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2009年5月30日 [ツィタデレ: クルスクの決戦]

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シックス・アングルズ第13号「ツィタデレ: クルスクの決戦」のプレオーダー募集を開始しました。

http://www.mas-yamazaki.net/sixangles_zitadelle.html

リンクページでも告知していますが、いろいろ検討した結果、今回は発行部数を600冊とすることにしました。いつもお世話になっている印刷所に代金の見積もりをお願いしたところ、紙代等が高騰していた時期の影響で、第11号や第12号を800冊作った場合の総額と、今回第13号を600冊作る場合の総額が、ほぼ同じになってしまったからです。こちらは純然たる「個人事業」で、発行形態が異なるとはいえ、コマンド誌やゲームジャーナル誌と比較して、ただでさえ高額な商品の値段をこれ以上上げるわけにはいかないので、今回はやむを得ず600冊で行くことにしました。

もちろん、商品の値段が据え置きということは、製造した商品が完売した場合の売上げも大きく(200冊分)変わってくるわけですが、比較的売れ行きが良好な第11号「モスクワ攻防戦」も、昨年9月に発売して、半年後の今年3月にようやく実売が600冊を超えたというペースで、号を重ねるごとに多少の余剰在庫が発生しており、オリジナル・ゲームが付く号の実質的な販売ポテンシャル(市場の需要)は、現状ではおそらく600冊前後だろうと推測されます。ちなみに、第9号「ウォー・フォー・ザ・マザーランド」は1300冊、第10号「パウルス第6軍」は1000冊製造しましたが、両者ともまだ100冊以上残っています。

ということで、賛否両論あるかと思いますが、私はシックス・アングルズ製品で使っている地図やチャート、ユニットの現在の品質にたいへん満足しており、紙代を安くするために地図やチャート、ユニットにより安い(薄い)紙を使うといったことはやりたくないので、製品のクオリティを今までと同レベルに維持しつつ、現状では(出版事業としての)リスク回避を最優先するという今回の(あるいは臆病な)判断にご理解をいただければと思います。今回も、買って下さった方に100%満足していただけるような、中身のたっぷり詰まったパッケージに仕上げますので、よろしくお願いいたします。

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砲兵

こんにちは。発行部数削減はなんとなく残念ですが、無理をしたり見栄を張ったりして、事業が立ち行かなくなったら元も子もないですし、コンポーネントのクオリティが下がることの方が、ユーザーへの影響は大きいと思います。

「コスト削減でさらに客離れ」という話を、前に書かれていましたよね。それで言うなら、料理の品質や店員サービスの接客の質を下げるんじゃなくて、それらは今までどおりで値段も同じで、お店の営業時間を少し短縮するという方が、お客さんサイドから見れば、いちばんベターな対処法かも、と思いました(短縮を知らずにたまたま遅い時間に来た人がガッカリする可能性もなくはないですが)。

状況と自軍の能力を冷静に勘案した上で、長期持久を前提とした「一時的な戦線縮小」は、選択としてアリだとわたしは思います。
by 砲兵 (2009-06-01 12:19) 

Mas-Yamazaki

砲兵さま: コメントありがとうございます。今回の決定に際し、私は最終的に、シックス・アングルズ製品を今までずっと買ってきて下さった「常連のお客さん」(プレオーダーをいただいている方だけでなく、小売店で毎号買っていただいている方も含みます)を失望させるような選択肢は論外だとの判断から、商品の品質と価格を据え置きにする形での解決策をとることにしました。記事本文にも書きましたが、800冊から600冊に変更したからといって、すぐに大きな問題やお客さんの不満が生じるということはまずないと思います。

もちろん、いわゆる「出戻り組」の方や新規参入者への配慮についても、いろいろ考えました。しかし、シックス・アングルズの現在の発行形態では、ここに述べた全ての方々を均等に満足させることは不可能だと思われました。とりわけ、新規参入者の方については、いきなり小売価格6000円近いゲームに手を出すという展開を期待するのは非現実であると思われるので、田村さんの評論記事やDSSSM(松浦豊)さんの動画企画などを参考に、ネットを活用した別の形で(もちろん一式全て無料の形で)、中身の濃い企画を何かできないかとアイデアを暖めているところです。

いわゆる「出戻り組」の方については、なるべく「存在を知って戻ってきたけれどお目当てのゲームは売り切れていた」という状況にならないようにはしたいです。とはいえ、砲兵さんの喩え話に倣えば、来るか来ないかわからないお客さんのために、ずっと店を開けておくというのは、電気代やガス代をはじめコスト面での無理を重ねることになりますし、そのしわ寄せが「常連のお客さん」に及ぶことは何としてでも避けたいです。

シックス・アングルズが個人事業というのは、資金調達面では弱みですが、クオリティを維持するために発行ペースや発行規模を臨機応変に変えられるという、別の面では「強み」もあり、気温が下がれば「冬眠してやり過ごす」という形で生き延びることもできます。長期にわたってゲーム出版事業を続ける前提で、金銭面では無理せず、内容面でベストを尽くしていきたいと思いますので、今後とも、よろしくお願いします。
by Mas-Yamazaki (2009-06-03 16:49) 

Sgt_Sunders

ゲームルールにかかわることで恐縮ですが、ルール情報を公開することの宣伝効果を考えてこちらで質問させていただきます。

戦闘処理が対戦車射撃(=機甲ユニットへの攻撃)と強襲(=非機甲ユニットへの攻撃)に分かれているのが本ゲームの大きな特徴だと思います。
(1)そこで注目したのは対戦車射撃に生き残った防御側の機甲ユニットは続く強襲の戦闘結果の影響を一切受けないことです。これはとにかく対戦車射撃で防御側機甲ユニットを撃破しないと戦線突破を行うことができないスキムを意図しているということでしょうか。
(2)更に上記の防御効果のある機甲ユニットと強襲における戦闘力が高めの非機甲ユニットのスタックによる諸兵連合効果を単純なコラムシフトより具体的に表現したかったということでしょうか。

戦闘の後に移動フェイズをおいたことで「ターンとターンの間に継続性を持たせたかった」(CMJ11号掲載のデザイナーズノートより)そうですが、
(3)突破部隊が次の敵方の移動で補給切れの能力低下を被っては目指すゲームのダイナミズムが奪われるという考えもあって、いわゆる補給のルールが存在しないのでしょうか。

実際にプレイをしたことはないのですが、戦術色が濃く、戦闘>移動の手順、補給制限なし、のルールが相まって敵味方戦線相乱れての戦闘が繰り広げられるのではないかと想像しています。

by Sgt_Sunders (2009-06-04 00:26) 

Mas-Yamazaki

Sgt_Sundersさま: コメントありがとうございます。戦闘解決の処理方法を、目標が戦車である場合と歩兵である場合で分けた理由については、やはり装備戦車ごとの防御力(装甲の厚さや車体形状などを加味した装甲値)の違いといった要素を含めた「戦術色」を出したかったという理由が大きいです。そして、敵戦車部隊の撃破に失敗すれば、その戦車による支援を受けた敵歩兵部隊に対する突撃も、不利なものになります。

また、ご指摘の(2)に関しては、いわゆる作戦戦術級ゲームと同様、戦車という兵科の強みと弱みを表現するには、対歩兵の戦力を単純に強くするのではなく、装備戦車による装甲値によるコラム修正という間接的な方法にするのが良いと思われました。戦車連隊や戦車大隊単独では、敵歩兵に対してそれほどの優位を得られませんが、味方歩兵と協同で攻撃する策をとれば、単純な両ユニットの戦闘力合計だけではない、優越効果を得られるわけです。選択ルールの「ティーガー中隊」を使用して、史実と同様に北部の第6歩兵師団の各連隊にティーガー中隊を配属すれば、敵陣の突破に際して、この重戦車がどれほど威力を発揮したかを、双方のプレイヤーに実感していただけると思います。

ご指摘の(3)については、ゲーム全体で9日間と、補給の問題が作戦規模で影響を及ぼし始める前に戦いが終了する形にしているので、物理的な意味での補給ルールは割愛しました。ただ、損害チェック判定時に、敵に囲まれて孤立していると不利な修正を受けますし、ゲーム終了時に地理的な勝利得点を得る際にも、VPヘクスから自軍の地図端までの長さ無制限のヘクス列を設定可能でなくてはならないので、ドイツ軍は特に、戦線の形成を意識した形でユニットを進撃させる必要があります。

地図をご覧になればおわかりのとおり、このゲーム「ツィタデレ」は突出部の挟撃ではなく、史実の兵力展開状況におけるクルスク会戦の経過を、他の同テーマのゲームよりも詳しく表現しようというものです。従って、標準ルールではゲーム展開が固定化しがちなので、その部分をいかに解消して展開の多様性を確保し、買って下さった方に繰り返しプレイしていただけるゲームに仕上げるかという点に、エネルギーを注いでいるところです。

既に公開している以外にも、追加で選択ルールを用意する可能性もあります。今月は、大半をシックス・アングルズの仕事に費せる予定なので、石田さんとの対戦テストに加えて、一人での検証テストも繰り返し行い、ゲームの完成度を高めていきたいと思っています。
by Mas-Yamazaki (2009-06-06 00:25) 

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