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2011年4月8日 [その他(雑感・私生活など)]

今週は、月曜(4日)から木曜(7日)まで、横浜と東京に行ってきました。下の写真は、横浜ランドマークタワーから見た東京方向の風景。中央にうっすらとスカイツリー。

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初日は昼過ぎに横浜入りした後、桜木町で堀場亙さんとお会いし、ランドマークタワー69階の展望カフェで夕方まで歓談しました。その後は、前に15年越の『ホワイト・デス』をプレイした松谷健三さんも交えて中華街で会食。ゲームデザイン(思考的作業)とゲーム制作(物理的作業)の話題や戦史関連の話など、話題は尽きることなく楽しい時間を過ごせましたが、中華街そのものは店舗の半分くらい(印象です)がシャッターを下ろしており、観光客の姿もまばらで、なんとなく寂れた雰囲気でした。

火曜日は、朝に東京へ移動した後、まず恵比寿の東京都写真美術館で「芸術写真の精華」という展覧会を鑑賞しました。日本における写真の黎明期、カメラを用いた絵画的表現(ピクトリアリズム)の作品を集めた展覧会で、観客は(時間が早かったせいか)私を含めて3人くらいと少なく、個々の写真の世界にどっぷり入り込んで堪能できました。現代の人間が、フォトショップを使ってやっているような写真の加工を、当時の人は手作業でやっていたわけですが、新しい表現を模索する人たちの精神が作品から伝わってくるような気がして、非常に満足できました。

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(画像は公式ホームページより)

それから、神田で市川丈夫さん、浅野信二さんとお会いし、ロシア料理店で昼食を食べた後、千駄木というところにある珈琲専門店まで足を伸ばして、ゲームや歴史の話題で盛り上がりました。最近は、市川さんらがよくやられているツイッターでのゲーム関連の意見交換に、私も新入りとして混ぜてもらうことが時たまありますが、やはり直接お会いして話すと、考察や発見が広がったり深まったりする速度が早く、いろいろな面で刺激になりました。浅野さんとは、グラフィック作業の技術的な話もでき、さっそく当日いただいたご意見(ゲームマップの周囲に配置する図表類の入れ方など)を、現在制作中の『ウエストウォール』に反映させました。

夕方には、五反田の学研さんにお邪魔して、仕事の打ち合わせをした後、編集スタッフの皆さん+瀬戸利春さんと会食でした。学研さんの新しい社屋は、近代的な高層ビルですが、空調管理を前提とした窓が開かない設計であるとかで、夏の暑さにどう対処するかという問題を、かなり真剣に討議されているようです。

水曜日は、午前中は国立新美術館の「シュルレアリスム展」を2時間近くかけて観賞しました。中学生の頃に、心斎橋の大丸百貨店で開催されていた「ダリ展」を観て以来、シュルレアリスムの画集や資料類を買い集めてきましたが、今回の展覧会は作品も質量両面で充実している上、ブルトンの『シュルレアリスム宣言(マニフェスト)』の原書とかブルトン自筆の手紙など、博物館的な展示物も豊富でした。

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(画像は公式ホームページより)

そこに展示されていた作品のひとつ『二人の人物』(ジョルジオ・デ・キリコ)が、私にはどうも『二人のウォーゲーマー(シミュレーション・ゲーマー)』に見えてしまい、思わずポストカードを買ってしまいました(下の写真)。

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その後、某議員の政策秘書としてご活躍中のKEN先生と、赤坂で昼食をご一緒しました。政界の話や都知事選についての見通しなどの分析も興味深いものでしたが、当日は快晴に恵まれたこともあり、千鳥ケ淵戦没者墓苑で献花した後、一緒にお堀の桜を楽しみました。東京と埼玉に計8年住んでいましたが、東京でお花見をしたのはこれが初めてでした。

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それから、京王線で世田谷へと移動し、戦史研究分野の大先輩である廣田厚司さんのお宅にお邪魔しました。戦史の写真を蒐集され始めたきっかけや、海外の友人とのエピソードなど、興味深いお話をたくさんうかがうことができ、また仕事の進め方に関しても的確なアドバイスをいただきました。私もまだまだ山の麓を登り始めた段階ですが、尊敬するプロフェッショナルの方から直接助言や励ましの言葉をいただき、執筆意欲を大いに刺激されました。

この日の夜は、新宿でジャーナリストの坂本慎平さんと会食でした。9.11直後のグラウンド・ゼロや、世界各地の紛争地などを活発に取材されている方で、興味の対象が近いこともあり、共通言語である大阪弁で時間を忘れて話し込みました。特に、ガザやパレスチナでの取材にまつわる経験談などは、中東問題についての記事を書いている人間として、非常に興味深いものでした。

最終日の木曜は、渋谷で坂本雅之さんとお会いし、Bunkamuraで開催中の「フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」を観賞した後、いつものアイリッシュ・パブで昼食を食べました。フェルメールの「地理学者」は、今回初めて現物を観ましたが、光の表現がやはり素晴らしい。まるで絵の中に光源が隠されているようです。この1枚だけでも、展覧会を観に来た価値はあると思いました。

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(画像は公式ホームページより)

坂本雅之さんとは、以前の記事で触れた本の企画についても相談しましたが、私の意図しているところが完全に伝わっているという手応えがあり、ギネスとキルケニーをそれぞれ1.5パイントずつ飲みながら意見交換するうちに、勢いで「では共著でやりましょうか」という話になりました。方向性としては、NHKの「プロジェクトX」のようなイメージで、あくまでホビー業界内部の「男たちの群像劇」がメインテーマとなり、シミュレーション・ゲームそのものはあくまで脇の小道具的存在となります。従って、戦史にもシミュレーション・ゲームにも関心がない人が想定読者ですが、当時のブームを体験した人なら、メインの流れの一層下にあるレイヤーをも(ニヤニヤしながら)楽しめる形にしたいと考えています。

震災および発電所事故の発生以降、首都圏の状況については各種のルートで情報を得ていましたが、実際に横浜や東京の街を歩いてみると、駅のエスカレーターの大半が止まっていたり、通りを照らすネオンの看板が不自然に消えているなど、今までとは違う光景に戸惑いを覚えました。特に、横浜の元町あたりは想像以上に暗かったです。ただ、私自身はたくさんの人とお会いしてポジティブなエネルギーをいただき、また展覧会のすばらしい作品をたっぷり堪能して、充電完了という感じで東京を後にしました。

お忙しい中で私のために時間をとっていただいた皆様、本当にありがとうございました。次回の上京時もぜひ、よろしくお願いいたします。
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堀場

遅ればせながら、今回もどうもありがとうございました。
いつにもまして強行軍だったようで、その後体調などは大丈夫でしょうか。

山崎さんがお帰りになられてから、こちらでは再び大きめの地震が相次ぎました。地震もちょっと中休みの期間だったのかもしれません。

マップ製作上のアドバイス、本当にありがとうございました。
おかげさまで、少しづつ前進を再開しております。
現状はユニットのリスト化とラフマップの作成に取りかかったところです。

今回の制作が自分なりに上手く運べれば、今後のゲーム制作の弾みにもなる気がしています。

再びお会いするのはまだ先のことかもしれませんが、またの機会を楽しみにしております。

今回もありがとうございました。
by 堀場 (2011-04-14 23:04) 

Mas-Yamazaki

堀場さま: コメントありがとうございます。こちらこそ、楽しい時間を一緒に過ごすことができて嬉しく思います。東日本の地震は、本当に心理的に大変なストレスだろうと想像します。早く収束することを祈ります。

ゲームとマップのデザインについては、場数だけは(笑)踏んでいますので、お役に立てることでしたらまた何なりとご連絡ください。日本軍関係の新作ゲームも楽しみにしています。次回の上京時期はまだ未定ですが、可能ならYSGAさんの例会日程に合わせて、週末またぎのスケジュールを組もうと思っていますので、よろしくお願いします。
by Mas-Yamazaki (2011-04-16 00:05) 

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