)
でプレイできる同一システムの複数ゲームのセットというもので、
戦史研究的な側面を残しつつ、4~5時間で終わるゲームを作る
という方向で、デザイン作業に取り掛かることになりました。現在、
シックス・アングルズ第11号付録の「モスクワ攻防戦」のプレイテ
ストが本格的に再開することに加えて、「神々の黄昏」第二版の
制作など、いくつかのゲームが作業台の上にある状況ですが、
来年の発売を目指して少しずつ手を付けていこうかと思います。

この「東部戦線作戦級クォードリ(仮題)」の題材となる戦いに
ついては、なるべく一方的でない、双方に作戦的余地がある
会戦を選ぶつもりですが、史実では一方的に見えた第二次ハリ
コフ戦でも、当時の状況を詳しく調べると「パウルス第6軍」の
ドイツ軍と同様、史実の枠をぎりぎりはみ出さない範囲で、ゲーム
的な多様性を出すことは可能だと思われますので、あまり固定
観念にとらわれずに、慎重にテーマ選択を行いたいと考えていま
す。ただ、東部戦線の場合、時期によって戦闘の様相が大きく
変化しているので、「ドイツ南方軍集団」のように1941年と1944年
のゲームを同一セットに含めることはしないつもりです。森之宮
での飲み会で、一案として挙げたテーマは、「ルーツク・ドゥブノ」
(1941年6月末、ドイツ第1装甲集団に対するソ連軍の機動反撃)、
「スモレンスク攻防戦」(1941年7月)、「キエフ包囲戦」(1941年9月)、
「第二次ハリコフ戦」(1942年5月)の「戦争前期セット」ですが、
以前から試行錯誤している1944年冬の「コルスン」「ニコポリ」
「フーベ包囲陣」およびドイツ軍の確地命令を抜いた形での
「バグラチオン作戦」(ボブルイスク方面)という「戦争後期セット」
というのも面白そうです。他にも、いくつか興味深いシチュエー
ションはあると思いますので、もし何か良いアイデアがありました
ら、ご一報いただければ幸いです。

ちなみに、文庫本「完全分析 独ソ戦史」の発売日は、3月16日
だそうです。この本で私が行った独ソ戦の分析は、「マザーランド」
のデザインを行なった際のテーマについての基本認識とほぼ同じ
ですので、この本を一読された後で「マザーランド」をプレイして
いただければ、個々のルールの背景にあるデザイン意図をより
具体的な形で読み取っていただけるのではないかと思います。


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佐藤(Pum)

東部戦線ゲームですが、旧HJの凍結戦線再版の話はどうなったのでしょうか? 諸般の事情によりお蔵入り、あるいは無期限延期ですか?
もし、そうなら1942年のソ連軍冬季反攻シリーズのゲームパックとして別に作り直すというのはいかがでしょうか? 冬季というだけが共通ですがウェリキエ・ルーキも他にゲームが少ない(2個だけ)のでいいのではないでしょうか。
by 佐藤(Pum) (2007-02-23 01:01) 

一ゲーマ

こんにちは。今のゲーム業界は、充分にゲームが出版されていて、シックスアングルスの発売を急かす人は、たぶん誰もいないだろうと思いますので、出版人が納得されるまで手を入れてから出されるといいと思います。今までと同じように、最終的な完成度を、とことん高めてから出すのが、ユーザーにとっても結局は最良の結果となるはず。内容をよりよくする為の遅れなら、意味のあることでしょう。

ところで、SPIコブラが出た後のレトロスペクティブシリーズの予定は、何かあるんですか? 再版ものもいいですが、もし良いゲームがないのなら、無理に出す必要もないのでは? 良いゲームをひととおり出し尽くして、出すものがなくなったからといって、足切りラインを下げて、苦肉の策でB級やC級ゲームを出すというのでは、いつぞやのゲーム業界がたどった道を繰り返すことになるのでは、と危惧します。最近、業界全体がそっち寄りになりつつある気がしますが。
by 一ゲーマ (2007-02-23 14:03) 

もんてぃ

以前にブログで書かれていたバルジの広域ゲームをぜひ完成させて欲しいです。1944年12月のルクセンブルク~オランダをマップに入れて、終戦までできるゲームというのはどうでしょう。ラインの守りをどのくらいの規模で、どの方面に向けてやるかで、西部戦線の終章が変わるゲームはきっと面白い!お願いします。(マーケットガーデン辺りからのミニシナリオもあっていいかも)
by もんてぃ (2007-02-23 19:32) 

どーちぇ

イタリア戦線のキャンペーンゲームが手に入らないので、再販でも、オリジナルでも、是非とも欲しい所です。ANZIO(スペルあってますか?)のようなゲームが日本にはなくて。
って、みなさん、いろいろと欲しいものがあるようで、言ったらきりがなくなりそうですね。もちろん、上のコメントの皆さんのおっしゃるゲームも欲しい!!
バグラチオン作戦には大いに興味があります。こちらは是非とも!
って、なんだか全部ですね(笑)
独ソ戦史は速攻で購入させて頂きます。
by どーちぇ (2007-02-23 21:06) 

どーちぇ

書いた後で気づきました。東部戦線の意見を言う場でしたね。すいません。順番から言うと、個人的には、戦争後期のゲームが面白うカナと、次が初期の頃でしょうか?興味は尽きないのですが、いろいろありすぎて、全ての出版に、本当に何十年かかるだろう?とつい思ってしまいます。
by どーちぇ (2007-02-23 23:04) 

ニノ

新作の話題も興味ありますが、私はまず次の「モスクワ攻防戦」に期待してます。東部戦線のクワドリだと、戦争初期の戦いに興味をひかれますが、1942年のボロネシとかはいかがでしょうか。パウル・カレルを読むと、なかなか拮抗した戦いみたいですが。

「ウォー・フォー・ザ・マザーランド」と「パウルス第6軍」は気に入っていてどちらもよくプレイしますが、やはり時間がかかるのが難点で、合宿などを除けば最後までできる機会がありません(マザーランドは2回、合宿で最終ターンまでやりましたが、どちらもソ連の勝利でした)。なので、ぜひ1日で決着のつくゲームにしてください。

「戦略級日露戦争」も発売を楽しみにしています。焦らず1つずつ着実に仕上げてくださいね。
by ニノ (2007-02-23 23:32) 

東部登場戦

東部戦線のシンプルな作戦級セットいいですね。特に戦争初期セットは楽しみです。私の追加希望はレニングラード方面(41年8~9月の市街到達あたり)とスターリングラード方面(42年7月~8月の市街到達あたり)です。後者はパウルスの時にオミットされた題材ですし、この機会に復活されてはいかが。
by 東部登場戦 (2007-02-24 22:59) 

Mas-Yamazaki

佐藤(Pum) 様、一ゲーマ 様、もんてぃ 様、どーちぇ 様、ニノ 様、東部登場戦 様: コメントありがとうございます。コメント欄で返信するにはもったいないほど内容のあるコメントばかりなので、近々本記事の方で個別のご意見に触れたいと思います。また、ゲームのテーマについてのご要望は、いつでも歓迎ですので、遠慮なくコメント欄やメールなどでお知らせください。実現するかどうかはわかりませんが、あなたの欲しいテーマのゲームが1~2年後に店頭に並んでいるかもしれません。
by Mas-Yamazaki (2007-02-25 16:31) 

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