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2011年5月25日 [その他(戦史研究関係)]

シックス・アングルズ別冊第7号『ウエストウォール』が、本日より店頭でも発売となりました。前号(第13号)の発売から、約2年のブランクが空いてしまったこともあり、もしかしたらお客さんが離れてしまったかも、という心配が少しありましたが、プレオーダーの方も件数で161件、冊数で179冊と、以前と変わらないレベルでご注文をいただきました。すでにお買い上げくださった皆様、ありがとうございます。まだの方々、よろしくお願いいたします。

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さて、今日私の家に、小包で2冊の本が届きました。中に入っていたのは、集英社さんより明日(5月26日)発売となる小説『慈しみの女神たち(上・下)』。ニューヨーク出身のジョナサン・リテルという人の著作で、2006年にフランスで発表された本書は、同国の二大文学賞を受賞したとのことですが、内容はドイツ親衛隊将校の回想という形式による、戦争の中での人間の実像を暴き出すという試みであるようです(私もこれから読むところなので、この程度しか今は書けません)。

私と同じく1967年生まれのリテル氏は、本書を執筆する前には人道支援のNGO組織の一員として、ボスニアやチェチェン、アフガニスタンなどで活動されたそうで、娯楽的な「歴史小説」とは異なる、類型化されがちな「戦場の実情」をより現実に近い形で描いた作品のようです。その一方で、当時のドイツ親衛隊の組織や主要な実在の人物にについての考証は綿密に行われているとの話で、独ソ戦のバービイ・ヤールやスターリングラード戦、ベルリン陥落なども舞台となっています。

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この本が私のところに届いたのは、収録されている地図のうちの一枚を、私が制作させていただいたからでした。以前に学研さんから出版されたムック『図説 スターリングラード攻防戦』用に作った地図をベースに(もちろん学研さんの許可をいただいた上で)、地名などをこの本の内容に即した形に直したものです。

世界31カ国で翻訳され、累計130万部が出版された話題作ですが、文量的にも大作で、大判サイズのハードカバーとして刊行された邦訳は、上巻が税込み4725円、下巻が同4200円と、手軽に買える価格帯でないのが残念なところです。とはいえ、私のブログをお読みの方の中には、この種の戦争文学・歴史文学に興味のある方も少なからずおられるかと思います。機会がありましたら、書店でぜひ手にとって内容をご覧ください。
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