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2006年11月22日 [戦略級 日露戦争]

シックス・アングルズ別冊第5号「戦略級 日露戦争」の日本版ルールが
ようやく出来上がりました。基本ルールと海戦ルール、陸戦ルールの3部
を合わせて16ページという手頃な文量です。もう少しルール検証のプレイ
を続けるのに加えて、日本版改訂ルール(所属ルールを簡略化したもの
など)、歴史的側面をさらに追求するためのバリアント(日露戦争に造詣の
深い瀬戸利春氏との共同制作)、そして旅順~開原のエリアのみをカバー
したA3判ミニマップでプレイできる陸戦ミニゲームの製作などが残っている
ので、年内の発売はほぼ無理な状況となりました。年明けの1月中旬
発売を目標に、各種の製作作業を慎重に進めていくつもりです。

あと、表紙のデザインを少し修正しました。28センチ砲の砲身って、
おそろしく分厚い…。


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2006年11月17日 [戦略級 日露戦争]

昨日、瀬戸利春さんに送るための「日露戦争」のユニットを作成しながら、
ふと「ゲームのタイトル(商品名)を変えようか」と思い立ちました。
これまで「日露戦争: 皇国の興廃」というタイトルで作業を進めてきました
が、いまひとつスッキリしない部分が心の中に残っていたからです。

過去の「レトロスペクティブ」シリーズの日本語版タイトルはすべて、ゲーム
の内容がストレートに伝わるよう、変にひねったりせず直球勝負の題名を
つけるようにしてきました(「スターリングラード攻略」と「クルスク大戦車戦」
は既に定着している邦題を踏襲しましたが、「バルジの戦い」と「砂漠の
キツネ」はこちらで新たに付けました)。その流れで見ると、「日露戦争:
皇国の興廃」という題名は、やや判りにくいような気がしていました。

ご存知の方も多いかと思いますが、「皇国の興廃」というのは東郷平八郎
の有名な言葉「皇国の興廃、この一戦に在り」からいただいたものですが、
後半部分を切ってしまったので、意味が不明になってしまっています。
最初は「坂の上の雲」を拝借しようかとも思っていましたが、司馬財団は
そのあたりの権利関係に厳しいそうで、あきらめざるを得ませんでした。

今回の「Red Sun Rising」の特徴は、従来の日露戦争ゲームでは無視
されていた「戦略レベルでの諸問題(ウラジオストク方面への上陸作戦
の可能性や、戦費調達のための陸戦での勝利、日本の本土から大陸
への兵力輸送など)」をきちんとゲームに織り込んでいるという点にあり
ます。なので、そういった特徴が伝わるようなゲームタイトルということで、
「戦略級 日露戦争」という名前に変更することにしました。「戦略級~」
という言い方は、GJさんがよく使われているスタイルですが、今回の
名称変更でGJさんの利益を損なうことはないと思いますし、良い部分は
(発案者に敬意を払いつつ、先方の権利を侵害しない範囲で)国内・海外
を問わず(また業種や分野を問わず)積極的に真似したりアレンジして
良い製品づくりに役立てていきたいと思っています。GJ様、ネーミング
スタイルを「真似」てしまいましたが、お許しいただければ幸いです。


2006年10月16日 [戦略級 日露戦争]

昨日の日曜、石田さんと「日露戦争: 皇国の興廃」ルール検証プレイを
私の自宅で行いました。ある程度は予想していたことですが、SPI版の
ルールでは説明されていない部分がいろいろ見つかり、日本版ルール
で補足することになりました。これは、ルール原文の主旨を尊重する形
での「補足と明確化」で、別途用意する「日本版改訂ルール」とは異なり
ます。ただ、ゲーム展開そのものは、今までの日露戦争ゲームでは味わ
えなかった種類の醍醐味を味わえたので、大いに盛り上がりました。

特に、日本軍プレイヤーの立場はまさに当時の日本政府指導部と軍の
最高首脳部であり、わずかな商船隊をフル稼働させて本土から兵員を
大陸に運んでいく様は、明治時代の日本が直面していた地政学的な
立場の弱さを実感させてくれました。もし朝鮮半島がロシアの支配下に
入り、釜山港にロシア艦隊が展開すれば、日本の「商船活動」はもはや
ロシアの承諾なしには行えなくなっていたことでしょう。なぜ、日本政府
は大国ロシアに大して、無謀ともいえる戦争を挑んだのか。このゲーム
をプレイすれば、その理由が感覚的に理解できるような気がします。


マップ全景。遠近法で大きさの感覚がつかめないかもしれませんが、
手前の海戦ディスプレイはハーフサイズ、奥のマップはフルサイズです。


開戦直後の日本列島。黒木将軍と共に、第一陣がこれから船で大陸へ
と出陣します。第1と第2艦隊は、東郷・上村提督と共にヘクス24にいます。


日本軍第1艦隊とロシア軍旅順艦隊による、旅順沖海戦のようす。
三笠には東郷平八郎、ペトロパヴロフスクにはスタルク提督が座乗して
います。ちなみに、この日のプレイでは、双方とも積極的に海戦を行う
展開となったため、第一次旅順沖海戦ではペトロパヴロフスクが撃沈され
てスタルク提督が死亡、第ニ次旅順沖海戦では後任のマカロフ提督が
旗艦セヴァストポリもろとも撃沈されて死亡、第三次旅順沖海戦では
ヴィトゲフト提督の乗るレトヴィザンが三笠に直撃弾を浴びせ、艦は損傷
だけで済んだものの、艦橋を砲弾が直撃したため東郷提督が戦死する
という凄まじい展開となりました(しかも陸上ではまだ一発も撃たれてい
ない序盤の段階で)。


陸上作戦のようす。日本軍の補給線は、沿岸ヘクスに置かれた商船隊
ユニットから3移動力、またはその位置にいる直属司令部からさらに
3移動力の範囲で設定されます。ただし、移動コストは荒地(黄緑色)
が標準の1で、平地は2分の1、道路沿いだと3分の1移動力なので、
そこそこ内陸での作戦も行えます。ロシア軍は、地図北端に通じている
鉄道線から3移動力の補給線を設定でき、さらに旅順とウラジオストク
は蓄積している補給ポイントを1使うごとに1ターン限定の補給源として
機能します。そのため、日本軍は早期に騎兵を進出させて東支鉄道
を遮断し、地図北端から旅順への補給ポイント輸送を阻止しなくては
なりません。


2006年10月13日 [戦略級 日露戦争]

シックス・アングルズ別冊第5号「日露戦争: 皇国の興廃」の海戦ディス
プレイ(または水上戦ディスプレイ)が、ようやく出来上がりました。

オリジナルのSPI版では、黒と青の2色刷りで紙のサイズも変形という
あまり見栄えのしない(使い勝手もよくない)チャートでしたが、日本版では
フルカラーのA2サイズ(ハーフマップ)で、背景には海の模様を敷いてみま
した。中央のボックスが「砲撃戦ディスプレイ」で、ここに対面で並べた戦艦
や巡洋艦を1隻ずつ、バコンバコンと撃ち合いさせます。


海戦戦闘結果表。非常にシンプルです。


提督の死傷判定表。旗艦(戦列艦ボックスの1番に配置された艦)が
損傷すれば、艦隊司令官の提督が負傷または戦死して、艦隊士気値に
影響を及ぼす可能性があります。


艦隊艦距離の表示欄。このゲームでは、砲撃距離が重視されています。


艦隊運動表。このゲームでは、艦隊運動とは敵艦隊との距離を任意で
コントロールする試みを指します。史実の日本海海戦では、日本側が
距離を狭めると、ロシア側が距離を開き、並行した形で砲撃戦が展開
しました(同航戦)。


天候と艦隊士気値の表示欄。天候は「晴天」「霧」「嵐」の3種類あり、
海戦中は砲撃戦に影響を及ぼします。


日本軍の海上封鎖とそれに伴う損失を判定する表。史実では、戦艦2隻
(初瀬と八島)と巡洋艦1隻(吉野)を旅順港封鎖中に失っています。

次の日曜日に、石田さんとルール検証プレイを行う予定ですので、それ
が終わったら、写真入りのリポートを公開します。お楽しみに。


2006年10月3日 [戦略級 日露戦争]

シックス・アングルズ別冊第5号「日露戦争: 皇国の興廃」の地図がほぼ
完成しました。今回は、この地図を見ながら、ゲームの基本コンセプトを
ご紹介します。


これがマップの全景です。上下の余白にあるのは、陸上ユニットの所属を
示すための「編成ボックス」です。右下の「戦略海域地図」の上にあるのは、
各艦隊に所属する艦艇ユニットを置くための「艦隊編成ボックス」です。
水上戦が発生した時以外は、このフルマップ1枚のスペースでプレイでき
るように、各種のトラックやディスプレイを余白の部分に押し込みました。

ゲームの開始時には、日本陸軍ユニットは全て「戦略海域地図」の日本
本土のヘクスに配置され、日本海軍の艦艇は、第1(東郷)と第2(上村)
の2個艦隊に編成された上で「戦略海域地図」の対馬/佐世保のヘクス
に配置されます。一方のロシア軍は、動員途中(戦力半減状態)の東シ
ベリア狙撃兵師団と少数の騎兵旅団が旅順とウラジオストク、そして数
箇所の拠点に配置され、旅順艦隊とウラジオストク艦隊はそれぞれの
港湾に配置されます。

【史実における日本軍の基本戦略】 ※4、5は実現せず

1. 朝鮮に上陸後、半島を制圧し、本格的な進出準備
2. 満州南部のロシア軍との決戦
3. 旅順および奉天への進出
4. 羅津への上陸(ウスリー支作戦)
5. ウラジオストク港の攻略と同港艦隊の撃滅

このゲームにおける日本軍プレイヤーは、日露戦争をどのように戦うかと
いう基本戦略をまず立案した上で、商船隊を用いて本土から1つずつ師団
や旅団を大陸に運び、満州一帯に展開するロシア軍に対して大小の会戦
を挑んでいきます。会戦に勝利すれば、外国からの戦費調達がはかどり、
陸上部隊を運ぶための商船隊ユニットをより多く受け取ることができます。
このように、本ゲームは史実の「奉天会戦」や「遼陽会戦」あるいは「旅順
攻略戦」を個別に再現することではなく、日露戦争の「全体像」を、当時の
日露双方の直面していた戦略レベルでの諸問題と絡めてゲーム化した、
本格派の戦略級ゲームです。会戦の勝利→戦費調達→商船隊の増加
→大陸派遣陸軍の増強→更なる会戦の勝利という具合に、日本軍は
ロシア軍に対する個々の会戦での勝利を、戦争全体の戦略的な優位へ
と結びつけていかなくてはなりません。

【史実におけるロシア軍の基本戦略】

6. 予想される日本軍の進撃
7. ロシア極東野戦軍主力による大反撃
8. 南ウスリー支隊による日本軍側面への牽制

日本軍がウラジオストク方面へと上陸できる日露戦争ゲームというのは、
私の知るかぎりこの作品だけですが、当時の日露戦争における戦略的な
選択肢を考えれば、この方面で何らかの会戦が発生する「余地」をゲーム
に含めることは、きわめて自然であるように思えます(東部戦線の戦略級
ゲームで、ゴーリキーやバクーが地図に含まれているのと同じです)。
史実では、旅順攻略に時間と人員を費やしたため、ウスリー支作戦は
実行されずに終わりましたが、情勢次第では、こちらに日本陸軍が進出
した可能性も存在したからです。

ちなみに、ここに紹介した「作戦地図(欄外に「戦略海域地図」を含む)」
のほか、水上戦の解決に使用するハーフサイズ(A2)の「水上戦ディス
プレイ」が、フルカラーで用意されています(作戦地図と同じ海の背景に
各種のボックスやトラックが配列されているだけですが)。


2006年9月30日 [戦略級 日露戦争]

日中は暑いくらいの気温ですが、気がつくと9月も今日で終わりです。
最近は、時間が経つのが早くて、する予定だったことがなかなか終わら
ないこともしばしばです。時間の使い方がヘタなのか、それとも自分の
能力以上のことをやろうとしているのか…。いずれにせよ、自分で決めた
仕事は、納得のいくまで時間と労力を費やして仕上げる方針は堅持する
つもりです。

さて、最近は「モスクワ攻防戦」と「奉天会戦」の話題に押され気味ですが、
「日露戦争:皇国の興廃」の製作作業も順調に進んでいます。今日は、
以前に予告したままになっていた、ロシア軍のユニットを少しご紹介します。


ロシア陸軍のユニット。東シベリア(ES)狙撃兵師団など少数のユニットを
除き、大部分のユニットは増援としてゲームに登場します。


ロシア陸軍の指揮官ユニット。旅順要塞の司令官は、ステッセルとスミル
ノフの2人がいますが、彼らはアレクセーエフ→クロパトキンのように途中
で「交代」するのではなく、2人が旅順で指揮権を争っていて、ターンごと
にサイコロを振って1~5ならステッセル、6なら(やや有能な)スミルノフが
指揮を執るという、史実を再現したマニアックなルールになっています。


ロシア海軍の提督ユニット。マカロフ提督は、やはり有能です。ロジェスト
ヴェンスキーは、名前が長すぎるのでユニット化には苦労します…。


ご参考までに、日本陸軍の指揮官と海軍提督の一覧です。アメリカ人の
下した能力評価ですが、それなりに納得できる数値ではあります。


新しく作り直した商船隊のユニットです。以前、コメントを付けてくださった
mpv4228さんが送ってくださった資料を元に、シルエットを変更しました。
どうもありがとうございました。


2006年9月12日 [戦略級 日露戦争]

シックス・アングルズ別冊第5弾「日露戦争: 皇国の興廃」の表紙が
ようやく出来てきました。写真の細かい手直しや文字色の変更などは
あるかもしれませんが、だいたいこんな感じでいきます。

ゲームの方は、別冊第2弾「バルジの戦い」と同様、基本システムは
素っ気ないほどシンプルですが、これだけだと寂しいと思う方も多い
(日露戦争に思い入れのある日本人ゲーマーは多いでしょうから)
と思いますので、「バルジの戦い」と同様、史的な再現性を高めるため
の選択ルールとバリアント設定をいろいろ付け加えたいと考えています。
幸い、日露戦争に造詣の深い瀬戸利春氏が全面協力してくれるので
日露戦争マニアの人にもそれなりに納得していただけるものに仕上げる
よう頑張ります。


2006年8月22日 [戦略級 日露戦争]

今日の画像は別冊第5号「日露戦争: 皇国の興廃」の艦艇ユニットです。

左上の数値は攻撃力、左下は防御力で、真ん中の記号は艦種(Bは戦艦、
Cは巡洋艦など)です。表面は通常状態、裏面は行動不能状態です。

このところ体調があまり良くありませんが(夏の暑さのせいでしょうか)、
仕事の方は無理せず着実に進めていきます。


2006年8月15日 [戦略級 日露戦争]

シックス・アングルズ別冊第5号「日露戦争: 皇国の興廃」のユニット見本
です。ここに示したのはいずれも日本軍で、上の戦闘ユニットの数値は
左が戦闘力、中央が指揮統制値、右が許容移動力です。左下は陸軍の
司令部で、指揮統制値と許容移動力の2つが示されています。下の中央
は海軍の提督ですが、指揮統制値のみが印刷されます。

陸軍のユニットは、活性化しないと行動できません。活性化するためには
ユニットごとにサイコロを1個振り、自身の指揮統制値と、所属する司令部
の指揮統制値の合計以下でなくてはなりません。司令部の指揮範囲外に
いるユニットは、自身の指揮統制値だけで判定されてしまいます。日本軍
は、歩兵師団が13個と後備旅団が13個、騎兵旅団2個、砲兵旅団2個、
それに攻城砲連隊が7個の計37個ですが、大山、黒木、奥は指揮統制値
が4なので、サイコロを振らなくても活性化できる場合がけっこうあります。
攻城砲(28サンチ砲)は、ユニット固有の指揮統制値がゼロなので、司令
部の指揮範囲内にいないと活性化できません。ちなみに、野津と川村は
指揮統制値が3で、指揮統制値2の陸軍司令部は日本軍では乃木1人
だけです。ロシア軍のユニットについては、後日ご紹介します。


2006年8月11日 [戦略級 日露戦争]

シックス・アングルズ別冊第5号「日露戦争: 皇国の興廃」の製作報告
です。今回は、ゲームマップの見本画像を何点かご紹介します。


マップ全体図。フルサイズ・マップに、陸戦用のメインマップと海上作戦
(および日本本土から大陸への兵力輸送管理)用の「戦略海域マップ」
が収録されます(右下の部分)。上下の余白部分には、日露両軍の
「アサインメント・チャート(ユニットの所属を示すボックス)」が入り、
ブルーの余白部分にはチャート類を入れる予定です(どのチャートをここ
に入れるかはまだ検討中)。


遼東半島の拡大図。地名は英文と漢字の両方で入れていますが、
SPI原版にある英文表記に対応する漢字表記を地図帳などから探し
出すのがけっこう面倒なので、作業は後回しになっています。


旅順と大連周辺をさらに拡大したもの。旅順は「要塞」扱いです。


「戦略海域マップ」の拡大図。日本軍の初期配置は、日本本土のヘクス
に置かれ、そこから随時輸送船で大陸へと運ばれます。


「戦略海域マップ」をさらに拡大したもの。ゲーム終盤には、南端から
バルチック艦隊が登場し、このマップのどこかで「皇国の興廃」を決する
一大海戦が発生します。

史実の日露戦争では、第3軍が203高地の攻略に手間取ったことなど
の理由から、地上戦の戦場は旅順~奉天に限られていましたが、当時
の日本軍司令部では、遼東半島とウスリー川方面(ウラジオストク方面)
にそれぞれ部隊を上陸させて、満州のロシア軍を挟撃するという計画を
立案していました。この「日露戦争: 皇国の興廃」は、その計画案を実際
にマップ上で検証できるようになっており、エポック社の名作「日露戦争」
とは違った角度からこの戦争を捉えることができると思います。


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