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2011年4月28日 [その他(雑感・私生活など)]

昨日、タイ方面から無事に戻りました。カンチャナブリー(映画『戦場に架ける橋』の舞台となった、クウェー川の畔)とアユタヤー、そしてバンコクで、連日いろんなところを見学して充実した一週間を過ごせました。

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今ではすっかり観光名所となっている、クウェー川(クワイ川)鉄橋。二度目に架けられた鉄橋は、コンクリートの橋脚とアーチ型の部分は第二次大戦当時のオリジナル(一部補修)。台形の部分は戦争中に連合軍機の爆撃で破壊されたが、戦後に某日本企業が再建した箇所。橋脚には、その爆撃で生じた弾痕を塞いだ跡が生々しく残っている。橋の上は、一日に数回列車が徐行しながら渡る時以外は、自由に徒歩で歩き回れる。

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カンチャナブリー市内の街路表示板は、すべて魚の形をしている。公民館など、市のあちこちには魚をかたどったモニュメントがあり、当然市場では川で採れた魚が豊富に売られている。

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古都アユタヤーの遺跡群。静かで落ち着いた雰囲気。

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首都バンコクの風景。一番上の宮殿のような建物は、タイ国防省。二番目はタイ外務省。三番目はワット・ポーのチェディ。喧しいバンコクの中で、ワット・ポーの本堂は別世界のような静寂の空間。

帰国してメールボックスをチェックすると、『ウエストウォール』のプレオーダーの申し込みがたくさん来ていて、仕事の意欲を大いにかき立てられました。中には、宮城県など東北からのご注文もあり、本当にありがたく思いました。物流事情が判然としないので、東北各県からのプレオーダーは、一冊でも(輸送途中の状況を確認できるよう)宅急便でお送りします。

今日からは『ウエストウォール』の最終仕上げ作業に取りかかっています。興味のある方、プレオーダーの申し込みをいただいた方は、ぜひ楽しみにしていてください。
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2011年4月8日 [その他(雑感・私生活など)]

今週は、月曜(4日)から木曜(7日)まで、横浜と東京に行ってきました。下の写真は、横浜ランドマークタワーから見た東京方向の風景。中央にうっすらとスカイツリー。

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初日は昼過ぎに横浜入りした後、桜木町で堀場亙さんとお会いし、ランドマークタワー69階の展望カフェで夕方まで歓談しました。その後は、前に15年越の『ホワイト・デス』をプレイした松谷健三さんも交えて中華街で会食。ゲームデザイン(思考的作業)とゲーム制作(物理的作業)の話題や戦史関連の話など、話題は尽きることなく楽しい時間を過ごせましたが、中華街そのものは店舗の半分くらい(印象です)がシャッターを下ろしており、観光客の姿もまばらで、なんとなく寂れた雰囲気でした。

火曜日は、朝に東京へ移動した後、まず恵比寿の東京都写真美術館で「芸術写真の精華」という展覧会を鑑賞しました。日本における写真の黎明期、カメラを用いた絵画的表現(ピクトリアリズム)の作品を集めた展覧会で、観客は(時間が早かったせいか)私を含めて3人くらいと少なく、個々の写真の世界にどっぷり入り込んで堪能できました。現代の人間が、フォトショップを使ってやっているような写真の加工を、当時の人は手作業でやっていたわけですが、新しい表現を模索する人たちの精神が作品から伝わってくるような気がして、非常に満足できました。

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(画像は公式ホームページより)

それから、神田で市川丈夫さん、浅野信二さんとお会いし、ロシア料理店で昼食を食べた後、千駄木というところにある珈琲専門店まで足を伸ばして、ゲームや歴史の話題で盛り上がりました。最近は、市川さんらがよくやられているツイッターでのゲーム関連の意見交換に、私も新入りとして混ぜてもらうことが時たまありますが、やはり直接お会いして話すと、考察や発見が広がったり深まったりする速度が早く、いろいろな面で刺激になりました。浅野さんとは、グラフィック作業の技術的な話もでき、さっそく当日いただいたご意見(ゲームマップの周囲に配置する図表類の入れ方など)を、現在制作中の『ウエストウォール』に反映させました。

夕方には、五反田の学研さんにお邪魔して、仕事の打ち合わせをした後、編集スタッフの皆さん+瀬戸利春さんと会食でした。学研さんの新しい社屋は、近代的な高層ビルですが、空調管理を前提とした窓が開かない設計であるとかで、夏の暑さにどう対処するかという問題を、かなり真剣に討議されているようです。

水曜日は、午前中は国立新美術館の「シュルレアリスム展」を2時間近くかけて観賞しました。中学生の頃に、心斎橋の大丸百貨店で開催されていた「ダリ展」を観て以来、シュルレアリスムの画集や資料類を買い集めてきましたが、今回の展覧会は作品も質量両面で充実している上、ブルトンの『シュルレアリスム宣言(マニフェスト)』の原書とかブルトン自筆の手紙など、博物館的な展示物も豊富でした。

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(画像は公式ホームページより)

そこに展示されていた作品のひとつ『二人の人物』(ジョルジオ・デ・キリコ)が、私にはどうも『二人のウォーゲーマー(シミュレーション・ゲーマー)』に見えてしまい、思わずポストカードを買ってしまいました(下の写真)。

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その後、某議員の政策秘書としてご活躍中のKEN先生と、赤坂で昼食をご一緒しました。政界の話や都知事選についての見通しなどの分析も興味深いものでしたが、当日は快晴に恵まれたこともあり、千鳥ケ淵戦没者墓苑で献花した後、一緒にお堀の桜を楽しみました。東京と埼玉に計8年住んでいましたが、東京でお花見をしたのはこれが初めてでした。

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それから、京王線で世田谷へと移動し、戦史研究分野の大先輩である廣田厚司さんのお宅にお邪魔しました。戦史の写真を蒐集され始めたきっかけや、海外の友人とのエピソードなど、興味深いお話をたくさんうかがうことができ、また仕事の進め方に関しても的確なアドバイスをいただきました。私もまだまだ山の麓を登り始めた段階ですが、尊敬するプロフェッショナルの方から直接助言や励ましの言葉をいただき、執筆意欲を大いに刺激されました。

この日の夜は、新宿でジャーナリストの坂本慎平さんと会食でした。9.11直後のグラウンド・ゼロや、世界各地の紛争地などを活発に取材されている方で、興味の対象が近いこともあり、共通言語である大阪弁で時間を忘れて話し込みました。特に、ガザやパレスチナでの取材にまつわる経験談などは、中東問題についての記事を書いている人間として、非常に興味深いものでした。

最終日の木曜は、渋谷で坂本雅之さんとお会いし、Bunkamuraで開催中の「フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」を観賞した後、いつものアイリッシュ・パブで昼食を食べました。フェルメールの「地理学者」は、今回初めて現物を観ましたが、光の表現がやはり素晴らしい。まるで絵の中に光源が隠されているようです。この1枚だけでも、展覧会を観に来た価値はあると思いました。

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(画像は公式ホームページより)

坂本雅之さんとは、以前の記事で触れた本の企画についても相談しましたが、私の意図しているところが完全に伝わっているという手応えがあり、ギネスとキルケニーをそれぞれ1.5パイントずつ飲みながら意見交換するうちに、勢いで「では共著でやりましょうか」という話になりました。方向性としては、NHKの「プロジェクトX」のようなイメージで、あくまでホビー業界内部の「男たちの群像劇」がメインテーマとなり、シミュレーション・ゲームそのものはあくまで脇の小道具的存在となります。従って、戦史にもシミュレーション・ゲームにも関心がない人が想定読者ですが、当時のブームを体験した人なら、メインの流れの一層下にあるレイヤーをも(ニヤニヤしながら)楽しめる形にしたいと考えています。

震災および発電所事故の発生以降、首都圏の状況については各種のルートで情報を得ていましたが、実際に横浜や東京の街を歩いてみると、駅のエスカレーターの大半が止まっていたり、通りを照らすネオンの看板が不自然に消えているなど、今までとは違う光景に戸惑いを覚えました。特に、横浜の元町あたりは想像以上に暗かったです。ただ、私自身はたくさんの人とお会いしてポジティブなエネルギーをいただき、また展覧会のすばらしい作品をたっぷり堪能して、充電完了という感じで東京を後にしました。

お忙しい中で私のために時間をとっていただいた皆様、本当にありがとうございました。次回の上京時もぜひ、よろしくお願いいたします。
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2011年3月1日 [その他(雑感・私生活など)]

フェイスブック」に続いて、先週土曜日からは「ツイッター」というのも始めてみました。

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http://twitter.com/mas__yamazaki
アンダーバー(_)は、1つではなく2つです。

自分でやってみるまでは、ブログとの違いがよくわからず、書きたいことを書く場所としてはこっちがあるからいいか、と思っていましたが、始めてみると両者の違いがよくわかりました。

ツイッターは、コネクタをUSBポートに挿すように特定の対象をフォローしておくと、そこで発信された情報が液体のようにどんどん流れ込んでくるので、いちいち個別のサイトを見に行く手間が省ける。自分の関心のある対象のタイムラインを観に行くと、その人が関心をもっている対象の発信情報があって、予想もしなかった情報に出会える。面白いと思った他の人の発言を、簡単に他の人にも教えられる。などなど、すいません、私以外は皆さん、とうの昔に知っておられることばかりですね(笑)。

フェイスブックは、完全に「海外の知り合い(および日本を空けることの多い? 日本人)向け」と割り切って活動していますが、個別にメールのやりとりをするのとは異なり、自分の書き込みを他の友人が見ていたり(その逆も同様)、友人が普段どんなことに興味を持っているのか知ることができたりして、なかなか楽しいです。2001年の9.11事件を境に、オリジンズへの参加も止めてしまったので、もう10年近くも音信普通だったゲーム業界の友人とも、すぐに連絡が回復して、メッセージの交換による情報収集も簡単に行えるようになりました。

どちらもまだ始めたばかりですが、自分にとって心地いいペースで、続けてみようと思います。
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2010年12月31日 [その他(雑感・私生活など)]

いよいよ2010年もあと30分ほどで終わりです。私にとっては、今年は仕事や趣味以外のことに多くの時間を費やすことが多かったのですが、いろんな意味で良い社会勉強になったと思います。

フリーランスの仕事は、出版社や印刷所とのやりとり、友人や親戚との交流などを除けば、ふだんの生活ではカプセルにこもるような形で業務に没頭する日々が続きますが、自治会の仕事では本当に多くの人と出会い、いろいろ相談に乗っていただき、楽しい経験を積むことができました。仕事・自治会・交友関係など、各方面でお世話になった皆様方、本当にありがとうございました。

さて、年末はいつもフジテレビジョンのF1総集編という番組を楽しみにしていたのですが、今年は遂に、地上波での放送が無くなってしまいました。H社とT社という大手自動車メーカーが撤退し、タイヤ供給を担ったBS社も今年で撤退ということで、おそらくスポンサーを見つけられなかったのだろうと想像します。最盛期には、5時間近くに達したこともある番組でしたが、近年は2時間を切る程度にまで短縮され、やがてこういう日が来るだろうとは思っていました。

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ということで、個人的に思い入れのある2010年シーズンは、初めて 『F1総集編』 の公式DVDを購入して昨晩と今日の昼に続けて鑑賞し(トータルで5時間超)、年末気分に浸っていました。歴史上の出来事もそうですが、個別の事件を詳しく研究する面白さとは別に、個々の事件を長いスパンでの通史として見直すと、それまで見えなかったものが見えることがあります。このFIA公認の公式DVDは、編集が非常に上手く、またレース中のドライバーとピット(チーム指導部)の無線のやりとりなども丁寧に再録していて、非常に内容が充実していたと思います。最低限のナレーションは入っていますが、余計な演出や音楽などはほとんど入っておらず、「素材の良さを最大限に引き出す」スタイルに徹している姿勢に、好感が持てました。

また、個々のレースで発生した「事件」の詳細や背景、その後の関係者の説明コメントなども手際よくまとめられていて、ドライバーやチーム監督などの間に渦巻く複雑な人間ドラマを垣間見ることができるようになっています。さらに、各種のインタビューや過去のチャンピオンが一堂に会したイベントの模様(マリオ・アンドレッティやジョディ・シェクター、ナイジェル・マンセルなどの貫禄満点のおじさんたちの前では、現役最年長の王者である皇帝シューマッハも若造に見えます)、高画質のオンボード映像(スパでフェッテルとバトンが衝突する前の完全1ラップの映像など)などの特典も、それぞれ見応えのある充実した内容でした。

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最終的に今年のチャンピオンになったのは、まだ23歳のドイツ人セバスチャン・フェッテル君。鈴鹿のパドックでは、いつもニコニコして皆に愛されている明るい子供のような雰囲気でしたが、シーズン最後の2戦で優勝して大逆転という劇的な幕切れで、初めての王冠を手にしました。今年は、順位ごとの獲得ポイントに大きな見直しがなされ、1位と2位のポイント差が大きくなり、また1位の獲得ポイントも昔の10点から25点へと変更されたため、レースごとの順位の変動が大きくなって、シーズン終盤まで4人が王座を争うという、近年希に見る面白いシーズンとなりました。やはり、ゲームでも勝利ポイントの配分というのは、エンタテイメントとしての面白さに及ぼす影響が大きく、設定には細心の注意が必要だと、改めて認識した次第です。

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名張市は、今日だけで30センチ近い積雪となりましたが、今夜から明日にかけては各地で引き続き、荒れた天気が続くそうです。皆様も、道路の凍結や強風などに気をつけて、よい新年をお迎えください。来年もよろしくお願いいたします。

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2010年12月27日 [その他(雑感・私生活など)]

単行本 『宿命のバルバロッサ作戦』 の地図制作も、いよいよ大詰めとなりました。今回も、情報をたくさん盛り込んだ各種地図を50点収録します。過去に日本では一度も紹介されたことがないと思われる内容の戦況図もありますので、興味のある方はぜひご期待ください。

さて、最近仕事の休憩時間にテレビをつけると、たまたま兼高かおるさんが出演されている番組の時間とチャンネルに重なるという偶然が、何度もありました。もしかしたら、たくさんの番組に出ておられるのかな、という気もしますが、話の内容がおもしろいので、ついつい見入ってしまいます。



兼高かおるさんは、私が生まれる前にスタートした 『兼高かおる世界の旅』 という、有名な海外紀行番組に出演されていたそうです。ただ、私自身は、この方のお名前だけは知っていたものの、リアルタイムでこの番組を観たという記憶がありません。しかし、大人になった今、この方の足跡をいろいろと調べてみると、感嘆と共に、深い尊敬の念を抱かずにはいられなくなりました。

NTTグループ公式ホームページ インタビュー 兼高かおる
http://www.ntt.co.jp/365/book_data/book_vol19/01-first/index.html

現代のように、気軽に海外旅行へ出られるわけではなかった時代、凛とした立ち居振舞いで未知の世界へと乗り込み、異文化との接触(コンタクト)を悠然と楽しみながら、一つの番組を30年以上も続けてこられたというのは、やはり偉大な業績だと思います(受賞歴の羅列もすごい)。しかも、トーク番組で披露される会話の内容が非常に面白い。若い頃から上品な語り口をされているようですが、結構ウィットの効いたドライな切り返しもあり、取材先ですぐに現地の有力者と打ち解けて、取材の許可や便宜を図ってもらえたという話にも納得できます。

淡路島に「兼高かおる旅の資料館」というのがあるそうなので、来年春以降に一度行ってみようかと考え中。吹田の民博(国立民族学博物館)にも久しぶりに行きたいですが、あそこは数日かけて観ないとコレクションを堪能できないので、これも来年春以降にお預けです。

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画像は公式ホームページより。




ちなみに、私が小学生の頃に毎週楽しみにしていた番組は、この辺りです(もちろん、「こういう系統」ばかり観ていたわけではなく、戦隊ものやアニメなどの子供向けの番組にも熱中していました・笑)。今にして思えば、現在の仕事と多少は関連があるのかな、という気もしますが…。特に 『知られざる世界』 は印象が強くて、ケネディ暗殺事件の検証をした回での佐藤慶のナレーションが、今でも耳に残っています。


知られざる世界



すばらしい世界旅行



驚異の世界



野生の王国


いつの頃からか、民放のテレビ番組は海外のドキュメント物も含めて、どれも「お笑い風味」で味付けしたものばかりになってしまったようです。そのことの是非はここでは判断しませんが、上のYouTubeのコメント欄を見ると、その通り、と頷ける意見が多いのも事実。私の子供時代に、これらの素晴らしい番組を作って下さったテレビ局および制作会社スタッフに感謝します。
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2010年11月4日 [その他(雑感・私生活など)]

ブログ更新の間隔がだいぶ開いてしまいましたが、先週末の10月30日(土)から昨日の11月3日(水)まで、仕事の打ち合わせや「15年越しの対戦成就」(後述)などの用件で、横浜と東京に遠征していました。幸い台風の影響もほとんど受けず、非常に充実した5日間となりました。

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画像は公式ホームページより

初日は、堀場亙さんと横浜美術館で「ドガ展」を鑑賞した後、夕食をご一緒しながらお話しました。ドガの「踊り子」シリーズは、ブエノスアイレスの国立美術館に素描が多く展示されているのを目にして以来、どこかできちんと展覧会を観たいと思っていたところでした。印象派の中では、ドガの赤や黄色の重たい彩色は好きな部類に入りますが、今回の目玉である「エトワール」の優雅な表現(パステルで描かれた踊り子の儚げな美しさ)も素晴らしかったです。姪っ子が何年も前からバレエ教室に通っているので、お土産に踊り子さんのポストカードを何点か買いました。あと、常設展示室にあるシュルレアリスム作品も、前回は見なかったダリやエルンストの作品が何点かあり、思わぬ収穫でした。

堀場さんとは、絵画の話に加えて、文筆の仕事や歴史・戦史、ゲームデザインなど、話題は多岐にわたりましたが、執筆に使用されている新しいデバイスをいくつか見せていただき、新製品の技術情報から取り残されている人間(私も妻も、iPad/iPhoneを「友達に少し触らせてもらったことがある」というレベルです・笑)としては、コンパクトで便利なツールが次々と出ているのだなぁ、と感心しました。私は、以前の記事でも述べました通り、仕事では「紙の書籍」を主な情報源としていますが、PDFでA4判1000ページに達するようなデータ(米陸軍が全訳した「ハルダー戦時日誌」無編集版など)になると、紙への出力など事実上不可能なので、軽くて丈夫で可読性が高くて安価で電力消費も少ない(理想は「電源不要」ですが)PDFリーダーがあれば、PDF資料の閲覧専用機として一台導入したいところです。

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10月31日(日)は、横浜の古豪ゲームクラブYSGAさんの例会にお邪魔して、同会の松谷健三さんとGDW 『ホワイト・デス』 の「15年越しの対戦」を成就できました。この対戦に至るまでの経緯や、対戦の模様(地図上の展開)については、以前の記事のコメント欄とYSGAさんの公式ブログ記事を参照していただきたいですが、まさかこのような形で「時の流れに埋もれて消え去ろうとしていた約束」が果たされる機会がやってこようとは…。これが初対面となった松谷さんと対戦しながら、つくづく、人と人との「縁」といったものを実感させられました。

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対戦そのものは、7ターンまで進行できましたが、このゲーム(あるいは作戦戦術級)の魅力である「白い雪原で双方の各兵科部隊が、それぞれの特質を活かして必死に射撃戦を繰り広げ、砲声と黒煙が戦場を覆う中で、戦況が秤のように少しずつ片方へと傾いたり元に戻ったりする、上質の戦記書を読んでいるかのようなドラマ」を、たっぷり満喫できました。例会の後は、こちらも15年ぶりの再会となった山内会長やYSGAの皆さんと夕食をご一緒でき、各人がシミュレーション・ゲームを始めた頃の逸話や、プレイ経験に基づくさまざまなゲームの評価など、本当に楽しい時間を過ごすことができました。対戦してくださった松谷さんはじめ、YSGAメンバーの皆様、どうもありがとうございました。正式な月例会だけでも、今回で「第256回」とのことで、外的環境の変化にもまったくブレることなく、ゲームの魅力を最大限に引き出して楽しむという姿勢を貫かれた上での活動実績は、このホビーを愛する同好の士として、深い尊敬に値するものだと思います。ぜひまた参加させてください。

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11月1日(月)は、新横浜から八王子経由というルートで東京入りし、お昼はKEN先生と昼食をご一緒して、政局の問題点など興味深いお話をいろいろうかがえました。今年の参議院選挙以来、大きな事件が高波のように次々と現政権に打ち寄せていますが、私は戦史や紛争史の分析を行う時、いつも「当事者が何を主張しているか」よりも「特定の出来事に対して、当事者がどのような反応(行動)を示したか」を調査・観察することで、その当事者が「本当に頭の中で考えている(いた)こと(行動原理や動機など)」を判断する材料にしています。そういう視点で、現政権の諸々の「大波」に対する反応を見ると、ある種の結論に到達せざるを得なくなってしまいますが、それでも参謀将校に近い立場で代議士を支えて、大小の「波」と全力で対峙する姿勢をとっておられるKEN先生のような方は、本当に貴重な存在だと思います。今後ますますのご活躍を期待しています。

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新しくなった第二議員会館最上階からの、国会議事堂(背面)の眺め。

同日の夕方からは、学研さんにお邪魔して、執筆が大詰めを迎えているハードカバー本の最終打ち合わせと、ムック『太平洋戦争』第10巻の担当記事の相談等を行った後、同社編集部の重鎮太田さん、『歴史群像』前編集長の新井さん、同誌現編集長の池内さんと食事しながら、私の関わる仕事の今後の方針などに関する「戦略会議」(笑)を行っていただきました。「バルバロッサ作戦」のような大規模な軍事作戦はもちろん、小規模な作戦であっても、参加する人員の「意思統一」が万全でないと、途中で綻びが生じたり持てる能力をフルに発揮できなくなったりする度合いが高くなる気がしますが、編集・出版サイドの「意思」や「目標設定」をなるべく詳細に把握することで、私が執筆者として関わる出版物の完成度を高めることにより貢献できればと思いました。また、私の過去の仕事について、いろいろな角度からの質問や指摘を受けることで、特定の能力をさらに磨いたり、新たな分野への能力を開拓したりする上でのプラスにもなるので、現在年二回で行っている上京は、職業人としての私にとって大変有意義な(あるいは不可欠な)イベントとなっています。来年は、あと一回くらい増やしてもよいかもしれません。

11月2日(火)は、上野の国立科学博物館で開催中の「空と宇宙展」を観に行きました。「はやぶさ」関連の展示が充実していたこともあり、平日の午前にもかかわらず館内は大盛況でしたが、ちびっこから年配の方まで年齢層が幅広く、また女性の姿も多く見られ、企画展としては大成功だったようです。個人的には、昔勤務していた会社の雑誌記事で紹介したこともある二宮忠八の直筆書状(しかもカラスのイラスト入り!)などに感動しましたが、人気が集まっていたのはやはり「はやぶさ」とYS11関連のコーナーでした。帰還カプセルやその時の降下パラシュートなどは、別室に展示した上、ガードマンが両脇を固めて「写真撮影は厳禁。もし撮ったらその場で削除していただきます」という、まるでレーニン廟のレーニンの遺体のような物々しい扱いでしたが、カプセル本体はどう見ても普通の調理用のナベにしか見えず(笑)、言われなくても写真なんて撮らないよ、という感じでさりげなく通過しました。

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画像は公式ホームページより

その後、神田神保町で開催中の「神田古本まつり」を少し覗いてから、日比谷に移動して、以前の記事でご紹介したアイルトン・セナの映画を観たり、「高橋コレクション日比谷」という現代美術の展示会場で奈良美智さんの作品を観たりして過ごしました。昔は、神田に行くたびに大量の古書籍を購入して指が痛くなったものですが、最近は上京しても神保町に足を向けることがほとんど無くなり、今回もいろいろ店舗を見て回ったものの、結局何も買わずに立ち去りました。執筆の仕事に古い文献は不可欠なので、今でも一般の人よりも大量の古書を購入してはいるものの、古本屋に入って「ワクワクする」という感覚は、今はもうなくなってしまいました。この辺りの心境の変化については、いずれ整理して書こうと思っていますが、間違いなく私の中で何か大きな変化が生じているようです。

11月3日(水)は、まず六本木の国立新美術館で開催中の「ゴッホ展」を鑑賞しました。ゴッホ好きの妻から、この画家のエピソードをいろいろ聞くうち、「アルルの寝室」のような有名な絵も今までとは少し違う視点で観ることができるようになりましたが、今回は二点の自画像が特に印象に残りました。また、生前は全く評価されず、後世に「天才」と見なされた一人の画家の足跡を丁寧に追うという企画の趣旨も、なかなか興味深いと思いました。影響を受けたと思われる画家(スーラやモネなど)の作品を併せて展示することで、創作手法の変遷を探るという試みも、なるほどという印象でした。

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画像は公式ホームページより

この展覧会を観た後、六本木で昼食を食べて、帰りの午後6時発の新幹線まで時間があったので、あまり深く考えずに両国の「江戸東京博物館」に行ってみたのですが、そこに展示されていた歌川広重の浮世絵を観ているうち、つい数時間前に観たゴッホの作品のいくつかが重なり合って見え、これは確かに影響をだいぶ受けている(ゴッホが広重から)と確信できました。もしゴッホ展をご覧になる予定の方がおられましたら、こちらの博物館も覗いてみられることをお薦めします。江戸~東京にまつわる展示も非常に充実していて、想像していた以上に楽しめました。

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画像は公式ホームページより

今回の関東遠征でも、いろいろな方が会ってくださったおかげで、非常に充実した時間を過ごせました(樋口さん、坂本さんが急に体調を崩されて、お会いできなかったのは残念でしたが、また次の機会に)。皆様、お忙しい中で時間をとっていただき、本当にありがとうございました。これで、年内の長距離移動の予定は一応完了し、あとは月内にハードカバー本を脱稿すべく最後の加速に入ります。

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2010年10月9日 [その他(雑感・私生活など)]

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昨日は久しぶりの鈴鹿詣ででしたが、今回はあるお方のご厚意で、使用者指定のない「パドック・パス」を、金曜日だけお借りすることができ、長年の憧れであったF1のパドックを初体験してきました。上は、グランドスタンド下からコースの対岸へと通じる「パドックトンネル」のようす。このトンネルを抜けて右側にある回転バー付き電子ゲートをくぐると、パドックエリアに入れます。

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各チームのピット裏では、これから使うタイヤの管理や、セッションで使い終わったタイヤとホイールの洗浄などが行われています。写真はルノーチームのクルーがタイヤのメンテナンスをしているところ。RKはロバート・クビサ、VPはヴィタリー・ペトロフのイニシャルです。

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テレビ解説などで時おり出てくる「グレイニング」とは、タイヤ表面の「ささくれ」を指す言葉ですが、実物を間近で見ると、一定の距離を走りこんだ「スリック(つるつる)タイヤ」の表面は、けっこう荒れた状態になるのがわかります。

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セッションを終えたタイヤの状態をチェックする、ブリヂストンのモータースポーツタイヤ開発本部長・浜島裕英さん。パドック内を歩いておられる時は、穏やかなおじさんという感じですが、仕事モードに入ると視線が刃物のように鋭くなり、近寄り難いオーラが漂います。1997年からF1にタイヤ供給し、シューマッハのフェラーリでの黄金時代を支えてきたBSも、今年でいったん契約終了となります。おつかれさまでした。パドックには、セナ・プロスト時代のホンダ黄金時代を築いた後藤治さんの姿もありました。

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お昼休みの時間帯の、各チームのピットガレージ。上から、マクラーレン、ウィリアムズ、フェラーリ、ルノー、レッドブル。どこも清潔でピカピカです。たまにチームスタッフが、仲間のクルーのために、自分のチームのラウンジからサンドウィッチなどを山のようにお盆に載せて運んでいたりします。職人さんのメカニックは、限られた時間をフル活用するために、食事の時間も惜しんでマシンの調整に没頭中。

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金曜はメディアの数が少ないので、セッション後のドライバーに行う「囲み取材」も、さりげなく間近に寄って見聞きできます。マクラーレンの2人は、デグナーで苦戦しているようでしたが、決勝はどうなりますか。ジェシカ様ももちろんお見えでしたが、大変お美しく、また可愛らしい方でした。

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ドライバーが姿を見せると、一瞬にして人だかりができます。金曜は午前と午後に各1時間30分の練習走行がありますが、ドライバーも全体的にリラックスした雰囲気です。こんな機会は二度とない可能性が高いと思われるので、私も童心に帰って(笑)、お気に入りのドライバーにサインをねだってしまいました。

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関心のない人には、ただの見苦しく汚れた帽子にしか見えないと思いますが…。つばの部分に、フェルナンド・アロンソ、ジェンソン・バトン、ルイス・ハミルトン、ロバート・クビサ。鉢の部分には、ミハエル・シューマッハ、セバスチャン・フェッテル、そして小林可夢偉。2年ほど前に名張ジャスコにて1000円くらいで買ったキャップですが、もう外には被って行けない超お宝アイテムになってしまいました。

世界最高のプロフェッショナルたちが働く「仕事場」を、すぐそばで見学するという希有な体験のおかげで、体内の燃料電池は一挙にフル充電できました。これでハードカバー本の仕上げまで、フルスロットルで行けそうです。貴重な機会を下さったM様、本当にありがとうございました。

今日の予選は大雨で明日に延期となってしまいましたが、日本人ドライバーには珍しく鈴鹿に馴染みの薄い可夢偉君が、決勝レースでどこまで頑張ってくれるか、大いに期待しています。

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2010年9月1日 [その他(雑感・私生活など)]

先月の後半から、ブログの更新ペースが週一回くらいに低下する流れが定着してしまいました。その原因は、ハードカバー本の執筆と自治会関係の仕事が山積していて、それ以外にまとまった時間がとれなくなっていることですが、今日も1時間ほど自治会の仕事に時間を費やしました。

経験のある方はご存知かと思いますが、自治会長の仕事というのは、一つ一つの作業は時間的にも労力的にもさほど負担ではないものの、それが大量に、しかも予想のつかない形で、突然降って湧いたように押し寄せてくるので、トータルで見ると事前に想像していたよりもハードな役職です。今日片づけた仕事というのは、名張市からの委託を受けて自治会で行っている除草作業の報酬支払いの手配や、週末の会議に必要な資料の整理、そして「町内にサルが現れた」という通報に基づく回覧文書の作成などでした。

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ゲームエイプなら一緒に遊べますが、ワイルドモンキーは人間社会にとってはちょっと困った存在です。

同じ町内で、自治会長と一緒に仕事をしてくれる「班長」さんは、年齢はいろいろですが、みんないい人ばかりで、それが精神的な救いになっている面がかなりあります。ただ、各町の自治会長が集まって市の地域政策担当者と話したりする、一般社団法人の会議などに出てみると、住民の生活を改善するというシンプルな構図とは異なる、今まで認識していなかった(または認識が浅かった)「社会の仕組み」あるいは「物事を動かす別の動力」が見えてくることがあり、社会勉強になる反面、日本の政治構造や組織構造がいつまでも変化しない重要な原因を思い知るような気分になることもあります。

例えば、テレビや新聞、ネットなどの報道では、一般に「○○のムダ」といった単純な表現が頻繁に用いられますが、実際にはその(市民の目線で見れば)「ムダ」と思える部分から、少なからず利益を得ている人がいるからこそ、その構図が平然と次の世代へと継承されて、温存される結果となります。そんな事例に触れると、職業的な性(笑)か、この構図をゲームにするとしたら、プレイヤーはどんな「陣営」で、それぞれの「勝利条件」はどう設定すべきだろうか、などと、頭の中で別の考えを膨らませて遊んでしまいます。

連日大手メディアで報道されている政局の情報に接して、これをゲーム的視点から捉えているゲーマーの方は、けっこう多いのではないかという気がします。「ゲーム的視点に置き換える」ことで、現実を多角的に読み解くことができる場合が多々あると思われるからです。ケン先生のブログにあるような、現首相と元幹事長が党首ひいては首相の座を争う、という図式でのゲーム化も悪くないですが、私はもう少し引いた視線で、SPI社の『ロシア内戦』のような黒幕もののゲームにすることも可能ではないかと思います。

大手メディアの報道は、おそらく意図的にやっているのでしょうが、例えば現与党と前与党の対決、あるいは現首相と元幹事長の対決、といった、政治家同士の二極対立の構図で物事を見て理解するように、受け手を誘導しています。しかし、例えば「選挙で選ばれた代議士陣営」対「国家公務員陣営」というような、引いた視点からの別の構図で見れば、現在の状況は後者の圧勝に近い展開になっているように見えます。

現与党の前首相は、改めて説明するまでもなく「代議士陣営」対「国家公務員陣営」という対立図式において、前者の力を強めることを公約して当選し、いわゆる「政権交代」を成し遂げました。そして実際、前首相の誕生から数か月間は、「国家公務員陣営」がきわめて不利な展開となっていたように記憶しています。

けれども、あれからまだ1年ほどしか経過していないのに、ゲームマップ上の情勢は、完全に逆転してしまったようです。「代議士陣営」の内部で内輪もめが延々と続けば、当然のことながら「陣営」全体の戦力は大きく低下し、相対的に「国家公務員陣営」の戦力が向上することになります。そして、大手メディアが「代議士陣営」の醜悪な揉め事を大々的に報じれば報じるほど、その傾向は助長されていきます。「代議士陣営」の人間に対して「あんな連中に任せられない」という意見が大衆レベルで増加すれば、「代議士陣営」を脅威と感じる別の陣営にとっては、相対的に有利な展開ということになります。

ただし、言うまでもなく「国家公務員陣営」も決して一枚岩ではなく、旗振り役のリーダーが存在するわけではないようです。従って、特定の個人を「国家公務員陣営」のプレイヤーに当てはめることは難しく、その陣営内部における行動原理や、大手メディアとの相互依存の関係といった要素も、ルール化する必要があるように見えます。

大手メディアは、前首相の誕生時には好意的に政権を持ち上げ、あたかも「政権交代」という単なる一過性の現象に何か重要な意義があるかのように、受け手を誘導する報道を行っていました。しかし、ある時期から突然、彼らが態度を翻して「国家公務員陣営」に好意的な方向へと舵を切ったとしたら、そのきっかけとなった要素も「勝利得点」に関連する形で、ルールに含めなくてはなりません。

正直なところ、「代議士陣営」と「国家公務員陣営」のどちらが優勢となった方が、日本社会の「最大多数」にとって好ましいのか、今の私は自信を持って「こうだ」とは言えないのですが、少なくとも一つ確かなのは、ある陣営と別の陣営との争いは、その対立図式よりも広い範囲を扱うゲームでは、争っている両方の陣営にとって「負け」に繋がる場合が多いということです。

かつての戦争で、陸軍と海軍は互いに「威信と面子」をかけて、異なる陣営で対立・競合し、予算や兵器開発の人的リソースも「協同」ではなく「競合」する形式にしてしまった結果、ただでさえ少ない資源がさらに非効率的に分配され、最終的には「その対立図式よりももっと大きな範囲を扱うゲーム」で陸軍・海軍両方の陣営が共に「別の大きな勢力」に完敗するという悲惨なエンディングとなりました。

F1などの自動車レースにおいても、トップを走るドライバーにとって最も望ましいのは、2位と3位のマシンが接近して激しい競り合いを演じてくれるという展開です。競り合いの状況下では、前を走るマシンは「一番速くコーナーを抜けられるライン」ではなく「そのコーナーの入口で後ろのマシンに抜かれにくいライン」を選んで走らねばならず、ブレーキングも「一番速くコーナーを抜けられる形」ではなく「そのコーナーの入口で後ろのマシンに抜かれにくい形」で行うことを強いられ、そうすると当然一周のラップタイムは少しずつ落ちて、トップと2位の差は周回を重ねるごとに広がっていきます。

「一見するとムダな情報の垂れ流し」に見える(かもしれない)大手メディアの報道も、それで利益を得ている陣営があちこちに存在するのであれば、外部から批判してもほとんど無意味ということになります。しかし、自分の属さない陣営内における「小さいゲームの勝敗」が重要な意味を持つかのように受け手を誘導することが、果たして「より大きなゲーム」で自分の属する陣営にとってプラスの勝利得点になっているのかどうか、という問題は、おそらく「国家公務員陣営」や大手メディアに勤務する方々にとっても、決して他人事ではないはずだと思います。

あと10年くらいすれば、今行われている諸々のゲームの結果も出ているだろうと思いますが、盤上に並ぶゲームの駒の一つという立場からすると、結局前回の対戦と同じような展開でこの国は負けました、という結末だけは勘弁してくださいと「プレイヤー」の方々にお願いしたいですね。
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2010年8月25日 [その他(雑感・私生活など)]

今週も、引き続きハードカバー本の執筆に明け暮れる単調な日々ですが(マンネリの書き出しですいません)、休憩時間の気晴らしに覗くYouTubeで、最近よく観ているのが、ラグビーのニュージーランド代表「オールブラックス」のハカの映像です。



ご存知の方もおられるかと思いますが、「ハカ」とはマオリ族の戦士が重要な戦いの前に踊る儀式で、初めて聞いた時には「気合い入れて~!」「頑張って、頑張って!」と聞こえたので、日本と何か縁があるのかと思いましたが、ただの空耳で、関係はまったくありませんでした(笑)。



「カ マテ! カ マテ!」とは「私は死ぬ! 私は死ぬ!」という意味で、命を助けられた族長が感謝の気持ちで舞った踊りが起源だとか。NHK『プロフェッショナル』の復活がまだ先で、最近はエネルギーをもらえるテレビ番組が欠乏しているので、コンビニで買ったドリンク剤を飲み干すように、こういう栄養のありそうな(笑)短い動画を探してはエネルギーを補充しています。



上のは、少し古いバージョンで、最後にノドを掻き切るポーズはスポーツの場にふさわしくないということで、今は無くなっています。ちなみに、ハカはニュージーランドだけではなく、トンガなどの南太平洋地域のナショナルチームも行います。次のは、ニュージーランドとトンガの「ハカ合戦」のようす。



この「ハカ」は、日本でも今年の初めに公開された、クリント・イーストウッド監督作品『インビクタス』でも、印象的な描かれ方をしていました。



この作品といい、前作『グラン・トリノ』といい、少し前の『硫黄島』二部作といい、遡っては『許されざる者』といい、イーストウッドは本当に素晴らしい作品を作る監督さんだと思います。決して筋書きを「奇麗ごとだけ」にせず、現実の冷厳さを観客に突きつけて、それでいて最後には全てを肯定して「つらいけどこの現実を生きよう」という希望も、一輪の花のようにさりげなく添えておく。

映画の話は回を改めて書こうと思いますが、過去と現在のアメリカという国と真摯に向き合って作品作りをしている、イーストウッドとジョージ・クルーニーの作品群は、私にとっては観るたびにいろいろなものを得られる貴重な存在です。とりあえず『インビクタス』は、本(原作のノンフィクション)も映画もお薦めです。

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2010年8月2日 [その他(雑感・私生活など)]

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町の夏祭りは無事に終わり、今月の残りはハードカバー本の執筆に専念できそうです。東8番町の夜店もたくさんの子供たちが集まってそれなりに繁盛していて、オリジンズの会場でブースを借りてシックス・アングルズを売っていた時のことを思い出しました。最後にオリジンズへ行ったのは2001年でしたが、入国者から強制的に指紋を採取するようになってから、なんとなく嫌な感じがして、あの国を旅行先の候補から外すようになりました。また行きたい場所、居心地のいい場所、また会って話したい人は、あの広い国の中にたくさんある(いる)んですけどね…。

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ここ最近は、姪っ子のバレエ発表会を見に妻と京都へ行った以外は旅行もせず、自宅とその周辺で燻っていますが、そんな単調な日々の中で数少ない気晴らしになっているのが、庭で育てている野菜の世話です。今年は、アスパラガスとキュウリが大豊作で、濃厚な味わいの採れたて野菜で英気を養っています。

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収穫したばかりのアスパラガスたち。軽く塩茹でしただけでも美味しくいただけます。アスパラの栽培は、根っこの塊を植えてから3年目にならないと収穫できないという、気の長い作業ですが、根気強く待った甲斐がありました。上の写真は、春(4月20日)に最初の芽が出始めた頃のようす。

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こちらはキュウリ。ベランダのプランターと庭で地植えの二通りで栽培していますが、地植えの方はもう手がつけられないほど大きく育っています。いったん軌道に乗ると、非常に生育が速くて、うっかりしていると大きな葉っぱに隠れた実を見落として、下のような巨大化した実になってしまいます。これだけ大きくなると、もう食べられないように見えますが、レモンのラムネのように酸っぱくなった種をていねいに取り除けば、スイカの皮沿いの白い部分みたいな風味の「身」をサラダなどで食べられます。

これ以外にも、いろいろと植えていますが、枝豆とピーマンは今回は失敗に終わり、オクラは小規模に収穫し、トマトはそろそろ色づいて最初の実を何個か収穫できました。あとはスイカも試しに植えていますが、茎はたくさん伸びて栄えているものの、一向に「実」らしきものは姿を見せず、果たしてどういう展開になるのか、という感じです。

丸々と膨らんだ実や茎を切り取る瞬間は、ちょっと申し訳ない気分になりますが、その代わり水や肥料は欠かさず、葉っぱや茎はなるべく切らず、支柱をたくさん立てて、好きなだけ伸ばしてやるようにしています(本当は適度に間引いたり刈ったりする方が効率はいいらしい)。プランターだけでも、土を多めに盛って根っこが縦深に張れるようにしてやれば、けっこう大きな実がなるので、興味のある方はぜひお試しあれ。採ってすぐに食べる野菜は、本当に美味いですよ。
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