SSブログ

2007年11月25日 [激闘ノルマンディ]

本日より、シックス・アングルズ別冊第6号「激闘ノルマンディ」の店頭発売が開始されました。おかげさまで、かなりの好評を得ているようで、発行人として非常に嬉しく思います。

今回、とりわけ好評だったのは、森田さんが執筆してくださった「ドイツ軍の防衛策と連合軍の突破法」をはじめとするゲームプレイの研究記事でした。「ユニットの並べ方がわかりやすく、他の作戦級ゲームをプレイする時にも参考になる」というご意見もあり、掲載して成功だったと思っています。森田さんご自身も、最初にこのゲームをプレイされた時には印象が悪く、「つまらないゲームと決め付けて脇へ追いやっていた」そうですが、その後にいろいろなゲームのプレイ経験を積んだ上で改めてプレイしてみた時、初めてゲーム内容の奥深さを知り、研究を重ねるにつれて虜になっていったそうです。

他のゲームでもそうだと思いますが、やはりシミュレーション・ゲームとは複雑な構造を持つ素材なので、1~2回のプレイではなかなか真価を見抜けない場合も多いと思います。かつて、SPI版やTSR版の「COBRA」をプレイされて「つまらないゲームと決め付けて脇へ追いやった」方も、日本版掲載の森田さんの記事を参考に、ゲームの「見直し」をしてみられてはいかがでしょうか。それをする価値のあるゲームだと、私は本心から思います。


nice!(0)  コメント(7) 

nice! 0

コメント 7

INB

山崎さん
お世話になっております、ミドルINBです。

先日、サンセットの掲示板にあるとおり本ゲームをプレイしましたが、
傑作の名に恥じない面白さでした。
ぜひ多数の方にプレイして研究して欲しいゲームであることを実感しました。
プレイしたものからのフィードバックですが、
■良い点
・マップに書いてある地形効果表は役立つ
・ユニットに書いてあるセットアップのへクスも役立つ

■もっとよくなると思われる点

せっかく作っていただいたのですが、OBチャートについては、セットアップの段階でユニットにへクス番号がついているので、増援以外は使う頻度が低く感じました。

・パットンの顔ユニットと第3軍の司令部がダブっているので、OBチャートを見るまでは、ダブっている事がわかりにくかったです。そのむねルールに記述があればよりわかりやすかったと思います。

・米機甲師団の脱出するへクス列が地図西端に明示されてあるとよりわかりやすいかと思いました(初プレイ時にはイメージしにくかったです)

・VP計算が煩雑なので、ドイツの残存部隊の存在する西端へクス35XXなどが地図に明示されたいるとよりわかりやすかったと思います。
(美観の問題もありますが)

今後も、SPIなどの名ゲームを出していただきたいと思います。
私の希望としては

・Operation Typhoon(SPI)
・Wahct Am Rheine(SPI)
・Campaign to Stalingrad(RHINO)

が希望です。 難しいかと思いますが、1ファンの声として参考にしていただければ幸いです。
by INB (2007-11-29 12:21) 

通りすがり

つかぬことをお聞きしますが、S&T誌103号の追加シナリオを入れられなかったのは、何か理由があるのですか?
by 通りすがり (2007-11-29 17:26) 

先任少尉

「激闘ノルマンディ」購入しました。TSR版を所持しているので、最初は買わないつもりでしたが、TSR版はマップの地形判別がしにくい部分があり、ユニットのデザインもイマイチだったため、数回プレーしただけで押入れの肥やしにしてました。日本版を購入して、プレー指南の記事を読み、新しいコンポーネントでプレーしてみたところ、ゲームに対する評価が一新されました。長く遊べるゲームだとわかり、これからいろいろ研究してみるつもりです。

追記 S&T103号のバリアントは、昔TSR版で一度試してみようと思い、途中まで駒を並べてみましたが「バリアント」というにはルール定義や説明があまりにも不完全で、途中で嫌気がさしてやめました。個人的な意見ですが日本版には入れなくて正解だったと思います。
by 先任少尉 (2007-11-30 17:06) 

Mas-Yamazaki

INBさま: コメントありがとうございます。「激闘ノルマンディ」を気に入っていただけて嬉しく思います。

パットンの駒の説明は、確かにもう少し親切にすべきであったかもしれません。また、ゲーム終了時のドイツ軍のVP判定の基準となる線については、地図上に描かれていた方が判別はしやすいと思いますので、目立たない形で入れるべきだったかと思います。

あと、レトロスペクティブのリクエストについてですが、「タイフーン」と「ラインの守り」は、以下の2つの点で難しいです。1つは、コンポーネントの大きさで、両ゲームの日本版を出すとすれば箱入りが条件だと思いますが、個人出版では箱入り製品を保管しておく場所が確保できず、また箱破損のクレームへの対処なども時間的に難しいので、箱入りが必要となる「フルマップ3枚以上・ユニット800個以上」のゲームは、事実上「不可能」と考えていだいて結構です。もう1つの理由は、テーマの問題で、既にラインナップにある「バルジの戦い」と次号の「モスクワ攻防戦」とバッティングするため、販売戦略上の混乱を避けるため、同一テーマのゲームは当分出さない方針をとっています(「スターリングラード攻略」と「パウルス第6軍」は、テーマ的に近いように見えますが、時期もスケールも題材も全く違うゲームです)。

「キャンペーン・トゥ・スターリングラード」は、シモニッチ氏作の良いゲームだと思いますが、国際通信社さんが検討しているという噂を誰かから聞いた覚えがあり、もしかしたらあちらにリクエストされた方が実現は早いかもしれません(同社は過去にシモニッチ氏の作品をいくつも出版されているはずです)。

また、何かお気づきの点があれば、ぜひお知らせください。よろしくお願いいたします。
by Mas-Yamazaki (2007-12-03 00:15) 

Mas-Yamazaki

通りすがりさま、先任少尉さま: コメントありがとうございます。ご指摘の、Strategy & Tactics誌の第103号(1985年)に掲載された追加シナリオについては、8月13日の記事に対するコメントでオランさんから存在を知らせていただいた後、校正ボランティアのsgt_sunders さんが記事のコピーを送って下さり、最初は本誌に収録する方向で翻訳を進めていました。しかし、作業の途中で問題が発生し、最終的に収録を見送る決定を下さざるを得ませんでした。理由は、先任少尉さんが書かれている通り、シナリオのプレイに必要ないくつかの基本情報が記事に明記されておらず、内容を確かめるための検証プレイを行うことが不可能だったからです。

例えば、初期配置のドイツ軍師団のいくつかにアステリスク(*)が付いていて、これらは「減少戦力で開始する」と書かれていますが、師団の3ユニット全てを裏返しにするのか、それとも師団の一部のみ減少戦力にすべきかの説明がありませんでした。また、シナリオ開始の「戦線」としてヘクス番号が示してあり、「ドイツ軍はそれより西に、連合軍はそれより東に配置」と説明されていますが、そのヘクス番号は地図の途中から始まっていて、それより北や東の領域を使用できるのか否かという「シナリオで使用できる地図の領域」が指定されていません。

さらに、使用する地域が限定されているにもかかわらず、連合軍の補給ポイントや指揮レベルはキャンペーンゲームと同じなのか、それとも別なのかという記述もありませんし、航空戦力についての注記もありませんでした。これらの「欠落しているルール」をこちらで補うためには、ゲームバランスの確認なども含めた数回以上の「検証プレイ」が必要となりますが、上に述べたようにルールの根本的なところから「検証」しなくてはならず、そのために発売を何ヶ月も遅らせる価値があるかどうかも疑わしいと思われたので、今回は収録を見送ることにしました。

完成度の高いミニシナリオであれば、収録することで商品価値を高めることができますが、不完全なシナリオを収録すれば、プレイヤーの混乱を招くことになる上、本誌の貴重なページ数をそのために費やして、他の記事を削る必要が出てきます。パッケージとしての「商品価値」を考えた場合、私はやはりこのS&T誌の追加シナリオは省略し、代わりにゲームプレイ関連の記事を多く収録した現在の形が、ベストであったと確信しています。

別冊第4号の「砂漠のキツネ」を出版した時、同じくS&T誌に掲載されていた「ロンメル登場以前の英伊戦」を扱うシナリオをゲームに含めましたが、こちらはシナリオをプレイするのに必要な情報がきちんと網羅されており(一部、不明点をこちらで追加しましたが)、きちんと検証プレイも行うことができたので、商品として完成していると判断できました。しかし、同ゲームと連結可能とされていた同一スケール・同一システムのチュニジア戦ゲーム「Trail of the Fox」の方は、地図の接続方法が非常に厄介(言葉では説明しづらいですが、要するに1枚のフルマップを4つくらいのパーツに自分で切り離して、「砂漠のキツネ」のマップの西側に段々状に長く繋げるというもので、日本の住宅環境では事実上プレイ不可能と思われるレイアウトでした)で、実際に連結プレイをして良かったという感想も聞いたことがなかったので、商品としての完成度を確認できず、現実問題として収録すべき理由はないと判断し、収録を見送りました。そして、発売後に「Trail of the Foxを入れなかったのは失敗だった」という不満の声も、幸いにして一度も聞いたことがありません。

同様の判断は、別冊第2号「バルジの戦い」の時にも下しており、本編に収録されていた「1945年1月以降を扱う拡張シナリオ」は収録しませんでした(ドイツ軍が一方的に退却するだけで特に見せ場となる戦いもない計31ターンのシナリオで、おそらく日本人でプレイする人は皆無に近いと思われたからです)し、Fire & Movement誌に発表された、完成度が低いと思われた出所不明のルール修正案も製品には反映しませんでした。私は、「ウォーゲーム・レトロスペクティブ」シリーズの製作上の方針として、雑誌などで発表されたバリアントや拡張ルール、拡張シナリオなどを、内容にかかわらず、何でも詰め込めばそれで「商品価値が高まる」とは考えておらず、入れることでプレイヤーの混乱を招くと思われたり、それによって価格が1000円単位で上昇する価値がないと思われた場合には、発行人の責任において、収録しない方がよいという判断を下してきました。

もし、Strategy & Tactocs誌第103号に掲載された追加シナリオを、実際にプレイされたという方がおられましたら、ぜひご感想をお聞かせください。その際、ルール記述の欠落部分を補うための「ハウスルール」などもご教示いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
by Mas-Yamazaki (2007-12-03 00:32) 

プトニク

こんにちは。「レトスペ」になるのか、本シリーズになるのか、よくわかりませんが、昔3Wで出されていた「Zitadelle Duel for Kursk」(国際通信版じゃないほう)と「Army Group Center」の復刻を希望します。私のサークルでは、どちらも評価が高いです。新作「モスクワ攻防戦」も期待してます。
by プトニク (2007-12-04 13:59) 

Mas-Yamazaki

プトニクさま: コメントありがとうございます。「Zitadelle」の初版(3W社版)と「Army Group Center」(同)の評判は、幸いにして良好なようで、ご希望が多ければ限定部数(500ないし600部前後)で復刻というのも良いかもしれません。両作品とも、ゲームデザインを始めた初期の作品で、今読み返して見るとルールの構築が「素直」な印象があり、私にとってのゲームデザイン作業の原点回帰という意味を含めて、一度きちんと見直してみようと思います。モスクワは、ぜひ期待してください。先日のブログで述べた問題点の解消ルールを考案してプレイテスターに送り、確認をしてもらっているところですが、私としてはようやくゴールが見えてきた感じです。
by Mas-Yamazaki (2007-12-08 14:46) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

2007年11月20日2007年12月2日 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。