2009年3月10日 [その他(戦史研究関係)]
歴史群像第94号に続いて、文庫本『ドイツ軍名将列伝』も、そろそろ書店の店頭に並ぶ頃かと思います。著者渾身の一冊ですので、ぜひ一度、手に取って内容をご覧いただければ幸いです。
ところで、歴史群像の「ヴィシー 憂鬱の政権」の記事中、ヒトラーとペタンが会談を行っている写真に、ドイツ側の通訳としてパウル・シュミットという人物の顔が写っています。戦史に少し詳しい方なら、ドイツ外務省のパウル・シュミットと聞いて「パウル・カレルの本名じゃないか! これがカレルの顔なのか!」と思われるかと思いますが、実は当時のドイツ外務省には同姓同名の二人のパウル・シュミットがいて(日本人で言うと鈴木一郎というようなありふれた名前)、一人は首席通訳官、一人は報道部長で、後にパウル・カレルとなるのは後者なので、残念ながら写真に出ている通訳官パウル・シュミットはパウル・カレルとは別人なのです。
…などと、さも事情通のように説明させていただきましたが、以上はすべて、大木毅師匠に教えていただいた話の受け売りです。私も最初、パウル・シュミットが二人いることを知らず、早合点して危うくキャプションに「後のパウル・カレル云々…」という付記を入れてしまうところでした。文庫本『ドイツ軍名将列伝』でも、大木師匠から広範囲にわたり有益なご教示をいただくことができ、私は非常に幸運な環境に恵まれていると思います。深く感謝いたします。
今週は、歴史群像次号「ガザ紛争」と太平洋戦争ムック第3巻の担当原稿(蘭印)の執筆がメインですが、木曜日には23日からの旅行に備えて、名古屋に予防接種を受けに行ってきます。二週間後には、アフリカ大陸初上陸の予定です。
上野の西郷どん
2009-03-10 19:24
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