2010年9月15日

ここ数日は、少し暑さも和らいで過ごしやすい気候になってきました。自治会の書類配布も、屋外の気温が30度以上だと気力と体力を激しく消耗して仕事に影響が出るため、環境への負荷を承知しつつも仕方なくクルマを使っていましたが、昨日は綺麗な秋の空を眺めながら、徒歩で町内を散歩がてら移動しました。

今週は、ハードカバー本の執筆をいったん休憩して、歴史群像次号の記事「ヴェルサイユ条約」の執筆に没頭しています。記事に出てくる地名（地点）の正確な位置関係と日本語での表記の妥当性を確認するため、今回も「グーグルマップ」でコンピエーニュの森とその周辺を「散策」してみましたが、現在「休戦協定」の記念碑が立っている場所は、鉄道線路から少し離れたところにあるようですね。「コンピエーニュ」と「コンピエーヌ」のどちらで表記するか、少し迷いましたが、今回は「コンピエーニュ」でいきます。

コンピエーニュとルトンドの間に広がる森。これを拡大すると…

第一次大戦の休戦協定の記念碑が。

こちらは衛星写真。真中の丸いものが記念碑の周囲、左下の斜めの直線（湾曲した道路の下）が、実際に休戦条約が調印された食堂車の停車していた鉄道線。

記念碑の周囲を拡大したところ。右上には、観光客用の駐車場が。

この「グーグルマップ」は、原稿執筆や地図制作の仕事では本当に重宝しています。複数のカタカナ表記がある地名について、どちらが妥当かを判断する材料にしたり、表記の統一を行ったり、最初から日本語で何と書くべきかわからない地名を確かめたりするのに、昔はわざわざ地図帳やガイドブックを何冊も買ったり図書館で借りたりしたものですが、今では衛星写真で周囲の地形（もちろん現代のものですが）を見て想像を膨らませたりできますし、特定の町と町の距離も画面上でかなり正確に確認できます。『ロンメル戦記』や『ポーランド電撃戦』に登場する地名も、「グーグルマップ」のおかげで位置関係などを完全に特定した上で書き進むことができました。グーグル様、ありがとうございます。

テキスト情報の検索と「グーグルマップ」に加えて、もう一つ私が「グーグル」さんのお世話になっているのは、休憩時間の気晴らしに、「グーグルアース」で思いついた町の衛星画像を呼び出して、撫でるように動かしながら軽くマウスをドラッグした後、モニタの中でゆっくりと動いて流れていく風景の画面をぼんやり眺めていること。こうすると、まるで偵察機で上空を飛んでいるような感じで、真上から見た風景を楽しむことができます。私は飛行機に乗る時でも、選べるなら窓側の席に座って、眼下の景色を見るのが好きですが、来年3月の自治会長の任期満了までは海外旅行はおろか、国内でも長期の旅行に行けない状況なので、このバーチャル偵察機からの眺望で我慢することにします。高度2000メートルくらいからの眺めが、私はいちばん気に入っています。

コメント 3

グーグル偵察機、気分はロンメルか、サンテグジュペリになってしまいました。
iPhoneでしかグーグルアースを使ったことがないのですが、地形を簡易な３D表示させるのも楽しいです。
あと、マップやアースに貼りつけられた何げないスナップ写真を見るのも想像力をかきたてられます。ゲームではオミットせざるを得ないものをあれこれ思うと、改めて新鮮な気持ちになるます。
by 雑木林 (2010-09-18 08:43) 

グーグルアースに、そういう遊び方があったとは知りませんでした。すごい時代になったもんですね～。

パリのセーヌ川を鳥（鳶･笑）になった気分で空から眺めてます。。。
by ダヴー (2010-09-19 21:54) 

雑木林さま、ダヴーさま：　コメントありがとうございます。こういう遊びを「楽しい」と思われる方には、とても親近感を覚えます（笑）。『歴史群像』の現編集長である池内さんからも、メールで同様のコメントがありました。拡大・縮小で意外なものが見えてくることもありますし、この途方も無い「おもちゃ」が実質無料というのは、本当にすごいと思います。

ところで、上の画像をよく見ると、実際に「休戦協定の記念碑」が立っているのは、吹き出しの指示している「サークル」ではなく、道路に面した（左上の）小さいスペースのようにも見えます。実際のところは、どうなんでしょうか。まぁ、こういう疑問を「現地に行って確かめる」のも、大事な旅の醍醐味なので、そういう曖昧な部分が残るのも悪くないのかもしれませんが。
by Mas-Yamazaki (2010-09-24 00:08)