2015年8月21日 [その他(戦史研究関係)]
8月11日から16日まで、仕事で沖縄へ行ってきました。今回は、その話題です。
沖縄行きのメインの用事は、沖縄の新聞『琉球新報』さん主催の「琉球フォーラム」での講演(8月12日)でした。講演のテーマは「戦後70年 戦史の実例から『軍と市民の関係』を問い直す」というもの。大勢の人前で話をする「講演」は、初めての経験でしたが、無事に私も「講演デビュー」しました。
講演の内容は、沖縄戦での市民の犠牲という事例を起点に、同じ第二次大戦の敗戦国であったフランス(1940)とドイツの事例や、戦前戦中の「国体」思想と人命軽視の関係、各国の憲法に示された軍と市民の関係、「国を守る」という言葉の多面性などでした。
翌日(13日)の『琉球新報』紙面で概要が紹介されたほか、8月15日の同紙社説でも内容の一部が取り上げられました。
「琉球フォーラム」は、地元沖縄の経済人や団体役員などの会員制行事ですが、主催者の琉球新報さんより「講演の内容を社内でも共有したい」とのお話があり、翌日は同社でも勉強会的な話をすることに。沖縄戦での市民の犠牲を生んだ「軍と市民の歪んだ関係」という構造は、今なお総括も除去もされておらず、現在進行中の安保政策の転換と合わせて考えると不安が残ります。
講演の翌日から最終日までは、レンタカーで沖縄戦の戦跡や慰霊碑、米軍基地周辺、そして琉球時代の城(グスク)の遺構などをまわりました。レンタカーを借りた初日は、車と道路の現地マナーに慣れるためと、都市部以外の風景を見るために、北部の古宇利島と今帰仁城跡まで遠出しました。サトウキビ畑の風景や、快晴の海の色がとても美しく、橋の近くで食べたタコライスも美味でした。4日間で498キロ走破しました。
沖縄に今も残る琉球時代のグスク遺構は、写真だと「ただの石垣」ですが、スケールがでかいので、現地は見応えありました。最終日には、勝連城跡や中城城跡にも行きましたが、今帰仁城跡はそれらと違って周囲に家などの建物がないので、琉球時代の様子を想像しやすい。南米のインカ帝国系遺跡とも似ています。
電子書籍『沖縄県民と沖縄戦』でも触れた、鉄血勤皇隊や女子学生の看護隊の慰霊碑の前に立つと、あの悲劇はこの美しい場所で現実に起こった出来事だと無情に思い知らされます。ひめゆり平和記念資料館や対馬丸記念館の展示も、とても重い内容でした。
「琉球フォーラム」の講演を終えて会場で名刺交換をしていた時、一中鉄血勤皇隊の隊員だったという方が「いい講演でした」と言って下さり、握手しながら、ありがたいと思いました。
沖縄を訪れたのは、今回が初めてでしたが、6日間たっぷり使って様々な情報を吸収してきました。琉球史にも興味が沸いてきたので、何冊か現地の歴史書を買ってきました。今回の旅行で、沖縄との距離がぐっと縮まった感じで、頃合いを見てまた再訪したいと思っています。
【おまけ】
沖縄であちこち動き回っている途中の休憩で、一番ありがたかったのがこれ。黒糖ぜんざい。黒糖で煮たあずき(白玉団子入り)にかき氷が乗っています。混ぜて口に入れると、脳みそと身体の両方が喜ぶ感じで、一気に疲労感が取れました。滞在中、4回食べました。
沖縄行きのメインの用事は、沖縄の新聞『琉球新報』さん主催の「琉球フォーラム」での講演(8月12日)でした。講演のテーマは「戦後70年 戦史の実例から『軍と市民の関係』を問い直す」というもの。大勢の人前で話をする「講演」は、初めての経験でしたが、無事に私も「講演デビュー」しました。
講演の内容は、沖縄戦での市民の犠牲という事例を起点に、同じ第二次大戦の敗戦国であったフランス(1940)とドイツの事例や、戦前戦中の「国体」思想と人命軽視の関係、各国の憲法に示された軍と市民の関係、「国を守る」という言葉の多面性などでした。
翌日(13日)の『琉球新報』紙面で概要が紹介されたほか、8月15日の同紙社説でも内容の一部が取り上げられました。
「琉球フォーラム」は、地元沖縄の経済人や団体役員などの会員制行事ですが、主催者の琉球新報さんより「講演の内容を社内でも共有したい」とのお話があり、翌日は同社でも勉強会的な話をすることに。沖縄戦での市民の犠牲を生んだ「軍と市民の歪んだ関係」という構造は、今なお総括も除去もされておらず、現在進行中の安保政策の転換と合わせて考えると不安が残ります。
講演の翌日から最終日までは、レンタカーで沖縄戦の戦跡や慰霊碑、米軍基地周辺、そして琉球時代の城(グスク)の遺構などをまわりました。レンタカーを借りた初日は、車と道路の現地マナーに慣れるためと、都市部以外の風景を見るために、北部の古宇利島と今帰仁城跡まで遠出しました。サトウキビ畑の風景や、快晴の海の色がとても美しく、橋の近くで食べたタコライスも美味でした。4日間で498キロ走破しました。
沖縄に今も残る琉球時代のグスク遺構は、写真だと「ただの石垣」ですが、スケールがでかいので、現地は見応えありました。最終日には、勝連城跡や中城城跡にも行きましたが、今帰仁城跡はそれらと違って周囲に家などの建物がないので、琉球時代の様子を想像しやすい。南米のインカ帝国系遺跡とも似ています。
電子書籍『沖縄県民と沖縄戦』でも触れた、鉄血勤皇隊や女子学生の看護隊の慰霊碑の前に立つと、あの悲劇はこの美しい場所で現実に起こった出来事だと無情に思い知らされます。ひめゆり平和記念資料館や対馬丸記念館の展示も、とても重い内容でした。
「琉球フォーラム」の講演を終えて会場で名刺交換をしていた時、一中鉄血勤皇隊の隊員だったという方が「いい講演でした」と言って下さり、握手しながら、ありがたいと思いました。
沖縄を訪れたのは、今回が初めてでしたが、6日間たっぷり使って様々な情報を吸収してきました。琉球史にも興味が沸いてきたので、何冊か現地の歴史書を買ってきました。今回の旅行で、沖縄との距離がぐっと縮まった感じで、頃合いを見てまた再訪したいと思っています。
【おまけ】
沖縄であちこち動き回っている途中の休憩で、一番ありがたかったのがこれ。黒糖ぜんざい。黒糖で煮たあずき(白玉団子入り)にかき氷が乗っています。混ぜて口に入れると、脳みそと身体の両方が喜ぶ感じで、一気に疲労感が取れました。滞在中、4回食べました。
2015-08-21 02:28
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